同性愛者の犯罪者 2016-12-11 17:57:47 |
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お、前あの時の…!
(未だにぐらぐらと視界が揺らぐ。集中力が足りないと自分を叱責して目を凝らせば、かなり殺風景な部屋の様子が見て取れた。ひっそりとした無音の部屋に突如がちゃり、と開いた扉の音と男の声が、さして大きくなかったというのにやけに響いた気がした。ピクリと体を震わせてそちらを見れば、見たことがない男。しかし月光に照らされた燻んだ緑を見ればはっとしたように目を見開き上記を述べ。優雅に珈琲を置く姿をよそに今更四肢が縛られていることに気がついてグイグイと引っ張り、擦れた皮膚が痛んだ。かなり頑丈に縛られているのか緩みもしない縄に苦戦していれば、急に額に拳銃が当てられ。すぐにわかる、自分が愛用していた拳銃だ。最悪だ、といった表情をありありと出し、反抗するように暗さを含んだ緑を睨むも、焦点が合わず惨めにもそのまま横に倒れた。こちらは圧倒的に不利だ。「要件は、…はぁ、なんだよ」少し息を乱しながらも反抗的に睨む視線はやめずにそう静かに尋ねれば)
(/承知しました!ありがとうございます!!なんかめちゃくちゃ確ロル、終始ロル回してすみません!)
要件?…ああ、無いよそんなの。
( 反抗的な視線を痛い程感じると僅かに笑ってみせる。相手に向けていた銃を備え付けの小さな木製のテーブルの上にコトリ、と置くと静かに上記。相手が警察官とあっては逮捕されてしまう可能性がある。そうでなくても仲間を呼ばれたらこちらが不利になるだろう。そう思考を巡らせて予め相手の持っていた荷物は全てこちらで没収していた。この様子ではまだ警戒する必要がある。そう判断すれば先程抜いておいた相手の警察手帳を目の前に突きつけ、名前を読み上げる。「…レオン、か。良い名前じゃないか。」口角を上げながら笑いを含めた声色で独り言のように言う。どうにか逃れようと必死に体を捩っていた相手の息は荒く、薬の効果もあってか整うのが遅い。「何処からつけてた?」顔を近づけ気になっていた事を問いかければ相手の顎を掴み顔をこちらに向かせようとし )
( / いえいえ!!!また何かあれば遠慮なく仰ってくださいね!
いやいやいやこちらこそですから全っ然大丈夫ですよ!!! )
なっ!?返せよ!っくそ!
(要件はない、つまりはここで自分を甚振り殺す気か。当然のようにあの現場の仲間かと思っていたが、通りすがりの殺人鬼という線もないとは言えない。余裕そうな笑みを浮かべて拳銃を置く正体不明の相手を、横になりながら未だに睨みつけ。レオン、と自分の名が呼ばれ驚いたように相手を見上げれば、自分の警察手帳が手に握られている。自分の一番の誇りの物。拳銃も大切にしていたが、それとは比べものにもならないほど自分にとっては全てと言える代物を奪われ、息が詰まるほどに怒りの感情が湧き出ていく。上記を述べながら再び芋虫のように体を捩って縄を解こうとし。先程よりも強い力で引っ張ったためか擦り切れた場所からじわりと血がにじむも、構わず息を上げて必死に四肢を動かし。顎を掴まれ相手に視線を合わせられるが、目の前の手帳の事で頭が一杯でそれどころではない。返答はできず、代わり返せと歯ぎしりをしながら至近距離で相手を睨みつけ、ひたすら縄を解こうと体を動かして)
あぁそう騒ぐなよ。
僕は人殺しなんて野蛮なマネはしたくないんだ…
( 己が名前を読み上げ、手にしている警察手帳を視線に捉えたらしい相手の激しい抵抗に少し身を引きながら憂鬱そうな声色と鬱屈とした表情でそう話す。相当大切なものらしい、と判断すると返しはしなかったものの別の机の引き出しの中へと拳銃と共に丁寧に保管してみせる。再び相手の近くに置いた椅子の上に腰かけると今度は無言でじっと見つめる。金色の美しい瞳。今まで見たことの無い珍しい瞳だった。まだどうにかして縄を解こうともがいている相手の様子を見て思わず__本当に無意識だったのだが__鼻で笑うと「縄は解かないよ。どうせ君、僕を逮捕するだろう?」と何処か嘲りを含めた声色で言う。テーブルに肘をつき、頬杖をつく。ふと思い出したようにカップを持って珈琲を一口飲む。まだ温かい液体が喉を伝い胃の中へ入っていくのを感じながら窓の外を眺めると暫し沈黙。やけに外は静かだな、なんて考えてはまた珈琲をコク、と一口飲みやがて口を開く。「それにしても、僕のした質問には答えてくれないのかな?」そう言うと横目で相手をチラッと )
( / いえいえ!! )
は、答えると思うのか?
(人殺しはしたくない、という言葉に交渉する気かとも思ったが、相手の表情をちらと見やればただめんどくさいだけかとも思いつつも安心できるわけもない。一応拳銃と警察手帳は乱暴に扱われることなく隣の机のようなものの中に入れられたが、奪われたことには変わりがない。諦めが悪いとは分かっていながらも血を垂らしながら必死に縄を解こうともがく。相手の言っているように、警察と分かっていながら拘束なんて後ろめたいからに決まっているだろう、第一犯罪である。じっと見られていることにも気がつかず、どうしてここを抜け出そうか、仲間を呼ぼうか、相手を捕まえようかと考え巡らせて。どう言われようと諦めない。ここを出てやると、頬杖をつきながら時折笑みを浮かべ、面白そうに自分を観察する相手をぎろりと睨む。相手の返答には吐き捨てるように笑って上記。特に重要なことを見たわけでも、特別張っていたわけでもない。が、それを正直に言ってしまうのは何故か負けたような気がして、こちらも挑発的に笑ってみせ)
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