匿名さん 2017-02-22 12:47:27 |
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ちぇ、意地悪なヤツだぜ
(人の悪い笑顔に汚ない物でも前にしたような露骨に嫌な顔を返し、口を開けば嫌味と喧嘩三昧でも此れが不思議と愉快な気分なるから面白い。いつの間にやら雨の臭いが漂いカウボーイハットを外し空を見上げれば黒い雲から滴る水が顔に当たり、相手に釣られる形で岩影へと非難を。一時的とは言えスコールの中で己を優先する相棒は岩に入りきれず、馬を出来るだけ端に追いやり僅かに出来た隙間「もっと寄れよ。ギリギリ入れる」むさ苦しい男2人が寄り添う様子など想像もしたく無いが背に腹は変えられず、相手の袖を掴み何とか入れないか呼び掛け
..情けないザマだな。もっと向こういけよ
(完全に濡れてしまっている右肩をぼうと眺めていれば反対側から身を引かれ、言われるがままに身体を寄せるがそれにより完全に肩が触れ合い意図せずとも寄り添う形になってしまい。傍から見れば恋人が寄り添うような自分達のこの状況にしかめっ面を更に酷くし。濡れないようにと自分を招き入れた相手にこれ以上詰めるスペースが無いことは承知の上で食ってかかる事しか出来ずにいて。相手が女であればどれ程良かっただろうかと不愉快な状況に苛々しながら口寂しさを感じて葉巻を咥え
煩い、此れでも馬に食い込むくらい詰めてる
(触れてしまった肩を何とか離そうと努力した結果、ごそごそと動きすぎて馬の機嫌を損なうだけと言う残念な事に。天候さえ良ければ何事も無く移動できた物を「男を抱く趣味はないのに…」嘆く言葉も掻き消す激しさのスコールに対して出来るのは項垂れる事か、一層の事性別の垣根を越えてこの状況を楽しむかの二択。当然前者を取り頭上の岩から覗く曇天を眺め溜め息こぼし、そのまま空を見上げる体勢で岩に体重を預けて
..怪我の調子はどうだ
(旅の途中に雨に降られる事も八方塞がりになる事も幾度と無く経験してきたが、これ迄と唯一異なるのは隣に人が居ること。この首に賞金がかけられてから人と関わるのを避けてきた節がある自分にとってこの状況は些か不慣れなモノで。ちらりと横に視線を移して何ともつまらない会話を投げかけてから己の余りにも無味乾燥な質問にくつりと笑いを零し
たぶん今のところは大丈夫
(口を開いたかと思えば社交辞令みたいな会話、曖昧な返事をしつつ相手の人慣れしていない様子が可笑しく小さく吹き出し「昨晩は撃たれた夢を見た。夢にはお前が来てくれなかった」雨宿りの暇粒しに言葉を紡ぎ、嫌味ばかり投げる相手を心では頼りにしているのだと直接的な発言はせず、代わりに辛い夢だったと肩を落としてから現実ではまた助けてくれるかと期待に満ちた眼差しを向け
おいおい俺はお前の王子様か?違うだろ。夢の中迄面倒見切れねェよ
(思いもよらない相手の話にぱちりと瞬きを落とし、相手から向けられる願望が篭った視線を口角をあげる笑みで曖昧に受け流し。それから不自然な沈黙がお互いの間に流れている間に何を思ったのか然も簡単に実現できるような口調で「でもそうだな、夢の中のてめェは知らねェが、胸糞悪い夢から引きずり出すくらいならやってやるよ」約束するかのように悪戯な笑みを浮かべて
そりゃそうだよな
(王子様という表現は些か気持ち悪く感じられたが、寂しさを宿した瞳を伏せ何か言おうと開けた口を思い付かないまま閉ざし。気まずい沈黙を破った以外な発言に目を丸くし相手の顔を見つめ「ははっ、頼りにしてるぜ相棒」笑い声を上げ肩を叩き、ふと顔を上げれば雨が止み心の闇と共に空まで晴れ渡り口元が弧を描き
何時からお前の相棒になったんだよ
(相手の七変化の様にわかり易く変わる表情にくすりと笑み零し乍軽く肩をど突いて。相手の視線を追って顔を上げれば先程とはうって変わって晴天にも近い空が、雨上がりの独特な匂いを含み清々しい空気を肺に目一杯取り込んでゆっくりと静かに息を吐き。「さっさと行こう。コイツらの機嫌が悪くならないうちに」馬の鬣を毛繕いするように撫でては鐙に片足をかけて跨り
王子様の方が良かった?今ならリクエスト受け付けるけど
(相手の揶揄した冗談を拾い上げ、耳の横に手を当てて意見を求めてふざけて。出発するとの声に頷き、愛馬を狭苦しい岩影から出してやり跨がり頭をポンと叩き「この先の街はどんなとこなんだ?」酒の飲めない状態では何処に行っても退屈する事は目に見えて、各地を転々としているであろう相手に問い。すっかり晴れ渡り先まで見通せるようになった前方の景色を見渡しゆっくりと馬を走らせ
うるせェ、黙って進めよ
(相手の揶揄いを一笑で軽く遇っては口角を上げたまま注意を。相手の問いにさて次行く街は何処だっけか、と記憶を思い出すように一瞬視線を横に流して「ああ..、確か娼婦が沢山いる街だ。治安は悪いが、目立たなければ面倒な事にもならない」" 娼婦 "という単語に低俗な響きを持たせて怪我のせいで買う事は出来ないだろう相手に意地悪く笑いかけ。しかし煩い相手がいて目立たないなんてできるのだろうかとやや二人旅をするという事に関しては未知なる相手の存在に先の困難に肩竦めて
はいはい、注文の多いヤツだな
(片手をひらりと挙げ適当に聞き流し、相手の口から出た街の特徴には苦い顔「それは良い響き。お前が居る限り目立つだろうけどな」大人しくする気は更々なく、顎を擦りニヤリと嫌な予感しかない纏わり付く笑みを浮かべ。お互い基本的に誰かとつるむ事の無い者同士、退屈しない旅を想像し酒を飲めない事以外は不満も無く。黙れと言われた手前弧を描いたままキープする口元を開かず、段々と見えてきた街に「まずは宿の確保か?」旅慣れして居そうな相手の顔色を伺い馬の速度を少し落として
..いや、俺は今日は野宿にする。怪我人は宿でしっかり休んでこい。
(街からそこそこの距離があるここまで人々の喧騒が届いてくれば微かに目を細め。賑わっている街では賞金稼ぎに出会い易いという事もあるが職に就いてない己にとって資金源となるのは賭事での金のみ。その金も昨夜の宿代と朝飯によって底を尽きかけているため2人で贅沢を求めるのは困難で。じゃらじゃらと僅かな紙幣を相手に差し出しながら肩竦め。それでも夜まではまだ長く早々に引き上げる気は無いのか女か酒かを一杯引っ掛けようと街の中へと馬を進め
金が無いなら増やしてやるが、それ以外の理由で野宿するなら心の底で無事を祈っておいてやる
(酒場があるならギャンブルが出来るというもの。差し出された金は受け取りを拒否、指を鳴らせば何処からかカードが1枚現れ資金調達すると提案し。イカサマするなら個人プレーの方がやり易く、そう広い訳で無さそうな街では相手を探すのも難しくないとの判断から直進する相手に対して自分は左折して。早速露出の高い衣装に身を包んだ娼婦の手招きする店を発見し馬を停め、酒を飲めない悔しさから短い溜め息を溢し酔っ払いで賑わう酒場に足を踏み入れて
金を搾る相手は選べよ。でも、1度引っ掛けたら貰えるモンは全部かっぱらってこい
(相手の賭事上手は承知の上、自信満々な様子からも恐らく有言実行になることは予想でき。二晩続けて宿に泊まる贅沢等した事はないが偶には良いかと自分を甘やかしては相手を鼓舞するような言葉を投げかけて。左へと進んでいった相手にひらりと片手を振って暫しの別れを告げ。中心から少し過ぎた辺りに馬をとめて、穏やかな雰囲気の酒場へと足を踏み入れ
(背中に受けた相棒からの忠告を鼻で笑い、酒場では騙しやすい出来上がった客を探し。3人の酔っ払いが座るテーブルから視線を感じ取り見返せば空席を発見、初対面にも関わらず自然な流れで着席し早速ベストからトランプを取り出して。酒場で酒を飲まないのは不自然というもの、注文しない内から目の前に置かれた酒の入ったグラスには苦笑。口を付け味わって飲むふりをしてカードを配り、僅かな金も持たない状態で賭けられるのは己の身か銃か馬か。配ったカードから勝者は決まっている為正直賭ける物はどうでも良い事「…俺は銃の腕は立つし見ての通りのイケメン。この身を賭けるなんてのはどうだ?」たまには面白い物を提案、ニヒルな笑みを浮かべ葉巻に火を付け
(暖かい風に頬撫でられながら酒を嗜む程度に飲んでいればその雰囲気を打ち壊すかのようになだれ込んできた興奮気味の若者数人。「馬鹿な旅人がニーガンに賭事申し込んだらしいぜ」なんて彼等が騒がしく町民に話している内容が嫌でも耳に入ってきて隠れて小さく溜息をつき。「あの..馬鹿、下手こいて無いだろうな..」相手の手並みは知っているが町民の話に拠ればニーガンとらも相当の手馴れ。じわじわと心配する気持ちが湧きだっては味がしなくなった酒を八つ当たりするようにカウンターに叩きつけ。馬はその場に繋いだままとりあえず街の左側へと歩を進め
…始めはこんなモンだよな。おっと、たかが一度の勝ちでこんな良い男は渡せない。もう一度勝負しよう
(己を賭けるとの発言に乗った相手は余程の物好きか男色家か、どちらにせよイカサマの勝負を前に一方的に勝つはずだった。捲られたカードは事前に用意した物とは異なり、自分を上回る手際の良さには息を飲んだがポーカーフェイスを気取り。葉巻を味わい自分を落ち着かせ動揺を悟られぬよう余裕に満ちた笑みをキープ、長めの瞬きで気持ちを切り換えもう一度カードを配り。嫌味ったらしい笑顔のニーガンと名乗る男の表情は読めないが、今度こそ間違いなく自分の勝利になる手筈を整え相手の準備が整うのを待ち
..何のアテもねェのに馬鹿か俺は、さっさと帰って飲み直す。っと..どうみてもアソコだよな
(広い街で方角のみを頼りに行動を始めた自身の愚かさに呆れ返っていたところとある酒場から耳障りな歓声が聞こえ、其方に視線を投げると相手が好きそうな派手めの女の姿もチラホラと確認出来。確信を持ってその酒場に足を踏み入れ奥の人集りに近づいていき、真ん中のテーブルに体格の良い大男と対峙している相手に声をかけようとするが周りを取り囲んでいたニーガンの仲間らしき男達に阻まれて出来ず。仕方なしに、近くの席に座って戦いの行方を見守り
俺の勝ちだ。その金は貰ってくぜ?
(周囲の視線や野次に相棒が来ている事に気付かず、二戦目はスマートに勝利を収めニーガンの持ち金の半分近くを奪い取り。大量の金を入手し緩む気を引き締め、お互い引き分けでは腑に落ちず最後にもう一度勝負をする流れに。今度はニーガンがトランプを配るというから嫌な予感もするが、用いるのは肌身離さず持ち歩き表面の些細な傷も記憶している自分のカード。「俺は掻っ払った金を全額賭ける。お前も残りを全て賭けろ」札束を目の前に置き人差し指を相手に向けて宣言し
..おいおい、余り調子に乗るなよグエロッ..痛ェな。やんのかてめェ
(折角稼いだ金を全部賭けると宣言した相手を諌める為に声を上げて輪の中に入るが、ニーガンの手下からすれば盛り上がった所に急に水を差してきた余所者に良い気などする訳も無く、雑に片腕を後ろに回されてテーブルに押さえつけられてしまい。頭に血が上りやすい性格が腰の銃へと片手を伸ばさせるが、いくら治安の悪そうな酒場といえども女も居り。小さく舌打ち零して「放せよ」とガンを付けながら押さえつける若者の腕を振り払い
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