匿名さん 2016-12-28 21:29:47 |
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…お前と一緒に狩りをできるのは嬉しいが、あのまま大学院に行かせてやりたかったとも思う
(どう話すか迷い少しの間を置き、両手でハンドルを握り直し前に続く道路を眺めながら素直な気持ちを話し始めて
もし僕がロースクールにまで行けたとしても、どのみちこうなる筈だよ
(窓枠にもたれ掛かりながら、人生が変わる訳がないと昔から薄々気づいておりながらも普通の暮らしがしたかったと
俺がそうさせな…いや、それはないか
(弟に普通の暮らしをさせたいと言っておきながら借りに引っ張ったのは事実だと遮り否定し、暗い気持ちのままモーテルまで到着すれば車を停め受付で適当に名乗り部屋に通してもらい
(何かを言いかけたが聞き返す気力などなく、聞かなかったことにして。部屋に通され入るなり着替えを持ちそのままシャワールームへと向かい、複雑な気分を消そうと冷水を頭から浴び
(無言のまま冷蔵庫からビールを取りだしベッドに腰掛けもやもやとした気持ちを少しでも晴らそうと冷たい液体を一気に流し込み、手持ち無沙汰に小さめのナイフを鞄から取りだし弄び
ん、ありがと
(弟の方は向かずにそっけない返事してナイフを再び鞄に収め、シャワールームに入れば俯いた姿勢で頭からシャワーを掛けたところ出てきた冷水に思わず変な叫び声を上げて
・・・っ!!
(ベッドに寝転がりぼんやり天井の模様の数を数えてると滅多に聞かない悲鳴に上半身を勢いよく起こし、何事だと驚くがあまりに変な悲鳴がおかしく声を上げ笑い
サムの野郎、あのクソッタレ!
(素早くお湯に切り替え思い付く限りの暴言を口にしながら洗っていき、シャワールームから出てくれば寝転がる背中に思いきり蹴りを入れ
悪い、お湯に戻すの忘れてた
(涙を浮かべながら笑いすぎかと思って堪えようとするもこらえることが出来ず、しばらく笑い続けた後ようやく落ち着いたかと思えば背中に強い衝撃が走り痛さのあまりに声が出すその場で縮こまり
頭から冷水浴びたんだぞ!
(真剣に考え事をしていたタイミングでの騒動という事もあり蹴っただけでは怒りは収まらず腰に手を当て反論し、弟の寝転がるシーツを思いきり引っ張ってベッドから転がり落とそうとして
それは悪かった、反省してるよ・・
(蹴られた箇所に手を当て、体が思うように動かず起き上がろうとした瞬間ベッドから滑り落ちさらには床に頭を打つ被害を受け起き上がることすら出来ず無言の抵抗として勢いよく枕を投げつけてやり
分かればいいんだ。しっかり反省し…ぶっ!
(床に寝転がる弟を楽しそうに笑いながら見下ろしていれば安物の硬い枕が顔面にクリーンヒットし、勢いよくぶつかったせいで唇を噛み鼻にも痛みを感じそこに手を当てて
あぁ、思いっきりな!
(顔面に当たって足元に落ちた枕を拾い上げ、床に座る弟の足めがけて投げ返し「あーもー今日は寝るぞ」赤くなった鼻を擦り隣のベッドに勢いよく転がり込み
やったね・・・っと
(ケラケラ笑い、足元めがけて飛んできた枕をよけ。まるでクリスマスの歌に出てくるトナカイのような鼻の兄を見てクスクスとわらい、「おやすみ」一言声をかけ自分も再び横になり
ちきしょうサムのくせに
(口元まですっぽり布団に入り、もごもごと音を曇らせて子供じみた悪口をこぼし。酒が入っていることもあり目を閉じれば眠気に襲われ、寝返りうち直ぐにイビキをかいて眠り
(横から聞こえる子供のような悪口に呆れ果て「僕で悪かったな」少し大きな声でいうもイビキに紛れ聞こえていないなと確信しては、大きな欠伸をかき眠りにつき
あー、よく寝た
(モーテルに着いた時は何か暗い話題だった気がするが寝て起きれば記憶が薄れ思い出せず「まぁいいか」呟き起き上がり、歯を磨いたり冷水で顔を洗ったりして自分をシャキッとさせ
(寝息を立てながら布団の中にうずくまり、微かに聞こえる水の音に目が覚め携帯の時計を寝ぼけ眼で見つめまだ起きる時間じゃないかと握ったまま再び目を瞑り
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