眼帯 2017-01-30 14:20:23 |
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も、もうっ、笑わないでよ。格好が付かないな。
( 今日一日で彼の照れた姿を拝めると初めて見たのでくすりと小さく笑うも、今度は空腹で自身のお腹の音がなった事でどこか揶揄るように笑われ。かぁあと先程よりも更に顔の熱が帯びて、眉を下げ指先で頬を掻きつつぼそり上記を呟けば溜め息吐き「そうだね。そろそろ御昼だから部屋に戻らないと」と食事の時間を思い出せばそう告げて )
あぁ、もうそんな時間か
(中庭を冒険し、少しの間のんびりと話していたはずがいつの間にか時間は過ぎていて。こうしている時が一番時間が経つのは早いと感じると再確認してはこくりと頷き立ち上がって。それからゆるりとした動きで手を差しのべると「さぁ、お部屋へ戻りましょうか。王子」と微笑み)
え?王子って…──っはは、そうだね。部屋の案内は宜しく頼むよ。
( 自身の前に差し伸べる手と露骨に変わった口調に加えて"王子"とまで呼ばれ、隻眼を見開いた後数回瞬きし。ふはりと笑い声を零せばここは空気を読んで王子になった気分で言葉を紡ぎ、そっと手を取り彼の力も借りつつ緩慢な動作で立ち上がり )
ははっ、御案内はこの五条にお任せ下さい
(突然のその行動は、彼を驚かせようと思いした事だったのだが、予想通り驚いてくれたようで。満足そうに笑えばこのまま部屋まで続きをしてみようと歩き出し)
ふふ、本当に五条さんは頼りになるなぁ。いつも僕が助けられてばかりだよ。
( 突然の行動に何とか自身なりについて行けているが、未だ茶番を繰り広げるのか満足そうに笑った彼は敬語口調のまま本当に病院まで案内するため、先に歩き出したので後を追うように足を動かし。少しの間だけ付き合おうと思えば幼馴染みとは言え彼の事を呼び捨てにする訳にも行かず、多少王子らしく無いがさん付けのまま話を進めてみて )
そんな事ないさ、俺ひとりじゃここまで来る事なんてできなかった
(廊下を暫し歩き、病室の前に来ると足を止め。扉を開けると振り返り、微笑みながらそう告げて。実際、親を亡くした後は家族同然として育っていた為そこまで寂しさを感じずにいれたのは彼のおかげでもあるだろうと思い)
ああそうか、貴方は…。
( 過去の記憶は未完成のパズルのように事故の影響で抜け落ち、幼い頃の思い出などあまり覚えておらず。朝の病室で彼の過去話を聞いた事で薄らと曖昧にだが親を亡くした後、どこかの家の中で泣いている小さな男の子を小さな自分が困り顔で慰めているという場面を突然思い出し。「…思い出した。ぼんやりとだけど家の中で小さな五条さんが泣いてて、それを僕が必死に慰めてる部分だけ。幼い頃のいつかは判らないけどこの時にはもう…」と思い出した記憶が彼にとって辛いもので、後半につれてやや俯きがちになり )
...こりゃ驚いた、その通りさ光坊!ははっ、少しだが思い出したじゃないか!
(彼の俯いた姿を見ては少し暗い話だっただろうかと反省し苦笑を浮かべていたのも束の間。続いたその言葉に驚きから目を見開き。病院にいる事さえも忘れて肩を掴んではまるで自分の事のように喜び上記を述べ)
…う、うん。僕、思い出せたよ!これもひとえに五条さんのお陰だ。
( かじっと肩を掴まれゆっくり顔を上げて見てみれば、自分の事のように喜ぶ彼の姿が隻眼に映る。ほんの少しではあるが記憶が戻った事と、回復の兆しが見えてじわじわと嬉しさ込み上がり笑顔を浮かべ )
そんな事ないさ、君が頑張ってるんだ。良かったな!
(いつものように落ち着いている様子はなく、高揚から頭をまるで犬を撫でるかのようにワシャワシャと撫でると勢いのままに抱き締めて。少し思い出しただけではあるがホッとしたのもあったのか「本当に...良かったな」と涙混じりの声で呟き)
─!…っ、うん、ありがとう。
( わしゃわしゃと犬を撫でるかのように頭を撫でられた後、髪が乱れると言う暇も無く勢いのまま抱き締められその突然の行動に目を見開き。耳元で聞こえる涙混じりの声に目尻が熱くなり、自身まで泣きそうになればか細い声で呟くと涙が頬を伝って )
こりゃ君のお母さん達も喜ぶぜ?楽しみだなぁ!
(ゆっくりと離れると微笑みながら彼の頬を流れる涙を指で拭ってやり。これから先が楽しみになってきたなと思い)
ぁ…、…そうだね。お母さん達は仕事で遅れるけど夕方に来てくれるんだ。
( いつの間にか泣いていたようで自身の頬に流れる涙を何も言わず、指で拭う仕草に格好良いなぁと咄嗟に出来る彼を尊敬の眼差しで見つめ。少し間を空けてからそう言えば昨日仕事で忙しい中、毎日見舞いに来ると約束してくれた事を彼に告げれば「報告するのが楽しみだね!早く来ないかなぁ」と、ふふと笑みを零しながら部屋の中へ入って行き )
へぇ、それは最高の驚きっていうやつだな
(クスリと笑みを浮かべては同じように部屋に入り椅子に座り。これは彼の両親が驚く姿が思い浮かぶなと思いながらその時を待つことにして)
( そうして、部屋で彼と一緒に昼食を食べながら他愛ない会話を交えつつ盛り上がれば、時間はあっという間に過ぎ去り時刻は夕方の四時を迎える。ふと、壁時計を一瞥し確認すれば、そろそろ両親が見舞いに来る時刻なので自然と口元が緩んでその時を待ち。ガラッと扉が開いてそちらへと視線を向けば紛れも無く自身の両親の姿を見て「お父さん、お母さん!待ってたよ。今日も五条さんが見舞いに来てくれたんだ」と無邪気な笑顔で話し掛けていて )
よっ、邪魔してるぜ。今日はな、光坊から報告があるんだ。なっ!
(暫くの時間を共に過ごしているといつの間にか夕刻になっていて。空が夕焼けになっていく光景を見ていると不意に扉が開き。手をひらりを降りつつ上記を述べると今日あった事を言わせようと促し肩を叩き)
嗚呼!実はね───少しだけど僕の記憶が戻ったんだ。
( 自身の肩を叩きあの事について促されると、一度彼の顔を見て短い言葉を元気良く言えば再び両親の方に向き直り。いざ報告となると緊張するもので一回深呼吸をした後、嬉々とした声色で報告すれば案の定両親は目の前で驚いた様子を見せ。そして思い出した記憶を話し出すと、母親が近付いて来るなりそっと優しく抱き締め『本当に…本当に良かったわね。少しだけだけれど光忠の記憶が戻って私は嬉しいわ、勿論お父さんもよ』と涙混じりの声で呟かれては「…うん、僕の記憶が戻ったのも五条さんが傍で色んな話をしてくれたお陰なんだよ」とベッドの横にある椅子に座っている彼を見据えて微笑み )
俺は特に何もしてないぜ、光坊の努力の賜物さ
(彼と両親が喜ぶ姿を見てはそれを微笑ましく思い、微笑みながらそれを見ていて。礼を何度も言われるも照れくさいのか頬をかきつつ苦笑を浮かべて)
ううん、僕だけじゃきっと思い出せなかったと思う。やっぱり五条さんの協力があってこそだよ。…だから、ありがとう。
( ゆっくりと離れた母と父が彼に向けて何度もお礼を言うので、照れ臭そうに頬を掻いて苦笑を浮かべる様子をくすりと笑みを零して。どこか謙虚な物言いに否定するように首を横へ振り、矢張り自分ひとりの力では記憶を取り戻す事さえ最初から諦めていた筈だ。そう考えると諦めずに頑張ろうと思えたのも、きっと彼が居たからだろうと確信して言える為に改めてお礼を口にし )
そうかい?…どういたしまして
(元より礼をされるのは苦手だったがここまで言われるならと笑みを浮かべ彼の頭を撫で。きっと親しい彼だから自分もここまでしたのだろうと思い)
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