自堕落な男。 2017-03-17 00:05:23 |
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>>71
そうか、良かったよ。
(思いがけない許可の返事に驚くものの、内心喜んだのは勿論の事。闇の中で笑みを深くしてから徐ろに起き上がり、そばの小棚から蝋燭とマッチを取り出すと、小机の上の燭台にぽぅっと橙の明かりを灯す。そして彼女を振り返り──思考、動作、その全てが停止する。
男の己が毎晩眠る布団の上に横たえた身体を緊張からか強ばらせ、白い肌を微かに紅く染めた少女。その柔肌に生まれたなだらかな陰影が、彼女の美しさや女性らしい曲線をささやかに引き立てており。蝋燭の明かりのもとで女を見るな、とは一体誰の格言だったか、しかしその言葉の本意とはやや異なり、蝋燭の灯は愛しく、そして年端もゆかぬ少女を愕然とするほど妖艶に見せ、自身の理性を酷く揺さぶるばかり。
葛西は言葉も失い見惚れていたが、やがてふっとめをほそめると、少女の横に身体を並べ、包み込むようにしてまずはゆっくりと抱き締めてから。額に口付けをすると、彼女を胸元に引き寄せて。)
……おまえが好きだよ、詩織。だから……今夜は、俺に全部委ねてくれ。絶対に、優しくするから。
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