──side.
私は7歳の時、双子の姉と同じ夢を見ていた。確か、インフルエンザに罹って三日三晩寝込んでいた時のこと。某映画村の様な古風な世界で、皆着物を着て髪の毛を結っていた。とても綺麗なお兄さん達に拾われて、道場に連れて行かれた。その後は三日間、沢山遊んで貰った記憶がある。お手玉や鬼ごっこ、隠れんぼやしりとり。私達が幼稚園の頃に教えて貰ったけんけんぱ、色鬼、ケイドロなんていうものもしたっけ…。色鬼はあまり色が無くて、大変だったのを憶えている。幼い私達は説明にも四苦八苦したけど、お父さんみたいな人はどれだけ時間がかかっても笑顔で聞いてくれてたな…。元気かな、皆…。
●●side
私は病弱だった…。生まれ付き、身体が弱くて成人出来るかさえ不明だと言われた。幼い自分は妹の様に元気に走り回ることも出来なくて、本ばかり読んでいた。お母さんやお父さんが心配してくれたけど、どうしても双子の妹と違うと言うのが受け入れられなくて、幼い頃から沢山我儘を言っていたと思う。けれど、インフルエンザで寝込んだ時に変な夢を見た。幕末の様な世界にいつの間にか居て、隣には妹が居た。熱もあったのに苦しく無くて、驚いた事に走り回ることが出来た。綺麗なお兄さん達と出会って遊んだ時も、もう身体が動かないって思うくらいに沢山走り回った。三日目、寝て起きたら自分の家に居た。身体が少しだけ軽くなった気がして、病院に行ったっけ。主治医の先生が信じられない、と言うくらい私の身体は良くなっていた。少なくとも多少、病気になりやすいけれどもちょっとやそっとじゃ倒れないくらいに。私は嬉しかった。あのお兄さん達はきっと、神様だったんだろう。
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7歳の時に幕末にトリップした双子の姉妹が、再び幕末にトリップするお話。身体は丈夫じゃないが博識な姉と、考える事は苦手だけど丈夫さと運動神経の良さが取り柄の妹。
幼い頃夢だと思っていたあの情景、実は本当にトリップしていた────
再び出逢った新選組と双子の姉妹。騒がしくも笑い溢れる様な、ほのぼのストーリー。
※全体的に家族愛を中心にしてるので、シリアスやドロドロが好みな方はUターン。
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