セイチャ版名無しさん 2016-11-17 23:01:32 |
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----嘘だ、そんな、どうして……どうして、俺の妹が!!----
----お兄ちゃん、私、選ばれたからには頑張るよ。もしかしたら私が『本物の勇者』で、お父さんとお母さんのかたきをとることが出来るかもしれないもの!----
----厳しい修行なんてへっちゃらよ!魔法を覚えて、武器の使い方を学んで、どんどん強くなって……絶対に魔王を倒して、世界に平和を取り戻すんだから!!----
----だから、ね?そんな顔しないで、私を誇って!----
----ぅ、ぁ……----
----ぐはっ、うっ、がふっ!!----
----お前はこの村の『勇者』に選ばれたんだぞ!!そんなひ弱さでは到底生き残れん!!!我が村の顔に泥を塗る気か!!?さあ、さっさと立ち上がれ!!!----
----っ、ぅ、うぅ、っ、はい、マスター……っ----
----泣くなみっともない!!それでも『勇者』か!!!----
----あの汗臭い泥だらけの子、だれ?----
----ほら、『勇者』に選ばれた子よ。ずるいわよねえ、たかが星占いでたまたま白羽の矢が立ったからって、村で一番良い家に住まわせてもらって、労働を免除されて、良い食べ物を施してもらってさぁ!!!----
----しっ。ちょっと、本人に聞こえるわよ----
----かまやしないわ。他の村の『勇者』がどうなったか、聞いたでしょ?どうせ生きて帰ってこられないわ。あの子今、死にに行くために生かされてるのよ----
----……………………----
----……っ、う、ぅえっ、っ、ぐすっ、っ……----
----だめ、しっかりして。泣いたりしちゃだめ──強く、強くならなきゃ----
----“『勇者』たちの中でただひとり、生きて魔王城にたどり着くことのできた、唯一の、『本物の勇者』だけが”----
----(行きたくない──ほんとは怖い──偶然星占いで選ばれただけで、私、何の力もない──生き残れるただひとりになんて、なれるわけ……!)----
----行かせたくない──失いたくない──俺の、今となってはただひとりの家族、唯一の妹なのに……!!!-----
----はぁっ、はぁっ、待て、待ってくれ!!----
----お兄ちゃん!!?ちょっと、だめだよ!!見送りはもうとっくに、あぁ、勝手に村を抜け出したりしたら、村長に罰せられちゃう!----
----良いから、これを持て!!『守の石』だ、お前の命を3度まで救ってくれる。何かあったら、これを握りしめるんだ----
----お兄、ちゃん----
----……生きて、生きて帰るんだぞ。絶対だ。無事じゃなかったら、っ、ゆる、許さ、許さないからなっ----
----………っっ----
----──うん----
----行ってきます!!!----
ガキィィイイン!!!
女勇者「 っ!!!」ビクッ
ゴブリン「ゴブゥゥオオォブォォアアア!!!」
キメラ兵a「あっ、あいつ!!結界を力任せに真っ二つに切り裂こうとしてやがる!!おい大丈夫か、女勇者!?なんか結界の中すんごいシリアスな雰囲気だけども!めちゃくちゃ空気重たげだぞどうした!!?」
女勇者「っ、いいえ、気にしないで!私は無事!あぁ、それより……!!」
WRYYYYYYYYYYYYYY!!!
キシャァァアアアァァァアアアアアァァァアアアアアアアア!!!
ゴブゥウゥウエェエォオオオァアアアアア!!!
キメラb「こちらの話が、まるで通じない!!隊長、これはやはり……」
キメラ獣人「酷い暴走状態だ。やはり何者かに操られているのだろう。だが、我々を勇者の迎えにやった魔王陛下がそんなことするはずがない……人間にとっては害以外の何物でもない。誰が何故、こんな真似を?」
キメラ獣人「いや、今はそのことを考える暇などない。我が隊員よ、皆伏せていろ」
キメラ獣人「この際致し方ない。同胞を手にかけたくはなかったが、この場は私がすべて一掃する!」
キメラ獣人「アバダ・ケダブラ・マキシm──」
キメラ獣人「ッ!?」
キメラ兵「「「!!!??」」」
女勇者「なっ──」
キメラ獣人「何故、あなたがここに──!?」
>>70 「他の兵が地に伏し 隊で最強の魔力を与えられた貴様が 無防備にひとり立っている」
>>70 「この時を ずっと 待っていた」
>>70 「『アバダ·ケダブラ』!!!」
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