普通の日常をー【非募】

ん、おやすみ
（弟が眠りにつき静まった部屋で事件の真相について一人考えてみても直ぐに行き詰まり、うつ伏せに枕に顔を埋めて思考を凝らそうと試みるも気付けば夢の世界へと旅立っており

（頭から布団を被り久しぶりのいい疲れだったせいか朝まで熟睡して、布団の隙間から覗く太陽の光にもう朝かと思いながら体を起こし。珍しくスッキリとした目覚めに隣で寝る兄を起こさないように朝食を買いに出掛け）

…サミーか？
（相変わらずの寝相の悪さで朝まで熟睡し、ドアの開閉する音に僅かに目を覚まし無人のベッドに目を向け。少しだけ上げた瞼を直ぐに閉めて頭まで布団を被りゴロゴロして

（/物凄く遅くなってしまい大変申し訳ありません。お待たせしました！！）

おはよう、よく寝れた？
（テイクアウトしたサンドウィッチとコーヒーを両手で抱え、器用に部屋の扉を開ければモゾモゾと動く布団が目に入り。朝食をテーブルに置き、起きなさそうな兄の布団を剥がしてやろうと手を伸ばし）

（/お待ちしておりました！）

んー、寝起きに見るのがお前じゃなきゃ完璧
（すっかり見飽きた弟の顔に朝から文句を言ってやり、コーヒーの香りに鼻をくすぐられ布団に伸びる手に気付かずにのそのそと上半身を起こして

ならキャスでも呼ぶか？
（呼べばすぐに来てくれるであろう自分じゃない別の人物と言えば一人しか思い浮かばず。あと少しで布団に手が届く所で今にも鼻先が当たりそうな位置に眠そうな顔が視界に入り）

いらん。だいたい何で選択肢が男なんだよ
（弟か天使かの二択はどちらもお断り、浮かんだ人物を空中で手を振って払いのけ「近いな、何か仕掛けようとしてたのか」相手との距離が思ったよりも近い事には驚き、おおかた布団を剥ぎ取る等だろうと予測し追求しながら眠気を追いやり立ち上がり）

他に誰がいるんだ
（与えた選択肢をものの見事に否定され、今からしようとした事がバレたかと図星に思うも「ディーンってまつ毛長かったんだな」改めて見る兄の顔に感心するように驚き、寝ていたベッドに腰をかけ）

いないな。だいたい何で天使が男なんだよ
（美しい女性でも聖書に描かれるような可愛い男の子でもない事にぶつくさ文句を溢し。顔を洗いに歩く足を止め「そっちの趣味はないぞ」急な弟の発言に数回瞬きし驚きを表し）

それを僕に言うな
（兄の想像してる事は何となく思い当たり。ただ素直な感想を口にしたはずが誤解され「僕もない」洗面台に向かう背中を見送り珈琲を1口のみながらテレビを眺め）

はいはい、悪かったよ
（不満があっても仕方ない事だと頭では分かっていて、適当な返事を残し冷水に眠気を流して「そりゃ安心。目覚めたのかと思って心配した」珈琲とサンドウィッチを両手に態とらしく距離を置いて座り）

現実と理想とじゃ違うことぐらいわかるだろ？
（どんな姿の天使を想像していたかぐらいは大体思い当たり、戻ってきて早々距離を置く相手を見て肩を落とし「ただ素直な感想を言っただけなのに」妙な距離感に苦笑いしか浮かばず）

分かってても口に出したくなるのが理想ってヤツだな
（弟の言い分は納得のいくもの、溜め息に乗せて思い描いた美しい天使像を吐き出していき。「からかっただけ。悪かったよ」怒らない様子が申し訳なく感じられ、普段と同じ距離に詰めて座り直し頭も軽く下げ）

男の天使に飽きたら図書館で天使の絵を探せばいいさ。
（黙々と作業することを得意としない兄に態と面倒臭いやり方を押し付け「別にいいよ、僕の方こそ悪かった」少しやり過ぎたかなと眉を下げ）

本の中にいるペラペラの天使に用はない
（両手を開いて音を立てて合わせ、本を閉じたようなジェスチャーで苦い顔。「俺達は二人でいる時間が長すぎる」見飽きた弟以外の人物を特に女性を長い時間見たいものだと溜め息を。何を見るでもなくぼんやりとテレビを眺めサンドウィッチを口に運び）

でもいい気分転換になるはず
（残りのサンドイッチとコーヒーを食べきり、そのままの流れで洗面台に向かおうとした時の発言に「たしかに」正論すぎて返す言葉が見当たらず止めてた足を進め）

本を見て気分を変えられるのはお前みたいな真面目な人だけ
（手を振り否定、考えるより動く方が好きな自分はそもそも図書館に行く事自体が嫌なもの。食べ終えた包み紙を丸めてゴミ箱に投げ捨て「あれだ、今回の事件を解決したらパーっと遊ぼうぜ」頭の痛い事を考える目標として楽しい予定を入れておきたい）

…それは褒め言葉としてうけとっていいのか？
（真面目な人に対しての悪口なのか何なのか真相はわからず首をかしげ頭の上にクエスチョンマークを浮かべ。今回の事件の事に専念しようと冷水で顔を洗い「そうだな、遊べるだけ遊ぼう」大変な事件のご褒美として頭の隅におき）

誉めるの半分、嫌味半分ってとこ
（自分には真似できない芸当である為に素直な気持ちで答え、頭上のハテナを手で払ってやり。約束が成立した所で顔を数回叩き気合いを入れ直し「よし、今日も頑張るか」ジャケットを手に出掛ける準備を整え）

わかった、素直に受け止めとくよ
（納得と複雑な気分の間の気持ちになるも仕方が無いと受け止め食べ終えた紙袋をゴミ箱に投げ捨て、必要なものをカバンに詰め込み「まずは少年の家に行ってみるか？」メモした紙を取り出し）