匿名さん 2016-12-28 21:29:47 |
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おい起きろー!
(今日も適当に外出するだけで何かに出会うのだろうかと考え事をしつつリビングに戻れば、弟はまだ布団にいるのが見え手を叩いてデカい音を出し
・・・わかった
(気持ちよく寝ている最中に聞きたくもない声が聞こえ、渋々布団から上半身を出すも頭は寝ているのかその状態から動こうとせず
お前は休日の駄目なお父さんか
(足元にまだ掛かる布団を剥ぎ取り「コーヒー買いに行くからその間に覚醒してろよ」人指し指をビシッと向け言い残して、財布を手に大きく伸びをして出ていき
いってらっしゃい
(あくびを一つこぼし手を振って見送り、鈍い足取りでしまったままのカーテンを開け明るい日差しに目を細め。その足取りで洗面台に行き冷水で顔を洗い、目が覚めると身だしなみを整え帰ってくるまでテレビをつけ待ち
(近くにファストフード店を見つけ持ち帰りでコーヒーを2つ購入し、朝晩はまだ寒く背中を丸め速足でモーテルを目指して。今日これからどうするか考えても思いつかないままに帰ってきてしまい「戻ったぞー」両手にコーヒーを持った状態でドアに挟まり気味に部屋に入り
おかえりー
(朝のニュースはこれが普通の事件なんだなという事件ばかりでしみじみ思いながら眺めてると、ドアの音と同時に兄の声も聞こえ振り向き
おい、コーヒー受け取ってくれ
(リビングから聞こえるニュースの音に耳を澄ませ重要な事件は無いと判断し、コーヒーで両手が塞がっているせいで上手くドアを開けられず挟まったままで弟に助けを求め
ちょっと待って
(何だろうと靴を吐かずに玄関へ向かうとドアに挟まる兄を見て「何遊んでるの?」首をかしげ、取り敢えず両手のコーヒーを持ち
遊んでない!
(両手が自由になりやっと室内に入ることに成功し、礼も言わずにリビングまで進み椅子に腰下ろし「あのドアは駄目だ。開きにくい」玄関の方に手を伸ばし指差して
古いから仕方ないだろ
(どう見ても遊んでるようにしか見えないと茶化そうと思ったが何をやられるかわからないからここはグッとこらえ。リビングに運びコーヒーを渡し、自分はベッドに座りコーヒーを1口
まぁ確かに、安くて古いな
(そう言われると納得せざるを得ず、不満を抱えて尖らせた口で熱々のコーヒーをすすり「もう少しゆっくりして行くか」度重なる仕事や移動しっぱなしの生活から離れ羽を伸ばそうと提案し
今度からはテイクアウト用のトレーを貰ってくるんだな
(両手にコーヒーを持ちドアに挟まる図が可笑しかったのかニヤニヤと笑いを堪え、「そうだね、たまにはいいか」兄の提案に賛同し
さすが賢いサムは言うことが違うな
(困っていた状況を笑われムッと来れば歯を剥き出して威嚇しするが自分の提案が通った事で機嫌を直し「よし、なら昼過ぎまでダラダラしてやろう」玩具を見る子供のように目を輝かせ指をパチンと鳴らし
普通の考えだよ・・それで、昼までどうやって過ごすんだ?
(また怒ろうとする相手を宥め、まだ朝の早い時間帯で昼まで遠く「また街にでも出るつもり?」扉を指さし
外に出たら何が出るか分からんしなぁ…
(ダラダラとサボってやろうと悪い考えをしたものの何をするかと問われれば全く思い付かず、遠い目をしてコーヒーを口に運びモーテルとバーの行き来も飽きてきたと考えていて
それだったら僕はあのまま寝てもよかったんだね
(何も思いつかなさそうな表情を見て、悪夢や仕事でまともに寝れてない分思いっきり寝てやろうと思ってたのを無理やり起こされ
それは悪かったな…昼寝でもしてくれ
(言われてみれば起こす必要はなかった訳で素直に頭を下げて謝り、気まずそうに視線を反らし頬を指で掻き
今更いいよ、眠たくないし
(珍しく謝る兄を見ては微笑み肩をすくませ、学生の頃だったら勉強や彼女とのデートでゆっくり出来る時間がなかったが今まで忙しかった分急に暇になると何をすればいいんだと
やっぱブラブラしてみるか
(男二人で部屋に籠ってもする事はなく退屈なだけで、どうするか迷った末に欠伸をしながら気の抜けた喋り方で述べモーテルに置いてある周辺地図を広げて
・・・特にこれと言った所はなさそうだね
(広げられた地図をのぞき込み街全体を見るも、面白そうな場所は見つからず住宅街や飲食店、モーテルといったところでしかなく
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