_ 2017-06-01 20:40:52 |
通報 |
私 立 鯨 夜 女 学 園
( シリツ ケイヤ ジョガクエン )
女性アイドル育成に特化したこの学園は全国のアイドルを夢見る少女達が集まる有名私立校。
但し入学するにはある程度の知名度を持っており芸能界で活躍しているか、叉、鯨夜女学園の難関な入学オーディションに合格しているかが条件である。
この狭き門に平凡な女子中学生が挑むことになるのは当の本人もまだ知らない物語_。
>2
わぁっ、君、上げてくれるなんて超良い人じゃん!橙子ちゃん感激ですぞっ( ひょこ / 瞳きらきら )
でもね、上記にも書いてるとーり、「 乱入はご遠慮下さい 」って書いてあるの。まぁ私の背後の説明不足なんだけど、つまりは「 コメントしないで下さい 」って意味なんだよね( 申し訳無さそうに眉下げ / 注意書き指差し )
上げてくれたのは本当に嬉しいし有り難いんだけど今後コメントはしないでくれると有り難いな。ご協力の程よろしくお願いしまーす( ぺこり )
憂鬱な神無月の空。目に映るのは枯れ葉が風に乗って舞う校庭、師走もまだだというのに忙しなく歩く人達。そんな人達とは打って変わって何をするわけでもなく教室の窓際で無心で黒板を見つめる自分はさぞかし場違いだろう。
姫宮桃花は特に頭も良いわけでもなく悪いわけでもない至って平凡な女子中学生だ。特技や好きなものが特にあるわけでもなく自分の意見など持ったことがない。只々、周りに流され続けた。
姫宮桃花は中学三年生だ、そして今は神無月。周りの生徒達と同じように忙しなく動いていなければいけないというのに何もしていない。今のレベルにあった普通の高校に行こう、無理にレベルを上げようとして勉強するのも面倒くさい。
姫宮桃花は友人がいる。今廊下から此方の教室を覗く2人がそうだ。1人は金色の髪を靡かせた黄瀬向日葵、明るく人懐っこい大きなわんちゃんみたいな子。もう一人は欠伸をして来だるげに顔を覗かせる皐月翠、ふわふわした口調と同じ様にふわふわした行動所謂マイペースな行動が多い彼女は1年生の頃に親子丼を当時の生徒会長にぶん投げるという偉業を成し遂げた事を姫宮桃花は忘れていない。
どうしたのだろうか、此方を手招きする2人は瞳の奥の方で早く早く、と急かしているような気がする。あと心なしかわくわくとしてる。なんだか不穏な空気を察知した。
「 なに、どうしたの? 」
重い足取りで手招きする2人に近づいて口を開くもずっと黙ってたせいか急に声を出して少々素っ気ない感じになってしまった。
そんなことを微塵も気にせず2人は顔を見合わせにやぁ~として黙ったまま私の手を引く。何処にいくのか何のようなのかも聞かされず引っ張られるだけのこの状況に理解が追いつく訳もなく。なに、どうしたのと先ほどと同じ言葉を何度もいう。
屋上にでた、結局来るまでの間2人ともなにも教えてくれなかった。何時もは顔を合わせるたんびに眩しい笑顔を浮かべながら話しかけてくれるというのに。やはり最初の素っ気ない感じ、悪かったかな。
いや、待てよこの状況。放課後の屋上、呼び出された自分、学年の盛り上げメンバーに入るリア充2人。これはまさか、俗に言う「 調子のってんじゃねーよ 」っていう呼び出しだろうか。
いやいやいや、あの優しい2人がそんな事するわけないないないないない。うん、じゃあなに?なんで何も言わないんだろ。えっ、こわ。
「 あの、どうしたの? 」
もう一度聞こう、うん、良くやった自分。
目の前の2人は私の不安をかき消すように目を合わせもう一度にやぁ~と笑うと大きな声を出していった。確かにそういった。
「「 桃ちゃん、ももっ ! 」」
「「 アイドルになろうっ ! ! 」」
「「 …は? 」」
_たぶん私はその時、この世で1番変な顔をしてたと思う。
「 アイドル 」、この言葉に私は開いた口が2人の心配する声を聞くまで開いたままだった。
「 …おーい、桃ちゃーん? 」
「 大丈夫? 」
大丈夫じゃありません、開いた口を閉じて黙り込んだが脳内でその言葉が共鳴する。
この2人は一体どうしたんだ、「 アイドル 」になろうだなんて。えっ、まってもしかして最近の子は「 アイドル 」って言う言葉の意味が私の理解してる事と違う意味なんだろうか。いやきっとそうだ、うんうん。
「 もー!ボーッとしてないで!アイドルやろうよっ!歌って踊って芸能界を震え上がらせてやろうっ! 」
あっ、はい、私が考えてた意味と同じでしたね。
「 はぁぁぁあああ~?!急にどうしちゃったの2人ともっ!? 」
余りの衝撃に思わず声にだしてしまったがこれはしょうがない、しょうがない。うなだれる私をにやにやとした表情で見つめる2人に気づきむすっとしながら口を開く。
「 なにその顔…。狼狽えてる私が変な人みたいじゃん 」
「 いやあ、予想通りの反応で面白くてねー。ねっ、翠? 」
「 ほんと、ほんと 」
「 ほんとほんと~…じゃないでしょっ!何考えてんの2人共! 」
今大事な時でしょ、そんな事考えてないでお家に帰って勉強しなさいっ!「 それ自分に言ってるの? 」と言われてもおかしくない言葉に自分が動揺してるせいか気づかない。
「 ひまちゃんは推薦貰ってるし翠ちゃんはあの超頭いい高校うけるんでしょっ?2人ともアイドルとか言う前にちゃんと勉強してっ!そんなちゃらんぽらんする暇あったらちゃんと帰って勉強して!!!あと、2人は可愛いから百歩譲ってアイドルになりたいっていうのをOKしたとしても!平々凡々な私がいたら花も何もないよっ!!!ちゃんと!考えてっ! 」
▽ めもめも ▽
◇DROPS( ドロップス )
姫宮桃花 黄瀬向日葵 皐月翠
それぞれの輝く個性をお互いに高めあってファンの心を虹色に輝かせようという想いと私達のライブで甘い一時をという想いで名付けたユニット名。
◇Lucifer( ルシファー )
黒森ゆうき 藤咲なずな 瀬戸口碧
神に寝返った堕天使ルシファーから名を拝借し「打倒!城ヶ崎茜」を掲げるユニット。圧倒的歌唱力を持った彼女たちはロック好きのコアなファンが多い。
◇STAR CLOWN( スター クラウン )
城ヶ崎茜 白百合麗 桐谷橙子
国民的人気アイドルの3人が集まったユニット、ファン層が幅広く勿論人気絶大。数々の光り輝く星々のようなアイドル達を王冠を被りアイドル界の玉座に座って見る彼女たちを自然にファンたちがそう呼び始め定着したのがこのユニット名たとか。
トピック検索 |