普通の日常をー【非募】

霊界が出来るんだっけか
（合わせ鏡が霊を呼び寄せるにしても、あの男の子が何故あのミステリーハウスに出るのかは調べないと分からない点で「行方不明者リストでも漁るか」骨の折れそうな作業に遠くを見つめ

そう、元々鏡にはいい噂ないからね・・
（早速パソコンを開き、過去にさかのぼって探す前にこの移動サーカスのミステリーハウスがいつ出来たか調べ、つい数年前だとわかりそこから行方不明者が出ていないか過去の失踪事件を探し

なるほどね
（鏡が嫌いになる前にさっさと終わらせてしまいたい物だと苦い顔を浮かべ、信号で停車した際にパソコンの画面に注目し「わりと新しいんだな」これなら被害者を絞りやくなりそうな、少し希望が見えた所で適当に曲を掛けて

ここの地域だけってわけでもなさそうだ
（似たような失踪事件が各地で起こりその事件との関係性はないか、サーカス団が地方遠征をした場所を見ると失踪事件が起こった場所と合致しその多くはやはりミステリーハウスに入った客ばかりで、失踪した人たちの年齢は関係なさそうで

あの少年が道連れにしてんのか
（事件が起きているとあれば残すは何が引き起こしているかを探るだけだと楽観視して、鏡に写る少年の顔を思いだし「小学生くらいに見えたな」あのサーカスに関係するのかも不明だが、何とかなると高を括った頃にはモーテルに到着し

分からない、もしそうだとしても何かある筈だ・・例えばあの部屋で誰かが死んだとか
（行方不明者リストの記事を最後まで読み、その中で年齢の低い男の子だけをピックアップし「頑張るしかなさそうだ」モーテルに到着し名前だけを書き上げたメモを渡しみせ

そこそこな数だな
（指でなぞり数十人に登るリストを前に眉間に皺寄せて「もしあそこで誰か死んでたとしても隠蔽してる可能性もある」こうなると以前使った手だが、サーカスの裏方として働くのが早いかと考えチラシを手に印刷された電話番号を指差し

この中から死んだ子を探すとなると上の方だ
（数十人のうち上の数人の名前をまるで囲みトントンと叩き、やるしかないと言われ指さした電話番号に「それが手っ取り早いかも」あまり気が乗らないが被害者をこれ以上増やさないためだと言い聞かせ

よし、ならその子達の情報収集だな
（同意を得てアルバイト募集と書かれた電話番号にコールし、声を聞くだけで気難しそうな年配の男性と話をつけ「明日の午後に面接な」会って貰える事になったと伝え

でも、各地を転々としてるのにどうやって・・
（情報収集するのには少し難しいんじゃないかと思いどうすれば出来るだろうと考え、面接が明日だと決まり「厄介なことにならないといいけど」やはりあまり乗る気がせず

流石に遠方は厳しいな…あーん、この町に来るのはこれが初めてじゃなさそうだ
（チラシの隅々まで目を通し゛5年振りに帰ってきた゛との文字に引っ掛かり「5年前の失踪者は？あと最初は何年前だ？」情報を整理するべく、パソコンの画面を覗き次々に質問し

五年前は・・この子だけ、名前はルーカス当時8歳だ。最初の事件は9年前
（頭の数人の子供の名前の失踪日を確かめ1人の男の子を指し、この事件から4年前の事件が一番はじめに起きた事件でその時の様子は今よりも人が多くごった返していたため情報提供がなくその5日後に捜査が終了され

なら、ルーカスとその一番最初の…ジャックを調べればいいか？
（弟が説明する情報に耳を傾け、あの部屋に強い思いがあるとすればその二人が怪しいだろうと睨み「鏡を剥がしたら中から何か出てきたりしてな」冗談半分で思い付きを口にして

取り敢えずね、もしかしたら僕らが見た男の子はこの二人の誰かって可能性もあるかもしれない・・この中に見た顔はあるか？
（鏡の部屋で見た男の子の顔は思い浮かばずリストの顔写真からガラスケースに移った顔はないかと見せ、あの部屋になにか仕掛けがあると睨む兄に「死体がか？それとも、男の子の霊か？」嫌な冗談はよしてくれと首を降り

あー、ごめん。ハッキリと覚えてない
（鏡の部屋を出て安心した所に現れた事で焦る気持ちが勝り、どんな顔だか記憶する程には見てなかったようで。画面をじぃと見つめてから後ろへ反り駄目だと落胆し。あのミステリーハウス内しか移動できないなら、あの場所にきっと何かがあるだろうと「ま、バイト始めたら部屋は調べられるだろ」ハウスの清掃や整備に携われるよう頼むつりで

だよな・・
（一瞬の出来事で覚えているはずもなく自分もちらりとしか見てないため全くと言っていいほど覚えてなく、明日のバイトで何かわかるだろうと期待し「そうだな・・取り敢えず今日はここまでしよう」パソコンを閉じ

飯でも食いに行くか？
（チラシと面接の時間を書いた紙をまとめて鞄に突っ込み、昼前から行動していたが外を見ればすっかり日が傾き、夕方である事に気づけば急に空腹になったようだと腹を擦り

そういえば何も食べてなかったな
（暇つぶしの筈が失踪事件の調査にまで発展し、調べ物に没頭したせいで食べる事を忘れ時間も外も遅くなり向かいの道路は車通りも多くなり

明日はきっと大変だから、今のうちにガッツリ食おうぜ
（腹をポンポン叩きながら、ここに来るまでに見たハンバーグの店を思い浮かべ今にもヨダレが垂れそうだと口元を手で覆い「早く行くぞ」急かし車のキーを手に部屋の出入り口まで先に行き

食べすぎるなよ
（自分も兄と同じ気持ちだが明日のことを考えて食べ過ぎに注意して、子どものように目を輝かす顔に肩を落とし苦笑いを浮かべ「はいはい」急かされるように部屋を出て