黒猫 悠華 2017-05-22 16:43:58 |
通報 |
「あなた、だぁれ?」
「……ただの、嫌われ者サ」
お祖母様に届けるワインと豪華なお肉を持って森を散歩していると、一人の男の人を見つけた。紫の耳としっぽが生えている、怪我した男の人だった。私は彼を放っておくことなど出来ずに、目の前でじっと彼を見ていた。すると彼は私のことを煙たそうに目を逸らし、慣れた手つきで木の上に登り始める。
「あんまり見ないでくれなイ? 見世物じゃないんだけド」
あまり好まれていない態度に焦り、私は持っているカゴから、お母様に怪我した時用だ、と言って入れられた絆創膏を取り出す。そして私はそれを見せながら、彼に訴えた。
「だって痛そうだもの! ほっとけないわ! 私、応急手当なら得意よ。少し触らせてくれないかしら!」
それでも彼は木登りを止めない。どんどん登っていって、きっと私じゃ登ることの出来ない位置にまで到達した。きっと私の言葉など聞く気すらないのだろう。でも、私は諦めきれなかった。
私は傷をほっといたらダメだとか、痛そうだとか、そんな御託を並べながら、持っていたカゴを地べたに置き、彼の登った木と同じものに手を押し当てる。とても大きな木だ、きっと森の中でも長寿のものだろう。
(どうか私に味方して! 私はこの人を助けたいの!)
そう心で叫びながら、意を決して木を登り始める。上をチラと見ると、驚いたような顔をした彼がそこにいた。早く彼の元に行って、私が彼の傷を治すよう説得するんだと意気込むが、木登りなんて初めてで、全然上手くいかない。どこに足をひっかけても、ずるりと足は落ちてしまう。あーだこーだと試すうちに、彼が溜息をつきながら下へおりてきた。まるで猫のようにしなやかな着地した彼が、木にへばりつく私へ腕を差し出す。
「もう、いいかラ。君が怪我する前に、僕の怪我を治してヨ」
にへらと笑った彼の顔は、誰がどう見ても疲弊しきっていた。目の下に隈があり、顔にも傷が散見される。差し出された腕は未だに出血を続けていて、見るに堪えない。誰がこんなことをしたのだろうか。
私は差し出してくれた彼の手に、少し木の幹で擦れた自分の手を合わせる。彼が私の手を握ったかと思えば、唐突にくいと引かれ、彼が登って私がへばりついていた木の根幹の方へと体を寄せられる。すると目の前には、人一人が頑張って寝泊まりできるようなスペースがあった。私は彼に誘われ、その中へと入っていく。中には小さなあかりと少しばかりの食料があった。
持っている絆創膏じゃ手に負えない傷を見て、私は服の裾をびりびりと破った。彼はまた驚いたように大丈夫かと聞いてきたが、私は笑って応えてあげた。消毒液は持っていたので、簡単に彼の顔や腕を処置しながら、顔には絆創膏、腕の方には私の服の布で出血を止めていく。だいぶ処置が終わった頃、私はあることに気づく。
「そう、自己紹介してなかったわ。私、赤ずきん。あなたは?」
私がそう言うと、渋るように彼は顔を背けた。そんな彼を見て、なんの根拠も無くても、私は大丈夫だと声をかける。自分で自分のことを嫌われ者だと言う彼だ、きっと今までいろんなことに耐えてきたんだろう。私には彼が体験してきた全てが分かるわけではないけど、私にでも分かることはあると、直感で思った。
「あなたが誰であろうと、私はあなたの味方になるわ。信じて欲しい」
濃い紫の目がこちらを向く。その目は私を射抜き、それでいて私に助けを求めるかのような、そんな目だった。
「……チェシャ猫」
嬉しかった。私がチェシャ猫の名前を繰り返すと、チェシャ猫は顔を真っ赤にして照れながらやめてと私の口を塞いだ。だけどチェシャ猫からの嬉しさは滲み出ていたし、私も新しい友達が出来るのは久しぶりだったから、その日はお祖母様の所へは行かずにたくさんのことを話した。本当はお祖母様にあげるはずのお肉も、私とチェシャ猫でお話しながら食べた。チェシャ猫は意外と物知りで、私の知らないことも沢山知っていた。もう何年も代替わりしていないらしい。
空が暗くなって、私はチェシャ猫にお祖母様の家まで送ってもらった。チェシャ猫は、この森のことに関しては人一倍詳しいのだ、と笑って言った。
私が最後にまたねと言うと、彼はまた特段嬉しそうな表情で微笑んだ。
私の、初恋だった。
目を、覚ます。窓から差し込む光が私を包み、忙しない今日を運んでくる。
懐かしい、夢だった。私はあの日を忘れたことは無いし、忘れることもないだろう。そのあとお祖母様が、私のビリビリと破れた服を見て心配してくれたんだっけ。ひとりでに乾いた笑いが漏れる。
それから少しの間過去に浸っていると、ばんっと大きな音を立てて私の部屋の扉が開いた。と同時に、親の顔よりも見た顔がひょこっと扉の隙間から出てくる。
「おい赤ずきん! 今日はお祖母様が来てくれる日だろ、早く起きろ馬鹿!」
「ばっ……馬鹿とは何よ朝っぱらから! 大きな声出さないでよね、耳が痛いじゃない!」
大きな耳の生えた彼は私の相棒……いや、ライバルだ。名前は狼。今では家事やらなんやらをこなす私の母親のようになっているのだが、昔はこいつのせいで私の周りは慌ただしかったものだ。
私はムクリと起き上がり、何かとうるさい狼を睨みつける。すると狼は負けじと私を睨みつけ、さらに声の音量を上げて言う。
「もうすぐ着くそうだぞ、さっさと着替えろ!」
「わかってるわよ、うるさいなぁ! 着替えるんだからさっさと出ていきなさいよ!」
互いにいーっと歯をむき出して威嚇したところで、私の部屋の扉は乱暴に閉まった。私は一息ついて、やれやれと支度を始める。お祖母様が来るぐらいでそんなにまくし立てなくてもいいのに、と文句をたらしながら、いつもの服に着替えて寝癖を整える。ひとつ欠伸をして、私は部屋を出た。
少し廊下を歩くと、狼が角から飛び出してきて、お祖母様がもう到着されている旨を伝えてきた。要は急げということだ。私は嫌々狼に手を引かれ、駆け足で玄関の方へと連れていかれた。
扉の前には、大きな帽子で顔を隠したお祖母様が立っていた。その帽子で私の方は見えていないはずなのに、お祖母様は嬉しそうな声を出してこちらに近寄ってくる。
「久しぶりね、赤ずきん。元気にしてた?」
その声は、お祖母様というよりかはお姉さんという感じだ。私よりも背が高く、差し出された手も、すらっとしていてシワひとつない、不思議な彼女の手を握る。帽子の中は大きな影に覆われていて何も見えない。いわば正体不明。小さい頃からお祖母様の顔はおろか、名前や誕生日も教えてもらえなかった。それが私の当たり前だったし、そのことに関して疑問を持ったことが無かった。だけど最近になって、私はお祖母様のことが急に気になりだした。
今の私は前の私とは違う。ここ、赤の派閥のリーダーとして、たくさんの仲間を引っ張っている。今更私がいの一番に、身内へ疑いの眼差しを向けることなんて、リーダーとして示しがつかないことは分かっている。
「……えぇ、私は元気。お祖母様こそ、元気そうでよかったわ」
「まだ朝ごはんを食べていないの、一緒に食べない?」
書いてる時は自分が自分じゃないみたいでとても楽しい
だからこそキャラが自分よりになると書くのをあきらめる、ようになった
キズナなんて私の理想の私だったし
そんな理想でもなかったか。
私の夢の中の私、
何やってもそうだけど
自分がそのことをできなかった時の
周りの目が怖い
なんで出来ないんだっていう目が怖い
出来なくても怒らないで、やめて、
ごめんなさいって、
無性に謝りたくなる涙出る死にたくなる
Why di you like me?でGaiaが一番最初にばんってラップ入れるんじゃなくて、Anzと一緒に入ってんの、
イメージ的に、今まではGaiaが皆の先頭に立ってオラオラしてる感じが、Anzと隣に頑張って立とうとしてる感じになっててめちゃ良きだと今更。
いやぁぁああの二人まじすき
てかGaiaの童貞感ほんとに良い………好き
すごいなぁ露。
もうよく分からんな。
やばいだろ、。
これが第一次二次、その前の戦いでも
普通に起こってたことなのか、?
まぁ技術の差はあるけど。
露の言ってること信用ならなすぎて笑えてくる、それも嘘なら何が真実なんだ?
いやその施設、よく知らんけど多分露が元々作ってたやつでは???? 核を何百発ウクライナに置いてくるくらいならそんくらいしてるだろ
それ壊していいんか???
いや問題はそれ以前だけど
トピック検索 |