普通の日常をー【非募】

しみったれた町だな。あー、とりあえずメシか？
（地図を見た所で目的地は見付からず元の場所に戻し、コーヒーをもう一口とコップと傾けたが既に飲み干した後だったため何処か飲食店に入ることを考え

そうだね、取り敢えず何か食べよう
（昨日からまともに何も食べてないなとお腹を押さえ、大きくはないが小さな飲食店が近くにあったことを思い出しそこに行こうと

あそこなら徒歩で行けるだろ
（たまにはインパラちゃんも休ませてあげようと徒歩で行け範囲にし、同じく腹を押さえてジャケットを羽織り先に玄関まで向かって

寒い・・
（玄関に向かい外に出ると、暖かな室内とは違い外は芯まで冷えきるような寒さで腕を前で組みながら背中を丸め

だな。早く室内に入らないと凍る
（短距離でも車を出すべきだったかと後悔し、寒さで白くなる息を吐き大袈裟な表現して両腕をさすり早足で店を目指して移動し

これで雨が降ってきたら最悪だな
（降りそうになさそうな空を見上げてはつぶやき、目的の店が見つけ早く行こうと足を早め

言ったら降りそうだからやめろよ
（つられて見上げれば灰色に曇った空が確認でき考えすぎかもしれないがポツリと来たように感じ、店の軒下に滑り込み外から空席を見つけ店内に入り

降るわけないだろ
（走る兄を余所目にその後をゆっくりと歩き、後を追うようにして店内に入り

お前そんな余裕かまして！降り始めの雨は酸性雨で浴びたらハゲるんだからな
（気軽に入れるファミレスの雰囲気がある店内で4人掛けのソファー席に通して貰いゆったりと座り、頭を両手で覆いいつだかテレビで見た情報で騒ぎ

滅多に降らないから安心しろよ、子供じゃないんだ。
（向かいのソファーに座り、子供見たくテレビ情報を信じるのを見てケラケラ笑い降り始め以外はと付け足そうとしたがやめ、ウェイトレスにコーヒーとバーガーを頼み

将来サムがハゲても知らないからな
（テレビの話を信じようとしない弟の額にじっとりした視線を送り。朝食より遅い時間で店内は人がまばらで「こんな時間にダラダラしてると悪い事してる気分になるな」周りを見渡し小声で口角を片方だけ上げ悪い笑顔を浮かべ

今まで雨で禿げた人なんて聞いたことある？
（いつからこんな迷信みたい話を信じるようになったのかと呆れ、頼んだ料理が来るとコーヒーを飲みバーガーにかぶりつき「普通なら会社か学校だからね」いかにも当たり前と言ったように

…いや、ないな
（考え込み少しの間を置き首を横に振り否定し。同時にバーガーをほお張り「会社行きたいか？」深く考えはせずポツリと呟き

だろ？
（苦笑いを浮かべて頷き、何も考えずに言った言葉にまさか返されるとは思わずまゆを潜め「別に｣素っ気ない返事で首をふり

……だよな、うん
（素っ気ない返事が来るのは当然のことで、視線を落とし黙々とバーガーを口に運び「ハンターをビジネスにしてみるか」パッと顔を上げ得意気な表情を作り無理に空気を茶化し

無理でしょ
（特に気にするようなこともなく、コーヒーを一口流し込み。顔を上げて何を言い出すのかと思えば、何バカみたいな事言ってるんだと即答し

でもそれが出来たら金に困らん
（無理だとは分かっていても利益を得られたら嬉しいのにと考えてしまい盛大に肩を落としガッカリして、バーガーの包み紙に八つ当たりしてグシャグシャに丸めテーブルに投げつけ

誰もそんな仕事したくないに決まってる
（多くの人が幽霊や悪魔を信じてはおらず、居たとしても怖さに怯え確実に失敗すると思い首を横に振り残りのバーガーを食べきり

そりゃそうか
（眉間に皺寄せ難しい表情で考え事しながらコーヒーをすすり、問題が解決したと手を打って「だとしたら、俺らって凄いヤツだよな」能天気な発言して

変人の間違いじゃない？
（今度は何のを言い出すかと思いきや、口から出た言葉がおかしく鼻で笑いありえないと手を横に振りながらコーヒーを飲み干し