赤の王 2017-06-04 16:26:15 |
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>匿名さま
(/初めまして、此方のトピに興味を持って頂き質問を有難うございます。アリスの条件である孤児院出身と精神病院からの迷い込みの二点を抑えて頂ければ設定に問題が御座いませんのでご安心くださいませ!背後さまが練っておられます設定にてプロフを作って頂ければと…!分かり辛い案内で申し訳ないです…!)
名前 / ハンニバル・ロイス
年齢 / 45歳
性別 / 男
性格 / 物腰が柔らかく、言葉遣いや振る舞いは穏やかで上品且つ紳士的。初見での印象は"人当たりが良く心優しい中年男性"と言った所である事が多く、実際普通に接している内はそれも間違いではない。普段はどちらかと言えば社交的な部類に入る振る舞いをしているし、人との付き合いに対してそう消極的な方では無いが、心根はと言うと利己的で少々陰鬱な傾向がある。自分の中の理想に忠実であり、それに他者からの干渉や妨害を受ける事を非常に嫌う。他者との繋がりが深くなればなるほど、自身の理想に反する事象が起こったり、要らぬ干渉を受けてしまう可能性が高くなりがちである事から、自然と人付き合いは広く浅くを心がけている。その分自分自身に関する事にはきちんとプライドをもっており、自分自身に対しては非常に厳しい。そうして常に自己を強く意識していると言う事もあって、自分を理解し、受け入れ、支持する姿勢を見せてくれる相手には好意的になりがちな節がある。
容姿 / アッシュブロンドの長髪を緩くひとつに束ね、前髪はセンター分けにしている。重度の近視で眼鏡を手放せず、銀フレームの丸眼鏡を愛用。鳶色の垂れ目、笑うと目尻に小さな皺が浮かぶ。表情は穏やかである事が多く、眼鏡の形状から柔らかな印象は更に強まっている。薄い唇の左下にほくろがあるのが特徴的。身長は180cm、老化に負けたく無いと言う理由で日頃からトレーニングを欠かさず、その努力の甲斐あって年齢の割には筋肉質で引き締まった体つき。白人らしく肌の色は白い。白いカッターシャツに黒いベストとスラックス、ネクタイは深めのブルー。丁寧に磨かれた黒い革靴と、その上から更に黒いコートを羽織っている。右手の人差し指にシルバーの指輪をしているが、その他特に装飾品の類は身につけていない。
備考 / 幼い頃から「無機物が喋る」と言う幻覚及び幻聴症状に悩まされていた経緯があり、30歳を迎える頃まで定期的な通院を続けていた。通院を辞めたきっかけとしては、30歳を迎えて漸く症状がほぼ無くなる所まで回復した為。それ以来15年間、精神病棟を訪れることは無いまま生活をしていた。現在は自らが立ち上げた孤児院の理事長を勤めており、症状が治まってからは随分と長い間自らの意思で精神病棟に近づく事を避けてきたが、自らのルーツとも言えるその場所へ15年振りに訪れた日に不思議の国へ迷い込むこととなる。一人称は「私」、二人称は「君」。非喫煙者であるが酒好きで、じっくりと時間を掛けて長々と飲む事を好む。実は水嫌いでカナヅチ、海もプールも川も湖も、とにかく水辺は嫌いで近付かない。
( / №200にて質問をさせて頂いていた者です。早速のご回答をありがとうございました。
設定に関しては問題無いとの事でしたので、予定通りこの様な設定にさせて頂いております。
尚、開始は不思議の国に迷い込んでから3日ほどが経過した頃、
既に一通り不思議の国の案内と自らの境遇について説明を受けた後…でお願いできればと。
開始時に対応出来るよう、ロルテとしてその場面に合わせたものを書かせて頂きました。
最後になりましたが、指名につきましてはどうしても迷って迷って決めかねてしまい、
お任せにされている方がいらっしゃったので、勝手ながら私もそうさせて頂けますでしょうか…
当方との相性、主様の絡みやすさなどで判断して頂ければ幸いです。
長々と失礼致しました。プロフィールのご確認、参加の可否のご検討を宜しくお願い致します。)
( / は、大変申し訳ございません…!
№202の者ですが、ロルテが消えてしまっていますね…
きちんと載せたものを投稿し直しますので、暫しお待ちください、申し訳ありません!)
名前 / ハンニバル・ロイス
年齢 / 45歳
性別 / 男
性格 / 物腰が柔らかく、言葉遣いや振る舞いは穏やかで上品且つ紳士的。初見での印象は"人当たりが良く心優しい中年男性"と言った所である事が多く、実際普通に接している内はそれも間違いではない。普段はどちらかと言えば社交的な部類に入る振る舞いをしているし、人との付き合いに対してそう消極的な方では無いが、心根はと言うと利己的で少々陰鬱な傾向がある。自分の中の理想に忠実であり、それに他者からの干渉や妨害を受ける事を非常に嫌う。他者との繋がりが深くなればなるほど、自身の理想に反する事象が起こったり、要らぬ干渉を受けてしまう可能性が高くなりがちである事から、自然と人付き合いは広く浅くを心がけている。その分自分自身に関する事にはきちんとプライドをもっており、自分自身に対しては非常に厳しい。そうして常に自己を強く意識していると言う事もあって、自分を理解し、受け入れ、支持する姿勢を見せてくれる相手には好意的になりがちな節がある。
容姿 / アッシュブロンドの長髪を緩くひとつに束ね、前髪はセンター分けにしている。重度の近視で眼鏡を手放せず、銀フレームの丸眼鏡を愛用。鳶色の垂れ目、笑うと目尻に小さな皺が浮かぶ。表情は穏やかである事が多く、眼鏡の形状から柔らかな印象は更に強まっている。薄い唇の左下にほくろがあるのが特徴的。身長は180cm、老化に負けたく無いと言う理由で日頃からトレーニングを欠かさず、その努力の甲斐あって年齢の割には筋肉質で引き締まった体つき。白人らしく肌の色は白い。白いカッターシャツに黒いベストとスラックス、ネクタイは深めのブルー。丁寧に磨かれた黒い革靴と、その上から更に黒いコートを羽織っている。右手の人差し指にシルバーの指輪をしているが、その他特に装飾品の類は身につけていない。
備考 / 幼い頃から「無機物が喋る」と言う幻覚及び幻聴症状に悩まされていた経緯があり、30歳を迎える頃まで定期的な通院を続けていた。通院を辞めたきっかけとしては、30歳を迎えて漸く症状がほぼ無くなる所まで回復した為。それ以来15年間、精神病棟を訪れることは無いまま生活をしていた。現在は自らが立ち上げた孤児院の理事長を勤めており、症状が治まってからは随分と長い間自らの意思で精神病棟に近づく事を避けてきたが、自らのルーツとも言えるその場所へ15年振りに訪れた日に不思議の国へ迷い込むこととなる。一人称は「私」、二人称は「君」。非喫煙者であるが酒好きで、じっくりと時間を掛けて長々と飲む事を好む。実は水嫌いでカナヅチ、海もプールも川も湖も、とにかく水辺は嫌いで近付かない。
ロルテ / (45年も生きていれば、人間は様々な事を経験する。自分自身もまたこれまでに沢山の事を経験し、その度にそれなりに上手く立ち回ってきたと自負しているつもりだった――が、今回の事については流石に少々戸惑いを感じずにはいられない。正常な人間には到底理解して貰えそうもない幻覚や幻聴から漸く解放され、それまで"異常"とされていた自分が"正常"を手に入れてから15年という年月が流れ、その平穏にどっぷりと浸かっていただけに落胆めいた気持ちすらあった。何の前触れも無く見知らぬ土地へ迷い込んでから三度目の朝。一度目は何かタチの悪い夢でも見ているのかと逃避し、二度目は覚める気配の無い夢に苛立ち、三度目にはこれが現実であると受け入れなければならない事と自分が逃避という道に走っていた事を嘆いた。そんな、ずぶずぶと沼の中に沈み込んでいくような気分のまま訪れたのは城の中庭。花壇で美しく咲いていた赤い薔薇の花をひとつもぎ取り、噴水の淵に腰を下ろして掌の中の鮮やかな赤を見詰めて)――"異常"とやらに、随分とまた好かれてしまったものだな。
( / 連投になってしまい、大変申し訳ございませんでした。
これで正式なプロフィール提出とさせて頂ければと思います。
宜しくお願い致します。)
>ハンニバル
(/素敵なアリスの迷い込みを有難うございます…!プロフィールやロルテに不備など視られなかった為、是非ともお時間が合った際にはお相手を宜しくお願い致します。)
>交流枠を二名まで募集、新規プロフィールは随時募集中
※途中お返事が遅れる事が有るかもしれません
提供キャラクター
http://www.saychat.jp/bbs/thread/620533/res/148
( / 参加許可ありがとうございます……!宜しければ、イラリオが不思議の国に迷い込んですぐのシーンからといいますか、銀河の塔付近で地面にうつ伏せで眠りこけているのでその辺りからユニコーンくんにお相手していただけないでしょうか? )
( / 参加のご許可頂く事ができ、嬉しい限りです。ありがとうございます。今後ともよろしくお願い致します。現在交流枠を募集中との事で、もし宜しければ私も交流をお願いできますでしょうか?先にご希望されている方がいらっしゃいますので、2人同時の交流が難しい様でしたら、また出直させて頂きます。ご遠慮なく仰ってください。)
>イラリオ
……ねぇ、ちょっと。ねーぇ、って、(根無し草のように塔を後にしようとしていた矢先、行き倒れの如く倒れている姿を見つければ放って置く事も出来ず。傍にしゃがみ込みちょんちょんと指先で突くように数回触れて「アリス、アリス、こんな所で寝ないでちゃんと城に帰りな」この国にいる見知らぬ誰それは全員アリス、引いて言うならば見極めて呼び込んだ張本人である自分は既に誰を招いたのかを覚えていない。故に、アリスと言う存在の多くが赤の城に有る薔薇園に迷い込む姿を当然と見て来たため、初めて迷い込むアリスがそれ以外の場所で迷い込む事が有るとは思わずに、既にこの国に慣れ親しんだ存在なのだろうと勝手な解釈の元に起こす様な声掛けを行って。中々目覚めないその姿に頭を拉げると愈々力技と言わんばかりに肩へ手を伸ばしワサワサとゆする様に力を込めて「アリス!」と一度力強く名を呼んで)
(/それでは早速その流れにて交流文を提出させて頂きます…!どうぞ、宜しくお願い致します。)
>ハンニバル
――驚いた、自分が好かれてるだなんて自惚れにも程が有る。美しい薔薇を殺めて言う台詞がソレだなんてね(赤い薔薇が咲き誇る庭はこの場所に佇むだけで美しさを摂取し満たされる思いを与えてくれる、美しさと共に過ごす時間が何よりも己にとってのリフレッシュであり胸焼けするほどの濃い香りを肺まで吸い込んで。不意に感じ取る人の気配に片方が折れ曲がる耳をピクリと揺らし、誰がいるのだろうと気配を頼りに歩み寄り、見つけたアリスは初見の人物であり。偶然にも見つけたシーンが薔薇を一つもぎ取った場面で、思わず絶句し生唾を呑み。次ぐ聞こえた言葉に突っかかるように持ち前の嫌味を伴って話しかけ「やぁ、どうも。アリス、」厭味ったらしい笑みを浮かべては正面に立ち、失礼にも値踏みをするような視線を頭の先から足の先まで送り「君が異常を好んだんだろ」ニコリと澄ました笑みで口元に弧を描き揚げ足取りをするような口ぶりで続け)
(/お気遣い有難うございます…!二名まででしたら大丈夫ですのでご遠慮なく相手をして頂ければ嬉しいです…!一先ず、三月兎で交流に向かいましたが他のキャラが良ければ随時変更可能ですので遠慮なく伝えて下さいませ!どうぞよろしくお願い致します)
>ユニコーン
( 良く晴れた日だった。荷物を纏めて部屋を出た後は、お世話になった看護婦たちに挨拶をして家に帰るだけ。文句なしの退院日和―――つまり昨日までは病院のベッドに拘束されていたわけで、貧血っぽいとか、遅くまで飲み明かしていたとか、そんなことは決してなかったのだ。なかった、のだが。病院を出る直前、ガラスの自動ドアに映る自分が前のめりに傾くのを見た。倒れるとか崩れ落ちるとかいうよりそれは、立っていられなくなったというのがきっと一番正しい。両手に抱えていた荷物はどさりと先に地に落ちて、次いで膝が床と接した後の記憶がないのだ。何か一言発する間もなく、多分、ものすごくあっという間の出来事だった。 )
ん……あれ、誰?……どこ?
( 誰かの声で、ふっと意識が浮上した。心地良い微睡から無理やり引き上げられる感覚は決して気分の良いものではなかったけれど、仕方なしに数度瞬きしてやっと開いた眼に映ったのは一人の男性で。街を歩いていたらぎょっとするようなそのカラーリングも、ぼんやりした頭は気に留めない。のっそり身体を起こすと、意識して見渡さなくたって視界に写り込む見知らぬ風景にぽかんとして。寝起き特有のぼそぼそした喋り方で上記を述べると、とりあえずは立ち上がりきょろきょろと辺りを見渡して。 )
( / レス消費申し訳ありません、背後会話のお返事を張り付けるのを忘れておりました……!
絡み文ありがとうございます。至らない部分もあるかと思われますが、精一杯お相手務めさせていただきますのでこちらこそよろしくお願いいたします! / 此方は蹴っていただいて構いません )
>イラリオ
地べたで寝るなんて変なアリスだね、城に帰ればふかふかのベッドが待ってるでしょ(寝起き特有の怠惰的動きを急かす事無くしゃがみ込んだ体制のまま膝に肘をついて頬杖を、ぼんやりと眺める様な眼差しを送ればからかうような言葉を続け。まるで初めてこの国に入り込んだとでも言わんばかりの反応に頭を捻ると「―――?、誰かに案内されて塔に遊びに来たんじゃないの」頭を傾けたまま疑問符を持つ声色で周囲を見渡す姿を指摘し、慣れないアリスの多くが他の住人を連れて出歩いている為、相手を誘導した住人は誰だろうと自らも顔を上げて周囲を見渡し。「僕はユニコーン、大分前に会ってるよ。忘れちゃったけど」頬杖に使用した手を下せばふふと小さく息を漏らす笑い声を上げて、最後には自身も忘れている為に肩を竦ませて見せて。「ねぇ、もしかして……。迷い込んできたばかりのアリス?」珍しい事も有るもんだと思いながらも珍しい事しか起こらないこの国ならばあり得る話だと納得してから尋ねかけ)
>三月兎
おや、つまらない独り言を聞かれてしまったようだ。(独りで掌の中の薔薇を見詰めながらあれこれと考え事をしている内、此処が城の敷地内であると言う事、そして他者の存在などすっかり忘れ去ってしまっていた。先程躊躇い無く薔薇の花をもぎ取った自分の姿に彼が絶句した事には勿論気が付いていない。それどころか、彼が目の前に立っても尚顔を上げる様子は無く、声を掛けられて始めて何処か気怠げにゆっくりと頭を上げるとその厭味っ気たっぷりの笑みを視界に納めて薄く微笑み)生憎、有り触れた美しさには興味が無いのでね…然程。(彼の言葉に耳を傾けながら、再び掌の中の死んだ薔薇を見詰める。まるで競い合う様に花壇の中で犇めき合いながら美しく花を咲かせていた薔薇の命を奪った事を、微塵も反省はしていない様である。薄い花弁の隅に、色素を失い茶色く萎れかけた箇所を見つけてはそれを親指の腹でゆっくりとなぞり「それどころか――この薔薇は、言うなれば劣等生さ。」と、溜息に混ざった様な掠れた声で吐き捨てながら前方の彼へとその薔薇を投げ渡して)異常を好んでいるつもりは無いが…まぁ、少なくとも君の瞳には私はさぞ異常に映るようだ。わざわざ、嫌味を告げに来る程度にはね。
( / すっかり遅くなってしまいましたが、ありがとうございます!三月兎さんにお声を掛けて頂けるとは光栄です。無礼を働く事もあるかとは思いますが、宜しくお願い致します。では、背後はこれにて。)
>ハンニバル
___っ、(投げ渡された薔薇を落としてしまわないよう反射的に両手を伸ばし受け止めて、手の内に落ちる薔薇に目を向けると劣等生と述べられた理由が即座に理解でき。かと言ってそれを認めることは出来ずに飽く迄もこの国において全てと言える美しさの薔薇を指の腹で撫で。薔薇を見るため落としていた視線を上げれば迷うこと無く相手の姿を捉えて数秒ほど見つめ「アリス、君が薔薇を捥いでさえいなければ。僕はこうして嫌味を伝えに来ることなんて無かったよ」薔薇を慈しむような丁寧な動作で白衣のポケットへしまい込み、一度城へ目を向けてから再び相手の姿を視界に捉え「やぁ、アリス。この国に良く来たね__城に行くなら他の誰かに拾ってもらいな。薔薇に悪戯されて此処から抜け出せなくなる」先ずは簡潔に相手のことを迎える挨拶を、続く城への誘導を己以外に託すと「僕はこの子の美しさを保たせる為に一刻も早く家に帰らなきゃ」美的感覚の狂いがあれば枯れ始めの薔薇でさえ美しいに変わりなく、肩をすくませた動作を見せつつ城の反対側へ目を向けて白衣を翻せば踵を返し「アリスはどうするの」顔だけを振り返らせ城に向かうのか自身についてくるのかを選択肢にして)
>三月兎
これはこれは…失礼をした。君にとってあの薔薇がそんなにも価値のあるものだとは思いもしなかったものでね。(宙を舞う薔薇を見た彼がどうするのか、試す様な眼差しがその動きをじっと見詰めていた。両手でそっと、放っておいても直ぐに萎れ始めてしまうであろうその薔薇を受け止めた彼の姿に目を細めれば、反省の気持ちなど欠片も有りはしないのだが少なくとも言葉の上では彼の嫌味を生み出した先の行いについてを詫びる。とは言え、自分にとって彼の掌の中にあるのはあくまでも"死んだ薔薇の劣等生"であり、慈悲をもってそれを扱う彼を理解するのは困難だった様で、意図せず何処かつまらなさそうな様子を見せていたかも知れない。丁寧に白衣のポケットの中へと消えていく薔薇を見送った頃、再び此方へ舞い戻って来た視線を見返すと、涸れた噴水のざらつく縁に手をついてゆっくりと立ち上がり)これ以上、この薔薇の花に囲まれていては気が狂いそうだ――まして、悪戯を仕掛けてくるような悪意のある薔薇とあっては尚更…(城へ向かってしまえば今度こそこの不可思議な状況から脱出する術を失ってしまう、そんな気がしていた。此処で別の誰かと出会うのを待っているのも億劫である。現時点で互いにあまり好意的では無さそうだと認識はしていたものの、歩けど歩けど終わりそうも無い薔薇の園に疲れ切っていたのも事実。態とらしい溜息と共にそう吐き出すと、此方を振り返る彼の後へ続く様に足を踏み出して隣へ並び、心にも無い一言に薄い笑みを添えて)構わないのなら、君に着いて行く事にしようか。興味があるとすれば、あの城よりも寧ろ君の美的感覚の方なのでね。
>ハンニバル
君は何処までも変わってるね、――悪意だなんて大袈裟な。悪戯が好きなんだ、僕らと同じで(薔薇の香りを嫌がるとは考えられず、珍しい物でも見る様に顎を上げ。薔薇から逃げる様についてくる事が決定すると隣に並んだ彼を誘導するべく歩みを進めて、紛れ込むアリスの多くが少年であり興味を持つとすれば珍しい紛れ込みの相手で。隣に並ぶ相手の顔をマジマジと黙ったまま見詰めて、遠慮なく手を伸ばすと彼が掛ける品の有る銀フレームの眼鏡を手に取り顔から外させて「……僕の美的センスを疑うな、僕はこの国一番の芸術家なんだ。」歩みを進めていた足を止めて手にした眼鏡を汚さないように気を配りつつ距離を詰めるべく一歩前に踏み込めば鳶色の眼を覗き込んで「綺麗な色だね、」くつ。と喉を鳴らしてから取った眼鏡を再び顔へ戻し再び歩みを再開させて。「僕は三月兎、一度此処に来たなら中々帰れないだろうから。困ったことが有ったら頼りなよ」口角を少し持ち上げれば期待を持たせるような発言を行い、息を付くより先に「気が向いたら助けてあげる」確実にではない事を伝えて。城を抜け森の中を歩いていれば時折ちょっかいを掛ける様に木々が目の前を掠めるのを手で払い「僕は帽子屋邸に住んでる、アリスは城に。……帰りは城まで連れてってあげるけど、道を覚えておいて損は無い」覚えるも何も道を変える様に木が移動するのを尻目に相手がこれから暮らすだろう場所を教えて)
>三月兎
それはお互い様と言うものさ。(慣れと言うのは恐ろしいもので、初めて此処に足を踏み入れた時には目に映るもの耳に聞こえるもの何もかもが驚きと少しの戸惑いを生んでいたが、今ではすっかりそれも薄れてしまっている。それどころか、予想外の出来事に疲れて少々やさぐれていた自分のひねくれた発言を"あれは如何なものか"などと今更ながらに思い返す余裕も出来てきた。彼が然り気無く悪戯好きだと自称した点については触れなかったものの、変わっていると言うその言葉を拾い上げては彼の頭の上にひょっこりと顔を出す兎の耳に目を遣りながら微笑んで。幾らか言葉を交わしていてもあくまで見知らぬ土地での初対面の相手、最低限の警戒心は解かぬままにその仕草を注意深く観察していたが不意に伸びてくる手には少々驚いたのかぴくりと片眉が上がった。反射的に足は止まり、突然の行動に気分を害すると言うよりは一体何の狙いがあって――と不思議そうな顔のまま彼を見詰めていたものの、国一番の芸術家を自称する彼に瞳の色を褒められると"ははは"と小さく声に出して笑い)国一番の芸術家に褒められてしまっては、その美的センスを疑う訳にはいかないね。(元々、褒められれば悪い気はしない性質である。薄い唇に緩やかな笑みの形を浮かべながら戻ってきた眼鏡の位置を直し、再び歩き始めた。少しばかりひんやりとした森の中、言われるまでもなく時折視線を左右に動かして歩く道のりを確認していたが、些か中途半端に親切な発言に目を細めると「帰れない、と言う時点で…正しくは此処へ迷い込んでしまった時点で、私は困り事だらけなのでね。是非とも気を向かせて欲しいものだよ、兎君。」とわざわざ彼が名乗った名前を勝手に短く直して言葉の終わりに呼びかけ)
>ハンニバル
芸術家はいつだって気紛れで気難しい生き物だよ、――ウチにはもう一人仕立て屋がいるけど、あれを見れば説明より手早く理解できるさ(手助けを求めるのは唐突にこの国に迷い込んでしまったアリスなら当然の事、しかし己に優しさを求めるのは少しばかり役違いだと頭を捻り。緩い動きで腕を組めば同居人の帽子屋を頭に描き「アリスは僕に続いて見た目が良いから、……気に入られるかも」空を仰ぐべく視線を泳がせれば相手の顔立ちは勿論スタイルの良さに同居人が求めるモデル像が重なって。再び正面を向きなおすと盗み見る様にちらりと一瞬だけ目を向けて「この国に迷い込んだと言う事は君が次の王の候補って事だ。なら媚びを売っておくのも悪くないかもね」暗に困った時には手を貸すと言うのを回りくどい言い回しで述べて、"まぁ、でも"と前置きをするように言葉を呟いてから「この国にはお節介が多いから、困る事は無いと思うよ」アリスと言うだけでちょっかいを掛けたがる住人が多いのを思い返し「その呼び方はややこしい、この国の兎は僕だけじゃないから」片手をヒラヒラと揺らして住人と言えばと連想するように呼び掛けに使われた相性を咎め「城に行けば白兎と黒兎が、――兎は三匹だけど、僕が一番の当たりだね」くつりと小さく笑い飛ばしながら城に居る兎を卑下し、少し先を指さして見えて来た邸を紹介するように「あそこが帽子屋邸、僕が暮す家。庭でお茶会をしてるからそこで待ってると良い。僕も直ぐに行く」誰がいなくても一日中準備され行われている茶会を紹介してからトンと相手の背を誘導するように軽く叩いて)
>三月兎
嗚呼、どうやらその様だ。(彼の言う芸術家像を分かり易く示しているのは他でもない彼自身。ふっと短く笑ってひとつ確かに頷きながら、隣を歩く彼の横顔をぼんやりと眺めた。アリス、三月兎、帽子屋――此処まで聞いて、あとは他に誰が居ただろうか、と自身もよく知る御伽噺の登場人物を思い返しながら彼の話に耳を傾ける。この世界にとっての"アリス"は自分なのだと思うと、些か不似合いな役目を仰せつかってしまったものだと複雑が思いがしたが、先程から彼があまりに自然に自分の事をその名で呼ぶものだから、いちいちそこを穿るのは野暮なのかも知れないと妙に物分りの良い自分に気が付いてつい苦笑いした。此処に来てから時間が経てば経つほど、自分が此処に居る事を不思議に思う気持ちが薄れていく様な気がする――そう思うと、彼の言葉に対する返事よりも先にふう、と息をつき「中々帰れない、そうなってしまう理由が何だか分かった様な気がするよ。」と肩を竦めて。とは言え、戻る為の方法が分からない以上、こうして世話を焼いてくれる人間との関係を蔑ろにする訳にもいかず、疲れの色の滲み始めていた表情にやんわりと笑みを戻したかと思うと「王の候補か――どうも、まだ私の知らない話が山積しているようだね、此処には。とは言え、早い段階で君の様に親切な相手を見付けられたのだから、きっと私は運が良い…そうだろう?三月兎君。」と、彼に咎められた愛称についてはさっと訂正をした上でそんな言葉を返してみせた。そうこうしている内に遠くに見え始めた邸に気が付くと、ほう、と小さく声を漏らす。茶会という場そのものはあまり得意な方では無いものの、この場合迷い込んできた身としては彼の言う通りにしておくべきか。そんな考えもあって、特に嫌がる素振りは見せず、ひとまず誘導される庭の方へゆったりと歩みを進めて)
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