カイ 2017-03-07 13:58:12 |
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別に今晩だけじゃなくていいんだぜ?
(渋々といった様子でベッドに寝転ぶ相手の姿を見届けてから冗談めかしながら電気を消せば辺りは一瞬にして暗闇に包まれ。扉の隙間から漏れる微かな廊下の明かりを頼りにベッドまで向かわないとならないが吸血鬼である己は夜目が利く為すんなりとベッドまで向かうことができ、相手の隣に腰を下ろし一枚しかない毛布は共同で使おうと相手と己の身体に掛けると仰向けに寝転んで。隣に相手の存在を感じながらそういえば肝心な名前を知らないことに気付けば二段目のベッドの裏側をぼんやりと見詰めながら口を開き)
俺はカイってんだ。アンタは?
(背後から聞こえる冗談めかした言葉に返事を返す事はなく。暗闇に包まれた室内で真っ直ぐ此方へ近づく相手の足音に、暗闇に慣れているのだろうかと思考しつつそっと目を瞑り。隣から感じる人の気配に神経を研ぎ澄ませながらも、身体に掛けられた毛布にぴくりと微かに身体を捩れば、不意に少しの沈黙を破った相手から名前を問われ。そういえばお互いに自己紹介もまだだったのかと思い出すと、律儀にもくるりと相手の方へ向き直って名前を名乗り)
洸だ。好きに呼べ。…一応同室者らしいからな、その、宜しく。
洸、か。宜しくな。
(相手が此方を向くなど想像すらしていなければ思いの外近くから聞こえてきた声に表情こそ変えないものの驚いて。対面するように体勢を変えると相手が目の前にいることをいいことに改めて整った顔を観察するように見詰め。吐息すら感じられそうな距離とベッドの中という状況に触発されたのか触れたい衝動に駆られるが初対面での印象を最悪にはしたくなく無理矢理理性で抑え込むと目を閉じて)
…ああ、そうだ。先に言っておくが、俺が起床時間ぴったりに目覚めなくてもそのうち目覚めっからそっとしておいてくれ。ただし、起きねぇ俺を置いてどっかに行くのは禁止な。それだけは守ると約束してくれ。
…目覚めないのを放置するのは分かった。けど、置いて行くのがダメなのはどうして何だ?
(暗闇ではっきりと相手の事が見えるわけではないが、隣にいる相手が何やら動いているのを感じ取れば瞳を細めて己と同じ様に対面して来た相手をじっと見遣り。しかし暗闇に目が少し慣れたとはいえ相手の表情等は薄っすらとしか分からず、見てもあまり意味はないかと視線を相手の奥の室内へと向けて。そのままぼんやりとこんな近距離で人と共に寝る等何年ぶりだろうかと思考を巡らせ始めたのも束の間、相手が約束と称して述べた台詞に一つ瞬いて首を傾げると思うままに疑問をぶつけ)
危ねぇ奴がごろごろいるからだよ。俺の予想じゃアンタはぜってぇ狙われる。単独での行動は命取りだ。
(此処が監獄で女が一切いない環境ならば囚人達が自分の性欲を満たす為の対象を同性に向けることも珍しくなく、実際に相手のように中性的な容姿の囚人が強姦されている光景を何度か目にしていて。嫌な光景を思い出してしまったと僅かに眉を寄せつつ言葉を紡げばゆっくりと瞼を持ち上げ、目の前の相手を瞳に写しそのまま顔を寄せ距離を縮めると拒否権などないとばかりの強い眼差しで見詰め)
約束、してくれるよな?
大袈裟だな。っ、…どうせ出歩く用事もない、言われずとも此処に居るつもりだ。
(相手が起きるまで何処かへ行ってはいけない理由を相手の口から聞いたものの、まさか相手の言うそれが性的な意味でのものだとは思うわけもなく。多少生意気な性格故に喧嘩を売られやすいという事だろうと解釈し。だが突然目前に影が出来ると、お互いの息遣いが感じられる程の距離に相手が迫って来ている事が分かり。そこで初めて相手の瞳と視線が絡まればその有無を言わさないとばかりの威圧に身体を強張らせつつ平然を装って返答し)
それなら安心だ。おやすみ、洸。
(此方に向けられる深い藍色の瞳は嘘をついているようには思えず相手の言葉を信じると幾分か表情を柔らかくしながら顔を離して。此処で生活していく上での注意点も早い内に話した方がいいのだろうが監獄に来たばかりの相手はおそらく疲労も溜まっている筈で。今は余計な事は言わず話しは終わりとでもいうように再び仰向けになると瞳を閉じ)
ああ、おやすみ。
(緊張の糸が解けた様に相手の雰囲気が威圧するものから微かに柔らかいものへ変わると、同時に顔が離れた事に一つ息を吐き。何故今日会ったばかりの己の事をそう気に掛けてくれるのだろうかとちょっとした疑問を胸に留め仰向けになる相手を少しの間眺めていたも、そんな事を幾ら考えた所で分かるわけもなく思考を一旦ストップさせれば今になって襲ってきた眠気にゆっくりと意識を手放しながら瞼を閉じて)
……。
(本来夜だった活動時間を無理矢理昼に変えてから随分経つのというのに中々寝付けないのは吸血鬼だからだろうか、しかしそれでも瞳を閉じていればいつの間にか眠りにつけることを知っていて。漸く眠りにつくことができたのが相手が寝静まってから数時間後ならば、起床時間より前に牢内に響く控えめなノック音などで目覚める筈がなく、ゆっくり開く扉に気付くことなく眠っていて)
ん、…?
(意識を手放してから何時間経ったのか、不意にノック音が意識の外から聞こえてくると小さく声を漏らしながら薄く目を開き。寝起きで重い身体を無理矢理起こしてゆっくりと開く扉へ視線を向けると、誰が来たのだろうかと小首を傾げてのそのそと相手を起こさない様ベッドから降り。くしゃくしゃになった髪を軽く手で整えながら未だ眠っている相手を一度見遣った後、再び扉の方へ視線を移すと警戒しつつやって来た人物の方へ数歩歩みを進め)
囚人:…お。
(囚人服のズボンは穿いているのに上半身は何も身に付けていなく褐色の肌を晒したある意味不審者極まりない格好のまま扉の隙間から中の様子を窺って。肩まであるボサついた金髪に紫色のヘアバンドで前髪を上げ大きめのリングピアスを耳にぶらさげている派手という言葉がぴったりだろう己とは対照的な落ち着きを感じる黒髪の人物を捉えると直ぐに目的の人物だと分かり人懐っこい笑みを浮かべては声を抑えつつ中へ入っていき)
どーも、お邪魔すんね。
…何の用だ?
(少し近づいた所で扉から派手な見た目をした男が顔を出すと反射的に一歩足を後ろへ下げ。そのまま勝手に中へと入ってくるその囚人が上半身に何も身につけていない事に思わず顔ごと視線を逸らせば、一体何故此処に来たのかとばかりに声を掛け。だが囚人の振る舞いからこれだけ自然に他の囚人の牢へ出入り出来るという事は己の同室者の知り合いか何かなのだろうと思考し)
…カイとやらに会いに来たのなら、生憎だが出直してくれ。
囚人: んあ?あー…違う、違う。カイに用ならこんな時間に来ないって。用があるのは君だよ、キーミ。
(視線を逸らされてしまった理由が分からず不思議そうな顔をするがその疑問は一先ず置いておき、然り気無く視線をベッドに滑らせカイが眠りから覚めていないことを確認すると後ろ手でそっと扉を閉めてから相手に近付いていき。目の前で立ち止まると目線が同じ位置にある相手をまじまじと見てから白い歯を覗かせニッと笑えば相手の片手を取り両手で包むように握って)
俺とトモダチになってください!
とも、だち?……何が目的だ。
(返答を聞くとどうやら相手は己に対して用事があったらしく、昨日来たばかりの自分に一体どんな用事があるのかと疑問を深めつつ続く言葉を待ったも、不意に此方へ近寄り手を両手で包むように握ってきた相手から発された突拍子も無い台詞耳にすると一つ大きく瞬き。確認の為にと相手の言葉を復唱してはみたが、監獄にいるような囚人が初対面相手に本気で友達とやらになろうとしている等思えず。握られた手を軽く払いながら少々冷たく言葉返し)
囚人: そんな猫みたいに警戒しないでよ。
(警戒心が強そうに見えた相手は案の定一筋縄ではいきそうになく、払われてしまった手を引っ込めると肩を竦めながら困ったように笑んでみせて。一度相手から離れると代わりに二段ベッドへ近付き、ベッドの二段目に何があるか多少なりと把握していれば散乱している雑誌の中から適当に一冊を手に取り相手の質問に答えていき)
目的も何もさ、新入りが此処に来るって情報を仕入れたから純粋に友達作りの為に来たんだって。俺はジェイン。君は洸くんだろ?ニャンコくんって呼んでいい?
……。
(二段ベッドから勝手に雑誌を取りつつ此方の問いに答えていく相手を警戒した様子で目で追うも、相手が自分の名前を口にすると微かに眉を寄せ。一体相手は何者なのかと更に怪しさが増したのか数秒間沈黙するが、あまり長居されても此方としては気まずい事この上なく。投げやりに言葉返しながら未だ目覚めない同室者へと視線向けると、友達になる以外に用がないのなら自分の牢に戻れとばかりに言葉紡ぎ)
好きに呼べばいい。…それと、言っておくが俺は此処の連中と親しくなる気はない。友達になりに来ただけならもう出て行ってくれ。
ジェイン:ひっど!心の壁分厚すぎるだろ…!いいさいいさ、少しずつその壁ぶち破ってやっから。んでニャンコくんとトモダチになってやる。
(警戒心が弱まるどころかより一層強まったのか己を追い返そうとする相手の台詞に諦め悪く唇を尖らせ、雑誌を持ったまま相手に近付き心臓の辺りを軽く指先でトンと叩きながらどことなく真面目な顔で宣言するように言い放ち。直ぐに雰囲気を和らげニッと笑めば今日のところはこれで退散しようと一歩後退し、最後に質問すると同時に顔の横で人差し指をぴしっと立て)
さーてと。出ていく前に一つだけ質問!ニャンコくんは何の種族?
…出来るものならやってみるといい。
(何やら相手はそう簡単に身を引いてくれる程聞き分けが良いわけではないようで、胸の心臓辺りを指先で軽く叩かれながらポジティブなのかはたまた呑気なだけなのか分からないその宣言する様な言葉に敢えて挑発的に上記を返し。しかし次いで相手から問われた内容に首を傾げれば、自分が収容されているこの監獄がまさか人外用の監獄であるなど知るわけもなく。此処では種族も何も全員人間だろうとばかりに眉を顰めて)
種族?…人間に決まってるだろ。質問の意味が分からないんだが…。
ジェイン: へ…?人間…?いやいや、ニャンコくんこそ何言ってんの。此処に人間は収容されない…、
(有り得ないだろう答えが返ってくると数回目を瞬かせ、最初こそ相手の冗談かと思い軽く笑うがある仮説が頭を掠めては言葉は途切れ難しげな顔で押し黙ってしまい。もしも看守側の手違いで此処に収容されてしまったとしたら。自分が此処に来てから人間が間違えて収容されたとの情報は得ていないが、そのような可能性が全くないとは言えないわけで。確かに見た目は人間にしか見えない相手をじっと見詰めるとそっと口を開き)
…本当に人間?
…それは、どういう意味だ?
(此方が人間だという事に対し相手が発した此処に人間は収容されないという言葉にぴくりと眉を上げると、咄嗟に疑問が口を突いて出てしまい。己をじっと見詰めてくる相手の視線を受け止めつつ、何故か噛み合わない事に自身の首筋に手を当てながら脳内で一つずつ整理して行き。その後確認とばかりに此方が人間というのは本当なのかと問う声に頷く事でそれを示して)
ジェイン: なるほど。…よしっ!ニャンコくんの疑問に答えるから俺の牢に行こう。……此処で会話続けてカイが何かの拍子に目覚めちまうのは避けたいし。カイのヤツ寝起き最悪だからルームメイトになったからには覚悟しとけよー。
(返ってきた答えは相手が人間であることを示していて。顎に手を添え少し考える素振りを見せた後、思い付いたように言葉を紡ぐが途中カイが寝返りをうてば一旦口を閉じ。視線をカイに送り様子を窺うが目覚めてはいないようで、どこか安堵したような表情を浮かべると先程より声のボリュームを抑え言葉を続け。早速自分の牢へ向かうべく踵を返し扉を開けば相手に早く行こうと目配せし)
いや、しかし……分かった。
(少しの間考える素振りを見せた相手から出た言葉に、カイに此処を出るなと言われたばかりである事から戸惑い混じりに言葉を発するも、疑問をそのままにするのも気分が悪く。それに単独で行動するわけではないのだからカイが起きる前に戻ってこれば問題ないだろうと思考し上記を。次いで扉へと歩く相手の少し後ろから歩き出せば一度眠っているカイへと視線を向け、未だ起きる気配のない様子を確認して前を向き直り)
ああ、だから起こすなと言ってたのか。
ジェイン: そーそー。
(自分の思い通りに事が進めば内心ほくそ笑みながら相手と共に牢を後にし。チカチカと点滅を繰り返す蛍光灯に照らされた通路には囚人の姿が一人としていなく、途中見回り中の看守とすれ違っただけで。起床時間前である今は出歩き禁止の時間帯の為看守と出会せば普通は慌てる場面なのだろうが慌てるどころか挨拶でもするかのように笑顔でその看守の肩をポンと軽く叩き。その看守に咎められることなく先を進めばそう経たない内に自分の牢へ到着し扉を開いて。牢の中はどこも同じなようで二段ベッドが一つ置かれているだけで)
さあ、入った入った!ルームメイトはいないから気を使う必要ないからね。
…、邪魔する。
(相手と共に牢を出たのは良いものの、単独で無いとはいえ相手もまた信用できる人物というわけでもなく。警戒は怠る事なく通路を歩んで行くが、途中すれ違った看守の肩を笑顔で叩く様子を目にすると此処の警備はどうなっているんだと少々不安が過ぎり。しかし深く考える暇もなく相手の牢へと着いてしまえば、促されるままそこへと足を踏み入れ。己の所と大して変わら無い造りである牢内を軽く見回して相手へ視線を向けると、早速とばかりに口を開き)
…それで、さっきの話の続きだが…整理する前にまず、お前の種族を聞いても良いか?
ジェイン: 俺?俺の場合、種族っていうより…、
(質問に答えようとするが、ただ答えを述べるより面白い事を思い付けば口許をニヤつかせながら持ってきた雑誌を適当にベッドへ放り。どこからともなくフォークを取り出すと相手に見せ付けるように片手をつき出し、次の瞬間その腕に躊躇いなくフォークを突き刺して。表情変えぬまま直ぐに引き抜くが肌には小さな穴が三つ開きそこから溢れ出した血が腕を伝って床を汚し。しかし開いた穴は次第に肉で塞がれそう経たない内に傷痕は跡形も無く消え去り赤い液体が付着しているだけとなり)
じゃーん!吃驚した?ご覧の通り俺の身体は怪我をしても直ぐに治るんだよね。心臓を刺したって生きてんだよ。所謂、不死身ってヤツ。
何を…っ、
(返答を待っているとどこからか徐にフォークを取り出し、此方へ片手を突き出した相手の今からする事が脳裏を過ぎり咄嗟に口を開いたも、言い切る前に躊躇なく腕にフォークを突き刺した相手に言葉を失い。いきなりの行為にどこか呆然としてしまい反応も出来ずにいたが、血が溢れ出る小さな穴はみるみるうちに塞がれていき、最終的には傷口も完全に塞がり赤い血が付着しているのみとなっており。その人間離れした特殊な体質を目の当たりにし、相手が人間ではない事を確認できると小さく息を零して)
…事情を知らなければ誰だって驚く。わざわざ実践しなくとも、口頭で言えば良かっただろ。
ジェイン: ニャンコくんの驚く顔が見たくてさ。…ん、いい表情だった。
(呆然とする相手の表情を見ることができれば愉快犯の如く満足げに笑みを零し、一歩近づき片手を伸ばして相手の頬をするりと撫で。どうやら腕を伝っていた血は指先にまで達していたようで撫でたことにより相手の頬に付着してしまった己の血を見てはスッと目を細め、しかし拭うことはせず頬から手を離し)
さて、本題だけど…此処は俺のような人外って呼ばれる奴らが収容されるところな。俺たちは獣の檻って呼んでる。罪を犯した人間は此処とは別の、もう少し待遇の良い監獄に収容される筈なんだよ。フツーは。
ッ…。
(己とは対照的に満足気な笑みを零し、更には頬を撫でるという行為を行う相手に表情強張らせたも、此方が払うより先に相手の手が離れると気にした様子もなく紡がれる言葉を耳に入れ。相手の手についた血を見るに自分の頬にも付着している事は明らかだが、後で水に流しに行けばいいだろうとその事については脳内で簡単に片付け。相手の説明により自分が誤って収監された事に確信が持てると、考える様に顎に手を当てつつ小首を傾げ)
そうか。人間と人外の区別もつかないなんて、間抜けな看守共だ。……それより、この場合俺は人間用の監獄に送りつけられるのか?
ジェイン: んー…残念だけど、此処の看守を見る限り態々人間用の監獄に送るような優しい奴はいないだろうなぁ。なんてったって、看守も人外だし。今でこそ人間と人外は仲良く共存して生きていこうって方針になってるけどさ、人間の方が人口を占める割合が圧倒的に多い中で人間から差別を受けちまう人外もまだ存在する訳だしね。此処の看守、人間嫌いなヤツもいるからなぁ。
(本来恐れるべき対象になるだろう看守に対しての間抜け発言を聞けば可笑しそうにククッと喉奥を震わせ笑いつつも続いた質問に対しては腕を組み看守の顔を思い出しながら思案し。人間ならば人間用の監獄に送られた方が安全なのだろうがその願いは叶わないだろうと述べていき)
あー…それだと俺は、収容される監獄を変えてもらうより、寧ろ人間だという事を隠しておいた方がいいか。
(喉奥を震わせ笑う相手に片眉顰めたも、続いた看守についての言葉には何処か他人事の様に緩く頷きつつ声を漏らし。確かに出来る事なら同じ人間のみが収容されている監獄に入れてもらいたいものだが、相手の話を聞くにそれは無理な事なのだろうと潔く諦めれば、人間嫌いな看守がいるのなら下手に自分が人間だと名乗るわけにはいかないのだろうと思案して)
ジェイン: うんうん。平和な監獄ライフを送りたいなら隠すことがオススメ。因みに囚人の中にも人間嫌いなヤツもいるから注意は必要な。…さて、そこで一つ問題!
(いずれ相手の正体がバレる可能性はあるだろうが、それまでは看守に真実を隠していても問題はないだろうと頷き返して。話しが一区切りついたところでクイズ形式で問題を出そうと楽しげな笑みを浮かべながらポンッと一つ手を叩き、相手に顔を寄せてはスッと目を細めて)
この俺は人間のことをどう思っているでしょーか。
…お前が人間を嫌ってるなら、少なくとも俺に敵意なりなんなり見せるだろ。今の所、それらしきものは感じない。
(これから自分が取るべき行動を何となく理解し、把握出来た事実に一つ息を吐き出せば、ふと手を叩きクイズ形式で問うてきた相手にゆっくりと瞬き。此方からすれば相手が人間を嫌おうがどうでも良い事ではあるが、少しの間を空けた後視線を斜め下へと向けると現時点では己に対して嫌悪感を向けられていない事を述べ。しかし今はそれを抑えているだけで後々本性を出してくる可能性も捨てきれず、問い掛けに対しての返答は少々曖昧さを含んだものになっており)
突然悪ぃ。
楽しいやり取りをあんがとな。
背後の事情で申し訳ねぇんだが、ロルの続きをもう少し待ってほしいんだわ。
明日の夜か明後日には返せると思う。
報告のみになっちまうがよろしくな。
お待たせ。
遅くなって悪かった。
ジェイン: …感じられない、か。……分かってないなぁ、ニャンコくんは。此処では常に疑いを持たないと。親切な人ほど腹の中で何を考えてるか分かんないんだよ?
(相手の台詞を小さな声で反復するとフッと口許に笑みを浮かべて。目を伏せながら諭すような優しい口調で続けた言葉は、自分が優しい人物を演じ実は相手に対し敵意を隠していることを告白しているような内容で。表情変えぬまま手を伸ばし相手を緩く抱き締めると耳元に唇を寄せ、そこで初めて演技を取っ払った冷たさ感じる声で言い放ち)
…俺はさ、人間が大っ嫌いなんだ。
ああ、いや。こちらこそ、返事出来なくて悪かったな。
多少の遅れは気にしないから、リアルを優先させてくれて構わない。
…まあ、その、わざわざ報告ありがとな。
(諭す様な優しい口調でありながら、含みを持った言葉を続ける相手に微かに目元を細めたも、不意に伸びてきた手が己を緩く抱き締めてくると瞳孔を僅かに開き。その後直ぐ傍で先程までの人の良いそれとは違う冷たい響きを持った声音で放たれた台詞にぞくりとすると、反射的に相手の胸元を力強く押しやり。距離を取るべく一歩後方へ下がれば、一瞬取り乱してはしまったが相手が人間を嫌っている事は想定していた範囲内であったために、一呼吸置いてから直ぐに落ち着きを取り戻して口を開き)
…そうか。なら、さっきお前の言っていた友達になる云々は取り消し、という事でいいんだろう?
そう言ってもらえると助かるわ。
あんがとな。
洸も返事のことは気にすんじゃねぇぞ?
これからもよろしくな。
ジェイン: あー…そしたら俺は完全にニャンコくんの敵になっちまうなぁ。敵ならニャンコくんの秘密を隠す必要もないわけだ。
(胸元を押されてしまえば己も二歩ほど後退しながらすんなりと密着していた身体を離し。相手が人間だと知る前は友達になる気でいたが正体を知った今では人間に対しての負の感情の方が勝ってしまっている為質問への答えは決まっていて。少し間を開けながらも再び口許に笑みを浮かべ答えていけば意地悪げに目をスッと細め)
…小綺麗な東洋人を輪姦するのが好きっていう悪趣味なオッサンがいるんだけど、そいつにニャンコくんのこと教えたら面白いことになりそうだよね。
ああ、レスの事はお互い気にせずにいこう。
此方こそ、これからも宜しく頼む。
…言いたければ言えばいい。お前が秘密を誰にバラそうが、止めてやる事はないから安心しろ。
(すんなり離れた距離に安堵すると共に、意地悪げに目を細めた相手からスラスラと脅しのようにも聞こえる言葉並べられると薄く口を開き。輪姦というワードに少しばかり嫌悪した表情滲ませつつも、あくまで強気な態度は変える気もないのか普段同様淡々とした声音で上記を返し。そのまま扉へと近づくと、相手が此方を嫌っている限り己がここにいる意味もなく、自分の牢へ戻るべく扉に手を掛けてから相手へ視線を向ければ律儀にも感謝の意を述べてやり)
世話になったな。お前のおかげで自分の置かれた状況を把握出来た、そこは感謝する。
ジェイン: ……そうくるか。つか、感謝って。ニャンコくんって変わってんね。
(やめてくれと懇願する台詞を待っていたが返ってきたのは此方の脅しに怯むことのない強気な台詞。相手の秘密を守る代わりにとある人物の情報を得てもらおうと企んでいたが、その企みは叶いそうになく残念だと肩を竦ませて。自分の思い通りにいかなければ牢を出ようとする相手を引きとめる気にはなれず、さらに脅したのに感謝までされてしまえば一気に脱力してしまいベッドにどさりと腰掛けて)
お前の方こそ、変わってると思うんだが。……邪魔したな。
(脱力したかの様にベッドへ腰掛けた相手を数秒見詰めてから扉へと顔を向ければ、己のことを変わってると言う相手に片眉を顰め。寧ろ嫌いな人間相手に情報をくれた相手の方が此方より余程変わっているのではないかと思案すると上記を。そのままもう話す事はないだろうと扉を開けば、起床時間になる前に戻っておかなければ同室の彼に何を言われるか分かったものではないと廊下へ出て扉を閉め、自身の牢部屋へと歩みを進めて)
……、
(随分とうなされた後、荒い息遣いと共に目が覚め。悪夢を見たせいかいつも以上に気分は最悪で、乱れた息を整えながら上体だけ起こすと目頭を軽く押さえ。起床時間前に起きたからだろう、牢の外から漏れてくる物音や話し声は一切なく静寂に包まれているが余りの静けさに逆に違和感を覚えてしまえば隣を見て。其処にある筈の温もりはなく、何処かへ行くなら自分を起こせとの約束を早速破ったのだろう相手に苛立ちを感じれば小さく舌打ち漏らすも起床時間になったら探しに行こうとぼんやりとした頭で考えていて)
…、起きてたのか。
(起床時間前だからか廊下を出歩いている囚人はおらず、一人来た道を辿りつつ自身の牢へと向かい。その間看守らしき姿を遠目に確認して極力見つからない様慎重に進んで行けば、漸く辿り着いた牢部屋の扉を開き。しかし、まだ寝ていると思っていた同室者が予想に反して目覚めているのを目にすると、僅かに視線を逸らす事によりちょっとした気まずさを紛らわせつつ、後手に扉を閉めながら続く沈黙を破り)
いや、気にするな。
急かすつもりはないし、落ち着いた時にゆっくり返信してくれればいい。
わざわざ連絡してもらって悪いな。
返信、気長に待っておく。
待っていてくれてあんがとな。
落ち着いたから返信させてもらうわ (レス不要)
………。
(扉が開いたと同時に鼻孔を掠めたのは相手の頬に付着していた微かな血の匂い。覚えのある匂いに自然と眉は寄り、相手が誰と接触していたか嫌でも理解して。ベッドから降りるなり大股で相手との距離を詰めると睨むように頬を見詰め、まるで己に存在を知らせるかのように残された痕跡に眉間の皺を深めると匂いは消せないがせめて視界から消し去ろうと囚人服の袖でグリグリと加減なしに血を拭いながら不機嫌な態度を隠すことなく低い声色で問い)
…アイツに何された。
…っ、やめろ。別に何もされてない。
(此方を見たかと思えばベッドを降りるなり大股で距離を詰め、己の頬を睨むように見詰めて来た相手の行動に小首を傾げていたも、突如頬へ痛みが走ると目を見開いて微かに顔を歪め。咄嗟に頬を加減なしにグリグリと擦ってくる相手の手首を掴み顔を引くと、いきなり何をするんだとばかりに相手へ視線を向けつつ一歩後ろへ下がれば低く問われた事に対して素っ気ない声音で言葉を返し)
…、そうかよ。
(深い藍色の瞳をじっと見詰めること数秒、問い質すことなく短く言葉を返し。相手の頬を汚していた血は消えたが吸血鬼故に気に入らない奴の血の匂いにも無意識に反応してしまっていたようで、血を求めるように相手の首筋に視線を遣り薄い皮膚の下を流れる新鮮な血液を想像してしまえば物欲しげにゴクンと唾液を飲み込んで。しかし理性で欲求を無理矢理押さえ込むと視線を逸らしてから口を開き)
…変態不死身野郎と会ったんだろ? アイツは危ねぇから気を付けた方がいい。情報を得るためなら何でもする男だ。
…言われずとも、これからあいつに関わるつもりはない。
(己が先程まで会っていた人物の事を特定している相手に、嗅覚か何か優れている種族なのだろうかと思考を巡らせたも、ふと忠告を受けると彼が危険な人物であろう事は十分に把握出来ているために少なくとも此方から関わるつもりはないと述べ。ヒリヒリとした地味な痛みを感じる頬を軽く指先で摘むように揉むと、相手の囚人服の袖に己の頬についていた血が移っているのを視線を流すように見遣り。現時点で相手が己の事をどう思っているのかは謎だが、もし相手が不死身の彼のように人間を嫌っていた場合の事を考えるとぽつりと後記を付け足して)
勿論、お前ともだ。
あ?寝る前に俺が言った言葉忘れたのか? アンタが何て言おうが俺はアンタと距離を置くつもりはねぇ。……それと、
(ぽつりと付け足された言葉は相手に好意を持っている身であれば聞き流せるものではなく、己の中で相手と関わりを持つことは決定事項であり何を言われようと覆すつもりがなければ視線を戻し強く言い放って。話しはこれで終わりではなく続けた言葉を途中で区切ると今の状況に合わない笑みを浮かべてから徐に片手を動かし相手の額を指先で軽く弾いて)
今のは約束破った罰な。まさか交わした約束を即破るとは。いい度胸してんじゃねぇか。
……それは、悪かったな。
(視線を此方へ戻し強く言い放った相手に、何故昨日出会ったばかりの愛想の無い己にそう言えるのかと不思議に思うものの、此方が言葉を返すよりも前に突如笑みを浮かべた相手に言葉を失い。そのまま伸びてきた手に額を軽く弾かれると少々戸惑い混じりに視線斜め下へ落としながら片手で額を押さえ。次いで一度してしまった約束を破った事については多少の罪悪感はあるのか上記を告げると、続けて正直にも約束を破った理由を口に出し)
少し、確認しておきたい事があったんだ。
確認してぇこと?
(素直に謝る相手に軽く瞠目するものの直ぐにその目を柔らかく細めるとこれ以上咎めるような台詞を吐くことはなく。しかし約束を破った理由を打ち明けられれば相手が約束を破るまでして見ず知らずの囚人に確認したかった内容が気になり僅かに首を傾げながら訊ね)
ああ。…お前は知らなくていい事だ。
(約束を破った事について咎める言葉が返ってくる事はなく、変わりに己が口走った理由の事へと触れられると、一つ頷いてやりつつも内容を話すつもりはない為にツンとした態度で言葉を続け。次いで深く追求されても困る為話題を変えるように口を開きながらベッドへと近づいていけば、後で自分の寝床を整理しなければ等と考えつつその直ぐ側に置いてある昨夜貰った枕を手に取り、ごちゃごちゃとしたベッドの二段目に放り込んで)
で、ここの起床時間は何時なんだ?
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