魔導と強さだけが全てのこの世界で
今日も又、願いが絶望に変わる。
茜色の剣と、碧の瞳。
「俺はガキの頃からの友達が居るんだ!なんていうか……キバがあって、翼があるけど。でもすっげーつえーんだ!」
「……僕は仮にも魔王だ。どうして小さな頃から僕に付きまとうのかな……」
「お前は俺を崖から助けてくれたじゃんか!」
「きまぐれだよお馬鹿さん。」
絶望に変わる。
「……おそ、松…くん…?……お前…」
「……魔力…取られちっ、たみたい……おれ……魔法しか取り柄、ないのになあ………」
青色の薔薇と、紫の茨。
「一松!一松!魔導学園まで一緒に行こう!」
「……俺と居ると、あんたまで悪口とか言われるよ。呪われた子とか……」
「俺はお前と学校に行きたいんだ!……明日は実戦演習もあるし…いっしょに組もうぜ」
「あんたね……物好きだな……」
絶望に変わる。
「……誰?…あんたのこと、そんな風に…したのは……」
「……い、いちま……!?な、に……なんだよ、その……魔力……!?」
「……呪われた子はほんとだったみたいだな……ふふ、ひひ!……力が溢れるよ…今なら…今ならこの国だって……」
「っ……やめてくれ!!!!一松ーー!!!」
黄色の盾と、桃色の羽衣。
「…トド松、最近体調いいっすね!」
「うん、呪いの力も弱まってきたみたい。今なら外に出られるかも」
「…!内緒で俺がお城の外へつれてったげる!」
絶望に変わる。
「な……なんで……!?ぼ、ぼく、薬も飲んだし……今日は、呪いを抑える魔法も…」
「トド松!…っ、違うよ!トド松は化け物なんかじゃないよ!魔女の、呪いで!やめて!やめてよ!!」
絶望に、変わる。
暫くお待ち下さい。