普通の日常をー【非募】

サム？どこだ？
（発煙筒を手に戻ったが弟の姿はなく、もしやと思い地下室を覗き込めば崩れた階段が見え「大丈夫か！」懐中電灯の光が届かない暗闇に向かって思いきり叫び

あぁ・・・大丈夫だ・・・！
（落下した衝撃で腰を強くうち、中々起き上がることが出来ず僅かに聞こえる声に反応し左に落ちた懐中電灯を拾い仰向けになった状態で照らせばようやく中の状況が分かり

ロープ垂らすからな！
（弟の声が聞こえれば少し安心して、先程ついでに取ってきた鞄の中から太いロープを取りだし地下室の横の頑丈な柱に縛り付け反対側を中へと落として

いたたっ・・・腰が
（ゆっくりと上半身を起こし、改めて地下室を見渡すと何の変哲のないただの地下室に拍子抜け地上から降りてきたロープを握り這い上がり

気を付けろよ
（地下室を調べる必要はあるが情報を整理したり一度上がってからの方が良さそうで、ロープがほどけないよう結び目を握り上がってくる弟を見守り

‥しょっと・・、ありがと。
（懐中電灯の明かりが見え、最後の力を振り絞り地上へと上がりきるとハァと溜息をつき痛めた腰をさすり「地下室は至って普通だったよ」自分で見た事をそのまま伝え

おつかれ、大変だったな
（腰をさする動作に労いの言葉を掛け「そうか。昔の墓地が気になるとこだな」家に着く前に聞いた情報が引っ掛かり、墓地の正確な場所や今はどうなっているのかを調べようと提案し

確か・・2ブロック先が元墓地の場所だ
（家の壁に手を付きながら立ち、落ちた衝撃で消えかかった記憶を呼び戻し「行ってみるか」車のほうへ歩き出し

大丈夫か？
（懐中電灯が届かない深さのところに落ちれば相当衝撃が来ただろから心配し歩調を緩め、車まで来れば「墓地に誰かヤバイ奴でも眠ってんのか」車に乗り込み疑問を口にして

相当深かった・・・
（顔を歪め折れてるんじゃないかと心配するがそんな感じはせず、「取り敢えず行ってみよう、もしそこが原因ならなんらかの証拠はあるはず」もう1度地図を確認し

終わったら病院連れてってやるから
（今すぐにとは言えないが念のためにと提案し、地図を覗き込み大まかな場所を把握してそこへ向かって車を発進させ

ありがと
（さっきよりかは痛みは引いたがまだ少し痛く、背もたれを少しだけ倒し。パコソンを開いてこの付近一帯を調べると元は大きな刑務所だとわかり

だから今はちょっと我慢してろ
（背もたれを普段より倒す様子に苦い顔して、更に新しい情報に表情は益々険しいものになり「物騒な幽霊がいそうだな」面倒な仕事になりそうだと溜め息をつくが首を横に振り気持ちを切り替え

地下室でEMFが反応したのもそのせいかも
（手でオッケーサインを出し、一帯が元刑務所となると死人を少なくはなくおそらく元墓地だった場所は死んだ受刑者を埋めてる可能性が高く

だろうな。いっぱいいるんだろ
（一つ一つ墓を掘るには気が遠くなる量で、いっそ塩を撒き散らし地下室やその周辺ごとコンクリートで埋めてしまうのはどうかと。思考を凝らすうちに元墓地に到着し

当たりだ、ここで何か起きたんだ
（車が止まった先には開発途中の工事現場が放ったらかしにされており、重機やスコップなどの道具もそのままになって

作業できないくらいにかよ
（只でさえ危なっかしい幽霊がいる場所に危険の伴う機械が並び、塩の弾丸を詰めた銃を手に慎重に足を踏み出すと独りでにクレーン車が動きだし

言わるゆいわく付きの場所だよ、色々あるだろそういうの
（少し顔を歪めながら体を起こし、オイルとマッチをカバンにしまい銃を手に向かえば「・・これはある意味でもヤバイな｣兄から1歩離れた所で立ち止まり

物理的に殺されるかもな
（歓迎されてない事はハッキリと伝わってきて、できる限り重機の側を通らないように進み「で、どうする？墓はもう無いってのに」何が原因で怪奇現象が起こるか追求する必要があり、早速遠くにぼんやりと人が見えれば素早く撃ち

そうだな・・何かあればいいんだけど
（重機を遠回りに通り、敷地内を見渡し兄が銃を撃った方向に顔を向けるとその奥に墓標らしき石を発見し警戒しながら近づくと消えかかっているが石に文字が掘られ