自堕落な男。 2017-03-17 00:05:23 |
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>詩織
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ああ、ただいま……詩織。
(葉桜を見て去来するのは、ひと月前に花見を誓い合った少女の記憶。あの後忽然とこちらが消えたのだ、もう彼女が現れることは二度とないだろう。──そう恐れていただけに、あの時を彷彿とさせる淡い声、はっと振り返った先の荷物を抱えた姿を、信じ難い思いで受け止め。涙目になるもこらえた彼女が以前のようにすっとそばに来て述べた挨拶にぼうっと返すも、相手の柔らかに咎める言葉に、罪悪感がざくりと意識を覚醒させ。大の男とあろうものが隣の少女の横顔すらろくに見ることが出来ず、やや顔を伏せるようにして片手で顔を覆い隠し、小さな声を絞り出して。)
……約束、果たせなくて悪かった。怒ってる、よな?
ただいま、詩織の背後さん。
そう言ってくれて本当に良かった……ありがとう。
ああ、宜しくお願いします。
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