20062 2016-12-01 23:27:42 |
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(お湯と撫でてくれる手のぬくもりに感じるのはずっと忘れていた安心感。次第に細めた目もゆっくり閉じかけた頃、ちょうどお湯から離され連れて来られた時と同じく体を拭かれると今度は抵抗せずされるがまま身を任せ。着替えのために床に下ろされても無意識のうちに相手の足元に体をくっつけ、気が緩んだせいかぴったりと寄り添ったままうとうとし出して)
(相手の体を拭き終えれば、今度は自分の体を拭き、着替え終えれば足元に柔らかな毛が足を触れる感触がして、足元に視線をやれば自分の足元でうとうととし始める相手がおり。「風邪ひくぞー」と相手をゆっくりと抱き終えれば寝室に向かい、ベッドに下ろして自分も横たわり)
(まどろみながら感じるのはベッドの柔らかさと相手の匂いだけ。ほとんど眠りながらも親猫の懐へ潜り込むようにもぞもぞと体を動かし、相手の腕と胸の間にぴったり身を収めると安心して寝息を立てて。この人に拾ってもらえて良かった。明日もこの人と一緒にいたい。そんな風に思いながら眠っている内に、猫の体は白い肌の人の子のものへと変わり、耳と尻尾を残してすっかり少女の姿となり。しかし朝日の明るさに目覚めた時には自分の変化にまだ気付かず、いつも通りぐーっと伸びをすると眠っている相手の頬を舐めて起こそうとして)
(寝床に付けばあたたかさからか、すぐにまどろみ始めて。重い瞼を必死に上げて相手の様子を見ているとこちらの腕と胸の間に入ってくると「はは、暖かいな」と毛に包まれた相手の体温は小さな体でもしっかりと感じることができ、相手の背中を撫でながら上記のように言えばいつの間にか眠っていて。翌日の朝。まだ夢心地の中、頬に湿った感触が這うと「こら、小春…」とまだ眠いというのに悪戯する相手を目をこすりながら注意しようとすると目を開けるとそこにはひとりの女の子がおり「うわぁ!?」とあまりの出来事に一気に目が覚めて驚いて)
(目覚めた相手に名前を呼ばれると嬉しそうにピンと尻尾を立てるが、あとに続いた大きな声にはびっくりして目を丸め。まだ自分の変化に気づいていないだけにいつも通りぴくぴくと耳を動かして首を傾け「…おはようございます、ご主人さま」固まったまま動かない相手を猫の姿の時と変わらず不思議そうにじっと見つめ、異常なしと判断して呟けばぐーっと伸びをしてからまた先ほどのように裸の身を寄せて)
(/返事が遅れてごめんなさい。期末考査期間中でしたので親にPC携帯を使わせてもらえませんでした。事前に連絡することができず申し訳ありませんでした。)
(だんだん意識がはっきりとすると、相手の嬉しそうな顔が視界に入り。相手はまるで自分が人間になったことに気づいてないように耳を動かしながら首をかしげて挨拶をしながら身を寄せてくれば、相手の一糸まとわぬ姿が密着すると顔を赤くして。寝起きの頭を必死に回転させながら今の状況を整理すると「本物…か?」と先程から動いている相手の耳と尻尾を触って確認して)
(/いえいえ、お気になさらないでください。お疲れ様です!)
んん、…ご主人、くすぐったいです。
(手が伸びてくればぴくっと反応して顔を上げ、むず痒そうな声を上げながらも昨夜と同じように自分から甘えて耳を押し当てて。しかし小さい子猫の頭とは違い、人間の頭は手の平にすっぽりと収まらず「…?」そこで初めて違和感に首を傾げるとその拍子に目に入った自分の体に目を丸め「ご主人様…小春のからだ、ちょっと変です」困惑はしているものの、相変わらず静かにぽつりと問いかけて)
(/本当に申し訳ございませんでした!)
(相手の尻尾と耳を触っていれば、向こうから耳を押し付けてくると、これは昨日拾った猫もこうやって押し付けて来たことを思い出せば「小春…なのか?」と相手の頬に手をやりながら問いかけて。困惑しながらも至って冷静にほつりと呟けば、とりあえず起き上がろうと相手を抱きしめたまま上半身を起き上がらせて「人間になったのか…?」とこんなことがあり得るだろうかと目を見開きながら問いかけて)
にんげん…?
(抱き起こされると昨日と同じように相手の胸にくっついたまま、見開かれた瞳に移る自分の姿を不思議そうに見つめ。相手と同じ黒髪のその姿も、相手の真似をして呟いた言葉も確かに皆人間のもので。ぼんやりしているようにも見える表情で幼いながらに考えてみれば、「…小春は寝てるとき、もっとご主人様とお話したいって思いました。猫の言葉は、ご主人様にはわからないから…だから小春は人間になったんだと思います」話がしたい、きちんとお礼が言いたい、きっとそんな風に思って眠ったせいだとたどたどしく説明しては「小春を拾ってくれてありがとうございます」と小さい声で告げ、胸元へぴったりともたれ掛かり)
(どうやらようやく変身したことに気付いたようで、ぼんやりした表情の相手に「なんで…」とこちらもあっけにとられたようにつぶやいていると、人間になった経緯をたどたどしく説明していると「思っただけでなれるものなのか」と、半ば苦笑しながらそういって。こちらにもたれかかってくると「当然のことしただけだよ。あんなのほうって置けるわけないし」とダンボールの中に入っていて雨に打たれる猫などいたら誰が無視できようか。当然のことを下までだと述べて)
(猫が人間になるなんて変なことなのかもしれない、それでもちゃんとした理由なんてわからないだけに困ったような笑顔をただ眺めることしか出来なくて。しかしあの出来事を当然と言われると何か言いたげに視線を動かし「…でも、他の人たちはみんな小春のことを見てくれませんでした。ご主人様だけ小春を拾ってくれて、名前をくれました」鳴き声を無視して素通りしたり、汚いものを見る目で一瞥すると早足で去ってしまったり。自分の前を通った人間達の姿を思い出しては淡々とした口調ながら相手の優しさを訴えて「…名前…ご主人様には名前、あるんですか」ふと何か気づいた様子で以前より簡単に近づける相手の顔に顔を寄せ、静かに瞳を輝かせて尋ね)
(こちらの顔を眺めながら、今までの人たちは素通りをしていた。拾ってくれたのはこちらだけだと訴えてくると「…そうか…ごめんな」と、自分のことではないのに、しかし、自分たち人間のエゴで相手をひどい目に合わせてしまったのは事実でそのことに申し訳なさを感じながら謝って。こちらに顔を寄せて瞳を輝かせながら名前を問いかけてくると「俺は、武下悠真。悠真でいいよ」と微笑みかけながら相手に名前を教えて)
(相手は謝るようなことは何一つしていないのに、悲しそうな顔をしてごめんと答えられてしまうと人の考えることはよく解らないとぱちぱち目を瞬かせ「…ごめんじゃないです、ありがとう、です」緩く首を振りながらまだぎこちない言葉で相手は悪くないと伝えて。ようやく教えられた名前をぴくりと揺れる耳で聞き取れば「ゆーま…ゆうま…ゆうま、ちゃんと覚えました」忘れてしまわない内にぽつりぽつりと繰り返し、何度か呟いてから安心したように少し表情を緩めて「ゆうま――…」何故か嬉しいような気持ちのまま再び密着しようとするが、服も毛皮もないせいかくしゅんっと小さなくしゃみをしてしまい)
(/機器の不調でネット接続が出来ませんでした、長らくお待たせして申し訳ありません!)
…はは、ありがとう
(相手が目を瞬かせながら首を振りながら伝えてくると、それならその言葉に応えようと苦笑しながら上記のようにお礼を言って。こちらの名前を聞いて反芻して繰り返すと表情を緩めながらこちらにみっちゃくすればくしゃみが聞こえて。そういえば相手は裸だったということもあり、この冬にその姿は辛いだろうと、相手から離れてタンスから自分の黒いパーカーを渡せば「サイズ大きいだろうけどひとまずこれ着てて」と相手の肩の上から羽織らせて)
…?
(相手が離れてしまうと寒さは一層増してしまうため、タンスに向かう背中へ自分もとことこついていき。被せられたパーカーは猫の毛皮ともまた違うものだが温かさにゆらりと尻尾を揺らし、衿口に顔を埋めると「…ゆうまの匂いがします」そう呟き安心できる相手の匂いに目を細め。そんなことをしていると羽織っただけのパーカーはずるりと肩から滑り落ちてしまい、再び寒さが素肌を襲うが気にも留めない様子で満足そうにパーカーをぎゅっと抱きしめて)
(/本当にすみませんでした…またお相手をお願い致します!)
似合ってるぞ
(相手にパーカーを着せればちょうどワンピースのようになっておりなかなかに様になっていて。「あれ、臭いか?」とこちらの匂いがすると言われれば、気になるだろうかと心配して上記のように問いかけてる。すると、前のファスナーを閉めてなかったので肩からずるりとはだけてしまうと、「ほら、寒いだろ」と相手に着せているパーカーのファスナーを閉めて。「じゃあ、朝ごはん作るか」と部屋から出て台所へと向かえば朝ごはんの準備をして)
(似合っているという言葉の意味はいまいちピンと来ないものの、褒められていることは何となくわかったようで落ち着かない様子でぴくぴく耳を揺らし。心配そうな問いかけにはパーカーに顔をくっつけたまま「ううん、良い匂い…好き、です」暖かい匂い、優しい匂いだと思いながら呟いて。きちんと着せてもらえればまるで抱きかかえられている時のように体中がその匂いに包まれ、服を着たせいだけではないぬくもりに胸がぽかぽかするのを感じながら相手にくっついていき「ごはん…?きのうのあったかい飲み物ですか?」昨夜飲ませてもらったミルクを思い出して尋ね)
そうか
(相手がパーカーに顔をくっつけたままつぶやくと、よかったと安堵のため息をつきながら上記のようにつぶやいて。こちらについてきながらミルクのことについて問いかけてくると「うーん、あれ飲みたいか?」と気に入ったのならまた作ろうかと思いながら問いかければ調理を始めて)
(ミルクは初めて与えてもらった食事。それだけに問いにもこくりと頷くが「飲みたい、です。…でも、ゆうまがくれるなら何でも良いです」相手から与えられるものなら何でも食べられる。そうすっかり心を許した証拠を口にして、相手の隣で調理風景を静かに眺め。しかし人の姿になっても猫は猫。忙しく動く手や調理器具を目で追いかけはじめると、そのうち火にかけたフライパンへそーっと手を伸ばしてしまい)
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