匿名さん 2017-02-22 12:47:27 |
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俺は派手に生きたいんだ。それは人生を締め括る時も同じこと
(口調が荒かろうが何だろうが両方の耳に人差し指を突っ込み聞きませんアピールにて首振り、頭に描く人生観をロマンチックに語り。ちょっぴり負け惜しみ「俺なしで眠れなくなったら困るだろうから手加減した」ベストの胸ポケットに常備する小さな酒瓶を取りだし、意味もなく相手に向かって山なりに投げ
ほんと救いようもねェな、お前は。ま、それがお前の生き方ってんならそれでいいのかもな
(まるで子どものようなあからさまな態度に苦笑いしか浮かばず。真っ直ぐな己の生き方が定まっている事に羨ましさは無いが心の何処かに焦燥が生まれ。「そりゃどうも。どうりで相変わらず顔も見たくねぇわけだ」投げられた酒瓶を難なく片手で受け取り、口で蓋を開けるとごくごくとラッパ飲みを
お前はどう生きたいんだ?
(今度は此方が耳を傾ける番とばかりに指を引き抜き壊れた人形の如くこてんと斜めにした首で目だけは相手を捕らえ。憎まれ口とナルシストな発言でいつもの流れを取り戻し「それは照れ隠しか?おっと、俺の分も残しておけよ」愛馬に跨がりながらも警告音を発し、怪我人だからと怒られようが関係なしに取り戻すべく手を伸ばし
どうって・・・そうだな、たぶん俺は数年以内に死ぬ。それは悲観だとかじゃなく、現実的に見て賞金首が長く生きる事はそう無いからだ
(搦めとるような相手の視線から自然に、然し故意的に逸らし。言葉はまるで何処かの陽気な音楽に乗っているかのうに軽い調子で口から出、その口元には笑みさえ浮かび。「バカ言え。おおっと、悪ぃな喉が乾いていたモンで」此方に伸ばされた掌の上で酒瓶を逆さにひっくり返し、ぽたぽたと落ちる数滴の酒を視界に入れながらニヤリと皮肉気に口角上げ。心の中では酒瓶が小さいのがいけないのだと言い訳を
…俺がいる限り有り得ない。どんな賞金稼ぎが現れようとも退屈しのぎに生かしてやる
(素直に生きていて欲しいとは口が裂けても言えない性格の持ち主、現実主義な発言内容に丸くした目を細め口元をニヤリと歪め大金の懸かった首に手を滑らせ。色の濃い瓶で中身が見えないから期待してしまったのだが「おい、次奢れよ?それはポーカーで勝ち取った高価な酒だ」掌に落ちた水滴を舌先で味わい、じっとりした視線を向け用済みの瓶をその場に投げ捨て
・・・俺に情が移ったか、世界一のモテ男さん?
(相手の言葉の裏に隠された強情な気持ちやら照れ隠しやらはここ数日の付き合いで汲み取れるようになった、それ故に何とも相手らしくない言葉にぱちりと瞬きを零し。然し次の瞬間やはり先程と同じく不敵な笑みを浮かべて、片手を相手の首の後ろ当てこちらに引き寄せて首傾げ。それも一瞬のこと、ぱっと手を離しては揶揄い返しただけだからなとひらりと手を振り「そうだな、飲みたくなったらここにある$500で買えよ」先程まで相手の手が触れていた首元をつつ、となぞりながら肩揺らして笑い
だとすれば光栄な事だぜ?
(憎まれ口を叩くだけの相手に何故ここまで固着するのかは自分でも分からず、モヤモヤした気持ちを晴らすには煙草が良いのだが着火しないまま口に挟み「おっと、どうした?キスでもして欲しいってか?」一瞬縮まった距離にゲラゲラ下品な笑い声を上げ「そんなもんより俺の方が稼げる」負けず嫌いを発動、胸ポケットからカードの束をちらつかせ減らず口を叩くまま愛馬の足は着実にローズクリークへと向かい
そうだな、俺とっちゃ悪夢だが
(一度笑いだしたらなかなか止まることがない、笑いすぎで目尻に浮かんだ涙を拭いながら尚もケラケラと笑い。「ばーか、てめぇのキスなんて煙草と酒くさくてやってらんねぇよ」此方にも全く同じことが言えるのは相手も承知済みだろうが悪態をつかずにはいられず。「おーおー、イカサマのトランプを見たいと思う人間がどれだけ居るんだろうなァ?」相手から1m離れた後ろを馬を歩かせながら
笑いすぎだっての。あー、金は後で返すから煙草よこせ
(楽しげに上下運動する肩の揺れを止めようと手を伸ばしてバチンと一発、慣れない禁酒生活の口寂しさを紛らす煙を求め突っ込みを入れた手をそのまま空中で指先をちょいちょい動かしメキシコ人好みの香りを要求。遠くからぼんやりと見えてきた街並みを前に馬の速度を落とし相棒と横並びに「手始めにテディ相手にやってみるか?」平然とした顔を気取っているが何処か瞳の奥に負の感情を秘め、相手を待つのではなく一人では入れず立ちすくみ
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