おつかれ少年 2017-01-22 18:05:45 |
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阿呆か。お前それで治ってる傷一つもねぇだろうが。
(未だビニールの包装紙に入ったままのガーゼを袋から取り出し湯に浸していたところ、今時どうしたってまかり通るはずの無い古風な理論を呟く声が耳に入り眉間に皺を寄せて言い返し。随分渋々とした様子ではあるものの己の言葉に従い上着を脱ぎだすのを確認すると、脱脂綿に消毒液を染み込ませたりと着々と準備を整えていて。その折頭上から突飛な要求が聞こえれば一瞬面食らったように目を瞬くが、立ち上がって正面から包み込むように抱き締め。痣や傷を隠す為に余計な着崩しの無い制服の着こなしが禁欲的で、寧ろ邪な思考が増幅して脳内を満たし「脱がすだけじゃ済まねぇけど分かってんだろうな」首筋に唇を押し付けながら問い掛けるが、返答を聞く前に早くもブレザーを肩から落としシャツを脱がせるべくボタンを外し始めていて)
───げ。( 相手の驚き顔満足げに眺めている最中鼻につく消毒液のにおい感知し、亦生傷にひどく染みるのだろうとこれ迄の経験から想像すること容易に出来て咋に表情顰め「 やっぱり、大丈夫!唾で治る! 」と後退り。然し吹けば倒れそうな躰抱き締められて仕舞えば逃げるという選択肢消え去り体重半分ほど預けてあまえるように首筋に頬寄せて、ワイシャツのぼたん外されていく度に鳩尾や脇腹を中心にのこる痛々しい内出血や擦り傷に加えて熱湯でも掛けられたような目新しい火傷の痕、其れから何時もの根性焼きがどんどん露わになるの視線落としているも突然首筋にやわらかなものふれる感覚に両肩竦めう、と色気のいの文字も感じさせぬ呻き声を。「 言っとくけど躰じゅう痛いから御期待に添えるようなことはしねえぞ。 」赤い舌先だし。 )
分かってるって。俺だって満身創痍の恋人に無理はさせられませんよ…っと。
(消毒液が染みる痛みくらい相手が日常的に加えられている暴力の痛みと比べれば蚊に刺されたような物では無いのかとも思うのだが、やはりその間には歴然とした差があるのだろう。逃げようとする相手も直ぐに大人しくなれば、瘦せ衰えても尚滑らかに感じる頬の感触が首筋に妙な熱を落として。痛々しいなんて言葉じゃ表現し得ない程に相手の体を痛めつけた痕が目に入る度丁重に扱わなければと自らを戒めながら、湧き上がる欲にも適度に従って傷の無い首筋を柔らかく食み。少しの刺激でも傷口を痛めてしまう可能性があり、ゆっくりと慎重にシャツを脱がし終えると一度離れて体の状態を確かめ。見慣れていると言えば常人よりは見慣れたが、それでも己自身が経験した事も無い程苛烈な傷は何度見ても澄まして居られるものではなく。「染みるけど我慢しろよ。なるべく早く終わらせっから」一先ず根性焼きの痕等化膿しつつある部分を濡らしたタオルでそっと拭き始め「…痛くて寝れねぇだろ。こんなんなる前に俺んとこ来い。何時でも良いから。その方が俺も寝れるし」声色だけは淡々として告げるが、その表情は苦しげに曇っていて)
んん、…擽ったいつの馬鹿。( 恋人である相手に此のような醜態披露することで胸臆に沸き起こる羞恥や惨めさがじくじくと音を立てて鬱積し荒んだ心に更に影を落としていく最中不意に柔らかいものが首筋に触れられ食まれて擽ったさからおもわず短い吐息が漏れ。其れが要因に、若干ではあるが毒気を抜かれたのか握った拳をいたみ感じさせぬ程度に相手の後頭部にぶつけ眉尻緩やかに下げた曇りのない微笑みを。然しタオル持つ隻手が己に接近してくれば表情は先程とは一変し、両肩に力が入り強張り双眸をつよく閉じる。「 あ゙ッ、ぁ…痛えよ。やだ。怖い。やっぱり手当て要らない。 」細心の注意払われた治療を行ってくれていることは充分に承知しているが膿んで仕舞った患部に物体が触れる壮絶な痛みに加え、痛みによりフラッシュバックする暴行の恐怖心に顔上げられずふるふると首左右に振ることしか出来ずにいて。 )
…龍。頼むから、今だけ我慢してくれ。これ以上酷くなったら余計痛い思いする事になるから。な?
(やはり昨夜の事を思うと痛みに敏感になっているのだろう。“怖い”と発せられた言葉からも恐らくは普段加えられている暴行を想起しているのだろうと考えれば、今直ぐにでも治療を止めて嫌な記憶を消し去ってやる事だけに集中したい気持ちもあり。しかし治療をしなければ相手が余計に苦しむ羽目になるのは目に見えており、一旦タオルを置きながらも心を鬼にして相手と向き合い。腰を屈めて相手の顔を下から覗き込むと、穏やかに落ち着いた声色で言葉を紡ぎ。少しでも不安を取り除くように指先を絡めるようにして手を握り、一方の手でそっと頬を撫で。言い聞かせるような口調で告げると、真っ直ぐに相手を見詰めて問い掛け)
( 過度な興奮緊張によりふうふうとあさい胸式呼吸繰り返している最中相手に触れられた指先や頬を通して伝わる温もり感じることで若干落ち着き取り戻しはじめ、表情に悲痛滲ませた儘だが此方真一文字に見詰める相手見詰め返しちいさく首肯し。興奮状態解かれやや憔悴した様子で視線脚元へ落とし乍ら亦情けない姿曝して仕舞った、と胸臆に悔恨の情沸かせ力無くソファーへと腰を下ろし背中から臀部にかけて沈ませてゆき「 とりみだしてごめん。もう大丈夫だから後少しだけ此のままで居させて。 」頬撫でる相手の手首にまるで縋りつくかのような雰囲気で掌重ね握り、頬擦り寄せて。 )
…よォ、一昨日ぶりだな( 手ひら )返事できてなくて悪ィ。背後の事情になっちまうからあんまこういうの言いたくねぇんだけど…実はちょっと前から全然ロルが書けねぇのよ。スランプ、っつーのかな…それでも書いてはいたけど、なんも納得いくモン回せてなくて、結構モチベーションも下がっちまってさ。その上に最近結構忙しくなっちまって、だんだん足が遠退いてった。ごめんな。遣り取りはすげぇ楽しいし、毎日お前からの返事見るのが俺の楽しみだった。だから中途半端な返ししかできなくなった事がしんどくなっちまったんだよ。
そんで、この後いつ返事できるかわかんねぇ。勝手でごめん。俺の力量不足で振り回しちまってごめんな。だからさ、こんな男はさっさと忘れて幸せになって欲しいんだよ。俺の事、キャラリセしてくんねぇかな。ほんとに悪ィ。お前とすごした時間はあんま長くなかったけど、すっげぇ楽しかった。ありがとうな。幸せになってくれよ、龍。
嗚呼、正直なところおまえのこと手放したくなくて色んな言葉考えてたけどスランプとかモチベーションは誰かがどうにか出来るようなはなしでもねえし仕方ないよな。了解了解。寧ろ解消の連絡してくれんのは滅茶苦茶助かるしありがとう。
俺も慧との二週間は時間忘れるくらいに楽しかった。慧の真っ直ぐなところもずば抜けて男前なところも、紡ぐ単語ひとつひとつも全部愛おしくて好きだからさっさと忘れるような真似は未だ出来そうにないわ。未練がましくて悪いけど此れくらいの我儘は許してくれ。( 後頭部掻き )
俺のほうこそありがとうな。慧のスランプがなおって俺なんかより断然いいやつと巡りあって幸せになること幼馴染みの俺が祈ってるよ。……恋しくなったらいつでも帰ってきてもいいんだぜ、なんて。またな、俺の好きだった人。慧。( 隻手ひらひら )
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