あめだま 2017-03-20 11:49:04 |
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ー…す…て、たすけて!
暗い暗いトンネルの中で虚しく響く自分の声。嗚呼久し振りにこんなに大きい声を出した、頭の片隅でこんな事を考えて落ち着いてはいるものの後ろを振り返れば先程から追ってくる恐ろしい化け物は自身の冷静ささえかき消しただただ恐怖が身体を蝕む。
ー…かこん
ヒールがとれた、半年ぶりの『合コン』だからといつもより高めのを買うんじゃなかった、毎日毎日会社の為に時間を割いてる自分へのご褒美…とかいって本当は店員さんに圧されて3万8000円のバック買ったとか阿呆過ぎて自慢も出来ない。そう言えばこのネイルも気合いいれて何時もの近所の所じゃなくて隣町の洒落た店でやってもらったんだっけ、でももう剥げちゃってる。ワンピースも勇気だして買った胸元すっごい開いてるやつもピヨッてジャッケット脱げずに終わったな~嗚呼出来れば巨乳に生まれたかった。そう言えば家出る前猫の餌出したっけ
…なんて頭の中で色々考えていれば目の前には真っ黒の化け物が此方をじいっと見つめており。手に持っているのは刀かな、物騒だぞ☆
がたがたと身体を震わせ脳内で南無三とお経を唱えていれば目の前にいる化け物はにたぁっと口角を上げ刀を此方に突きつけて…終わった、私の人生終わった、素直にそう思いぎゅっと目を瞑った。
ー…?何秒たった、刀を振り下ろすのってそんなに時間かかる?
ゆっくり目を開けた、トンネルってこんなに明るかったっけ?ううん、違うここトンネルじゃない、私が化け物から逃げてた暗いトンネルじゃない…、此処どこ?
そこは見慣れない場所だった真っ白な壁と床天井は高く吹き抜けになっている、扉らしき物はみえない、いやまず物がない。ほんとマジ此処どこ???
私がポカーンと開いた口を閉じれずにいると目の前に黄色い何かが落ちてきた、不意にきたので驚き過ぎて変な声がでた。何か、をじっと見ればキツネのような生き物だった。愛らしい顔をしている、毛並みも整っていてもふもふしている、小さい、可愛い。興味深々で指でつつこうと近づけばー
ー…始めまして、主様!私、こんのすけと申しますっ!
……キィエエエエエエシャベッタァァァ!?!??
驚き過ぎて少し固まったままの私に気付かずこんのすけ、という狐はしゃべり続ける。
ーところで主様怪我は無いですか?私少し手荒な事をしたかなとおもっておりましたが何せ主様が歴史修正主義者に襲われていたものですからこの私慌てて瞬間移動術を使ってしまい…
なにがなんだか意味が分からない、何故この狐が喋っているのか、こいつは何を話しているか、私は今何処にいるのか。なにも分からなかったので取りあえず開いた口を一回閉じもう一度開けた。
ー…ここどこ?
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