20489 2017-01-15 23:50:42 |
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(やがて、皿に盛られたクッキーでさえも食べ尽くしてしまえば、同様をあらわにしながら慌てる相手に「いや…食べ物を食べたなんて久しぶりで…」と、この涙はクッキーが不味くて出したものではないと否定すれば「エリ…さん、ありがとうございます。エリさんは僕の命の恩人です」と急に改まった様子になれば「なにもない僕だけど、なにか恩返しはできないでしょうか?」と、小さい子供でもこの恩には報わなければならないと分かっており、そう問いかけて)
(語られる涙の理由は歳に似合わないただならぬ境遇を感じさせ、それ以上言及することも出来ずに黙ってカップを机に戻し。何となくばつが悪そうに相手が涙を拭うのを眺めていたが、その相手が突然恩返しなどと言いだせば目を瞬かせ「…そう…恩返し、ねぇ…」考え込むように繰り返しながらまだ小さな体や痩せた手足へ値踏みするように視線をやって。自分にとっては餌になってもらうのが一番だが、こんな子供では血液の量も大したことはないはず。そう思えば「――そうね。じゃあ貴方、私の召使いになりなさい。今日から毎日掃除をして、料理をして、私の身の回りの世話をするの。わかった?えっと…」食べ頃までしばらく側に置いておこうと思いついたまま命令し、そこで相手の名前を聞いていなかったことに気づいて言葉を詰まらせ)
(こちらの問いかけに対して考え込んでいるのか、しばらく黙った様子の相手の口から聞こえた言葉はこれから相手の召使になり、「仕える」といったこと。どうやらこちらの名前を知りたいらしく、言葉を詰まらせる相手に「叢雲辰真です。エリさん」と相手の身の回りの世話をするということだけで召使いが一体どんなものかわかっていない状態で相手の名前を呼んで「わかりました。これからエリさんの召使いになります」と、右も左もわかってないがただ相手に恩返しをしたいという一心で述べて)
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