匿名さん 2016-12-28 21:29:47 |
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騒いで悪かったな
(カウンターに多めの金を置いて店を出て、悪魔を追い出すにはそれなりの準備が必要というもので「どうすんだ?近くのモーテルでも入るか?」早口に問い掛け車のエンジンをかけて
人気のないところに行こう
(後部座席で暴れる彼女を見てもし他人を巻き込んだら取り返しがつかないと考え。「安心してここで待ってて」不安そうに車外からこちらを見る彼女の友人に一声かけ
あっちに空き地があったはずだ
(記憶を手繰り移動する途中で空き地を見たはずだと述べ、車に乗るよう急かし「飛ばすから掴まれよ」一応声は掛けたと口を閉ざすと同時にアクセルを踏み込み
(少し落ち着こうとしたら急発進に思わずうっと声が出そうになるのをこらえ。少し暴れているのか座ってる座席の背もたれを蹴られるような感覚を感じ「意外な事が続くよな」ポツリと呟き
ひょっとして俺らって人気者?
(言われてみれば休む暇もなく行く先々で何かを退治しており、幽霊なんかにモテても全く嬉しくないが満面の笑みで茶化し「あそこでどうだ?」目的の空き地が近くなりスピードを落として近付き
笑えるね
(全然笑えないがぎこちない笑顔を作り、少しは休みたいっと言いたいところだがぐっと我慢して。「そこにしよう」人通りが少ないことを確認し頷き、車を止めるよう指示をし
おーけー、止めるぞ
(静かに過ごしたい願望は見えない程に高い棚に上げて顔を両手で叩き気合いを入れ、車を降り後部座席のドアに手を掛けた状態で「悪魔を払う呪文、あれ覚えてるか?」自分は空で言えないため自信無さげに声を潜め
なんとかね、呪文なんて久しぶりに使うよ
(手帳を取り呪文が書かれてるページを開き、1度文面に目を通して大きく息を吸い心を落ち着かせてから視線を向けいくぞと合図を送り
(合図を受け無言で頷き返して地面に座り込む女性に視線を落とし、弟の妨害をすれば直ぐに止めに入れるよう腰を低くし視線の高さを彼女に合わせて身構え
エックソーシザマズ ティー オミニス イムンドゥスム スピリトゥス…
(慣れた手つきで呪文を唱えていくと苦しそうに息を荒げながら叫び声をあげ、今にでも襲いかかってきそうな勢いでこちらを睨み
(立ち上がりサムに襲いかかろうとするのを止めに入り、体を乗っ取られている可哀想な女性に怪我をさせまいと気を配り羽交い締めにし「サムまだか!?」悪魔の物凄い力に押し負けそうになるが唇を噛み締め力を入れ押さえ込み
ベネディクトゥス デウス. グロリア パトリィ.
(呪文を読み終えた途端口と目から黒い煙が勢いよく飛び出しどこかへと消え、悪魔の解放から解かれた彼女は羽交い締めにされながらグッタリとし
…出ていったか
(暴れていた動きが急に止まり、倒れそうになるのを自分の方へ引き寄せ踏ん張り「おつかれさん」長ったらしい呪文を読み上げた弟に労いの言葉を掛け、女性を抱えたまま車へ戻り後部座席に寝かせて自分は運転席に腰下ろし
そっちこそお疲れ
(ほぼ息継ぎなしに唱えたためか呼吸は少し荒く、車に戻り安堵のため息をつき「たまには、ディーンも言ってくれよ」手帖の表紙を軽く叩きみせ
お断りだ
(物凄く嫌そうな表情で手帳を取り上げダッシュボードにしまい、後部座席を振り返り「さっきの店に戻るぞ」女性の友人は心配だろうから行きと変わらぬスピードで運転して
すげー顔
(ひと目でわかるほどに嫌そうな顔を浮かべる兄にまゆを潜めながら笑い「それで、彼女の友人になんて説明する?」当体の人が信じない出来事にどう説明しようと
悪魔を信じるかは心配だが彼女の様子が変な事には気付いてたんだ。正直に話してもいいだろ
(おそらく女性を羽交い締めにした際に出来たであろう頬の引っ掻き傷を擦り。当の本人は悪魔に乗り移られた時の記憶は無いし、上手い言い訳も思い付かないままにバーの前まで戻ってきて
だね・・・、判断は彼女達に任せよう
(内心複雑な気持ちになりながらも後部座席で横になる彼女を起こし、疲れているのか少しフラつきがあり体を支えながら店に戻ると彼女の友人は安堵の表情を浮かべながら彼女に抱きつき
もう大丈夫。いつもの彼女に戻ったから
(微笑ましい友情の様子に表情を緩め安心するよう言葉を掛け。休む暇なく仕事をこなし疲れた体を重たそうに動かし着席し「飲み直すか?」同じく疲れが顔に出ている弟をちらりと見て、ぐでっとテーブルに顎を乗せて脱力し
賛成、ゆっくり飲もう
(隣の席に座り、机に突っ伏した状態で手を挙げ。ビールとは別のお酒と軽食を二つ頼み「今日はここで休もう」壁掛け時計を見て
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