刀剣男士 2016-12-03 02:24:40 |
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…あっ、待ってくれ!
(自身を冷たく突き放すような口調で手を振り払われ審神者の部屋を出て行く相手の背中を見詰めると、一度主の顔を見て苦笑を零しつつ彼の代わりに謝罪の言葉を告げては踵を返して自室を出て行き。相手の後を追い掛け、何故あんな風に己と同室を嫌がるのか当然ながら検討も付かず前方に居る彼へと「…なあ、主に直談判しに行く程何で俺と同室を嫌がる?何か理由があるんだろう?」と疑問に思った事を投げ掛け。)
…お前が何も知らないからだ…っ。
(未だ昂った気持ちが抑えきれていないというのに、そこに畳み掛けるように背後から問い掛けられれば耐え切れずに振り返り。そのまま胸倉を掴み上げると思い切り此方へ引き寄せて睨み付け、溢れそうな感情を精一杯押し殺しながら震えた声で告げ。しかしこうして至近距離で相手を見詰めていればあまりにも鮮やかに記憶は甦り、半ば突き飛ばすようにして手を離すと早々に踵を返し自室へ向かって)
…俺が何も知らないから…?
(思い切り胸倉を掴み上げられ此方を鋭く睨み付ける相手が発した言葉に、小声で反芻しては突き飛ばすように離されると反射的に後ろ足で数歩下がり。遠目から彼の背中を眺めて己はこの本丸に顕現したばかりで、旧知の仲である相手とは伊達家で良く喧嘩…と言う名の戯れで良く驚きを届けていたのだが、一体何の事を指しているのか。何等かの形で約束ごとでもしたのかと思い、色々と思考を巡らせるも心当たりは無く。あの様子だと自室に戻るのは止めた方が良いので、それに何も知らないのに一方的に問い詰めると逆効果だと考えた上で伊達家繋がりの光坊の部屋にとぼとぼとした足取りで向かい。)
あ、鶴さん!今挨拶に行こうと思ってたんだ。
(“鶴丸国永が顕現した”と聞いたのは先程内番に精を出していた最中の事。多少複雑な思いが無いでもないがやはり彼が来てくれたのは喜ばしく、内番を途中で切り上げて正装に着替え今正に相手の元へ行こうと廊下を歩いていたところであり。そこでタイミング良く相手が向こうから歩いて来るのが見えると、嬉々として足早に歩み寄り。相手からしてみれば久しく顔を合わせなかった後の再会、此方もその心持で声を掛ければ「久し振りだね。僕のこと覚えてる?」忘れられているわけがないと分かっていながらおどけたような口調で問い)
──…おお、光坊じゃないか!久し振りだなあ、覚えているに決まってるだろ!
(端から見れば何処か寂し気であまり元気が無く、とぼとぼと足取り重く廊下を歩いていけば突然此方に迫って来る足音と聞き間違える事の無い声が聞こえ。其方へ視線を動かし前向けばおどけたような口調で問われ、刀だった頃かつて伊達家で共に居た彼を忘れる筈が無いとニッと快活な笑みを浮かべ。その丁寧に整えられた髪型をわしゃわしゃと乱雑に撫で回し。)
わっ、ちょっと鶴さんっ、
(再会の喜びを吟味し浸る暇も与えられずに髪を乱されるとやはり其方に意識が傾いてしまい、慌てながらもさり気無く相手の手首を掴んで離させ。何処と無く焦りの覗く笑みを見せれば、乱れた髪を直しながら「此処の本丸はどう?馴染めそうかな」と話題の転換を図り)
ははっ、済まん済まん。
(久しく顔を合わせなかった相手と再びこの地に再開出来た事が余程嬉しいようで、笑いながら口ではそう言うものの撫で回す手を止めず。わしゃわしゃと満足するまで撫で続けると流石に然り気無く手首を掴まれてそのまま離され、不意に己が此処の本丸で皆と馴染めるか心配をしてくれる相手にくすりと小さく笑えば「嗚呼、本丸のみなは優しいから心配せずとも馴染めそうだぜ。…ただなあ、伽羅坊とはどうにもな」と愉し気な様子で話していくも、後半につれて声が小さくなり眉を下げ。)
……僕の部屋来ない?お茶淹れるよ、お茶菓子もあるし。
(相手らしい活気に満ちた笑みを見れば何処かほっと安堵する自分が居て、“彼”が欠けてしまった事による心の穴がほんの僅かでも埋まった気がし。単純だろうか。そんな風に考えてしまっていた時、それまで明るく溌溂としていた相手の表情に影が差し、同時に声色は弱々しく暗い物になっていって。大倶利伽羅が何事も無かったかのように接する事ができるわけがない。それは分かっていたが、せめて再び鶴丸国永が顕現した時彼に余計な心配を掛けてしまわないようにと常々言って聞かせていたというのに、やはりそんな事も無駄だったようで。諦めと納得半分、小さく溜息を吐くと大方予想はできているが相手の話を聞くにはこの場はあまりに不似合いで。直ぐ後方にある自室の扉を指すと、微笑みながら言葉を掛け)
…嗚呼、丁度きみの所に邪魔しようかと思っていたんだ。光坊が良いなら御言葉に甘えようかねえ。
(相手の申し出に先程まで暗い表情から一変しパアッと明るくさせ元々挨拶も兼ねて彼の部屋に邪魔する目的だった為、指した方向を一瞥するといつも通りの調子に戻って上記のように声を発して。目の前の彼ならば一番身近な位置に居るので己と伽羅坊の事で相談に乗ってくれると内心で呟きつつ、正直ゆっくりと話が出来る場所が欲しかった故、今は相手の気遣いが心の底から嬉しく。)
──そこ座ってて、お茶淹れて来るから。あとこれお茶菓子。好きなの食べてて良いよ。
(綻んだ表情を見るとそれだけでも幾分かは安心してしまい、頬を緩ませて自室へ通しては相手に座布団を勧めて。ついでに以前同室の刀剣と食べていた茶菓子の残り物を相手の前に差し出すと、一言告げてから一旦部屋の襖を閉め厨へ向かい)
──へえ、ここがきみの部屋か。やっぱり綺麗に物が整頓されているな!
(相手の部屋に通されると入室して中を見てみれば常日頃から身嗜みを一番気にするのはあの頃から変わっておらず、確りと物が整理整頓された空間にぐるりと見回しつつ感想を言えば実に彼らしい部屋で。じっくりと部屋中を見終わった後、座布団を勧められ胡座をかいて座り「おっ、悪いな。嗚呼分かった」と早速とばかりに目の前にある饅頭を手に取り包み紙を破って口に運び。)
お待たせ。鶴さんが来たお祝いって鶯丸さんが美味しいお茶淹れてくれたよ。
(整頓された室内に対して賞賛の言葉を貰い得意げに微笑みながら部屋を後にし、厨にて遭遇した鶯丸と二、三言言葉を交わしてから機嫌良く部屋へ戻り。早速勧めた茶菓子に手をつけている様子は相手らしくて微笑ましく、つい頬を緩ませてしまいながら先程の厨での出来事を口にしつつ相手の前に湯呑を置き。此方も相手の正面に正座するとお茶に口を付け、確かに普段飲むものよりも豊かな味がすればほっと息を吐き。少し経ってから湯呑を置くと「…それで、伽羅ちゃんと何かあった?」相手に柔らかい視線を向けながら本題に移り)
ん、おかえり。鶯丸が俺の祝いに淹れてくれたのか。じゃあ後で、彼に礼を言わないとなあ。
(一口かじった饅頭は小腹が空いていたのか、余計に美味く感じてやや食べる速度を早めつつ一つ目を平らげ。先の饅頭を気に入ったようで二つ目を取る手が自然と伸びて掴むと、包み紙を破って咀嚼した後に飲み込めば頬が綻んで目前の襖が開いたと同時に相手が戻って来たので、モグモグと口の中に物が入ったまま行儀悪く喋って。甘味を食べ続けて口内の水分が持っていかれて、知り合いが淹れてくれたお茶を飲もうと湯呑みを両手で包み込むように持ってはずずと音を立てて啜り。心身共に暖まりこちらもほっと息を吐き幸せな気分に浸るも、相手が本題に移ると先程までの表情から明るさは消え「…実は俺も良く分からん。主が決めた俺との同室を酷く嫌がるし、その理由を聞いたら“お前が知らないからだ”と言われてな…。どういう意味だ?光坊は知っているかい?」と湯呑みを置いて彼に会うまでに起きた出来事を簡潔に説明しては尋ね。)
そうだね。鶴さんとお話しするの楽しみにしてたから。
(先程の鶯丸の様子を思い出しながら頷いて応じるも、此方が切り出した話題に返って来たのは大方予想通りな言葉であり。果たして一振り目の鶴丸国永について相手に打ち明けてしまって良いものか、今この場で独断で決める事はできず言葉に詰まったように湯呑へ視線を落として。ただ、だからと言って嘘を吐いて白を切る事もできずに少しの間逡巡すると「…多分、戸惑ってるんだよ。鶴さんが来てくれて嬉しくないわけはないしね。今はまだ、素直になれないんじゃないかな」と曖昧に濁しつつも真実から近からず遠からずな返答をして)
…そうか。まあ、伽羅坊は素直じゃないからな。嫌われてないならそれで良い。
(内心では挨拶がてら一つ鶯丸に悪戯と言う名の驚きを届けてやるかと不敵な笑みを浮かべて何かを企むも、返って来た相手の返答を聞けば確かに彼はあまり素直では無い方だが、根はいい子なので昔のように分け隔て無く接してあの頃以上に仲良くなって友情を築けば良いかと考えに至り。ただ、己の事を嫌っていない事実にほっと安堵し今はまだ勝手に彼の事情を詮索するのは良そうと思った事を口にして「よし、この話は終わりだ。あまり詮索も良くないだろう。…それで光坊にまだ相談があるんだが、一晩だけここで寝させてくれ!頼む」と早々に話を切り上げるも何処か言いづらそうにすると、両手を合わせ懇願し。)
え、此処に?
(相手のさっぱりとした性格は相変わらずで、何処か安堵したような表情で頷き。しかし相手の方はまだ心配事があるらしく、役に立てるならと先を促すように首を傾げながら言葉が続けられるのを待ち。然程時も経たずに躊躇いながら懇願された内容には流石に驚いて聞き返してしまうものの、幸い同室の刀剣は遠征中で不在であり彼の布団を拝借すれば良いか、等と早速思考は切り替わっていて。その上少し考えればその理由は大凡見当が付き「ああ、伽羅ちゃんと同室なんだっけ」先程相手がちらりと口にしていたその言葉を思い出せば苦笑を浮かべて)
嗚呼、流石に今戻っても気まずい。…勿論、無理にとは言わないさ。…駄目か?
(己の部屋でもある自室に戻ったところで伽羅坊が出て行くか、話が出来ずお互い無言の気まずい空気が流れるのは容易に想像が付き。自身の性格上我慢する等出来る筈が無く居たたまれない事くらい目に見えており、苦笑を浮かべるも旧知の仲である彼だからこそ頼める相談事で、無論強制的にするつもりは一切無い為にまだ答えを貰っていないので断れる覚悟を持ちつつ再度問い。)
構わないよ。ただし僕は早起きだからね?
(珍しく相手のしおらしい様を見ると元より断る気も無いのだが益々拒否するわけにはいかず、その上今夜はゆっくり話ができそうだと心成しか喜びの滲んだ微笑を浮かべて了承し。とは言え夜更かしするでもなく、ほぼ毎日が炊事当番の己は当然のように朝も早いわけで。遠回しに一緒に起きてもらうという意味合いを含めて首を傾げ、その表情にはまるで悪戯っ子のような笑みが浮かんでおり)
( /今晩は。背後から失礼します。実は風邪を引いてしまって返事を返せない状態なので、後日改めて返させて頂きますね。それまで待って下されば有り難いです…)
(/今晩は。お風邪を召されたとの事で…。お辛い状況の中ご連絡をくださりありがとう御座います。此方はお気になさらず、どうかごゆっくりお休みくださいませ。この時期はインフルエンザも心配されますし…何卒、お体にはお気をつけください。もちろん待たせて頂きますよ!気長にのんびりしつつ、背後様の一日も早い回復を願っております)
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