匿名 2017-03-14 13:47:49 |
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(『…誰かと思えば、さっきスリーピーアッシュと一緒にいたヤツかァ。……ボク、誰かに命令されるの大っ嫌いなんだァ~~だからァ、口の利き方には気を付けた方がいいよォ?』まるで鳥のように騒ぎ立てる人々と擦れ違う合間、眉一つ動かさず随分強気な態度の彼女を気に食わぬ視線でじとりと見詰めると、笑顔は絶やさず言葉を返し。ただその笑顔に歓喜の色は無い。シルクハットから二本、鋼の刃を取り出せば『それからねェ、あの黒猫ちゃん匿うつもりならお前諸共串刺しにしちゃうからァ!』笑顔の先には暗い瞳。未だ姿を見せない人物に苛つき始めているのか、若干語尾が荒くなりつつあくまで愉しげに話し続けて。時折開いた口から鋭い八重歯が覗き)
(確かに顔は愉快そうで口元は弧を描いているのに、自分を見つめるその瞳はその梨の闇のように真っ暗で。確実にこの敵と呼べるこの男を怒らせてしまったということは一目瞭然で。荒くなり始める口調に相手の手に持つ日本の剣。”スピーリーアッシュ”と呼ばれているクロが中々来ないことで苛立っている今、気を抜けば直ぐにでも殺されてしまうだろうと。口の中に溜まった唾液を飲み干せば、妙にごくりという音が響いて。早鐘のように煩い胸の音、本当は恐ろしくてたまらないという感情を悟られないように深呼吸をして落ち着かせて。「……私がアンタに言いたいことはただ一つ。早く帰って」変わらぬ主張を言葉にしながら、静かにそれでもしっかりとした動作で構えを取って。)
(『…、やっぱりお前…気に食わないなァ…!』顔色一つ変えない彼女にしろ何処かに伏しているであろう目的の人物にしろ、どうにも自分を苛つかせるようなことばかりしている彼らに痺れを切らしたのか、間髪入れずに勢いつけて地を踏み込み。己にとってはそうでもない、されどその速度は常人の域を超えていた。数秒も掛けず、瞬く間に彼女の眼前に飛び込めば、口角を上げ右手の剣先を彼女の脇腹に向かって刺し込もうと)
――――っ、
(勢いをつけて地面を踏みしめるまでは目に捉えることができた。飛び出してくることを予想し避けようとした瞬間に男の姿が掻き消えて。見えたと思ったら場所は自分の目前。自分の脇腹に向かう剣先にほぼ瞬発力で横に避けて。地面を転がってなんとか受身を取って。じわりと疼く脇腹に目線を寄せて。たった一瞬のうちで、その部分の服は破け微かに擦ったのか血がじわりと滲むのが見え。しかし動けなくなるわけではないと直ぐに立ち上がっては男を見据え。それでも自分とは違う、化物じみた力にかすかに右足を後ろに下げ。)
(『へェ~、躱したかァ。ちょ~~~ッとはその辺のヤツよりマシみたいだけどォ――』本気を出していなかったとは言え、あのように回避できたのは彼女が初めての様子らしく、少しばかり楽しげに跳ね上がった声で話しながら、微かに血液が付着した剣先を暫く凝視し『――その程度じゃ相手になんないねェ』すぐに右手の剣を相手目がけて投げつけると同時に強く地を踏み、瞬く暇も無く彼女の直近へ。正面から己が来ると分かっていたとしても、投げつけられた剣で相手の気を引くのは容易い。これで片が付くだろうと、残っていた左手の剣を再度腹に突き刺そうと勢いを込め)
余裕ぶってないで、早くかかってきたら?
(戦うとか、勝てるとかの次元ではない強さだと今までのやり取りでそれを感じ取り。いま魚柄に震えてくる足をごまかすようにその場にしっかりと立てば、せめての強がりで愉しげに笑う男を挑発するような言葉を。突然目の前に投げつけられる剣、先程よりかはまだスピードの遅いそれはなんとかよてることに成功し。そのまま体勢を立て直しかけたところで、いつの間にかそばに来ていた男に漸く先ほどの投げられた剣が囮であったことを悟るも既に遅し。お腹辺りにめがけて突き刺さろうとする剣、必死の判断で体をよじり、直撃は免れたが先ほどよしも深く脇腹を擦ったようで。先程よりも強く痛む脇腹。負ったことのない痛さに、目尻に僅かに涙浮かんでは視界が霞み。それを乱暴に拭えば何としてでも立ち上がろうとうつ伏せていた体に腕に力を込めて。)
(『……クソガキが…調子乗ってんなよォ?』その勝気ある姿勢も、長引く戦闘も気に食わないのだろう。どうにか体を起こそうと力を籠めている腕、そこから繋がる手の甲を靴の裏で踏みつけ、彼女が立ち上がることを阻止し『ボクねえ、お前みたいなヤツに構っていられるほど暇じゃないんだよねェ、だからさァ――』そのまま振り下ろせば間違いなく相手の首に達するであろう位置に手元の剣を振り翳し、狂気的な笑顔を浮かべ言葉を紡いでいた最中「……邪魔だ」男の背に刺さったのは鮮烈な殺気。気怠さを含みながらも深海の底のように静黙で、それ故に恐怖を感じるような声音。音源の人物は、本来ならば今頃この男と戦っている筈だった怠惰の真祖。男の背後から躊躇無く脳天を蹴り飛ばし、彼はきっかり真横にガラス窓を割り建物の室内へ素飛んで行く。軽やかに着地すると「…立てるか?」うつ伏せの彼女に右手を差し出し、聊か危惧の念を含んだ音吐でそう尋ね)
(/ちょっと分かりにくいですが最後にクロ出しました…!…と、なりきりとは言え娘さんの扱いが何だか酷くてすみません…原作の真昼でもこんな仕打ち無かったのに…;)
ぅぐ…っ、
(ズキズキと痛む傷に加えて先程から素早い攻撃を避け続けていたせいか体力も底をつき始めている。そこへ手の甲へ容赦なく下ろされる足に、備える暇のなかった突然の痛みが襲い。かくんと安易にも肘の力は抜けて体は再び地面へとひれ伏せて。耳障りな口調に顔を上げれば絶対に避けることは不可能であろう位置にかざされた剣。いつの間にか夕日から夜へと変わり、顔を出した月の光がその先を鈍く光らせて。剣先をぼんやりと見つめてあぁ、死ぬのだとどこか他人事のように思うが、せめてもの反抗にと最後の瞬間まで目は閉じてやらないという意思で再度男を睨みつけた瞬間、地の底から湧き上がるような低い声が耳へと届けばぶるりと体の芯が震え。ふっ、と手の上に乗っていた物がなくなったと思えば次の瞬間に聞こえてきたのが窓ガラスが割れる音。見れば店の中へ突っ込んでいく体が。それを呆然とした目で見つめていれば目の前に差し出された手。見上げれば先ほど別れたはずの姿が目に映り。やや驚きながらも頷き返し、差し出された手に自分の手を重ねてふらつきながらも自分の足で地面に立ち。目の前の紅の瞳を見返して、なんでとか、どうしてとか、聞きたいことは山ほどある。しかし言うべき言葉はそれではないとひとつ息をつき、「クロ、…助けてくれてありがとう」あれほど面倒臭がって、嫌がってた彼がここまで駆けつけてくれた。その事実だけでも十分だとぎこちなく笑いながらお礼を述べて。)
(/ いえいえ、わが娘は強いですから!じゃないと吸血鬼なんかに立ち向かってなんか行きませんし気にしないでください!クロも来たことですし…これから契約してべルキアを倒す流れにしていく感じでいいでしょうか?その辺は原作と同じでもいいかなぁと。)
……立てんなら先に逃げろ。なんだかんだでオレの体はお前より頑丈だし…お前一人逃げるぐらいの時間なら稼げるだろ…。
(彼女自身は気付いていないのだろうが、地面に転がった際に起こったのだろう、砂埃の砂が彼女の髪に付いていた。脇腹はあの男に付けられた傷から血が滲み出ていて、顔に浮かぶはぎこちない笑顔。とても見てはいられなかった。この少女が普通の女学生であるという事実が痛々しさを増幅させていた。思わず、蹴り飛ばした男の方へ体ごと向ける。後片付けは自分の役目だ。あの男の正体も己を追う理由もさっぱり分からないが、そんなことはどうでも良かった。駆け出す彼女を引き留められなかったのは、契約関係でもない人間に自分がそうすることができる資格は無かったから。されどこうして自分が立っているのは、何ら無関係の彼女が自分に関わる問題に巻き添えになるのはおかしいと思ったから。結果的にこの少女はとばっちりを食ってしまったが、せめてあの笑顔に報いるようにしなければ、きっと駄目だろう。冷たい声では無かったと思う。言葉を紡ぎながら、未だ動きを見せない男の方向をじっと睨み)
(/ほああ…か、かっこいい娘さん…!!そういえば以前から言おうと思っていたんですけど、娘さん褒めたりすると赤面しちゃうんですよね…!かっこかわいい女の子…大好きです←
そうですね、私もそちらのほうがやりやすいと思います。では契約する場面等は原作沿いということで!)
で、でも――っ
(男が飛んでいった方向を見据える彼の瞳には一人でも戦う意志が見えたような気がした。出会った当初は、面倒だのと抜かしていた相手であったけれど結局は彼も、自分のような普通の娘さえも助けてくれるほど優しいのだと。現に逃げろと告げた言葉や手を差し伸べる際にかけられた声にはいたわるようなそんな声色があったような気がした。そんな彼を簡単に見捨てられるわけないと言い返そうとしたとき、視界の隅でもぞりと何かが動いた気配がして。視線を走らせれば彼によって吹き飛ばされた男が、何もなかったように起き上がりこちらへ歩いてくるのを目撃して。あの攻撃でなお傷つけることができないこの男を果たして自分が加勢したところでどうにかなるものなのかと思えば口を噤み。色々な疑問と迷いが頭の中を駆け巡る中、ふいに母の言葉を思い出し。『――貴方が正しいと思う、後悔をしない選択をしなさい』母の優しい言葉とともにその言葉がすっ、と頭の中に吸い込まれて。途端、不思議の頭の中の迷いが消え去って。戦うとか、逃げるとかではない。ただ誰かを、クロ――彼を助けたい。ただそれだけの思いを胸にしてクロ、と小さく生を口にしては相手の目の前に立ち。服の袖をまくりあげ未だ昔の事故の傷跡が残る右腕を晒せばそのまま相手の口元に押し当てその牙を自身の肌に立たせて「誰か、なんてひとりである必要なんてない。二人でどうにかすればいいんだよ、クロ!」流れ出る血、痛さに顔を歪めながらもその瞳はまっすぐ相手を見つめて。)
(/ そうなんですよ!照れ屋さんなので、率直に褒めたりすると恥ずかしそうに赤面しちゃいます。あわ、ありがとうございます!私もこういう女の子大好きです!
それで、少々強引かもしれませんがクロに血を飲ませました← あと、真昼に影響を与えたのは叔父さんなのですが…唯に影響を与えた人のことをすっかり忘れておりまして!急遽ですが、その相手を両親、ということにしていただけたらなと思います。ですので、度々唯の回想に両親が登場しますので… )
――……とんでもねー…女…。
(男は歩み続け、その距離は次第に縮まっている。でも、と続けようとする彼女に反論する暇があるなら良いから逃げろと返そうとしたが、その言葉が声になる事はなかった。眼前に立ちふさがったのは彼女で、途端目へ飛び込んだのは人の腕。人の、腕だった。気を取られ、いつの間にやら自分は何かに歯を立てていた。目に見えない物が体を満たしていくようだった。それの正体を悟るのに時間はいらず。ただ、この感覚は随分久しく、ただその場で動けずにいた。鉄の味は何とも形容し難い独特の苦みをもたらし、懐かしさに脳が沈んだ。己の項から彼女の手首に鎖が実体化して、重い枷に縛られた印象に陥る。噛んでいた彼女の腕を掴み、口から外すと殆ど無意識にぽつりとぼやき『…困ったなァ~、契約しちゃったよォ…、っていうか良いのォ?そんな簡単にサーヴァンプと契約してさァ、適当なことしてると早死にするよォ~?』契約していない所を見計らって捕まえようとしていたのだろうが、様子を眺めていた男は苦い顔一つ浮かべず、この状況を楽しんでいるような表情で。気紛れなのか、単純に不思議だったのか、目の前で契約した彼女に対し相変わらずの語調で尋ねれば)
(/ひ、ひえ~可愛すぎる…じゃあ、此方も頑張って娘さん照れさせますね!←
いえいえ、クロはマイペースなのでちょっと強引なぐらいで良いんですよ← 了解しました、そのように覚えておきます!
…と、ちなみに、契約した後二人でベルキアと戦って、その後リリイの催眠で場面が転換して…というのが原作だったのですが、何処まで原作沿いで進めましょうか?重要キャラの椿とかは出さないと話が繋がらないので出す必要があるかと思うのですが、基本的に此方が一対一のなりきりということで、娘さんとクロとの絡みを重視しています故、原作で起きた出来事(御園との出会いとか、会議とか)を全部行うと、色々と大変になってしまうんですね。その為、背後様が外したくない原作の出来事がありましたらお聞きして、これからの展開を考えていきたいと思っております。また、説明下手かと思いますので分からない点がありましたら気兼ねなくお尋ね下さい…!;)
(相手の歯に噛み付かれたままの腕の手首にふと重みを感じ、ついで現れたのは枷のようなもの。そこから伸びる鎖は相手の項まで繋がっていた。僅かに青色に発光する自分と彼を繋ぐ鎖は暗くなった世界ではどこか不気味に、重く瞳に映る。ふと背後から聞こえた変わらないおどけた口調に顔だけを振り向かせる。いつの間にか距離を縮めていた男は、口調に反してそこまで残念そうな顔ではない。そんな男の問い掛けは、まるで軽率な判断をしたのではないかと言われているようで何となく頭に来て、彼に掴まれた腕を抜き取って改めて男の方へと向き直り、息をすっ、と吸い込む。「確かにまだ訳がわからない事だらけだけど…、これから知っていけばそれで十分。クロと契約したのは、私の意思。どうこう言われる筋合いなんてない!」丸い目を釣り上げて強く、強く意志を持った目で見つめる。不安がないわけない、けれど公開なんかしたくなかっただけ。ただそれだけの理由だった。今度は顔だけ後ろにいる彼へと向けて。今思えば、この契約そのものに彼は乗り気ではなかったことを思い出す。ある意味自分勝手なこの行動に突き合わせてしまってごめんね、と顔には出さないものの苦く笑った顔を向けてそれを伝え。)
(/ はい!…でも、本当に照れやすいので頑張らなくってもすぐ照れちゃうかもしれません!←
それもそうですね。じゃあ、我が娘の男気あふれる性格でガツガツいかせてもらいます!((
私も実は考えてました。全て原作するのは大変なんじゃないかなーって。私の考えとしては、重要なところとか、原作と変えたい箇所はやって、その他…原作通りに進める箇所はもう起きたこととして流してしまってもいいんじゃないかなぁと。んー、そうですね。私としては、原作でのクロの過去が明かされた部分ですね。強欲組救出のところ。あそこは絶対やっておきたいですね…あとの原作は、実際にはやらずにあったこととして流してしまって、仄々とした日常メインでやってもいいかなと! )
…たく…、ホントにお前は分かんねー奴だな…。
(これから知っていけばそれでいい、なんて。やはりいつ詐欺被害に遭ってもおかしくないし、逆に遭ってない方がおかしい。こんな時だというのに、一体自分は何をしているんだろう。今まで彼女には得体の知れない何かを感じる時があったが、今回はそれがはっきり違和感として心に圧し掛かった。冷めきって放っておかれていたランプに仄かな灯りが点ったような、妙な違和感に惑わされて落ち着かない。気持ち悪い違和感は早く消えて欲しいと思いつつも、何もできない微睡みのような感情を抱いている自分を置いて、彼女は強気な態度で男に言い返した直後、何処か申し訳無さげな笑みを零し。随分と対照的なそれは、一人唸っていた自分をぐいと現実に引き戻し。確かに何故自分は正体不明の男と対峙する必要があるのだろう。気が進む訳がない。けれど、己にはもう何もできない。今更足掻いたところでこの主従関係が消滅することはない。彼女は自分がそんな不毛なことをするとでも思っているのだろうか。彼女の肩を掴み、引くと同時に自分は数歩前に出る。結果的に彼女を後方に下げた図となり「お前が何考えてんのか知らねーけど…今は集中した方が良いと思うぞー…。…これから、どうすんだ」彼女が何故眉を下げて微笑みかけているのか、理由なんて自分にはさっぱり分からないという物だが、今やるべきことは別にあるだろう。同時に自分自身に言い聞かせるよう言葉を溢していき、目だけを彼女に差し向け静穏とした声で尋ねれば)
(/な、なんだって…じゃあ機会があればそこを重点的にイジりたいと思います!←
確かにそこは大事ですね、外せません。…個人的に真昼とクロがC3と接触する所も良いなと思っておりまして…!真昼がC3と関わってしまったことでクロ自身も過去を振り返ったりした出来事でしたので、この後にクロの過去が明かされる場面に飛んでもいいかなと考えたのですが、いかがでしょう?そうですね、ちょくちょくオリジナル展開を入れても良いかなと思います!)
(勝手に巻き込んでしまったことへの謝罪を表し、苦い笑みを向けてみる。しかし彼がその笑みに反応することはなく、逆に肩を取られて奥へと引っ張りこまれてしまう。対して彼が間をすり抜けて前へ立つようになれば自然と自分が庇われているような体勢になる。それがどうにも気に食わなくて、無意識にも表情をむ、とさせるが怪我をしている自分では前線に立って戦うだなんて無理な話かと、渋々ながらに納得を。今日幾度と見た紅の目を向けられるとともに、静かな声で問われる。どうするかだなんて決まってる、「…倒すよ。こんな奴、放っておくことなんかできない」男が居る方向をまっすぐと見つめる。不思議と先ほどと同じような恐れや不安はなく、これがふたり一緒だからということなのだろうかなんて感じながら、曲げることのない強い意志をはっきりと口に出し。)
(/ わお、こりゃ大変だ← でも、ちょっとSっけのあるクロも見てみたいので、楽しみにしてますね!
大賛成です!!じゃあ、どのタイミングでその場面まで飛ばしましょうか?べルキアとの戦闘が終わって、唯が気を失って…で翌日目が覚めて、そこで少しやり取りしたあとタイミングを見て、そこまで時間を飛ばしましょうか?いいですね!なんか、こう…クロとまったりお出かけとかしてみても楽しいなぁ、と。勿論、曇りの日限定になってしまいますが、笑 )
…ま、仕方ねーか…。
(返って来た返事はやはり予想していたような物で。ならば自分はそれに応えなければいけない。迷いは無いし、恐怖感なんて一切無い。契約したこの身なら、あの男一人ぐらい地に伏せることなど容易にできるだろう。ああ、きっと手間なんてかからない。いつも通りにこなせば、良い話だというのに。彼女の誠実な瞳に自分が”こなしている”姿を映すことには気が引けた。子供が見るべき光景ではないからだ。不甲斐無くも聊か決意が揺らいだが、それが彼女に悟られないよう、向けていた目を正面に戻す。ふと己の左手に目をやると、長く伸びた黒爪には何一つ映ってはいない。まるで、揺らぎ始めた自分を責めるような色。にこやかな表情の男と対峙すると、まるで己に言い聞かせるよう小さくぼやき「…先に言っておくが――オレに、責任はねぇ。……全部主人であるアイツの"所為"だ」ならば自分も黒爪に見合うように動くだけだ。男に対し、眼光を強め睨みつける。自然と脳が気迫に満ちて、僅かに男がたじろいだ。自分も手早く済ませたい。間髪入れず地を踏み込み一飛びすると、男とは目と鼻の先ほどの距離に達した。男の目には自分が残酷な奴だと映っているのだろうか。いや、そんなことを下らないことを考える意味は無いか。誰も自分には追い付かない。目の前で大きく目を見開くこの男も、勿論背後の彼女も、誰よりも早く動いて、掻っ捌く。勢いつきすぎて男の脇を通り抜け、体勢を整えるとすぐに背後から赤い噴水が飛び散って。続けて何かが地に落ちる音を聞き流しながら、少し気を静めようと眼光を弱め。最中、頬に付着したそれを手の甲で拭き取りつつ)
(/そうですね、そんな流れで良いかなと!
お出掛け!のんびりできて楽しそう…じゃあ、娘さんが目を覚まして二人で少しやり取りをした後にお出掛けしませんか?それの帰り道でC3に拉致られるとか…←
確かに日中はそうなってしまいますね…。もし背後様が季節感とか気になさらなければ、今の季節に夜に夜桜を見に行ったりとかしても素敵だと思います…!いかがでしょう?)
(戦う、だなんて偉そうなことを言ったものの自分はどうすればいいのだろうかと目の前に立つ彼の背中を見つめ。戦うにしても武器など何も持ち合わせておらず、唯一の戦う手段もあの男の目の前では無意味であることは横腹の傷が証明している。そもそもこの傷のせいで動きは鈍くなってしまっている。思えば、とんだお荷物になっていることに気づいて。しかし、そんな後ろ向き思考で終わる自分ではない。取り敢えずサポートを出来るだけしようと内心で決めかけて――、ざわり、と目の前の彼の纏う空気が一瞬にして変わる。後ろに立っている自分でも思わず臆してしまうような、そんな圧力があった。空気が鋭く切れる音がし、一瞬にして彼の姿が消え、気づけば彼の姿は男のわずか目前。あの間にどうやって移動したのだろうか、驚きで痺れた頭では到底深く考えることなんて叶わず。彼の手に光る黒い爪のようなもの、それが男の体を掻き切ったかと思えば空気中に飛び散るは血。大量に吹き出した後、男は先ほどの自分のように地面に伏せてしまう。目の前げ起こった光景は、自分が思い描いていた戦闘とは程遠かった。それは、いわば一方的な攻撃、狩り。つんと鼻をつつく血液特有の香りにわずかに顔を歪めさせるがひとつ深呼吸することで落ち着くことには成功して。男が倒れ伏せている向こう側に立つ彼に近づき、「スピーリーアッシュ、…ってクロのこと?…クロは、この男のこと知ってるの?」ちらりと、背後の男の姿を目の中に収めつつ質問を投げかけ。)
(/ うーん…私が思い描いていた流れと少し違ったので、ちょっと訂正させてください。私が考えていた今後の流れ、っていうのはですね。原作通り…例えば椿との初対面や、御園たちのこと等沿って進めるけれど、流石にやり取りでやるには大変なので、必要なところだけをやるっていうものでした。飛ばす部分は、実際にはやらないけれど既にあったこととして扱う、って感じに思ってて…、唯が目覚めたあとのことも、やり取りは実際にはせず、原作でC3に捕まる部分までその間の出来事(椿や御園たち、鉄たちの出会いのエピソード)を飛ばす、みたいに考えてました。飛ばすと言ってもやりとりはしないだけでちゃんと出来事としては起きていて…、みたいな。説明下手で済みません…!これで伝わって下さればいいのですが…。
いいですねー、夜桜!ロマンチックで好きですよー。これに誘うのがクロとかでも楽しいかも知れないです。)
……寄るな
(思えばこんな風に誰かを負傷させたのは久々だ。昔から何かと関わると必ず面倒事が付き纏った。まるでこれが自分の宿命なのかと思ってしまうほどに、冷たく重い枷のように離れない。彼女の声が露骨に狼狽えていなかったことが逆に辛かった。本来の自分の姿を知って幻滅しただろうか。もしそうだったとしても驚きはしない。当然だ、何せこの少女はただの少女だ。聊か性格が清純で強かで、真摯な少女だ。自分に欠けている物を持っていて、眩いその様は直視できなかった。けれど、彼女が転んだら腕を掴んでやる役目を引き受けても良いのなら。柄にも無く、もう少しだけ横でこの少女を見ていたいと欲が沸いた。されど今更気が付いたところで手遅れだ。もう彼女の顔は見れない。多種多様な感情に飲まれそうになるのを堪えようとすると長々と話すこともできず、何より今だけは何も話したくないと思う自分が居た。不愛想だと自覚しながらも口から零れたのはたった一言だけ。仕事を全うして、手早く済ませよう。先の様子から計るにこの男の人並み外れた身体能力は下位吸血鬼の力だ。サーヴァンプが血を吸えばこいつは呆気なく終わる。倒れ込む男の髪を引っ掴み、奴の首筋に牙を立てようと口を開きかけ)
(/あっなるほど…!ごめんなさい、早とちりしてしまいました…;ええと、諸々を飛ばした後でc3に捕まる流れになるんですよね。C3に捕まる以前の出来事とか、他キャラと出会ったこととかは、もう起こった体にするってことで大丈夫ですか?
確かに…!クロの方から誘うのって珍しいですもんね。クロの性格的にいきなり前触れも無く誘うと思います←)
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