一期一振 2017-05-28 12:27:41 |
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っ…、ま、参った、俺の負けでいいからその手を止めてくれ、一期、( 擽られているからか、はたまた耳許で囁かれた己の名にか、一際ぴくりと肩竦めては悔しさはあるものの一刻も早くこの地獄から解放されたいと素直に白旗振って。ひぃひぃと笑い転げながら弱々しく両掌相手に向けて、 )
ふふ、仕方ないですな。
( 参ったと弱々しくも両掌を向けられると、深追いするつもりもなくパッと手を離し勝気な笑みも浮かべて。先程から打って変わって息を荒らげ疲れきった様子の彼に額に掛かった前髪を避けつつ『少々暴れすぎましたな、』と笑み浮かべ )
ったく…誰の所為だと思ってるんだきみは…。笑い死ぬかと思ったぞ。( 漸く止んだ猛攻にぜぇはぁと少々疲弊した様子で文句口にするも、暑い中暴れた所為でほんのりと汗ばみ張り付く前髪退けてくれるちょっとした動作にさえどうにも怒るに怒れなくなり、精一杯のむすりとした表情見せて不満訴え、 )
申し訳ない、どうしてもやられっぱなしは性に合いませんので。
( 誰の所為だと不貞腐れた様な表情で不満を訴える彼にクスリと笑いを零せば自身以外に誰もいるわけではなく素直に謝りそう言って。そうして彼の頬に手を添えれば『いつまでもぶすくれてないで笑って下され。私は鶴丸殿の笑顔が好きですな。いえ、それ以外ももちろん好きではありますが、』と恥ずかしげもなくそう続け微笑んで )
…っはぁああ〜…。全く、きみという男は…。これじゃあ今度は俺の番じゃないか…。( 優しく頬へと触れた手に何を言われるのかと不思議そうな顔向ければ、あまりに直球な甘い台詞にじんわりと頬が熱くなるの感じて。これはまずいと誤魔化すよう盛大な溜め息と共に頭抱えては、心底参ったように小さくそう呟いて、 )
おやおや、本当のことを言った迄でしたが…?
( 自身の放った言葉を聞いた途端に大きなため息と共に頭を抱えた姿を見てはクスクスと笑いを零して。しかしその言葉に嘘偽りなどなく、顔を覗き込んで )
…なぁ、俺の顔はきっと今赤く染まっているだろう?( 覗き込んでくる相手に隠すことはせず敢えて仄かに熱を帯びた頬見せればそのままこつりと額同士合わせて、「…さっきのきみも、今の俺と同じだったぞ」と張り合うようにそう言っては漸く僅かにんまりと口角持ち上げて笑い、 )
ええ、その名に恥じぬような姿ですな。( このような姿になってでも愛らしく思えるのはそれ程自身が彼に惚れ込んでいるのからだろう。問い掛けてくる言葉に頷き返答すればそれと同時に先程の自身も今の彼のような顔をしていたと言われ。『なっ…!承知しております、わざわざ言わんで下され!』とまたも僅かに頬を染めそう告げて )
俺としてはもっと違う赤に染まりたいところなんだが…。( 何処か愛しげにそう言われ苦笑し文句零してみせるものの、望んだ以上の反応返ってくれば「ははっ、いやすまんなぁ。中々きみのそういった顔は俺でも見られんからなぁ。」と至近距離にて今度はしっかりと笑顔見せて、 )
ははっ、それは存じています。戦場で舞う貴方はそれはとても鶴らしいですからな。( 彼と共に戦場へ赴いた回数は計り知れないが、その中で酔狂とも思える事は既に分かっているために苦笑しつつも頷いて。笑顔で珍しい自身の顔を見れるのは中々ないと言われればムッとした表情で『あまりからかうならまた赤く染め上げますぞ』と続け )
はっ、そいつはこの上無い褒め言葉だ。一期、きみと戦場を共にすると殊更楽しくてなぁ。( 己の生き様でもある部分を褒められ気を良くしては戦場の空気と高揚感思い出しながら小気味良く笑い。今度は此方がむっとされる番になり「何だ何だ、俺の笑顔が好きなんじゃなかったのか?…それとも、…やるか?」と態と意味を違え自らの腰に据えてある刀の柄へと手をやり、 )
ええ、私もですな。…確かに鶴丸殿と手合わせをすると言葉通りになりかねませんな。しかし今日は非番、たまには羽を休めるのも良いでしょう?( 自身の言ったことの意味の解釈を違えたらしく、戦場程とは行かなくとも普段手合わせを申し込まれる時のような雰囲気を纏いつつそう尋ねられるとそっと刀の柄に添えられた手に自身の手を重ね柔く微笑みながらも制するような口調で )
なに、冗談さ。本日の手合わせは他の奴らに割り振ってあるからなぁ。きみの言う通り、ゆっくりするか。( 柄に添えた手に手で以て柔らかくも厳粛に制されると途端に興が削がれたらしく、真に冗談かは定かではないものの一瞬にして普段の笑みへと戻ればぱっと刀から手を離し。そう言って相手の隣へと腰掛け直すと徐にその膝へとごろり、寝転んで、 )
鶴丸殿の冗談は冗談に聞こえない時がありますな。( 時々冗談なのか真実を述べているのか、分からなくなる時もありその度に悩まされているのはこちらの方でいて。困ったような笑みを浮かべながらも徐に自身の膝へと寝転んだのを見ては実に愛らしく思えてそのやわらかい髪を手櫛で撫でつつ微笑んでいて )
んー?そうかぁ?寧ろ俺は一期が冗談を言わなさ過ぎるのが心配だ。きみは真面目だからなぁ。( 決して女のように柔らかくはないものの恋人の香りに包まれるのは心地良いようで、髪を撫で付ける手の感触にそのままリラックスした様子で瞼閉じたまま軽く受け答えて。しかし直ぐに瞼持ち上げては金色の瞳でその顔見上げてはそっと片手で頬に触れて、 )
そう…なのでしょうか?( しばし彼の柔らかい髪を撫でておりそれが心地いいのか目を細めるその姿にまるで猫のようだと思っていると不意に閉じられていたその瞳の奥から金色が覗き自身の頬へと手を伸ばされ心配だとそう告げられるとそれが当たり前だと思っているためにゆるりと首傾げ )
あぁ。きみも偶には……いや、無粋だったか。俺はきみのその真っ直ぐさに惚れたんでな。( 不思議そうな反応にくすりと笑み零してから寝転んだまま言葉続けようとして、ふとそれを自分で遮れば頬へと伸ばしていた手を相手の胸元へ持っていきとん、とひとつ叩いては此方見詰める同じ金色見上げてにっと笑いかけ、 )
ははっ、私は鶴丸殿の優しく真っ直ぐなそのお心に惚れましたな。一目惚れでもありましたが。( 言葉を続けていたもののふとその言葉を止めては自身のそういう所に惚れたのだと続ける彼に嬉しそうな笑み浮かべ、出会った頃のことを思い出しながら懐かしむようにそう言って )
…懐かしいな。出会った当初は俺の作った落とし穴に嵌って弟達が泣き出すからと、よくきみに怒られたものだが。( その言葉に釣られ自分も過去へと想いを馳せては、当時の思い出を口にし苦笑い浮かべて見せて。「そんなきみと、まさか恋仲になれるとはなぁ。」と、上体起こし目線の高さ合わせてじっと見詰め、 )
ええ、懐かしいですな。穴を掘るなと言えばまた違う形で驚かせて…今でもそれは変わりませんが
( 彼が顕現するよりも少し前に自身は来ており、主の命により近侍も仰せつかっていた事から彼のお世話係になったのは本当に偶然だったのかもしれない。彼にとっても全てが驚きに満ちた日々の中、そして彼にも驚かされていたのはその殆どが自身の弟達でよく泣かされては止めてくれと叱った事を言われるとクスリと笑いを零して。『ふふ、私は貴方を一目見た時から惚れ込んでいましたので。それが“恋”だというのに気付くのは少し遅かったのですが、』と続け彼と視線を合わせては微笑んで )
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