おつかれ少年 2017-01-22 18:05:45 |
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…お前、直ぐ寝るのやめろよ。寝過ぎは寿命縮めんだぞ。よく知らねぇけど。( はあ、 )んで何だよ。その根掘り葉掘り、ってのは( 腕組み首傾げて )
大丈夫大丈夫。俺の寿命縮んでこまるやつなんかすくなくとも俺に餌付けされてる猫以外居ないだろうし眠いときには眠りたい、わ…。( ぐう、 )
根掘り葉掘り聞きたいことと言うか決めときたいことと言うか、詳細な設定とかもろもろについてだな。ひととおり決めた後にpf提出、初回の流れでいこうと思うからよろしく。( かんぺちらちら、 )先ずは年齢はどんくらいがいいかについて、いちおう虐待受けてること考慮すると親の支配下における程度の年齢=学生がこのましいかなとは思ってんだけど。
…いや、俺はお前に餌付けされてる猫以上に困んだけど。一応彼氏なんだけど。( むす、 )
嗚呼、俺も学生が良いと思ってる。ついでにある程度自我と実行力があると助かるから、高校2年か3年くらいが良いな。( こく )
ふは。なら俺のことだーいすきで先に逝かれると寂しくて食事は喉を通らず、夜な夜な枕濡らしちゃう可愛い恋人に免じてふたりで居る時は昼寝しないことにするか。( 額同士こつん、 )
其れなら高校二年生辺りにしとくか、受験にしろ就職にしろ多忙極めるよりかは多少遊びまわれる方が健全なこうこうせいとしても恋人としてもいいだろうしな。( に、 )後は俺達の関係性についてとかか。無論幼馴染みで恋人なのは大前提の積もりだけど御前がなかば強引に泊めてくれる御蔭で半同棲が始まりつつある、みたいなことしたいなあと迄は考えてる。何か在れば聴かせてくれ。
…自意識過剰かよ、うぜー。( 額すり寄せ )
ッは、下心丸見えかよ。俺より性欲無さそうな顔して。( 口元に手宛がい / くく、 )半同棲か…良いね、興奮する。( 首筋に手置き )俺は、そうだな…お前が大人しく俺んとこに居てくれれば何も問題ねぇけど、それだと親御さんが激怒しそうだからたまに帰ってて、その度にボロボロになっててくれっと良いな。たまに家から出してもらえなかったりそういういざこざ挟んで欲しい。んでお前は心身共にどんどん疲弊する。…やべ、俺変態かな ( はっ )
それから俺達の関係だけど、まぁ恋人同士だからする事もするし俺は結構自分の気持ちもはっきり言うけど、お前はそういう事には表面上は淡白であってほしい。あんま興味無さそうで、基本的には俺にされるがままって感じだけど、時々突然甘えてきてくれる程度の飴は欲しいな。( ふは、 )
だれが自意識過剰だ、御前の顔に好きだ好きだって書いてんだよ。( 頬つんつこ、 )
はよ、寝落ちしちってわるい。満更でもねえ癖に。俺だって人間だから気持ち良いことは好きだし性慾のひとつやふたつあるわ。( 脚組みふんぞり返り、 )正真正銘の変態だな。( ぷぷ、 )まあ俺も似たようなことかんがえてたから人のこと言えねえけど、とりあえず把握把握。どんなに傷付いても俺の帰る場所とか癒やしてくれる人とかが御前なら俺としては何でもいいわ。淡白でいるのも顔とか態度に好き好き出したりしねえのもべつに構わねえけどいざ蓋を開ければでろでろのどろどろに依存しまくり、って感じになりそうだな。大丈夫か?
ん。決めたいこともある程度決まったし、そろそろpfのほう提出してもらおうとは思いまーす。拍手。とりあえず書きやすいようでいいからよろしく。( 肩に隻手遣り / ぽん、 )
うわ最悪。本心だだ漏れじゃねぇか。( 眉寄せ / 相手の手払い除け )
気にすんな。お前が熟睡できたんなら何よりだ。嗚呼、全然満更でもねぇよ。エロい恋人最高ーくらいには思ってる。( 額つんっと押し )俺は生来変態なんだよ。残念だったな。( ふっ、 )あー、良いね良いね。寧ろ依存なんてサービスしてくれんのかよ、すっげご褒美。( へら、 )
おー、待ってましたー。( 棒読み / 拍手 )ん、了解。そんじゃあ作って来るわ。( 親指ぐっ、 )あ、そうだ。言い忘れてたけど、今は豆ロルだけど本編始まったら中~長ロル辺りで遣り取り頼みたい。( こく、 )
俺んことだいすきだもんなあ。かわいいかわいい。( にやけ / 御満悦、 )
有難う。そう言ってもらえるとすんごい助かる。はは、正直者にはえろい上に格好良くてやさしーい最高な恋人があんなことやこんなこと迄サービスしてやんよ。( 棒読み、 )ふ。御前がど変態でかよわい俺を厭らしい眼で見てくるのも承知の上でおつきあいしてるんだからいまさら残念じゃねえよ。( けたけた、 )───なら安心して依存させてもらうわ。
はいはい。とりあえずおさきにpf提出しといたからてきとうに目通しといて、趣味に合わないからなおしてほしいとか在れば教えてくれよ。描写についてもりょうかい。千文字越えとかあんまり長過ぎると対応出来る自信ないかもだけど出来るかぎり御前に合わせんよ。( 顎に隻手当て / ううむ、 )
花 龍之丞( Hana Ryunosuke )
百七十五糎と何のおもしろみもない平均的身長にくらべて体重が著しい迄に軽く、筋肉も無駄な贅肉もない随分貧相な体躯。畝らず頬へとまっすぐ落ちる清潔感意識し切り揃えられた黒髪とどことなく色気醸す垂れた双眸、そして眦で存在感放つなきぼくろと見掛け上おとなびた雰囲気である。咋母親の遺伝子引き継いだすずしげな顔立ちだが常時へらへらとした笑顔貼り付け。制服か、拝借した幼馴染みの衣類着用していることがデフォルトで其処をめくるとなまなましい痣や根性焼きの痕が幾つか見受けられる為露出は出来るかぎりひかえめ。/
おちついた容姿とはうらはらに自由奔放な性格。なにを考えているのかいまいち予想出来ぬ飄々とした態度と時折見せる突拍子もない言動が目立つ。いつも家族についてや過酷に詰められたアルバイト生活の所為で疲弊しており、時間の赦すかぎり睡眠の世界へと現実逃避したがる傾向にある。然し気丈に振る舞い、つらい表情は絶対に見せずに弱音も吐かないし吐きたくない。おもてに出すことはないが世界は幼馴染みが中心でまわっていると素で思っており、無意識に酷く依存している。
一人称「俺」。不倫し、現在離婚に至る母親と癇癪を起こしやすい父親のあいだにうまれたひとりむすこ。顔立ちが母親に似ているという理不尽な理由でひび暴力を振るわれ、奴隷のごとく家事を任される生活を強いられている。最近は幼馴染み宅に入り浸って週の半分を其処で過ごし、精神の安寧をとりもどしつつある。コンビニとファミレス、居酒屋のアルバイトを掛け持ちしてひとりぐらし資金を全力で稼いでいる。好きなたべものは焼肉とたんたんめん。大食漢。おさけとたばこが美味しいのは秘密。
阿呆か、不細工になってんぞ。( 頬むにー )
へえ、それは夜が楽しみですねェー。俺の妄想が遂に日の目を見るかぁ。( 腕組み / ふむ、 )そうそう、すっげ性的な目で見てる。俺可愛い女の子が好みだと思ってたんだけどなー、どうしてくれんの。( はぁ、 )
ん、こっちのもできた。ちょっと予定以上に長々しちまったんだけど、イメージと違うとことかあったら教えてくれ。( こく、 )お前のに気になるとこは一つもねぇよ。分かってたけどめちゃくちゃ好み。流石幼馴染だな。( へら、 )あー、そこは心配するな。俺もあんまたくさんは無理だから。気軽にやれる程度な。
名前 : 清崎 慧(キヨサキ ケイ)
容姿 : 首筋半ばまでの長さがあるミディアムショートの髪は気分によって様々な色に変化するが、現在はこれでもかと色を抜いた上で染めたグレーアッシュに落ち着いている。目に掛かる前髪を鬱陶しそうに払う癖があるが、切る事はあまり無い。良く言えば意志が強そうな、悪く言えば悪い目付きをしている。常に不機嫌そうな表情がそれを更に引き立て、概ねして第一印象は最悪。186cmという無駄な高身長もそれに拍車を掛けている。ただ幼馴染が傍に居る時は他者を寄せ付けない雰囲気が緩みがち。表情も若干豊かになる為、向ける好意が表に現れやすい。左耳にシルバーピアスが3つ。基本的に制服は着崩しているが、下品な物は嫌いな為程々。私服はラフな物を好み、ほんのりサブカル風味。お洒落は好き。
性格 : 何事にも無関心で冷酷無慈悲な人間に見られやすく、実際に冷めがちで冷静ではあるが、正義感に満ち曲がった事が嫌いな一面もある。しかし小難しい議論が苦手な為、直情型で手が出易くその所為で起こした問題も多々。年齢も立場も関係無く手を出す故に、どれ程正しい事だとしても人相の悪さも相俟って大抵悪者にされる。幼馴染の事もあってか大人を毛嫌いしている節もあり、手は出さずとも教師に対しては嫌悪感満載。不器用ながら困っている人間を放って置けないお人好しな面があり、その点ではどんなに嫌いな相手であろうとも手を差し伸べる。ある意味純粋。そのお陰か思いの外友人は多い。幼馴染にベタ惚れ。気付けば脳内は如何わしい思考でいっぱい。憎まれ口は叩くが悉く尽くしているし、何より彼を放って置けない。相手の両親に嫌悪を抱いていながら責任が取れない立場であるのを自覚して何もできずに居り、いつか親の手を離れた時には必ず彼を救い出すと本気で考えている。
備考 : 仲睦まじい夫婦の間に生まれた一人息子。母親は幼い時に病で他界しており、男手一つで育てられた。父親の勤め先が大手企業のお陰で金銭に困る事もなく恵まれた家庭環境にあり、素直でない言動は目立つが親子仲も良好。現在は単身赴任中で、実質独り暮らしの状態。家事全般はそつ無くこなし、料理も得意。勉強もでき成績優秀で、意外にもハイスペック。
悪い。勿体ねえけど些と蹴ったわ。( 合掌、 )
詳細有難うな。結構こまかく書いてもらえてすげえ有難い上に、おれの理想通りというかなんというか…予想以上に好きだわ。( きっぱり、 )了解了解。とりあえず初回のほう投下してみたけど絡みづらいようなら投下しなおすから気軽に言ってくれな。
( 寒い廊下。冷えた躰暖めようと購入したばかりの温かなココアは先日父親に御見舞された右ストレートにより切れた口腔にひどく滲みるらしくかじかんだ両掌を慰めるだけの懐炉へと降格させられ、其れ百九十瓦詰められた太缶握りしめながら放課後知らせるべく鳴りわたる鈴の音をBGMにぞくぞくと教室後にするひとごみ掻き分け。御目当てである見慣れたグレーアッシュのあたま視界に入れば肩のちからが蕩けるような安心感に襲われおもわずゆるんでしまう表情律し、次いでに頬にのこる青痣隠すマスク上げなおしてから大股で彼のもとへ。「 よ。今日バイトない日なんだけどおれとふたりで帰りたいひとこの指とーまれ。 」どかり。前の空席へ臀部預けて癖なのかゆるやかに脚組み、唐突に声掛けてきたと思えば唐突に相手の眼前に示指差し出してみせて )
気にすんな。本編始まったらどっちにしろ切ったしな。( こく、 )
だろ?彼氏だからな。( どやぁ、 )おー、俺のタイプなロルでびっくり。こりゃ気合入れねぇとな。( に、 )俺のも何か気になるとことかあったら言ってくれ。できる限り修正すっから。( 親指ぐっ、 )
(相手のバイトを理由に帰路を共にする事は無く、一人帰宅して夕食の準備を済ませて待っていたのだが、結局深夜を過ぎてもその姿が見られる事は無かったのが昨日の事。空しく空回りする電子音ばかり鳴る携帯を片手に、繰り返される暴行に耐えているのだろうかと逡巡して苛立ちが募り寝付けないまま今日を迎え。普段と変わらずあっけらかんとして登校してきた相手に一先ず安堵したのも束の間、放課後再び姿を消され不満を露わに机に頬杖をついており。友人に帰らないのかと問われても放っておけの一点張り。いつしか教室の人影も疎らになった頃、突然目の前に現れたのは細い人差し指で。面食らったように目を瞬かせ、遅れて脳が相手の存在を理解するとその頼りない指先を鷲掴み。ただでさえ険のある表情を一層険しくさせて相手を睨み「何処ほっつき歩いてたんだよ」普段よりも幾分か低い声で咎め)
さっすが俺の彼氏様、( ひゅうひゅう、 )こっちこそ相性良さそうなロルで安心したし、御前との此れからがたのしみになってるわ。大丈夫大丈夫。修正何かいらねえくらい慧の文章綺麗だから文句もねえよ、そっちこそなんの問題なさそうならこれも蹴ってくれて構わねえから。なんかあったら遠慮なく言ってくれよな。
( 某コンビニエンスストアでのアルバイトを終了させて相手宅へ向かう途中、偶然にも父親と鉢合わせ連れ帰られてしまうというアクシデントを境に記憶が曖昧になるほどの暴力のあらしをうけた翌日。心配次いでに怒らせてしまっているだろうと予想出来ていたものの突然隻手鷲掴まれ鋭く突き付けられた視線に貫かれ、普段のやわらかな語り口より何トーンもひくい声色におもわず昨日の出来事あたまに過ぎり両肩が僅かに強張りつつ相手はあの父親のような真似はしない。相手はあの父親のような真似はしないと己に言い聞かせるかのごとく何度も何度もこころのなかで唱え不安駆られた胸臆鎮め「 悪い悪い。保健室で寝てたら寝過ごしてたわ 」敢えて昨日の出来事について触れずに何時ものへらりと効果音付きそうな笑顔顔面に貼り付けながら用意していた言い逃れを紡いで頬へ隻手遣り。叱られた後の子供のごとくばつの悪そうな雰囲気醸してマスク越しに捕らわれた反対の示指で頬掻いて。 )───……慧、すごい怒ってる?
(目の前のあまりにも見慣れた笑顔を見詰めて、保健室の出来事が嘘である事等直ぐに察してしまい。それでもこの場で“嘘だ”と糾弾し言及する事はせず、ただ「そうか」と問い詰めたい気を鎮めるように短い言葉を返し。どちらにせよ見る事になる。そう自らを納得させていた時、窺うような声で問い掛けられると怒りも苛立ちも一気に吹き飛んで。相手に同情した事等一度も無く、こんな姿を見る度にただ愛しいと感じるだけで、今だってそれを理由に嘘を吐かれた事も親に負わされた傷が綺麗な体に増えて行く事も、一瞬全てがどうでも良くなってしまい。「……ばーか。帰るぞ」不器用なあまりに安心させてやれそうな言葉一つ出て来ることは無いが、せめて態度で示そうとでもいうのかさらりと手触りの良い髪を労わるように撫でて。鞄を片手に立ち上がると、足で椅子の位置を戻しながら今朝冷蔵庫を眺めていて思い付いた事を口にし)
…今日は坦々鍋だからな。麺じゃねぇけど文句言うなよ。
( 産まれて間もないころからの幼馴染みであり数年前からはめでたくも想いがむすばれた恋人同士でもあり、何をするのにもふたりいっしょだった相手にどんなに巧妙な虚偽吐いたところでやはり御見通しということ察し根掘り葉掘り質問攻めにされてしまうのだろうかと腹括る最中椅子から起立してみせる相手にどうやら杞憂だったこと理解する迄双眸瞬かせた間抜け面曝しつつ直ぐに安堵の意味孕んだためいきをひそかに零し。相手の形のよい唇に帰宅促されては背負っていた鞄背負いなおしてから追い掛けるように立ち上がり。ひとまわり大きい己を安心させる掌に触れられ言葉に形容しがたい心地良さ感じふ、とゆるやかに双眸ほそめて甘えるような仕草で掌へいちどだけ擦り寄り、夕飯にと提示された単語に麺が入ってるか否かの差異など気に掛けることなく表情華やがせ )担担鍋!文句なしでたのしみにしてるわ。
(頭を撫でる掌にすり寄るような仕草はまるで手懐けた猫のようであり、愛らしさに胸元が甘く擽られるような感覚がじんわりと広がり。人目のあるところで容易に触れられない手前、するりと手を下ろしていき人差し指で頬を擽ってやる程度の悪戯をすると、消化不良の所為で持て余した熱を抱えながらそっと距離を取り。その時瞳に捉えたのはやっと見ることができた明るい笑顔で、嬉しそうに弾んだ声を聞くと此方もついつられて頬が柔和に綻んでしまい。上着を羽織り雑にマフラーを巻くと、幼い頃から抜けないままの癖でそちらに手を差し出してしまうが、我に返り冷えたポケットの中へぶっきらぼうに仕舞い込み「寒くなってきた。早く帰ろうぜ」視線を窓の外へ逃がしながら独り言でも溢すかのような漠とした口調で言葉を掛けて)
( 悪戯心からだろう頬滑るゆびさき擽ったくおもい耐えるかのごとく僅か乍ら眉根顰めるも嫌がる素振りは見せず唯無抵抗に徹する最中差し出される掌。無論普段の癖だろうと十二分に理解しているが人前で乳繰り合うような行為はしないと言う暗黙の了解破り攫んでやろうかと思案し視線上げ、不意に不完全燃焼にもどかしげな雰囲気醸すすがた視界に入れば相手の胸臆容易に予想すること出来。唯の妄想だと言っても過言ではない予想だが本人の独占欲じわじわと満たすには充分過ぎる要因らしく可愛いという形容詞浮上させ乍らマスクのなかで密かに口許緩まり。そのまま相槌打ち。先程の道程引き返し廊下歩きつつ相手の無防備なる横顔目掛けて隻腕伸ばしては掌慰めていた缶頬に密着させ「 おう。ひとくち飲んじったけどあげる、待っててくれた御褒美な。 」と。 )
うっわ、びっくりした…。
(二人で出掛ける時なら未だしも、よりにもよって学校で仕出かしてしまった事に自己嫌悪と仄かな羞恥さえ込み上げていて。その上相手がそれについて冷やかしてすらこないのが更に不味く、一人勝手に気まずさに浸っては冬空の寒さを感じさせる殺風景な窓の外の景色を見詰めていて。そうしてすっかり油断していた時、突然頬に熱い物が押し当てられると大袈裟なまでに肩を跳ねさせ。相手じゃなければ危うくその手を捻り上げでもしていたところだが、無邪気に悪戯っぽい声色は自然と自らの心を温かな物で満たしていき。「ご褒美ってんなら普通飲みかけ寄越して来ねぇだろ」思わず崩れる相好のまま手を重ねるようにしてその缶を受け取ると、温度が下がりつつあるココアを勢いよく呷り。口内を満たすカカオの甘さは嫌いではないが普段進んで手を伸ばす事は無い類のもので、つい口を衝いて出たのは「あっま」と文句を呟くような口調での一言であり)
ふ。飲みかけのが慧には御褒美だろ。( 懐炉代わりの缶手放し掌行き場逸してしまえば藍色のコートのポケットへと両掌滑り込ませつつ自己嫌悪に陥る相手とはひどく対照的な様子でにひひと効果音が付きそうなほどの悪戯なる笑顔顔面に浮上させてかるくち叩いていて。長い廊下のうえのんびりとした脚取りで歩を進め昇降口へ到着し。不意に文句とも取れる率直な感想聞こえてきたうえに普段ココアのような喉の焼けるほどに甘い飲料口にするすがたを観ることがないため嫌いな代物押し付けてしまったのだろうかと余計なる勘繰るが脳内でぐるぐると駆け巡り、踵踏み潰れた上靴脱ぎながら下駄箱から投げ出した茶色い革靴に右脚から通す、前に振り返り「 飲めないなら他のやつに押し付けてくるけど。教室に未だなかおかくんとか居たろ。 」先程の悪戯な笑顔はどこへやら。把握しているようで恋人の好き嫌いすら把握出来ていなかった己を不甲斐なく思い無意識下に眉尻下がりつつ先程来た道示指で指し示して手近なクラスメイトの名を口にし。 )
(飲みかけなんて一般的に“間接キス”と言えど所詮間接は間接。少しでも相手の温度を感じられるわけでも無く、こんなにも無駄に焦らされている気分になるならば直接のキスの一つくらい欲しいものだと憮然として考えている内に昇降口にまで来ていて。学校と聞いただけでも息が詰まるような場所からやっと離れられる解放感に駆られて早速靴を履き替えるが、何を思ったのか不意に口を開いた相手の影のかかった表情に目を瞠り。恋人からもらったものを他人に遣るはずがないのに、一体何があったというのか。疑問が脳裏を占める中唐突に缶に口を付けると、残りを一口で飲み切ってしまい。「ざーんねん。もうなくなった」口元についたココアを舌先で舐め取りながら口角を上げると、空になった缶をこつんと軽く額に当ててやり。丁度玄関口に設置されていたゴミ箱へ颯爽とそれを捨ててしまうと振り返り様に眉を寄せて遠回しに急かし)
腹減った。寒い。
( 額にわずかなる衝撃が加われば憂慮で埋めつくされそうになる意識がはっと冴える。久しぶりに忌忌ましいと言っても過言ではない自宅に連れ戻されはげしい罵詈雑言や暴行のかずかずを此の身に受けた翌日だからかぴりぴりと過敏に神経が立ち空回りしていること自分でもうんざりするくらいに認識出来ており、いっそのこと無理矢理にでも気分切り替えてしまおうと何時ものへらりとした穏和なる笑顔貼り付けて。「 ん。購買戦争にやぶれたおかげで俺も腹ぺっこぺこだわ、最愛のたんたんなべちゃんが俺を待ってることだしはやく帰らねえとだな。 」急かされるが儘におおきくうんと相槌打ち、履きなれたいつもの革靴へ履き変え大股で相手のとなり迄追いついては歩きながら空腹だと示すかのごとく腹部へ掌遣り歯列覘かせ。 )───な。たまには晩飯の準備手伝うわ。
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