チェシャ 2016-11-29 20:40:19 |
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【序文】
西暦の遥か未来、人類は宇宙世紀、またの名をユニバーサル・センチュリー(U.C.)という新たな時代を迎えた。世界の総人口が100億を超え、過密した地球に限界を感じた人類は宇宙へと未来を見出だしたのである。
地上のあらゆる国家は『地球連邦』へと統合され、地球の近辺には巨大な人工天体『スペースコロニー』が建造されていった。
スペースコロニーへの移住者たちは、かつて英雄であった。来るべき宇宙時代、その先駆者『スペースノイド』として祭り上げられ……裏切られた。
スペースノイドたちは、半ば棄民であった。過密した地球の負荷を減らすべく、また地球外の資源を搾取するため、地球は彼らを過酷な宇宙へと追いやったのである。
数十年に渡る束縛に耐えかねたスペースノイド達の中で、独立の機運が高まるのは必然であった。中でも月の裏側、地球から最も離れたコロニー群『サイド3"ムンゾ"』にあっては、独立活動家ジオン・ズム・ダイクンの煽動がスペースノイド達を奮い立たせ、地球連邦の弾圧を招く程に活気を見せた。
程なくしてダイクンが急死すると、連邦による暗殺を疑ったスペースノイド達の独立運動は過激化していく。
そして改暦より79年を経たU.C.0079年1月3日、ダイクンの後継者デギン・ソド・ザビとその一家は、かつてのムンゾを『ジオン公国』の名に改め、地球連邦政府に対し宣戦を布告する。後に『一年戦争』と呼ばれる、人類史上未曾有の惨劇が繰り広げられる事となる……。
【序文:続】
/このあたりは公式設定のおさらいというか纏め。/
【序文:2】
ジオンと連邦の国力差は1:30ともいわれており、早期終戦は明らかと思われた。
しかしジオン公国は開戦初期、特にその一週間を指して呼ばれる『一週間戦争』における劇的な勝利を皮切りに、連勝を重ねていった。
強大な宇宙艦隊を擁する地球連邦に、ジオン公国は宇宙世紀最大といって差し支えない新技術を以て対抗した。
一つは、あらゆる電波を阻害し、在来のハイテク兵器のほとんどを無力化した『ミノフスキー粒子』。これにより遠距離砲撃は手動、ミサイルのような多くの誘導兵器は使用すらままならなくなった。
そして、ミノフスキー粒子の散布下における有視界戦闘を想定した人型兵器……『モビルスーツ』が誕生した。
【序文:続】
【序文:3】
汎用作業機械に偽装されつつ生まれた鋼鉄の巨兵は、連邦軍に多大な出血をもたらした。
特に旧来の宇宙戦闘機を凌ぐ機動性を捉えられる兵器は、同じモビルスーツを置いて他になかったと言ってよい。
開戦初頭にはモビルスーツが全く未知の存在であった事も手伝って、連邦軍は反撃すらままならぬ一方的な戦闘を強いられた。
結果、ジオン公国は人類史上最悪の壮大な攻撃計画を実現させる事となる。
……ブリティッシュ作戦。連邦側コロニーの一基を致死性ガス攻撃により制圧し、コロニーそのものを地球連邦軍総司令部『ジャブロー』へ直撃させる未曾有の大作戦であった。
結果として地球への落着は成功したものの、連邦軍の抵抗によりコロニーはジャブローを外れ、またジオン公国も少なくない損害を被ったことで今次大戦の長期化は誰の目にも明らかであった。
【序文:続】
【著者より】
はい、まだ原作設定をなぞっているだけでございます。遅筆につき申し訳ありません。
もう暫く続きますので、本編が遅くなるかと思いますがお付き合いいただければ幸いです。
【序文:4】
ブリティッシュ作戦において予期せぬ痛手を負った両勢力は、互いに敵の窮状を逃すまいとしてその緊張を解くことはなかった。そしてU.C.00791月15日、ジオン公国軍は『第二次ブリティッシュ作戦』の敢行を謳いサイド5"ルウム"へ進軍。この迎撃の為現れた連邦軍艦隊と再びの砲火を交えることとなる。
後に『ルウム戦役』の名で呼ばれるこの戦いは、人類史上最初の宇宙艦隊同士による会戦として記憶される事となる。
地球連邦軍は総司令官レビル大将と、その右腕たるマクファティ・ティアンム中将を筆頭とし、連邦宇宙軍のほぼ全戦力が結集。一方のジオン公国軍もまた、ドズル・ザビ中将麾下の宇宙攻撃軍、キシリア・ザビ中将麾下の突撃機動軍のほぼ全戦力がルウムに馳せ参じた。一説には本戦役の期間中、サイド3本国の防衛戦力が事実上失われたとも言われている。
そして本会戦は、ブリティッシュ作戦における一方的な奇襲と異なり、両軍初めてのの真っ向からのぶつかり合いであった。
「人類史上 決戦ノ舞台 宇宙ノ試シ無シ マシテ 艦隊決戦ノ試シ無シ 諸君 歴史ヲ生ムベシ」
決戦の火蓋を切ったこの激励は、一説によればギレン・ザビ総帥の弁とされている。
【序文:続】
次のORIGINはこのルウム戦役が描かれるんですって。楽しみ。
MSIGLOOの一話以来。
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