財前 光 2017-06-04 15:37:11 |
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よう聞いとったな…。え、ええねん。衣装作りも終わったしな。
(まだ1日しか経っていないというのに、いつも通りの相手の生意気な小馬鹿にしたような笑みを見ては、堪らなく安心すると同時に嬉しくなり。その為嬉しさが隠せないのか声色や表情から滲み出てしまって。「それに俺はこっちでええしな。」そう言いながら100円にも満たないくらいのソーダ味のアイスバーを手に取るとレジへ向かってお金を払い。)
…あざーす。(全く感謝の意を感じない言葉と共に、へらりと軽く笑い。相手が会計を済ませばコンビニの外へ出て「…昨日の公園行きます?…それとももう食べます?」と。相手の返答を待つ間手持ち無沙汰にしながらも先程までの気不味さが無くなったのか、どこか嬉しそうにお気に入りの洋楽を小さく口遊み。)
おん、せやな…。公園!
(相手の表情や声色からどうやら気まずさはほぼ無くなった様で、こちらも作ったものではない心からの笑みを自然に浮かべ。公園まで歩き昨日と同じベンチに腰掛ければ、ほい、と相手に先程買ったアイスとスプーンを渡し。自分も水色のアイスバーをぱくりと咥えて。)
ん、どーも…。(相手が差し出したアイスとスプーンを受け取れば、パクリと一口食べて。目線を上げ陽が傾き始めた空を見ては、不意に気不味さを思い出したように「…はよ帰らんと。」と小さく呟いて。気付けば昨日と同じ公園、同じベンチ、同じアイス、その全てに鼓動がバクバクと高まり始め、緊張からか味のしないアイスを無心で口に運び続けて。)
…。
(突如雰囲気を変える相手に、やっぱりかと心中で呟き。その次には勝手に身体が動き、相手のスプーンを持つ方の手首を掴んでは唇重ね合わせ。自分でも驚き目見開き唇と手を離すも、すまんと謝罪の言葉は出ず。「お前は誰かの代わりでキスしたかもしれへんけど、俺は違うからな!」何故突然キスをしてしまったのか、その理由は考えずとも自然と口から零れて。しっかり目を見ながら言葉を言い放つも、言い終わればやってしまったと段々と俯いて。)
ッ…―せんぱ…い…?(アイスで冷え切った唇を突然温かく柔らかなものに塞がれては暫く硬直して。温もりが離れ、そこから言葉を紡がれては、漸くそれが相手の唇であったと理解し、やっとの思いで声を出して。段々と俯いてしまう相手に、珍しく動揺した様子でぴくりと片眉を動かしては、目線を泳がせながら指先で頰を掻き。何やら決断したように小さく息を吐いては「―…先輩、こっち見てや…。」と、相手の頰へ手を伸ばし顔を上げさせて。)
(一杯一杯になりながら相手の目を見返し。自分は相方が好きな筈なのに、自分の本心は目の前にいる彼が好きなのだと言っており、その上その彼に嫌われてしまうかもしれないというこの状態に頭と気持ちが追い付かなくなり、目から涙がぽろぽろと零れて。「光、俺ちゃんと応援出来るからな。」と呟く声に涙が混じっていて。)
…ほんまアホやなぁ。(未だに勘違いしたままの相手に、眉を下げはふりと苦笑しては額と額を合わせて。「……俺が好きなんは、アンタなんで…泣くん止めて貰えます?」普段通りの刺々しい口調ではあるものの、低く優しい声色で告げては、ゆるりと微笑んで。)
…え?
(涙でぼやける視界にもしっかり映る程の距離に相手の顔がある事にじわじわと顔の熱を上げていき。そして普段より優しい声色と笑みで告げられた言葉を聞けば、じんわり赤かった顔が一気に真っ赤と呼べる程のものになり。こんな顔を相手に晒してしまうのが恥ずかしいのと、相手の笑顔を直視出来ずに相手の肩に顔を埋めれば「罰ゲームとかやなくて、か?」と小さな声で再確認する様に。)
(相手の言葉にフッと笑いをもらしては、再びその唇に口付けて。ゆっくりと唇を離しては「…罰ゲームでこないなことすると思います?」と小さく首を傾げて。指先で頰を撫でれば「…ユウジ先輩が好きや。―…俺と付きおうてくれますよね?」拒否権なんてない、と言わんばかりにそう尋ねて。)
(混乱する頭でやっとの事で顔を上げれば本日三度目のキスをされ。首を小さく傾げながらの相手の言葉にまた体温が上がった気がして。頬に触れる相手の指にキスのお返しをすれば「俺だってお前の事好きや。…当たり前やろ。」そう言って少し眉を下げながら口許を緩めて。)
ほな決まり、っすね。―…ユウジ先輩(珍しく歯を見せて笑い掛けては、愛おしそうに名前を呼んで。先程まで口付けていた唇をぺろりとひと舐めしては「…甘い」と呟き、アイスの甘味が移った唇を味わうように舌先を這わせて行き。)
(普段聞いてきた相手の声よりとてと優しく嬉しそうな相手の声、それも自分の名前を呼ぶものを聞けば今までにない程嬉しくなって、自然と口が緩み。次に相手の取った行動にびくりと肩を跳ねさせ。恐る恐る此方からも舌を出し相手の舌に触れさせ。その時に、自分のアイスが食べかけでしかも半分溶けて肘を伝い、砂の地面の上に滴り落ちている事に気が付かずにいて。)
ふ…ッ(小さく震えながらも軽く触れ合う舌をねっとりと絡めて。しかし、人影は無いものの陽が傾き始めたばかりの公園で、このまま続けるのはまずいと何処か冷静になれば名残惜しそうに舌を吸い唇を離して。「…アイス、溶けてますよ」そっと相手の腕を取り、肘に伝う雫を指先まで舐め上げては相手の汗とアイスの甘味が混ざった不思議な味に口許を緩めて)
っ、はぁ。
(慣れない深い接吻から区切りが付けば、頭がぼーっとした感覚に襲われ。そんな中彼の声がうっすらと聞こえたと思えば、相手の取った行動のくすぐったさに肩震わせ。その彼の動作表情に己の心臓が更に煩く、そして速く鳴り。「ひ、ひかる。汚いから口濯ぎ!す、水道!」自分の顔が熱くなっていくのを感じればまともに相手の顔も見れずにいて。)
…焦り過ぎっすわ、先輩。(小さく息を吐くような笑い洩らしては、赤くなった相手の頰をつんと突いて。「―…ユウジ先輩の、汗の味がした。」未だ舌の上に残るその味を楽しむように、ゆっくりと咥内で舌を回して。)
う…っ、!?
(小さく笑み溢す相手に、自分ばかり慌ただしくて悔しいと思うと同時に、自分の目に相手がかっこよく映って仕方なくて。相手の次の言葉に得体の知れない程の羞恥心を感じれば「あ、あほ!ずっと緊張してたんやからしゃあないやろ!仲直り出来るか不安やったし、なのにいきなりキスしてまうし…。」そう言い放てば、力が抜けた様に相手の肩に頭をコツンと寄せ。思い返せば本当に余裕がなかったと自分を少し情けなく思って。)
ふーん…先輩も案外かわええとこあるんすね。(恥ずかしそうにしながらも、大きな声で言い放たれてはパチパチと数回瞬きし、肩に感じる僅かな重みに口許緩めては片方の手を伸ばし相手の額を撫でて。)
うるさいわ…。
(こんなに余裕が無くては示しがつかないと口尖らせて。相手の肩に頭を預けたまま、ぐいっと相手の顔を見上げれば「お前はどうやねん。俺の事考えとらんかった?」冗談っぽくにいっと笑いながらそう問いかけ。)
―…先輩のことしか、頭にあらへんかったっすわ。(相手の問いに呆れたような溜息の後、少し間を空けては相手の方へ顔を向けてそう告げて。「…本真に好きやで、先輩」緩く口角を上げては小さな声でそう続け。)
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