普通の日常をー【非募】

おいおい、拗ねんなよ。真面目な話でもあるぞ
（ピエロでからかった件は悪意の塊だが、サーカスのショーの他に平衡感覚を失う類いの仕掛けの施されたミステリーハウスもあるらしく、そういう場所には何かが出る可能性があると踏んでいて。表情を真面目なものに一変させ、チラシの裏面に"リアルな仕掛け"とあるミステリーハウスの説明文を読むようにチラシを渡し

・・なに？
（真面目な話があると言われ不機嫌な顔を向け、再び渡されたサーカスのチラシの裏を読み不機嫌な顔から一転させ「ミステリーハウス・・ここに何かあるって？」似たような場所が前にもあったなと首をかしげ

たぶん同じこと思い浮かべてると思うが…
（前に似た事件を解決した事を思い出しているだろうと話を進め「行ってみなきゃ分からんが、調べる価値はあるだろ」車を走らせる前に同意を求めてチラリと視線を送り

だよな・・
（思ってることは同じのようで、何かあると言われれば断らざるおえず同意の目線が向けられれば溜息をつき渋々承諾して行きたくない気持ちを取り払い

ハウスの中にはピエロはいないって
（馬鹿にするのではなく肩に手を置き励ましの言葉を掛け、同意を得たことでアクセルを踏み「なぁ、そこで事件がなかったか調べられるか？」目的地を目指してドライブを開始して

励ますなよ、逆に悲しくなる
（肩に置かれる手を除ける気力もなく目的の場所にピエロがいると言うだけでも気が滅入り、後部座席のカバンからパソコンを取り出しミステリーハウスで起きた事故がないか調べてると「・・・ディーン、いつから透視能力がつくようになった？」数ヶ月前同じ場所でミステリーハウスに入った男の子が施設内で失踪した事件が起こっており

勘が鋭いだけだ
（地元民しか分からないような細い道を地図を見ながら走り、思った通り事件が起きていた事が発覚すれば弟の比喩を適当に受け流し。相手が何者か分からないまま突入するのは些か危険だが、そうするしか無さそうだと覚悟を決め順調に近付いていき

鋭すぎ・・
（長年の勘が働いたんだろうと、事件のことについて調べるも詳しい詳細が記載されてなく失踪事件の他に誘拐事件ということも書かれどれが真実なのか検討もつかず

尊敬してもいいぞ？
（調子に乗りどや顔を向け、目的地に到着し駐車場に停めパソコンの画面を覗き込み「証拠不十分でも記事に出来るのは人間の仕業だけだからな」真実は超常現象のなし得る物だとしてもそれを事件の原因にできる訳でなく、真実は自分達の目で確かめるしか無さそうだと車から降りサーカスのテントを見渡し

その顔見たら尊敬すらできないよ
（腹が立つ顔を手で押しのけ、車が停まった目の前には移動サーカスにしては立派な作りのテントで嫌な思い出が脳裏に出てくるが頭をふり忘れようと数回頬を叩き「失踪じゃなく誘拐って線もあるってことか」自分も車から降りて

そ、人間かそれ以外か…どっちかなんか分からん
（子供に風船を配るピエロや楽しそうな親子連れで賑わう場所に不釣り合いな二人組で、ジャケットの下に銃を隠し持ち「早速だが行ってみるか？」正面に見えるミステリーハウスと書かれた建物を指差して

もし人間だったら、目撃者とかがいるけど・・
（人の多さからして当時もこの位の人数の多さだったんだろうなと思うと不審者がいてもわからないかと、「行って確かめよう、それしかない｣情報が手に入らないと行動するにもできないと

…大人２人ってちょっと浮くな
（真面目モードに入ろうとした矢先にピエロに手を振られてしまい頬を引き吊らせて手を振り替えし、更にはそれを客の小さな女の子に目撃され。半ば涙目になりながらミステリーハウスの前に立ち「行くぞ」と視線を送り合図して

浮くも何も場違いすぎる・・
（何の有害もない手を振るピエロを警戒し、横では何故か薄ら涙目になるディーンをみて何が起きたと顔を引きつらせ「女の子に変なとこ見られたんだな｣目の前を走り去った女の子に気が付き、ドンマイと背中をさすり

くそぅ、兄弟で来てもいいじゃないか
（女の子が走り去った方向に負け惜しみ言って目元に腕を持ってきて大袈裟に泣き真似し、ハウスに一歩足を踏み入れると辺りは暗く迷路のような作りになっていて

年齢の問題だ
（真っ暗な室内は光が完璧に遮断され聞こえるのは楽しそうな悲鳴で「さすがに、明かりはつけられないな」手さぐりで道を探しながら壁をつたい

あー、それはそうだ
（幼い兄弟なら問題ないかと妙に納得ししみじみ頷き。暗く足元のよく見えない作りに時折障害物に躓きながら進み「今のところはただのアトラクションだな」暗闇の迷路を抜ければ今度は辺り一面が鏡張りの部屋があり、自分と弟が何人もいる不気味な空間に一瞬固まり

合わせ鏡の部屋か・・
（真っ暗な部屋の先に光が見え次の部屋に行けば眩しさに目を細めだんだん慣れていくと目の前は自分を取り囲む鏡に驚き、方向感覚を失いそうになり

見失いそうだな
（自分のいる場所がいくつも見えどの方向に進めば良いか分からなくなる空間に戸惑い「サム、いるか？」何人もいる弟の中から本物のここに存在する弟に問いかけ離れないよう注意し

あぁ、いるよ
（どこからか聞こえる兄の声に手を振り反応しようとしたがこれじゃぁ見分けがつかないと声だけかけ「兄貴は？」聞こえてきた声が本人かどうか確かめ