一期一振 2017-05-28 12:27:41 |
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人生にとって驚きは大事なんだぜ?退屈ばかりでは心が死んじまうからなぁ。( 事実何度忠告を受けようと一時は反省の色を見せるもののまた直ぐにあれやこれやと悪戯を仕掛ける辺り全く反省はしていないのだろう、しかしその遣り取りの繰り返しが互いの仲を深める要因だったのは言うまでもなく。その言葉に「しかし、きみから想いを告げられた時にはそれはもう驚いたもんだ。人生で一番の驚きだったかもしれん。」と、何処か気恥ずかしそうに笑いながら、 )
はははっ、私もあの時は心臓が高鳴ったものですか。しかし晴れて恋仲になれたときは本当に嬉しかったものです。( あれは春、桜が咲き誇っていた頃だったか。散歩でもしてみないかというきっかけを作り、その中で自身の想いをぶつけたのは今でもはっきりと覚えていて。彼からの返事を受けた時は柄にもなく嬉しさからか涙を零したことを思い出しては恥ずかしそうにして )
俺だって一期、きみのことは気になっていたさ。弟達に対する顔、主に対する顔、それとは違う俺にしか見せない顔が…どうしようもなく俺の心を揺さぶってなぁ。( 恐らく相手も全く同じあの春の光景を鮮明に思い出しているであろう当時の気持ちを思い返しては、思い出話のようにはは、と空に向かってひとつ笑ってから、「…好きだぜ、一期。」とぽつり零してからそっと相手の手の甲に同じもの重ね寄り添って、 )
…ええ、私も鶴丸殿の事を慕っております。( 自身では分からない表情の変化に心を揺さぶられたのだと告げる彼の言葉に耳を傾けていて。それから好きだと続けて告げられると柔く笑み、自身も言い表せない程に彼の事を好いているのだと返し )
刀でありながら人の身体を得て…まさかこんな気持ちを味わうことになるなんてなぁ。永いこと生きてみるもんだ。( 分かりきった返答が返ってくれば少し嬉しそうに頬緩めて、相手の肩へと頭預けながら何処かしみじみと本丸の縁側から見渡す限り晴れ渡った初夏の空眺めて平安時代からこれまでを生きてきた長寿らしく爺臭い台詞を漏らし、 )
はははっ、そうですな。私も一度燃えた身ではありますが、このような日々を送っていると再刃されて良かったのかもしれない、と思うことがあります。( どこか爺臭い台詞に笑えば、隣に座る視線を追い空を見上げ。大阪で燃え、ここで終わるのだと思っていたがまた再刃という形でこの世に生まれそれから長い時を人と共に歩んできたからこそ今こうして自身は存在しているのだろうとそう告げて )
…そう言って貰えると俺が隣に居る意味もあるってもんだ。流石の俺でも燃えたことはないが、数多の人の手を渡り歩いて来た俺としては、こうして誰かと一緒に長く一箇所に留まるのは初めてでな。( 自分に無い経歴を持つ相手の気持ちの全ては理解出来ないものの、その言葉に少しだけ嬉しさ滲ませ空見上げるその横顔そっと盗み見て。比べて己の経歴並べ立ててみては移りゆく時代の流れよりも早く様々な人間の手を転々としてきた分、この現状に少しの慣れなさと清々しさを感じているようで、 )
ご安心を。この一期一振、この身が朽ちるまで貴方と共にいましょう。…と、これではまるで“ぷろぽーず”というものですな?( 彼の過ごしてきた時は、それこそ人と共に忙しなく動いていたのだろう。今こうして、誰かの隣に長い事居るという事は彼にとっても珍しいことのようで。戦場に身を置く自身達に何が起こるかは予想できないが、この身が朽ち果てるその時までは彼の隣にいようとその想いを告げた後に以前主から聞いたことのある言葉を思い出してはそう言って )
!…ふ、はははっ。まさか今日、こんな所でぷろぽーずを受けることになるとは驚いた。…とは言え、俺もきみもそうそう折れるなんてことは無さそうだし、下手したらこれから云百年と生を共にすることになるかもしれないぜ?( その単語に一瞬目を丸くしたかと思えば肩震わせ笑い声上げては何処か嬉しそうに破顔して。うーむ、と顎に手を遣れば少々物騒なことを口走りつつも人生において初めて訪れるであろう安息にやはり慣れない様子でそれでもいいのか、とちらりと視線を寄越して、 )
ええ、折れる気など毛頭ありません。これから長い先共にいるつもりです、お覚悟を。
( 彼の言うとおり、ムードも何も無い時に言ってしまったものだと苦笑を浮かべ。しかしその嬉しそうな顔を見れば釣られるように笑みを浮かべ、こちらに視線をやられると『慣れないならばゆっくりと2人で乗り越えていけば良いのです、』と続けて )
…はっ、覚悟なんて、一緒になった時からとうの昔に決めてあるさ。( その言葉に一度小さく笑っては口角持ち上げ挑戦的とも取れる笑み浮かべて目の前の瞳を覗き込み。此方の心情察したのかその優しい声色に「…そうだな。俺はもう、変わらない大切なものをこの手に入れられたんだな。」と再度実感するように両の掌を見詰めぎゅっと握り、 )
それは私とて同じです、共に歩んでいきましょう。
( 大切なものを手に入れたのは彼だけではない、自身も同じであって。握られた両掌に片手を添え、空いた方の手は愛しい彼の頬へ添えるとその瞳をじっと見つめ彼の唇に自身のをそっと重ね )
ん、…あぁ、共に。( 頬へと触れた掌に反射的に其方へと向けば互いに見詰め合う形でそのまま優しく重ねられた唇受け止めて。これだけの触れ合いで胸が幸福でいっぱいになるのを感じながら、触れた手と手を恋人同士のそれで繋ぎ、ごく短く、しかし一等大切に、相手の言葉へと頷き返して、 )
ふふ、こんな日もたまには良いですな。ただ寄り添い想いを言葉にして紡ぎ…幸せ、とはこのようなことを言うのかもしれませんな。( 共に生きていくことを誓い合い、唇を重ね、手を繋ぐ、それは恋人ならば普通の事なのかもしれないがそれだけでも幸せに思え柔い笑みを浮かべて。戦い続ける日々の中でたまにはこうした日があっても良いのではと思い )
はは、違い無い。…──明日になれば俺達はまた、違う戦場に赴くことになるだろう。明日もきみの帰りを待っている。だから、一期も俺の帰りを待っていてくれ。( 相手に同調するよう笑えば、ふと徐々に日の暮れ始めた空を仰げば明日は別々の戦場を任されていたこと思い出しながら握った手に少しだけ力を込めて。何方が早く帰城するかは分からないが互いにその帰りを待つ約束をと隣の恋人へと視線戻して、 )
ええ、勿論です。お待ちしております、どうかご無事で。( 明日は互いに違う戦場へと赴くため、本丸へと帰ってくるまで互いの状況などは把握できない。心配ではあるがそのような事を言って本丸の皆へ迷惑も掛けられない、それに彼の事を信用しているからこそその言葉を聞けば頷きそう返して手を握り返し )
…あ。そう言えば主から貰ったこいつをすっかり忘れていたな。( 暫しの間手を繋ぎ合ったまま無言で夕日を眺めていたが、やがてあ、と何やら思い出したような声上げたかと思えば後ろ振り向き、随分と前に遊んでそのまま放り出してしまっていたびっくり箱へと手を伸ばして。「どれどれ…。」と手にしたそれの構造を調べるようまじまじと観察して、 )
その面妖な箱から先程は蛇が出てきましたな、他にも何か入っているのですか?( 不意に思い出したかのように先程の箱を取り出すとそれの構造を知ろうとしているのかまじまじと見ていて。確かに自身も気になっており、先程飛び出してきた蛇以外にもなにか入っていたりするのだろうかと首を傾げ、それをじっと見ていて )
んん?…あぁなるほどここがこうなって…。( あまり複雑な構造ではない為暫くあちこちを観察したり弄ったりする内にある程度理解した様子で、「ほら見ろ、一期。ここがな…」と相手の注意を今一度引き付けてから態と言葉の途中で今度は意図的にびょん!と中身飛び出させて、するとそこには先程飛び出て落ちたような蛇は居らずバネのような物だけが残っていて、 )
!―なんと、このようなものであの蛇が飛び出ていたのですな?( 普段より目新しい物を主から貰ってはその仕組みをいろいろな形で知り知識を得ている彼にとっては今回の面妖な箱の構造も一度分かってしまえば容易かったようで。そのようなものに関しては全くといって不得意な自身からするとすごいものだとその流れを眺めていると名を呼ばれどうしたのかと思ったその矢先、先程の蛇は出てこなかったもののそれが飛び出るように仕組まれていたことが分かり。成程、と感嘆の息洩らし )
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