普通の日常をー【非募】

今すぐ行く。一人で動くなよ？
（まさか先に乗り込むとは思い付かずミステリーハウスから離れた場所にいる為、電話をしまい何事もない内に辿り着けるよう人の居ない薄気味悪い園内を走り

わかったよ
（先に行くなと言う忠告を無視することもできず、取り敢えず入口まで戻り兄の到着を待つことにし。人気もなく暗くなった園内はどこか寂しそうな雰囲気を漂わせ

…よし、約束守ってたな
（疑っていた訳でないが心配で、切れる息を肩で呼吸し整えて「なら行くか」明かりを着けたままだからか初めて入った時程の不気味さはなく、二度目で道を覚えている事もありズンズン進み

破ったら、聞きたくもない説教を言うだけだろ
（急いできたのか息を切らす様子にご苦労様だなと口では言わず、何事もなく迷路の部屋を進み問題の部屋に到着し「EMFみせて」表からだとやはりどれが本物の鏡かわからず

当たり前だろ
（平然と述べる弟の頭を小突いてやり。霊かが潜むと思うからなのか一見何の変鉄もない部屋に身構えEMFを渡し、裏から見た時と印象の異なる室内に記憶を頼りに例の鏡があっと思われる場所を目指し

たしか、この辺だったよな
（受け取ったEMFをかざしながら一つ一つ探り、入口から少し行った所で反応があり慎重に調べていくと1枚の鏡にたどり着き「これだ」本物かどうかたたいて調べ

これで取り外せっか？
（初めて入った際は気にならなかった木枠も注目して見れば周囲から浮いて見え。鞄から小型のバールを取りだし姿見程の大きさのある鏡に引っ掛け

やってみよう、裏に回ったほうがいい？
（どこか手をかける所がないか探すも隙間なく詰めてあるため、支える場所がなく。裏側にならたしか持つところがあるのを思い出し

そうだな、裏から頼む
（安全であろう裏側は弟に任せ、危険を買って出た自分の姿を例の鏡に写し。今のところ何の変鉄もない鏡と行方不明者に「ルーカスが遊び相手を求めて、鏡の世界に引きずり込んでたりしてな」鏡から目を離さず弟が裏に回るのを待ち

ディーン、裏に回ったぞ
（今のところどの鏡にも少年の姿は見受けられず、表とは違い真っ暗な部屋を懐中電灯の明かり一つで鏡の後ろにつき

どうだ、押し出せたり出来そうか？
（考えすぎか男の子の笑い声が聞こえたような気がしたが空耳だと片付け、鏡の枠を叩いてみるが動きそうな気配はなく裏から何か試して貰おうと一歩下がって見守り

ダメだ、ビクともしない
（台車か何か押し出せるようなものはないか見渡すがそれらしきものはみあたらず、枠の少しの出っ張りを持ち上げたり横にスライドさせたりするが動く気配はなく

表から押してみるか
（何度も体当たりを試みるがまるで手応えがなく、最悪な事に1人しかいない鏡に男の子が写り込み背後を確認しても勿論無人で「…サム、お出ましだ」ジャケットを脱ぎ男の子が写る高さに押し当て一時的に写るのを防ぎ

あぁ、頼む
（こちら側からも工夫して鏡を動かそうとするも中々動かすことが出来ず頭を悩ませてた時、何かを察したのか表にいる兄が声を潜め「今戻るから待ってろよ」急ぎ元の場所に戻り

大丈夫だ、持ちこたえてる！
（写る鏡が無ければ出てこれないのか一度引っ込み他の鏡から出てくるのか、今のところ男の子が出現する気配はなく。ジャケットを抑えたまま弟が此方に到着するのを待ち

大丈夫か？
（暗闇の中息を切らしながら元の場所に戻り、鏡にかかってるジャケットを目にし「ここに出たのか？｣指をさしゆっくりジャケットの下の鏡を覗こうと持ち上げ

今のところはな
（辺りを見渡せどやはり弟と自分だけで「一瞬だかチラッと男の子が見えた」塞いでる間は何も起こらないと分かればジャケットを取り、自分達が写るだけの鏡を覗き混み

ルーカスか？
（周りの鏡にも自分たち以外は映っておらず、この鏡に少年が映ると確信すればカメラの設置場所を探し「この角にしよう」丁度二人のいる場所が映る位置にカメラをつけバレないことを願い

たぶん。写真をもっと見ておくんだった
（これと言って特徴のない男の子で確信が持てず曖昧な返事で、用心は怠らずカメラを覗き「一晩様子見て、明日の朝スタッフより早く行って一旦映像を確認するか？」少しも早く解決すべきと逸る気持ちを抑え冷静な口調を意識し相談し

そうだな、怪しまれたら大変だ
（最初に来るスタッフが何時来るかわかないがなるべく早く来た方がいいだろうと兄の意見に頷き、おそらく鏡の中から出てこないだろうけど念のため塩を回りに撒き