付喪神さま 2016-12-22 16:34:06 |
通報 |
――ここ、どこ?
(その場所は、高校の修学旅行で訪れた有名な神社のはずだった。お土産は何しようかなんて友人と話しながら真っ赤な鳥居を潜ったところまでは覚えている。鳥居をくぐり抜けた後で、さっきまで話していた友人の姿がないことに気が付く。上を見上げれば晴れていたはずの空は夜のように暗くなっていた。先ほどの賑わいが嘘のように静まり返った神社。ポツリと呟いた言葉は、静寂の中に掻き消え、帰ってくる声もない。こんなこと嘘だと踵を返して鳥居を潜るも世界に変化はなく。もしかしたら、街へ降りれば誰かいるかもしれない、と淡い期待を胸に今まで登ってきた階段を足早に駆け下りて。少し上がってしまった息を整えて顔を上げる。そこには京都の街が広がっていた。ただ一つ、その街を歩く者たちが人間ではないことを除いて。人の形をしているものの、何となくこれは人ではないと感じる。ならばなんなのだと聞かれれば答えられないほど、確信のないものだったが。先程まであった期待はどこかへと消え急激に不安が胸の中で膨らむ。ふいに此方を向いた紅い瞳にひっ、と声を上げそうになり慌てて口を押さえる。人ではないものは、不思議そうにしていたがすぐに通り過ぎていく。ほっと安堵の息を付いて、京都のようで京都ではない町並みを見つめていたが、ここでじっとしているわけには行かないとぱちんと両頬を両手で叩き。頬の痛みに、夢ではないのだと再度確認しながら、ここがどこなのか、どうすれば帰れるのか。それを探すために暗い街の中を駆け出して。)
(/ >>4です。ロルテの方、了解いたしました。特にロル場面の指定は無さそうだと思いましたので、鏡都へ迷い込んだ時の場面にさせていただきますね。長さにはムラがあるので、いつもこれほど返せるかは限りませんが…。一応、提供の簡単な設定としては、修学旅行中の女子高校生といった感じです。検討よろしくお願いします。)
トピック検索 |