フラミンゴ 2017-03-30 08:35:20 |
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(何処までもストレートな言葉は銃弾のように胸に突き刺さり、込み上げる嬉しいやら恥ずかしいやらの感情に追い付かず"きりり"と下唇を噛み締める事で何と形容して良いかも分からない感情を聞き。一つを取っても己には強すぎる甘い言葉の数々が、嘘じゃないと言う事が分かるからこそ照れてしまう。茹る様に顔を赤く染めながら眉は何時も以上に困り眉、照れ隠しに眼を細めれば自然と眉間に皺が寄り、「お前って本当に変な奴、」見に余る褒め言葉を貰った上で返す言葉は素っ気の無いそんな一言。「出会った時からずっと変なまんま。子犬みてぇにずっとキャンキャン煩ぇのな」綴る言葉は変わらずに減らず口のそれだが、あの頃と変わらないきらきらとした明るい笑顔を見れば釣られるように小さく息を漏らす笑みを零し、「煩い癖に俺のこと気遣って我慢ばっかりするし、人の事ばっかで自分のこと後回しにし過ぎだし、__変なやつ」述べる言葉こそそれだが、語る声色には負けず劣らずの甘さが籠り。多くの住人に言われる通り、己の身の丈に合わな過ぎる程、良く出来た恋人なのだ。硝子越しに受ける陽の光を浴びて、輝く髪に目を向ければ気立てのよさだけではなく見た目の良さだって備わっている。何が好きだって、きゅう。と瞳が見えなくなるほど細められる笑みを見れば何よりも一番元気が貰える。散々な言葉の羅列に彼の機嫌が悪くなってしまう前に、腕を伸ばせば光り輝く髪を指の腹でするりと撫でて。住み慣れた家を離れるのだ、増してや弟も一緒なのだから断られてしまうかもしれない。sんな不安より饒舌に語りだす無駄な言葉を咎めるように伝えられたその一言に慌てるように続いた言葉は止まり、確りと顔を抑えられ、視線の先には彼の姿だけと言う環境を作られれば続く未来絵図に底知れぬ安堵が生まれ、そして行われた口付よりも、茜指すように彼の眼元が染まった事に口元に笑みを浮かべれば「格好付かねぇなァ」なんてからかう様に一言を、くく、と喉を鳴らしてから彼の後頭部をわしゃわしゃと数回撫で回しそのまま後頭部を支えるように抑えつつ、近いままの彼の唇へ啄む様に口付を交わし。一度唇を離せば舌を伸ばし絡めるように深い口付を行って、つう。と糸を引きながら唇を離せば「湖んトコか、菓子屋んトコの近くが良い」なんて抜け目なく新居の希望を伝え、「籍っつっても、……城に報告するくらいだから。そんな大それたこと無ぇぜ」婚姻と言えどそれを行う住人自体が少なく、時折メイドやトランプ兵にそういった話が有ったと言うのを風の噂に聞く程度。勿論、己がその話に参加できるとは思って居なかった訳だが、期待をさせて落胆させては申し訳ないと言う思いからかハードルを下げるように続けて)
(自身が彼の事を話せば今度は彼が己の良いところを伝えるというリレーの構造が出来てしまったのか。側からみればただの惚気、なんの褒め合いだ、と可笑しくなり"はは!"と笑い声上げ。ただ悪い気がしないから話を区切るタイミングが分からず。「そんな変な奴好きになったふーちゃんは、もっと変人やわ。それに自分こと後回しにして考えるんは、殆どふーちゃんのことばっかやでェ」結局は甘い言葉の応酬になってしまう。生来は自己中心的な我儘野郎なのだ。それもあれこれと策を講じ計算して用意周到に働きかけるのだから、よりタチが悪い。だがフラミンゴの為ならば多少自分が我慢して妥協してでも彼の喜ぶ顔が見たいと思うのだから、自身こそが本当の意味で変わったのかもしれない。「てかふーちゃん、俺ンこと子犬みたいや思ってたん?もうちょいかっこ良え動物に例えてほしいわァ」笑みの形に緩む彼の唇を親指と人差し指で摘み、今更なツッコミをいれ。「まァ、でもふーちゃんが飼い主になってくれる言うしそれもええか。宜しく、ご主人様」ヒラリと唇から指を離し、その手はそのまま彼の手を持ち上げ、掌を上に向けるようにしては、その上に軽く握った拳をおき"わん!"と犬の鳴き真似しお手をして見せて。拗ねる気持ちも頭を下げてひと撫でされては、あっという間に彼方へ。自分から仕掛けた口付けは彼により深いものへと。うっとりと瞼閉じ、彼が甘い物好きだからか、ほんのりと甘い味が口内を満たすのを堪能して。「その中間ぐらいにする?あんまお菓子屋近いと、匂いに負けてまうやろ」クスクス、と潜めた笑いを漏らし最初は同意してみせるも、目を光らせる所は光らし、甘やかすだけではなく釘を刺して。何となく予想していた通りで、籍を入れるのは報告だけで終了するらしい。だが呆気ないようで報告する、ということが大事なのだ。「全然ええよ。やって報告したら何か実感せん?家族になったって。それに今迄よりも堂々とふーちゃんを独占出来るしなァ」にんまりと笑みを作り、メリットを述べて。幸せな話をしていたからか、あっという間に時間は経ち、気付けば観覧車は終着へ。途中からは景色を見ている余裕もなかった。だがそれ以上に素敵な思い出が一つ出来た。彼と手を繋ぎ観覧車を降りては「また新居候補の土地、見に行こうや。でも今日はもう戻って二人っきりになりたい。あかん?」外でくっつくには観覧車が回る間だけなど短すぎる。周りに聞こえぬようひっそりと誘いをかけ、彼が了承すれば家に戻ろうか)
(/バレンタインイベントにお付き合い下さり有難う御座いましたー‼︎これ以上お話を続けると理性が持ちそうにない為、一旦〆させてもらいます…っ。今回も愛らしいフラミンゴ君にとても癒されました!有難う御座いますっ。次ですが双子と新キャラのどちらが良いとか有りますでしょうか⁇双子なら羊さんの所にお店の事を、新キャラでしたら其々不思議の国を散策させてみようかな、と思います‼︎)
(/交流文の回収ありがとうございます…!こちらこそお付き合い頂いて!テファンくんの可愛らしさにフラミンゴ共々終始デレデレでしたっ。それではぜひとも新キャラさんとの交流を深めさせて頂ければと!如何せん背後様の扱ってくれるキャラが大好きで選べれずっ。気分さんや組み合わせてみたい組み合わせなど有りましたらぜひっ)
(/了解しましたっ‼︎ギールでしたらきっと呑んだくれているので、お酒の強いジョーカーさんやジャバウォックさん達と呑み明かすか、遊園地のカジノに遊びに行こうかなーと!リュカでしたら、お城で白兎さんの手伝いか、あまり人と関わらない住人さんのところにお節介しに行かせて貰えればなーと思います‼︎この中で気になる組み合わせなどあれば教えていただければとっ。勿論相性云々で変えていただいても構いませんので!)
(/それでは一番最初に上がったジョーカーにてぜひカジノのお誘いをさせて頂きます…!もし絡み辛ければ出し直しますのでご遠慮なくお伝えくださいませ!/蹴り推奨)
(真昼間からシャンパンの酒瓶を持ちながら千鳥足にてフラフラと歩く様は、誰がどう見てもただの酔っ払いそのままの姿で。剰えしゃっくりを″ひっく、ひっく″と纏うのだから駄目な大人を辞書で引いた際にそのまま記載できる程の立ち振る舞い。ご機嫌なまま羊邸を訪れると「ハンプティ。一攫千金狙って勝負行こうよぉ」何度も繰り返すような扉を叩く音は今すぐにでも家主が怒りながら登場しても何らおかしくのない迷惑行為、カジノだのダイスだのスロットだのと口々に連ねつつばんばん、と扉を力強く叩き。反応が無ければあれぇと呑気な声を上げてから誰もいないのかと頭を捻り。栓を抜いた酒瓶を傾ければ水でも飲むように中身を喉に流して、再びしゃっくりを重ね)
(数日前に転がり込んだ純白が眩しい羊邸。白イコール清純、純白が思い浮かぶカラーに不釣り合いなダメ人間とはまさに己のこと。家主に遠慮する事もなく、優雅に昼間まで眠りこけ。それと言うのも昨夜も遅くまで呑んでいたからに他ならない。酒には強い為、二日酔いになることはない。だが、ガンガンと叩かれる扉の音には流石に頭痛を覚えそうだ。ぼさぼさの寝癖のついた髪はそのまま、ボリボリと腹を掻きながら玄関まで赴き徐に扉を開く。ふわぁ、と大口で欠伸を零し、其れを隠すこともなく、欠伸で滲んだ目はそのままにジロリと来訪者をジロジロと見下ろす。女のように綺麗な顔と猫のように愛らしく釣った瞳に、ニタニタと途端品のない笑みが唇を彩る。クン、と鼻を鳴らすと強い酒の匂いが漂ってくる。「こりゃまた随分な別嬪さんじゃねえか。美人が酒を背負ってくるなんざ、日頃の行いがいいとこんなサプライズもあるってか?」きっと酒瓶を傾け浴びるように呑んだのだろう、唇の端に滴る酒の雫を相手の許可もなくベロリと厚い舌で舐め上げては、''ヒュー"と野次るように口笛鳴らし。「こりゃ美味いねえ。どれどれ大分酔ってんじゃねえか?優しいオジさんが介抱してやろう」傍で聞けば犯罪臭が半端ない台詞を真面目な表情で言い切ってみせては、手は不埒にも彼の細い腰を抱き寄せようと動き)
(/交流文の先出し有難う御座います‼︎絡ませていただきましたので、宜しくお願いしますっ。なお途中お触りが過ぎましたら引っ叩いて下さっても構いませんので…‼︎むしろ最初からセクハラ親父で申し訳ないですっ/陳謝/蹴り推奨)
あれぇ、此処はいつのまに用心棒を雇ったのさぁ。(散々好き放題に叩いていた扉が開けば苛立ちを表立たせた家主か、己が今カジノに引き連れて行こうとしていた待ち人か、さてどっちかと目を向ける。そこに立っていたのは見たことの無い人物、己の記憶が正しければこの家に三人目はいなかったはず。如何にも男らしい雰囲気の彼を惚けた声で屈託なく笑いながら続け、口に残っていた酒を舐め取られると業とらしく驚くように"わあ"と間抜けたマイペースな声を上げて「介抱は有難いけど、――それより一緒にハラハラして楽しいコトしに行こうよ」彼の発言から飲める口なのだろう、酒が飲める奴は皆友達である。"けたけた"と笑いながら見つからなかった待ち人の代わりに彼の事を連れ出すつもりの様で。寧ろと言う様に彼の手を己の腰に回せばその手を引くように家から外へ連れ出して「おにーさん男前だから大丈夫、その顔が有れば十分楽しめるよ」失礼にも彼の顔を数秒程マジマジと見つめれば縁起でもないそれを告げて、逆を返せば色男に目が無いカジノのディーラーに色男を斡旋すれば此方にも美味しい話が有るのだ。それを隠しつつ「賭け事は得意?まあまあ!話は道中しようよ、ほら、呑んだ呑んだ」最初はこれから向かう先の本質を、その途中にあっけらかんと話を流せば手にしていた酒瓶を彼へ向けて。依然変わらぬ千鳥足、よろけよろけ、そんな頼りない足取りで「今日は勝つよ~」ひっく、としゃっくりを纏いつつ気合をためれば"そうだ、"と思い直すように彼へ顔を向け「僕はジョーカー。城に住んでる呑兵衛だよ」忘れていた自己紹介を行うように"にー"と緩む口元でのんびりと行って)
んん?あ゛ー、只の居候。でもこっちでも用心棒っつー仕事があんなら、働こうかねェ(ここ数日ぐうたらと食っちゃ寝していただけに、用心棒と間違えられると些か心が痛む。ガシガシと後頭部を掻き、濁そうかどうするか、低く唸ったのちに本当の事を暴露。このままの生活を続ける訳にもいかず、そろそろ就職先探しに本腰をいれようかと思案を。然し真面目に思考出来たのはそこまで。美麗な人物からのお誘いとあれば断るわけもなし。導かれた手の先は柔い腰、その隆線を楽しむようにさわさわと腰と臀部を往復して。「いやァ、朝から眼福だねえ。よしよし、オジさんと愉しいことしようぜ。んで、何処に連れてかれるんだ?あんま顔には自信ないんだが」隣をふらつく彼の足取りは見ていて危なっかしい、腰に触れている手で、そうとは知らせぬよう彼が歩き易いように体幹を支え。もう片方の義手で顎先を摩れば、薄っすらと前髪越しにいつも見ている年老いた男の顔を思い出す。彼のいう男前でない事は確か。将又住む場所、環境が変わった事から、相手の美的感覚も己が今まで身を置いてきた環境と変化しているのか。まぁ、何にせよ美人に男前と評されては悪い気分はしない。「ジョーカー?こりゃまた変わった名前だな。俺は…何だったか、えらく少女じみた名前で呼ばれた気はすんだが。アリアだが、マリアだが、いや其れともアリスだったか?ま、適当に呼んでくれ」緩む艶やかな口元に目を釘付けにされながら、適当な自己紹介を行い。先程唇の横を舐めた際に拒否反応がなかった事から行動は大胆に。今度は唇に伝う酒を舌先でなぞる様に舐めとり、ほんのり感じる酒の味を堪能して。「こりゃ何の酒だい?出来たら酒が入手出来る店も教えてくれりゃ有難いんだが」味わったことのない美味い酒に舌鼓をうちながら、それとなく行き先を追加する辺り抜け目なく)
こんな確りとした用心棒がいるなら助かるねぇ、__ほら、此処って直ぐ倒されそうな二人が住んでるから(城に住んでいないアリスならば己に見覚えが無くても仕方がない、仕事先をと浮かべた彼の言葉にアルコール浸りで愉快な頭は"あはは!"と吹き出すように暢気な笑い声を零すだけで。彼の手が宛がわれたから幾らか歩きやすくなった、その事に気が付かぬまま森の道を進むと「一攫千金は男のロマンだよねぇ、――その夢を当てにカジノ。」ギャンブルと聞けば目の色を変えて嫌がるアリスも多く存在する事を重々に知る為、本来ならば黙って彼を連れて行き現地の逃げられない場所にてネタ晴らしと行くのが一番なのだが、類友と言うべきか、同じような匂いをほぼ本能的に嗅ぎ分ければ隠す事無くけろりと行先を告げて。「最初の一回分くらいの賭け金は僕が持つよ、……やっぱりお金が掛かってないと面白くないもんねぇ」眼を細めて猫のように笑いつつ綴る発言はどうしようもないに尽きる物、顔に自信が無いとは謙遜にも程が有る。ロマンスグレーと言うべきか、端正な顔付に刻まれる皺なんて魅力の塊なのだ。「でも、もし、負けたら――そこで引くのも、ディーラーと交渉するのも、アリスの自由。僕は関与しないし余計な水も差さない。でも大丈夫、アリスみたいな男前なら沢山援助してくれるよ」上げたのは一文無しになったのちの対処法、ぽんぽんと軽い手つきで髪を撫でつけるように触れれば「だぁいじょうぶ、別に殺しまではしないから。もしもそうなったら、僕がディーラーをしかるべき対処でちゃんと牢屋に連れてくよ♡」ゴソゴソと袖口を漁ればチャリンと金属音を立てて手錠を披露し「こうみえて、国の看守だから」殺しはしないが命はとられるかもしれない、そんな事実を垣間見せる発言をちゃんと忍ばせれば不安を煽るような言葉を包み隠す為にふざけた喋り口で言葉を続け。いそいそと再び手錠をしまえば酒に関する話題に目を輝かせ「これは白葡萄のやっすーい奴、お酒が飲みたかったら公園の出店を見ると良いよ。後は城に僕かライオンに声を掛けて、そしたら美味しいお酒をあげる」酒飲みと知り合えれば気分上々も益々と言った物、生真面目な誰彼が聞けばしかるべき処分を下されるのは己かも知れないと言った内容をつらつらと述べつつ「相変わらずハッピーなトコロだねぇ」見えてきた遊園地の賑やかたる雰囲気にくすくすと笑い声を零して)
成る程なァ、ならここの家主と同居人に話し付けて雇ってもらうかね(探すまでもなかった、身近な雇い主を斡旋してもらえれば、その手もあったかと一つ頷きを。果たしてここ数日のぐうたら具合を見て雇おうと思うかは神のみぞ知る、といったところか。ギャンブル、カジノ__耳馴染みの良い単語だ。以前は其れなりにそういった物にも手を出していた。というのも、其れぐらいしか娯楽がなかったのだが。血腥い過去の記憶が脳裏を過るも、頭を一振りする事で蓋をし「成る程な。このお気楽な世界にもそういったモンがあるのはラッキーだぜ」昼行燈を装っていても、生来そういった賭け事や血が滾るような勝負事は好きなのだ。生憎遠慮といったものは何処かへ置いてきてしまった、彼が掛金を持ってくれるならば好都合。不埒にも臀部へ手を這わせつつ「そりゃ悪いねェ。その代わりにご奉仕させてもらおうか?」どんな、と言わず官能を思わせる手付きで暗に伝え。然しその手の動きもこれ見よがしに出された手錠にピタリと止まる。片方の眉尻を跳ね上げ、あ゛ー、と言葉濁せばそろりと触れていない方の手を顔横まで上げてみせ「ちょいとジョーカーさん。つかぬ事を伺いますがセクハラとかも其れに適応されちまう…?」看守相手に大胆な事をしてしまったもんだ。恐る恐る酔いに上気する彼の顔を窺いみながら、確認の言葉を。もし頷かれてしまえば非常に残念で惜しくはあるも、べたべた触れるのは自重しようか。そんな事にばかり考えがいき、彼の不安な言葉はまるっとスルーしてしまうのだから爛れた脳である。酒店に関する情報に"ほう"と相槌うち、すぐ様脳内メモし。「もし賭けに勝てりゃ、帰りに酒買いに行こうぜ」ガハハ、と陽気に笑いながら相手が了承しそうな誘いをかけ。軈て見えてきたファンシーな音楽と鮮やかな色とデザインが特徴的な遊園地が見えてくる。久しくこんな楽しげな場所に足を運んだ記憶がない。「ここにカジノがあるってか?なんとも気が抜けるねェ」周りで遊ぶ幼い住人たちの姿を横目に"ふわぁー"と隠す事なく大きな欠伸をして)
__これくらいで一々捕まえてたら今ごろ檻の中は満員になってるってば(手錠の披露は本来彼に安心感を与える目的を持っての事だったのだが、思いがけない方向に話の矛先が進むと笑いを堪える事が出来ずに吹き出すような笑い声を上げてその衝撃に合わせ肩を小さく震わせれば「君が無理やり手を出して、それを元に相手が自殺したって言うんじゃないなら君を捕まえる理由は無い」極論ではあるが、人の生き死ににさえ触れなければ問題はない。そうでなければこんな呑んだ暮れが国を我が物顔で取り締まる事など出来やしない。第一、これ以上の事を狙う輩の居る巣窟に今から彼を連れて行くのだから己の顔色を窺うような彼には底抜けに明るく邪な思いなど欠片も持っていませんよと言う白々しい笑みだけを贈り。隣並ぶ彼もカジノに対して前向きな姿勢を覗かせて、ギャンブルの後のスケジュールまで描いてくれるならば都合が良い。そうしてどんどんと深みに嵌れば己にとって美味しい展開この上ないのだから。欠伸を零す彼の腰へ片手を添えれば誘導する為に時折抱き寄せて歩みを進ませ。到着したのは豪華絢爛、昼夜問わずにギラギラとネオンが輝き出入り口のポップな音楽とは違う賑やかで重みのある音が溢れ出ている。「今日こそは勝つぞぉ。――検討を祈るよ、アリス」最初はマイペースな独り言をにまにまと笑みを浮かべながら呟いて、扉に手を掛ければ猫のような眼に彼の顔を確りと焼き付けてから一瞬だけ冷静さを戻すように確りとした声色で告げ。直ぐに扉を開けば幾人ものバニーガールが出迎えを。扉によって抑えられていた賑やかな音楽は武器のように次から次へと降り注ぎ、その中で並ぶバニーの内、お気に入りの子を見つければ彼の手を離れ彼女の元へ「今日も可愛いねぇ、」"ちゅー"とふざけるように顔を寄せ、女性の耳元に顔を寄せた所で"悪魔を呼んで"と依頼を伝え。『ジョーカー様、おふざけが過ぎますわ』と指示を受けたバニーガールがするりと距離を置くと一礼した後に姿を煙に巻く。くるりと振り返り彼に向き直ると"ふられちゃった"とおどける様な一声を添えて肩を竦ませ、「僕はスロットをやろうと思ってるから、何か有ったらいつでも声を掛けて。……初心者なら、悪魔のダイスが一番簡単で勝算が有るよ」ぽんぽん、と彼の背を数回叩けば数枚の札を彼の首元にチップの如く挟めて。そのタイミングにて先ほどのメイドが悪魔を連れて戻れば"じゃぁ、あとで"とスロットの方へ姿を消して)
悪魔:(バレンタインと言う楽しげなイベントが盛り上がれば盛り上がる程、ギャンブルと言った界隈に足を運ぶ人間は少なくなってしまう。売り上げの低迷にどうした物かと悩んでいたころ、一人のバニーガールが姿を現すと"ジョーカーがアリスを連れて来店した"と言う旨を伝えられ。他ならぬ男が連れて来たアリスと言う事であれば己の好みのアリスだと言う事だろう、売上云々などすっかり頭から消えてジャケットを羽織り姿を現し。其処に立っていたのは若くはないが、端正な顔立ちを持つ一人の男。今すぐに手を出してしまいたくなる欲を抑え込んでから人当たりの良い笑みを表情に浮かばせて「ようこそ、此処は初めて?」数人のバニーガールは獲物がライオンの檻にでも入れられてしまったと嘆く様に表情が曇る。そんな彼女らを場から離す為「皆は仕事に戻って、折角アリスが来てくれたんだから。俺が、」と其れらしい言葉を添えつつ散り散りに。「俺は此処のカジノのオーナーを務める者です。今日は何で遊ぶかもうお決まりで?」するりと伸ばした指先で様々な台や行われているギャンブルを示しつつ「もし決まっていないなら、俺がディーラーを務めます、"悪魔のダイス"なんていかがでしょう。とても単純で時間も掛からない、幸運の女神が微笑さえすればいとも簡単に儲けられます。」今は誰も使っていないテーブルを示して表情の笑みだけは依然変わらずに浮かべて、それとなく誘導を)
ははっ、そりゃそうだわな。ココが刑罰とか厳しい所じゃなくて良かったと嬉しく思うべきかねえ
(笑う彼の花の顔を繁々と眺めやりつつ、少なくとも今後セクハラ罪で捕まる事はなさそうだ、と胸を撫で下ろし、大業に張っていた肩の力を抜いて見せ。つい麗人の笑みに絆され、彼が心の底に何か企みを持っている事などつゆほども知らず、緊張感の無い顔で常のように笑って。殺伐とした死と隣り合わせの荒廃した世界でなければ何処でも良い。過去己が身を置いていたあの場所で無ければどこでも天国。これから行く先で何が起きようとも。そんな心積もりだからか、妙に肝が座り動じぬ有様。時折甘い香りと共に擦り寄ってくる体を無骨な腕の中に抱きしめ、細い肢体の感触を楽しむ。軈て辿り着いた先は享楽を詰め込み派手派手しくネオン輝く、退廃的な世界。目の前で繰り広げられるバニーガールとの戯れに「オジさんにもキスの一つや二つプレゼントして欲しいもんだ」矢張り世の中顔が良いと優遇されるのか、とさして言葉ほど残念がっていない声音で揶揄るように横槍入れ。去っていく麗人の後ろ姿にヒラヒラと手を振り、入れ違いにやってきたこれ又毛色の違う美男を欲の入り混じった視線で堂々と食い入る様に見やり。「ここは色男や美人しかいないのか?」おふざけに"ヒュー"と口笛を吹き、彼の説明を何となしに聞いて。果たして内容は入ってきているのか、声まで良い、などと見当違いな感想を漏らす。無論周囲のバニーガール達の表情など見ておらず、眼差しは一心に目の前のカジノのオーナーである彼へ。すっと近寄り、台座を示す指先へ手を伸ばし、不埒にも両手で彼の手を握り手の甲をやわやわと撫ぜては「ゲームも気になるがアンタの事も気になるね。時間が掛からないゲームなんざ残念だ。是非親睦を深めたいもんだ」己のペースのままに口説き文句を一つ、叶うならばふわりと柔らかく広がる彼の黒髪へ指を絡め撫で梳こうと手を伸ばし)
(警戒心を生ませて得になる事は無い、本音を言うならば今すぐにでも手を出してしまいたいその思いを堪えていたのに、そんな思いなど露知らずと彼の方から手を取り髪に触れるその距離感が己に残る僅かばかりの自制心すら崩してしまい。喉仏を揺らしゴクリと飲み込んだ生唾は正にそんな欲を表に出しているようで、余計のこと、自由を体現したかのように掴み所のない目の前の彼を囲いたくなってしまう。"くすり"と息を漏らすように小さく笑みを零せば「ゲームをする前に親睦を深める、か。__アリスが望むなら、幾らでも」遠慮なく顔を寄せれば対価の前払いとでも言うべきか、形の整った彼の唇へ口付を行って。熱を受け取る様に啄み重ねた口付の後に寄せた顔を戻すと「俺は"悪魔"、アンタみたいな色男を食っちまいたくて堪らない。」顔を寄せた際に感じた匂いは仄かにアルコールが混じっていた、彼を此処に連れてくる途中にジョーカーから貰ったのだろう。表情だけは依然変わらず余裕綽々に笑みを蓄えて、爪を弾く様に人差し指と親指でパチンと音を鳴らすと「折角タイプのアリスが来たんだ、俺の物にする為に必死になってる」本性やら手の内やらは出さないが、それでも全くの嘘では無い。真実を織り交ぜたその言葉を綴ると眼を細めた後にテーブルの上へ一つのサイコロを転がし「さぁ、ゲームをしよう」悪魔と言えど、ルールは守る。ルールを守るからこそ、逆に借金漬けにしてしまえば遠慮は無い。顔を隠すように掛かる彼の前髪を指先でスウと開き、年相応の皺の刻まれるその目元を真直ぐに見詰め再度悪魔のささやきを)
(目の前で生々しく動く喉仏、寄せられた顔、サプライズのように重ねられた唇。互いの唾液で濡れ濡れと艶めく唇は色めき、まるで匂いたつようだ。ペロリと覗かせた舌先で唇の端を舐め、前髪越しに瞳を眇め。「そりゃ面白い冗談だ。俺を食ってくださいっつー前フリかなんかかア?」余裕を見せ、ペースを崩す事なく笑む姿の何と可愛らしい事。敢えて自身が上であると言葉にして宣言するのも愛いものだ。ガハハ、と大口開けて豪快に肩を揺らしてはテーブル上で転がる賽子を見遣る。ゲーム開始の合図は何とも単調。指先で横へ流された前髪、遮るものがなくなった眼光は、室内の光を反射し鈍く煌めく。ふ、と陰を落とすように細めた瞳で流れるように彼を見つめた後、台座前に置かれた椅子へ移動する事で相手の手から逃れる。どかりと椅子へ腰を落ち着けては、カジノ内を行き交うバニーガールを呼び、その盆の上に乗せられていたワイングラスを受け取って。品性のない豪胆なさまで、ワインを呷り。「いいじゃねえの。そのゲーム乗った。んで、負けりゃ俺はアンタのもんで、勝てばアンタが俺のもんってか?そういや美人のジョーカーちゃんが幾らかくれたっけなア」先刻首元にプレゼントされたチップを今思い出したとばかりに取り出しては台の上へと全部乗せる。さて悪魔のダイスなるゲームの内容とはどんなものか。ここに至って肝心の内容を聞いていない事に気付けば「うっかりしてたわ。肝心のゲームの内容が分からねえ。どうすりゃいいんだア?」わりぃわりぃ、と悪怯れるでもなく片手でペチリと額叩けば、緩く足を組んで"んで?"と説明を促す様に首傾げてみせて)
(豪快な素振りは親しみやすさを見せる、が、その裏で一定の距離感を確りと保つ強かさが垣間見えるようだった。現に、初めて訪れたこの環境下抑えきれぬ欲の儘に行った口付にさえも彼は動揺と言った物を億尾にもせず飄々とした独自の空気感を乱す事なく確りと持っている。一先ずは、他のゲームに興味を持たれる事無く、己にとってホームのゲームに彼を引き摺り込む事が成功したらしい。"にい、"と口角をより一層持ち上げて愛想の良い笑みを浮かばせれば人差し指と中指の間にてサイコロを挟み如何様のやり様がないいたってシンプルなサイコロで有る事を示し「難しいゲームは時間を食うから他のスタッフに頼むんだ、俺が扱うのはこのダイスだけ。これを一回ずつ順番に転がして0-9の内数字が大きい方が勝ち、俺が勝てば掛け金は全て頂く。でも、アリスが勝てば同額を上乗せで返すよ」使うダイスは勿論同じ物、如何様などどう足掻いても行えないのだ、どうだフェアなルールだろうと説く様に続ける説明を終えれば肺を膨らませるように短く酸素を吸い込んで、からん。とテーブルの上に跳ねさせるようダイスを転がし。暫し揺れ動き不安定な転がりを見せた後に数字が確定すれば、そのダイスを彼へと差出し「簡単でしょ、ほら。どうぞ、」賞味、賭け事の結果などさして重要ではない。こうして心臓を掴む緊張感と共に勝てば優越と優位な立場を、負けても気をよくした彼はまた此処に来ると言う次回に繋げることが出来る。そんな思いから表情の余裕さは姿を消さず、彼の手の内より転がるダイスを楽しみに待ち)
(相手の指の間で揺れる賽子、まるで憐れな生贄のようで愉快で仕方ない。説明される内容は至ってシンプル。賭けの代価も分かりやすくて良い。勝っても負けてもどちらでも良い。勝敗には聊かも興味がない、と言えば聞こえは良いものの蓋を開ければ内情はゲスいもの。どちらであっても、其れなりのメリットがある。むしろ賭け事をする時に感じる高揚感が堪らない。彼が振った賽子の目は7。戯けた仕草で天を仰ぐ様に背凭れに深く体重をかけ、目元を片手で覆う。そもそも金のかかる賭け事では運の無さは元の国で定評済み。それに比べて彼はディーラーとして中々の才能の持ち主であろう。「おいおい、初っ端から手加減ねえなー」どうぞ、と渡された賽子を掌の中で転がしつつ、時折傍を通り過ぎるとバニーガールのヒップへ手を伸ばす、どうしようもないダメ親父。無論、そんな不埒な手は幾らも跳ね返してきた彼女たちによってするりと躱される。柔肌に触れる事の叶わなかった手をにぎにぎと数度動かし「あー、侘しいねえ。オジさん悲しいわ」失意のままにガックリと項垂れ、ええいままよ、と勢いに任せて賽子を机の上へ転がして。果たして運命の女神はどちらに微笑むのか。勝った場合はご褒美として、負けた場合はバニーガール達によって与えられた傷心も目の前の彼のせいにして、慰めの為の口付けを強引に行おうと身を乗り出して)
(空を向き出た数字は決して悪い物じゃ無い、十分負けに転がる可能性は高いが数字だけで言うならば勝ちに転がる可能性の不が高いのだ。バニーガールとの他愛のないやり取りを横目に彼の手の内より再び転がるダイスを眺めれば不覚にも意識が転がるダイスに向けられていた為、彼の身が此方まで乗り出している事に気が付かず。数字が"2"を示し、勝利が確定したのに合わせ思いのほか近かった距離感に眼を丸め行われる美味しいご褒美に丸めた眼は獲物を狙う様にギラ付きを持ち瞳孔を開かせる。舌先を覗かせれば形の良い唇をべろりと一舐め、「まさか、このゲームで終わりにするなんて言わないでしょ。今のキスが先払いでも良いけど、__そうだ、そのコートを賭け金代わりにするなら今と同じ条件にしよう。俺が勝てばそれを貰うけど、アリスが勝てばこの金と追加で同額を。」業とらしく指先で彼が最初に用意した金を摘まんで揺らし、言葉の裏を返せばそのままの意味で身ぐるみを剥がすと言ったそれだが、あわ良くばこのまま全てを脱がして彼さえも此処に囲ってしまえと思うのだから不埒な思惑は底を尽きる事が無い。厭らしくも白々しい程の人の良い笑みを表情に浮かべ上げると「今のが良い練習になったでしょう、次はきっと勝てるよ」用意されていた賭け金を己のジャケットに雑にしまい込んでから気を持たせる様な軽い言葉を添えて「コートの次はインナー、手袋、パンツまで。賭けるものは未だ沢山有るんだから」"心配なんて要らないさ"と彼が身に纏う品を一つずつ舐めるように指摘して、心境は正にベッドの上で丁寧に一枚ずつの衣類を脱がせているとでも言った物。興奮を覚えるなと言う方が難しい話なのだ、抵抗的で反抗ばかりも美味しいが据え膳を態々用意してくれる積極的なのもまた魅力的だ。そんな色めいた思考を懸命に抑え込みつつ無理強いをして逃げられてしまわぬよう、返事を待って)
(手から転がり出た賽子の目は2。案の定な結果にやれやれと肩は竦めるも、その分目の前の彼の唇を思う存分貪って。ギラギラと欲望にギラつく瞳は何やら己と同じ穴の貉な気がして仕方ない。次に提示された代物は今羽織っているコート。更に続けて賭けの代価として己の衣服が連ねられていけば、いよいよ可笑しさが込み上げ"__っく、はは!"嚙み殺しきれなかった哄笑を響かせ。「俺に猥褻罪で捕まれってか?生憎露出する趣味はねえし、手袋もちょいと訳ありなんだわ」面白いことこの上ない。是非その賭けに乗りたいものの、衣服の下に隠された大小の裂傷、左肩の生々しいつなぎ目は見ていて気分の良いものではなかろう。周りで各々に賭け事を楽しんでいる住人も白けてしまうだろう。明確にはしないものの、押し込めた陰湿とした声音で断りをいれ。ふ、と思わせぶりに瞳を細め、彼の手の甲へ指を這わせては「俺の裸体が見たけりゃベットの中で、な?」其れこそ潔癖な人間には直ぐさま手を振り払われるであろう言葉を囁き落とす。彼も嫌悪で顔を潜め拒否するならば周りに誰も居ない所で、が良いだろう。胸中で付け足した思いは音にする事なく、ひっそりと己が内で隠す。さて彼が提示する衣服が無理ならば他に何があったか。ガサゴソとコートのポケット内を漁ってみると秒針を止めた懐中時計がコツリと爪先に当たる。ジャラリとそれを取り出しては「壊れモンならあるんだがなァ」さてこんな物が代価となるのか。シンプルなデザインのシルバーでコーティングされた懐中時計。色々と思い出はあるものの、そろそろ手放そうかと考えていたところだ。丁度良い機会かもしれぬ。ディーラーである彼の返事を待ち)
(嫌がるでも乗り掛かるでも無いリアクションを披露されると僅かばかり疑問が募る、見せられたのは堪えきれないとばかりの笑い声だからこそ、積極的かと思えば脱ぐことは嫌がるという掴めなさに頭を少しだけ傾けて。纏う衣類の下に怪我が有る事も、剰え何度も触れた彼の手が義手である事も知らなければ尚のこと答えは見付けることが叶わなくて。露出する事は嫌がるが、口先だけだとしても夜の誘いは送られる。彼の掴めなさに益々興味は募り、その中でも"訳あり"と隠される手袋の下に釘付けとなる。大っぴらな物よりも隠されるものの方が焦らされ焦がれる時間がエッセンスとなり一層欲すると言うのは性と言うべきだろうか。"へぇ"ぽつりと漏らす様に呟いた一言の後に続けるのは隠す事無い興味、「生憎、嫌がるアリスに無理強いは叶わないから。俺は飽く迄も提要される品に合わせてゲームをするだけ、――でも。何も賭ける者が無くなったら、その時はその"訳"を俺が買うよ」果てなき好奇心は堪えを知らず、瞳は焼く様に真直ぐと彼の手を捉えその下にある秘密を欲しい欲しいと欲張るばかり。事実、彼がもし代案である懐中時計を差し出さなければ直ぐにでもそれを駆け引きの一つとして持ち上げたはず。渋みのある光沢は決して新しい物では無いと言う証明だが、寧ろそれが良い。彼が何処かの元のクニで過ごしてきた時間を買うようなものなのだから。にっこり、と形だけは綺麗な笑みを浮かばせて「勿論、乗り気の客人を前にして断るディーラーなんていない」答える返事は肯定、先ほどのように勝っても負けてもそれで良いと言った気持ちじゃないのは賭け品が関わっての事。今回ばかりはどうしたって勝ちたいと、その気持ちを胸中に忍ばせながらコロンとダイスを振り落として)
(どうやら悪戯に彼の関心を買ってしまったようだ。未だ未だ他者から興味持ってもらえるなど己も捨てたものではないな、と忍び笑いを。好奇心を持つことは良いが時には仇ともなる。「この"訳"を買うって?俺に興味を持ってもらえて光栄だが、好奇心は猫をも殺すって諺知らねえのかい」クツクツと喉奥を震わせ、グイッと強引に彼の胸倉をつかむ様にして此方へ引き寄せては右の手の方で相手の顎をがっちりと固定し。目と目を合わせ前髪の隙間からチラリと獰猛に妖しく光る目を覗かせては、「其れなりの覚悟があんなら、踏み込んで来な。そん代わり、一度でも踏み込んで来ちまえば逃しはしねえよ?」彼にのみ聞こえる低音で囁き。甘美でいて何処か狂気を孕んだ声音、果たして狩られる方の獲物はどちらか。一瞬流れた不穏な空気を払拭するようにパッと手を離し、わしゃりと頭を撫でては「なんてなァ。そんな大層なモンじゃねえし、そこまで負けるつもりもねえよ」誤魔化す様にニィと口角持ち上げ、殊更に明るい声音で告げて。運命の賽子は果たして。テーブル上で転がった賽子が示す数は2。先程と立場は逆のようだ。勿体ぶるように宙に何度か賽子を投げ掌でキャッチを繰り返し。「俺が勝てば賭け金の返金と今度デートに付き合ってくれ」投げる直前にウインクと共にそんな申し出をしては、彼の返事を待つ前にテーブル上に向けて賽子を転がして)
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