主 2017-05-12 19:10:48 |
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…おい、テメェ!何してんだよっ!
(涼をとるため湖でバシャバシャと音を立て泳いでいると自分のナワバリで立ちションする男を見つけ、肩までを水辺から出し濡れた茶髪を逆立てて怒鳴りつけ)
あぁん?
(怒鳴りつけられて顔をそちらに向けると茶髪が見えて目を細め、漂う匂いから同族かと思うとニヤリと笑って立ちションを続け)
何って、マーキング
(ヘラっと笑うと平然とそう告げて)
ざけんなっ…
(ギリッと奥歯を噛み締めるとザブンと水辺から上がりブルブルと全身を振って髪や身体の水滴を飛ばし)
此処は俺のナワバリだ!! 痛い目見たくなかったら、さっさと尻尾巻いて出ていきやがれ!
(Tシャツを頭から被り下半身露出したままで怒鳴り)
ふざけてねぇし。この場所はお前みたいなのにゃあ勿体ねぇよ。オレが貰ってやるから…尻尾巻いて出てくのはそっちだ
(相手の剣幕も気に止めずにニヤニヤしながらヒラヒラと手を振ると少し距離を置いて相手の体格や力量を計るように観察し、未だ余裕があるせいか耳や尻尾も出てはおらず)
あっそ。(急いでズボンと靴を履いて半円型の水辺をまわり相手の近くまでいき)
…お前、同種だな?じゃあそこ動くなよ
(耳や尻尾がなくとも匂いでわかり、片眉持ち上げ。両足を交互に持ち上げ踏んでいた靴の踵を戻すと爪先をトントンしてから、1度助走をつけ遠い場所へ戻ると戻ってきて飛び蹴りし)
ナンで命令口調なんだよ、ガキが
(大して歳も変わらなそうな相手にムカつきながら言葉の意味がわからず首を傾げ、助走を付けた相手が飛び蹴りしてくると体の前で腕をクロスさせて受け止め、同時に耳と尻尾が飛び出して威嚇するよう毛が逆立って)
てめぇ、大人しく出てけばいいものを
(ペッと唾を吐くと指をバキバキと鳴らして殴りかかっていき)
人の庭に汚ぇニオイつけやがって、テメェこそ偉そうにしてんじゃねぇよ!
(何度か殴られるとその度に顔を横に振るが視線は怯むことなく逆にキツく変わり、相手の耳と胸倉を同時に引っ掴んでそのまま一緒に倒れ込むと上に乗って右拳と左拳を使い頬を上から打ち付けるように交互に殴り返し)
俺様は偉いんだよ、覚えとけ!
(言い切ったと同時に耳と胸倉を掴まれて顔を顰め、視界が反転して相手に上に乗られると目つきが険しくなって牙が剥き出しになり、両拳で殴られる間低く唸り声を上げていたが、相手が殴りかかるタイミングを見て拳に噛み付こうと口を大きく開いて顔を起こし)
あぐっ…離せ――この野郎!
(拳に牙が突き立てられ皮膚が破れザリッと骨に当たる音がし、顔を歪めながらも拳を引くことはせず離れない相手の後頭部を、拳を地面に向かって振り下ろし何度も打ち付け、その度に血が跳ねて自分の拳も傷つくが構わずに)
…っ!んの…、
(手を引くどころか噛み付いた頭ごと地面に拳を向けられると後頭部を打ち付けてクラクラしてきて、拳から牙を外すと相手の体ごと持ち上げるように起き上がり、相手を突き飛ばすと口元を塗らす相手の血を舐めて)
マジでムカつく。ぶっ潰す!
(姿勢を低くして相手を睨むと、そのままラグビーのタックルのように突っ込んでいき)
ウガッ…!!(タックルされ木の幹に思い切り背中を打ち付け、ミシリと骨の軋む音がし)
ムカついてんのは、こっちなんだよ……
(幹に縫い付けられたまま、相手の腕を左右共に掴むと硬く鋭い爪を立てグググ、と力を入れていき、爪が皮膚に食い込んでいき血で服を汚し始め。相手の腹を蹴り押すと同時に爪を引き抜いて)
(木の幹にぶつかると確かな手応えと骨の軋む音に笑いながら舌舐めずりし、首を狙って噛み付こうと身構えると腕に相手の詰めが食い込んで相手を押し込む力が弱まり)
ギャンッ!
(腹を蹴られると油断もあってか思わず悲鳴が上がって飛び退き、警戒するように低く唸りながら相手の周りを距離を置いて回り始め)
(相手が離れるとずるりと背中が幹を滑り一度尻を地面につけるが肋を押さえながら立ち上がって。拳からドクドクと流血しているのに気付くと手の甲を舐め自分の唾液で止血効果を促して)
さっさと出てけ…ころすぞ。
(警戒し周りを回るように動く相手を敵意剥き出しの目で睨み付け、ピリピリとした緊張感が漂い)
出ていかねぇよ、ココが気に入ったからな
(相手から目を離せないままで距離を計って隙を探し、熱を帯び始めた腕の傷から血が溢れるのがわかるとザワザワと背中の体毛が伸びて自身の爪が伸びて鋭く尖り)
死ぬのはお前だ!
(相手の横から飛びかかると鋭い爪で首を狙って腕を振り下ろし)
(体毛が伸びると瞬発力が増したのがわかり、対抗するように肉体を獣のそれに変化させると筋肉が盛り上がり、髪の毛と背中の毛がザワッと伸びて持ち上がり。首に向かって振り下ろされた爪を横跳びで避けるが胸のTシャツが裂け、掌をついて身体の勢いを止めると低い態勢から地面を蹴り腕を伸ばして爪で胸を狙い突っ込むように相手に向かって)
グルルル…
(首への狙いが躱されて爪の先に引っかかったのはTシャツの切れ端だけで不機嫌に唸り続けていたが、相手の素早い反撃に僅かに反応が遅れて相手の爪を肩近くで受け止め、突き刺さった爪が抜けないように筋肉を締めると空いた手で相手の首を掴んで絞め上げようと力を込めて)
(爪が相手の肉に食い込み引き抜こうとしても引き抜けず、喉を掴まれ力が入ると気管が締まり唸り声は届かず ひゅッと呼吸がおかしな声を発して) …ガッ…ア… (空いている方の手で相手の手首を掴み力を入れるが顔は血流を止められ赤くなり、身体は痙攣し始め、ぱくぱくと酸素を求めて動く唇から涎が零れ顎を伝っていき、それでも相手を見据えようとする瞳は焦点をとらえられず宙を泳ぎ)
なんだァ、期待外れだな
(相手の気管から聞こえる奇妙な音にニヤリと口角を上げ、首を絞めあげる手を掴まれても微動だにせず相手の睨むような視線が宙を泳ぐまでを愉しげに見つめ)
出ていきたくねぇなら…そうやってイイコにしてりゃ、番になってやってもいいぜ
(からかうようにそう言いながら相手の頬をべろりと舐め、自分の優位を確認するように見下ろすと首を掴んだままで横に払うように投げ飛ばし)
(投げ飛ばされると地面を転がって止まり腕と膝を付いて、堰き止められていた空気を一気に肺へと入れ勢いよく咳き込み)
…テメェと番になるくらいなら死んだ方がマシだ(ペッと唾を吐き捨て立ち上がると同時に地面を蹴り、先程まで息も絶え耐えだったダメージを負っている者とは思えない速さで相手の懐へと跳ぶと肩に噛み付いて牙で肉を引きちぎり離れ)
へぇ、まだ落ちて無かったか
(さも愉しそうに目を細めると膝を付いて咳き込む様子を眺め、肩を竦めながら近付いて行くと唾を吐き捨てた相手が飛び掛って来る姿に目を見開き)
うがっ…グ、あぁぁっ!
(先程までの虚ろな眼差しでは思いもよらぬ速さで飛びかかってくる相手に肩の肉を喰いちぎられると呻き声を上げて距離を置く相手を睨みつけ、威嚇するように低く唸るとザワザワと体毛が伸びて鼻先が飛び出していき、真っ黒な狼へと変化して、後ろ足で地面を蹴ると相手の頭上から組み敷こうと襲いかかり)
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