悲しき鬼 2017-01-27 21:27:05 |
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…食べなくても、支障はないんだ。
でも、小夜が居るなら一緒に食卓を囲むのも良いかもしれないね。
(そう答えるも相手見つめると柔らかく微笑み。「だけど、料理はできるのかい?」とどこかからかったような悪戯めいた笑み浮かべるとゆるりと首かしげて見せ。)
( / いえ、折角ならハッピーエンドが良いのでそういう切なめなのを挟みつつ小夜ちゃんが自分の心を少し差し出すことや何かしらの解決策(まだ考えついていませんが)を経て徐々に鬼の時間が短くなったり、夜になっても鬼にならなくなって行って…という感じだと良いかなと…!)
つ、作れるよ。――多分。
( 二人一緒に食卓を囲む姿を想像すると自然と口元が緩み。揶揄するような笑顔を向けられ尋ねられると、僅かにムッとした表情で答え。然し考えてみれば料理なんて滅多にした事が無かった。自信が失くなり撤回しようと口を開きかけるが、妙な意地がそれを阻止し結局口をついて出たのは、出来るのか出来ないのか曖昧にする一言で。 )
( / 良いですね、了解致しました!ではその流れで行きましょう…! )
…そう、其れなら安心だ。
だけど、小夜が知っているような食材は街まで行かないと手に入らないかもしれないね。今日は物足りないかもしれないけど我慢してくれるかな、
(くすりと笑み零しながらそう言って。然しこの場所には人間が日常的に食べる野菜も何も無いと思えばそう付け足し、相手を部屋に残したまま庭へと降りて行くといくつかの花や葉を見繕うように眺めてはそっと手で包み込んでふっと息を吹きかけ。戻ってきた彼のその白い手の中には陽の光を受けてきらきらと輝く色とりどりの飴玉、「これがあれば空腹になることはないと思うけれど…」と申し訳なさそうに告げて。)
…街に出て食材を買ってきても良いよ?
( / ありがとうございます!勝手な設定で申し訳ないです…!先程の設定も大まかな流れになるので、他に何かやってみたい希望などありますか?)
そう、なのね。
( 大方そうだろうとは思っていたが改めてそう告げられると矢張り僅か乍にだが驚いて。――と、彼が庭の方へ向かい首を傾げるが、また戻って来た其の白い掌に収められていたのは美しい花を連想させる色とりどりの飴玉達。キラキラと輝きを放つ其れに目を奪われ、思わず感嘆の声を洩らして。然もこれがあれば空腹状態になる事はないのだと言う、飴玉以上に瞳を爛々と輝かせ。だが食材を買い、彼と食卓に座りたいという思いもある、顔を上げては復唱するように問い。 )
…え、食材買ってきても良いの…?
勿論構わないよ、これは好きな時に食べれば良い。
…只、街へは気をつけて行くんだよ。
あの街ではこの場所…花の小道の先は、禁忌の場所として恐れられている。人間も、何か不穏なものを感じているんだろうね。
だから此処を出る時と戻ってくる時には注意が必要だよ、小夜が危険な者と思われては困るから。
(相手の言葉快諾するも真剣な表情でそう告げて。相手の全身眺めて少し首を傾げると「此方においで」と相手の手を取り向かった先は庭の一角。美しく咲き誇る白い百合の前まで来ると「百合は好き?」と小さく首を傾げながら相手見つめて。)
…うん、分かった。
( 彼が真剣に話しをしている間、適度に相槌を打ち、最後まで言い終えたのを確認すると抑揚は余り感じられないにしろ快く了承し返事を。庭の一角に連れて行かれ、そこに待ち受けていたのは優しい白の咲き乱れる美しい百合の花。好きか如何かと尋ねられると自らが纏っている着物を一瞥し、暫し考え込むような素振りを見せた後ぽつりと。 )
百合…うん、好き。真っ白で綺麗だし。
…そう、それじゃあこれは?
(相手の答えに大きく反応することはなくそう頷くとその隣に咲く可憐な黄色い花、そして初めて会ったときに一緒に見た不思議な花、と続け様にいくつか花を指差して尋ねて。その質問にどういう意味があるのか、相手の1番好む花を知りたいようでいくつかの花に視線を動かす相手の横顔をじっと見つめていて。)
綺麗。…それも綺麗ね。
( 続けて幾つもの花を指差す白い指、それを追うように彼女も視線を移してゆき相槌うって。可憐な黄色い花、名も知らぬ不思議な花、様々な種類を見るがこれといって大きなリアクションを示すことがなく。――然し、はたと彼女の目が捉えたのは彼の碧眼を連想させる真っ青な美しい花。形や名こそよく知らないものの、それは心を掴んだらしくじっと見つめていて。 )
( / すみません、ここの会話を何故か忘れてしまっていました…!今も絶対にやりたいという程の希望はありませんので、このままでお願い致します。主様も何かありましたら言って下さいませ…! )
…目敏いね、此れは私も凄く気に入ってる花なんだ。
じゃあこれにしよう、
(嬉しそうに微笑んでそう言うと相手見つめて少し考えた後にその花をそっと手に包み「目を閉じていて」とどこか楽しそうな色を浮かべたままそう言って。相手が目を閉じたのを確認すると、妖の不思議な力によるものだろう、包んだ花に再び息を吹きかけては青い花は姿を消し代わりに彼の腕には一旦の着物があり。薄っすらと水色がかった布地に澄んだ青色の花の咲き誇る明るい印象の美しい着物は煌めきを放っているようにさえ見えて。もう目を開いても良いというように小夜、と名前を呼んで)
( / 承知致しました!また何かあれば!)
…?
( これにしよう、という言葉の意味が分からず、小さく首を傾げてみせ。彼からの指示を素直に聞き入れ瞳を伏せるも頭にあるクエスチョンマークは増える一方で。どれ位目を瞑っていただろうか、何時もの優しい声音で名前を呼ばれると徐に目を開けて。ぼんやりとした視界は段々とハッキリ輪郭を描いていき、其処に映し出されたのは淡い水色に先程心を奪われた花によく似た碧い花。黒い瞳には光が散りばめられ、何も言わずとも表情からは感動している事は明確で。 )
( / 了解です! )
小夜にあげる、出掛けるのなら髪も結ってあげよう。
あとで着替えておいで。
(嬉しそうな相手に柔らかく微笑むとそう言って相手に着物を渡し。そのまま相手の後ろに回り込むとその長い髪を指で梳くようにしながら着物と同じ青い花の簪で簡単に結い上げてやり、「できた」と嬉しそうに声を掛けて。)
…あり、がとう。
( 誰かに物を貰う等初めての経験で驚きを露にしつつも、手渡された美しい着物を、まるで一番の宝物を扱うかのようにそっと優しく胸に抱いて。――髪を梳かれている心地良さに瞳を瞑りかけたが己の長い黒髪はあっという間に結われて。後頭部に手を遣り綺麗に纏められた髪と付けた事も無い簪が差されており。照れと戸惑いを含んだ微笑みを浮かべ、ぽつりとお礼をして。 )
長く引き止めて悪かったね、着替えたら買い物に行っておいで。好きなものを買ってきて良いよ。
(そう言って柔らかく微笑むと相手の肩促すようにぽんぽんと叩いて。青い花の簪が相手の黒髪によく似合い心なしか相手を見つめる瞳は嬉しげで、相手にお金を渡しながら)
うん。
( 何時もよりやや元気な返事をしてみせると、お金を受け取ってから自室に戻り着物に着替えて。少し時間が掛かって仕舞ったが数分後、また彼の前に姿を現したのは其の着物に身を包んだ彼女。新鮮な感覚に嬉しそうで、然しながら多少の恥じらいが混じった表情を見せ、何処か心配気に「 …似合うかな? 」と小さめの声で尋ねて。 )
…とても良く似合っているよ。
あの花の妖精みたいだ
(程なくして相手が姿見せると相手見つめた青い瞳に光を灯して心から嬉しそうに笑って、其れは昨日から相手と過ごし幾度となく見せた微笑みの中でも一番の微笑みで。優しい表情で相手の髪を撫でてやると「行っておいで、危ない所へは行ってはいけないよ」と声を掛けて)
…
( 彼女にしては珍しく、白い頬を朱に染めて何も言えずに居て。恐らく褒められる事が今まで無かった故にそういった耐性は無いらしく。行っておいで、優しくそう告げられると光を湛えた黒い瞳を彼に向けては何時もより大きく頷き。「 じゃあ、行ってきます。 」小さく微笑みを見せると歩き乍に告げて、数秒もすれば彼女の小さい背中は見えなくなっていき。 )
いってらっしゃい、
(そう声を掛けては久しぶりに1人きりになった静かな庭見回し、相手に出会った時と同じように縁側に腰を下ろしては日の射し込む中本に目を落とし。やけに静かだと感じてしまうのは相手と出会ってからのたった2日の日常に慣れてしまったからだろうか、ふと顔を上げては庭の景色にぼうっと視線彷徨わせ。)
…わあ、
( 彼が一人の時間を過ごしている間、活気と賑わいで溢れる通りを歩いており、今まで感じた事のない程の緊張や興奮に包まれると感嘆の声を一つ漏らして。やや遠くに城が一つ見える事から恐らく城下町だと推測して。視線をあっちへこっちへと彷徨わせては、一通り晩御飯等の食材を買って行き。来た道を戻り帰路についている途中、ふと横を見ると茶屋が。いつか彼と来れたらいいな、何ていう淡い期待を胸に秘めては屋敷まで歩を進め。 )
──臆病な鬼は、消え逝く存在…か
(この晴れた明るい空もじきに夜の闇に染まるのだと思うと憂鬱な気持ちを抱えずにはいられず、自分の白い掌を見つめて。彼女を危険な目には合わせたくない、然し心優しい彼女は自分が何を言ったとしても自分の信じるが儘に行動を起こすだろう──そうした時に、自分は自分を制御できるのだろうか。彼女の純粋で透き通った心を喰い荒らすような真似だけはしたくない、そう思いつつ簪を引き抜けば明るい光の中、白銀の長髪が煌めきながら肩を滑り背中へと流れて。涙型の飾りは自分の心臓と変わりない、彼女を傷つけるくらいなら自分を消し去って欲しいと思いを巡らせながらも、生きる源となる悲しみが余りに足りずもう余り時間は残されていないのかもしれないと考えて。)
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