語る女 2016-11-04 03:45:27 |
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それじゃあ今日は「吸血鬼」のお話
…さっきもいったが、忘れてはいけないよ
これは永久に語り継がなければいけないのだから
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
きゅうけつき きゅうけつき
りんごよりまっかなひとみにゆきよりまっしろなかみ
闇より黒いその頭巾を見かけると
村の方々は皆こう言いました
「黒頭巾がやってきた」
黒い猫より黒い鬼、
黒い頭巾を被った白髪紅瞳の女など一人、いや一体しか居ない
村の森の深い深い奥、その巨大な木に隠された秘密の城に住む吸血鬼
ルナ・トパーズ
ただ一体しか、いないのだ。
そんな黒頭巾のルナにはいろんな噂がある
…それも、悪い方向で
「昔は赤だった頭巾は血に汚れて黒くなった」
「毎日森に迷い込む子供の血を吸い人形にしてしまう」
「まるでゴーレムの様な怪力を持ち、首を絞められれば一瞬で…」
などなど、上二つは根も葉も無い噂だ
…ん?じゃあ最後の怪力のは?
……………
話を続けようか
本当の話は…
『黒い頭巾なのは元から、黒が好きだから』
『村へ帰すのを条件に一口ほど血を吸わせて貰っただけ、肌が白くなるのを言っているのだろうが貧血だからじゃないか』
『林檎は握り潰すが首はない』
…ということだ、
つまり彼女は相手に許可を貰ってから血を吸うタイプの『善良な吸血鬼』と言える
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