主 2017-06-01 18:23:51 |
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まさか。逃がして貰ったとして私は帰る場所なんて何処にも無いもの。私が欲しいのは――――……
(ぼうっと外の景色を眺め続けていたものの、服屋へと辿り着いたことでゆっくりと車が停車する。車から先に降りた運転手が自分側の扉を開き愛想良くエスコートするのに合わせて降車し、続けて運転手が相手をエスコートして降りてくるのを往来していく上流階級の買い物客たちの姿を眺めながら待つ。その中に自分と同年代と思わしき少女が優しげな両親と楽しげに談笑しながら歩いていく姿を捉え、じっとその姿が見えなくなるまで見つめ)
なんだ、親か。親の義務は子を守り育てることだろう。
お前を捨てて自分たちだけ借金取りの届かないところに逃げた親になんの価値がある?早くしろ。
(止まった車から降りてエマを見て深くため息をつく。買った時点でいくらか事情は聞いており、苛立ったように昔自分に何度も言い聞かせた言葉を相手に言うと、スタスタと早足に目の前の服屋に入ってしまい。扉を開けた瞬間、かしこまって集まってきた店員に声をかけて店の奥に入って行くと、そこには店内の服とは素人目にも価値が違うとわかる洋服がずらりと並んでおり。スーツの偉そうな店長らしき男に声をかけるとエマにも選ぶように指示をして。)
とりあえずパーティドレスを2,3枚。普段着るものは何枚でもいいから多めに選べ。足りなくなったらまた買えばいい。
…聞いたのね、両親のこと。
(闇系の市場で購入されたということもあり、自分の経緯を幾分知っている様子の相手に驚きで目を丸くしながら暫く見詰める。なんとか相手の後ろに着いて店内へ入り相手の言葉に頷くものの、置いてある服はどれも素人目にもわかる高級品ばかり。もちろん自分にもこの店で売っている服は高価なものだとはわかりながらも初めて見るそれらに好奇心が先立ち、近くの光沢感のあるライトブルーのワンピースを手に取ると相手の目の前に立ち)
凄く綺麗…!こんなの初めて見たわ。チャオヤンさん、これならどう?似合う?
あのお喋りなスタッフがペラペラとな。
ああ、肌が白いから色が映えて似合う。生地も高級感もあるが爽やかで君の年代にはあってるんじゃないか。
(相手が目を丸くして見つめてくれば、その宝石のような瞳を無機質に真っ直ぐ見つめ返して、先程のわかりやすく態度の変わったスタッフを思い出してうんざりとした表情を見せる。似合うかと聞かれればジロジロと上から下まで見てから、褒めるというよりは事実を述べているだけのように淡々と肯定し。その間にも店長が何枚か似合いそうなのを見繕ってエマに差し出して見せ。)
本当?こんな高級で綺麗な服を見たのは初めて!
(金銭的な感覚というよりは子供心に夢見たドレスのような綺麗な服への喜びから興奮気味に笑みを浮かべながらすぐ傍らの壁に設置されていた鏡にワンピースを宛てがった自分の姿を映してはしゃぐ。相手の言葉にも気を良くして上機嫌にしていたものの、店長の持ってきたどれも高級感があり美しい服の数に目を見張り、店長から受け取った服と相手の顔とを交互に見遣り。)
え…こんなに?どれも綺麗だし着てみたいけど…私にこんなに?
(/遅くなってしまって申し訳ありません。端末の調子が悪くて遅くなってしまいました。)
ああ、普段着るものだからな。
多くて困るものではないだろう、幸運なことにうちのクローゼットはそんなものでは埋まらないから安心しろ。
あれも似合いそうだな。持って来て貰えるか。
(相手の喜びように、自分が引き取られた先でここまで高級ではなかっただろうが、きちんとした服を与えられた時のことを思い出し、頬を無意識に緩ませる。こちらを見てくるエマに深く頷いてから、人形の服を選ぶような感覚なのだろうか無表情なまま、エマに似合うと見立てた白や水色など清楚だがふんわりしたシルエットの可愛らしい少女趣味なものもいくつか店長に指定して持ってこさせて。)
(/こちらの返信を書く前に投稿してしまいました、失礼しました。端末の調子が戻られたようでよかったです。これからも楽しませていただきますね。)
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