匿名さん 2016-12-28 21:29:47 |
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騒がしいな
(すっかり食べ終わり冷めかけのコーヒーも飲み干して。弟が終わるのを待っていればサイレンの音が耳に届き、好奇心から何事かと窓際の席に移動し
誰かが倒れたか事故でも起きたんじゃない?
(普通に生活していればよく見る光景だと気にせず、遅くなりながらも朝食を食べ終えて残るコーヒーも飲み干しごちそうさまでしたと手を合わせ
向かいの家のお婆ちゃんか
(窓から様子を伺えば正面の家からタンカーに乗せられた老人が救急車に運ばれ、事の次第を見守り満足して席へ戻り。店内の時計に目をやり移動時間を考え「腹ごしらえ出来たし行くか」伝票を手にレジへ並び
年をとると何が起こっても可笑しくないからな
(自分もいつかあぁなるのかと将来に少しだけ不安を持ち、釣られて時計を見てはもうそんな時間かと「トイレだけ済ましてくる」後が長くなりそうな予感で早めに済ませようと
おう、行ってこい
(会計が終わり弟を待つ暇潰しにテイクアウト用のパンを眺め「…あの年まで生きられたらいいな」老人を乗せた救急車が発進した方向に呟き
お待たせ…
(トイレを済ませ兄の元に戻れば「あのおばあちゃんが気になるの?」正面の家にいた救急車がいなくなり、さっきの道を戻っていったのかその方向に顔を向ける姿に背中を叩き
別に、ただ暇だっただけ
(一瞬落とした影を見られてはいないだろうか、平常心を装いパン屋を後にして。車に座るなり「面接ごっこでもするか?」勿論冗談であるが真剣な表情を作り
ならいいけど
(ほんの少しまさかとは思ったが相手がそう言うならと気にせず、後を追うように車に戻り。座席に座った途端何を言い出すのやらと「面接とかやった事あるのか?」真面目な顔に思わず吹き出し
ないな。生まれて此の方無縁だ
(自慢気に歯を見せて笑い、今度は弱々しい表情に変えて「怖い面接官だったらどうしよう」なんて赤信号で停車したのを良いことに、両手を離して手を震わせ遊び
そうだろうな
(当たり前だと思っても、ホントに無縁だったとは驚き「それが普通だよ、まぁがんばれ」企業の面接とは違うだろうから安心しろと
俺は黙っとくから、なんか上手いことしてくれ
(面接が怖いのは勿論ジョークだが余計な事を口走らないか心配であり、自分より慣れていそうな弟に下から視線を向け「な、頼むよ」怒られる前に正面向き青になった信号を通過し
それだと、兄貴は落とされるかもな
(昔何回か面接の練習はして慣れてるとはいえ、全て任されるのも苦であり「ダメだ」甘える兄を一喝してなにか聞かれた時に答えれるようにしとけと
俺の為に頑張ってくれよ
(弟に厳しく説教される内に会場に到着し約束の時間が迫り、サーカスのスタッフらしき人物に声掛け裏口から楽屋のような場所へ通され
・・・勝手にしろ
(無理だと半ば諦め、サーカス会場に到着しスタッフの後について行き通された部屋には気難しいそうなスタッフが1人で「昨日電話したものです」営業スマイルで声をかけ
ここで働かせて貰えるって聞いて
(弟が大人しい真面目なキャラならば自分はサーカスが大好きで仕方ない人を演じ、食事を前にした時同様に目を輝かせ「特にミステリーハウスが気に入った」さっそく本題に入り
と言っても長期ではなく短期を希望したいのですが
(隣にいるディーンの事はほっとき、スタッフは今は従業員が少なく困っていたから大助かりだといいミステリーハウスの裏方をやってほしいとあっさり採用し
おおー、ありがとうございます!やったなトム!
(あっさり終わった面接に思い付いた適当な偽名を口にし。早速現場を見せると言うスタッフに続き、ミステリーハウスの裏側へ。マジックミラーの仕組みになっている鏡の部屋は中から客の様子が見えて
あぁ・・そうだな
(バイトの面接はこんなにあっさり行くもんだなと即席でつけられた偽名に一瞬驚き頷いて、鏡の部屋の裏側に案内されれば「なるほど・・」思っていた構造と違いこれなら誰の犯行かわからなくなりそうだと
(カメラを仕掛ける場所はないか鋭い目付きで見渡し、スタッフが暫く戻らないと言い残して持ち場を離れた隙に鞄から昨夜買ったものを取り出し「サム、潜り込めたがどうする?」声を潜め怪しい言動はしないよう気を付け
そうだな・・カメラを取り付けようも中だと意味がないしな
(誰もいなくなったことを確認しキョロキョロと周囲を見渡して、外にはこちらを覗く客に驚くもこちら側には気づいてなく。「今は様子を見よう」無理に動き怪しまれることを避け
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