然り乍ら 【創作NL】

然り乍ら 【創作NL】

名無しさん  2016-10-22 22:30:55 
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「いつか消え失せるなら初めから存在しなかったのと同じだ。
そう遠くない未来にあなたは僕の元を去るだろう。
僕もまた、あなたが去るのをただ何もせずに見ていることだろう。
そしてそれは大したことではない。
僕たちの間に愛なんてものはないのだからね」

男は古い敷布団の上で頬杖をついていた。
橙色の陽光が窓から射し込み、ふぅ、と気怠げに細く吐いた紫煙を照らす。

「そうね」

と、男の隣に寝転ぶ女は言った。
彼女は芳しい煙草の香りの中で解れ髪を病的なまでに白い指でなでつけていた。

「でも、それでいいのよ。ちょっと春にさよならをするようなものだわ」

女の言葉に男は少し笑った。

「消え失せようともまた訪れると、そう言いたいのかね?」
「ええ。だって愛なんてだらしのないものだもの」

男は永遠も、愛も、恋も、全くの虚像だと信じていた。
さりながら奇妙なことに、男はこの女に恋をしたのだった。






《暫くレス禁》

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  • No.21 by 夏目桜  2016-10-25 23:22:13 



いらっしゃいませー。お決まりですか?
( 外が寒くなってきているからだろうか。どうにも客足の少ない今日の退屈をどう過ごすか考えながらもう汚れ一つないグラスを未だ磨き続けていた矢先、扉の開く音と共に常連であるその人がやってくれば表情は自然、緩むもので。相手が席に座り諸々の準備が終わったのを確認して数秒、至極自然な店員らしい動作と口調で以て水とおしぼりを持ち近付くと、それらを静かに机へと置きつつちらり、様子を伺うように視線あわせようとしながらそう問い掛けて )


(/ ありがとうございます!私の方も何だか思ってたより短くなりました。もしかしたら若干のムラが出てくるかもしれませんがお許し願いたいですー; )


  • No.22 by 八雲 嗣治  2016-10-26 00:09:19 


あぁ、すまない。
( 水とおしぼりを持って注文を取りにやってきたのはいつものお嬢さんだった。静かに、ぶっきらぼうに男なりの礼を言う。若い、眩しい。空気が華やぐ彼女の笑顔が陰気臭い自分には眩しいような気がしてほんの少し目を細めて「温かい珈琲を」と注文をお願いして。その時、ばち、と彼女と視線が交わった。深いダークブラウンのまん丸な瞳は猫を連想させる。綺麗な人だ、と思った。しかしその時1番強く感じたのは何らかの危うさのようなものだった。なぜそう思ったかは分からない。と、同時にその秘密を知りたいとも思う。眉を顰め、なにも言わずにじっと彼女を見つめて)


(/始めですからね!こちらのムラもご容赦ください…。それでは一旦背後は失礼しますね)

  • No.23 by 夏目桜  2016-10-26 00:31:28 



かしこまりまし、た?⋯えーっと、何かの題材でも考えてます?
( 温かい珈琲。その注文に了解の返事をしようとするも言葉半ばで相手と視線があい、挙げ句の果てにそれらが逸れる事なければこんなに誰かにまじまじと見られたのは何時ぶりであろうか、若干の疑問を感じ取り語尾には不自然な上がり音が。もちろん相手が何を考えているかなどわかるはずがない。困ったように視線うろうろとさ迷わせた後、再度見つめ返すと「何かついてますか?」という至って普通だろう問い掛けではなく、机の上に置かれた原稿用紙から連想する数少ない何かの材料でも探し、そうしてたまたま言葉を交わした自分にその何かを見つけようとしているのかと緩く首を傾けてみせて )


(/ もちろんです!では私も失礼します。また何かありましたら呼んで下さいませー! )


  • No.24 by 八雲 嗣治  2016-10-26 01:02:42 


ああいや、失礼。
(凛とした彼女の声に我に返り。少し照れて目線をそらせた。彼女の言葉に、自分が物書きだと気づいていることを悟る。たしかに毎度毎度原稿用紙を広げていれば嫌でも物書きだと気づくものだろう。ふと直感した。いつか遠い未来に自分はこの人の物語を書くだろうと。口元に拳をやりこほん、と軽く咳払いをすると再び彼女の方を見て)
御察しの通り、俺は物書きだ。いつも長居してすまない。……この店はとても落ち着くな。
(我ながら感情の起伏の見えないぶっきらぼうな声だ、と思った。遅れてつぶやいた最後の一言は彼の精一杯の褒め言葉であった)

  • No.25 by 夏目桜  2016-10-26 09:23:27 



私は物書きの事はよくわからないけど、気に入ってくれたんなら良かったです。⋯今珈琲持って来ますねー。
( 見られている、という事に自然と嫌な感じはない。何か理由があるなら尚更。しかしながらその理由がわからずともこの店を気に入り、ここで書く物語が相手にとってベストなものになるならば自分には何も関係ないのだが嬉しさを覚え。それを隠す事もせぬままににっこりと無邪気な笑を浮かべては、そこではたと注文の事を思い出し今一度、小さく頭を下げカウンターへと引込み、数分後、温かな珈琲とビスケットを二枚持ち戻ってきて、それらを静かに相手の前に置き「好きなだけ居て構いませんからね」と )


  • No.26 by 八雲 嗣治  2016-10-27 06:19:37 

ありがとう。
(彼女の向日葵のような無邪気な笑みとは対照的に男は静かに目で微笑んで。人によっては微笑みとも受けとらないかもしれない。
淹れたての珈琲は香しい。甘党というわけでもないのだが、実はいつも珈琲のお供についてくる二枚のビスケットが好きだった。

それから一時間ののち。目の前には空の珈琲カップと数本の吸い殻の入った灰皿。そして400字詰め数枚の今日の成果。とんとん、とその紙を揃えてかばんにしまうとコートを着て中折れ帽を目深にかぶり伝票を持ってレジまで向かい。店内を見渡して店員を探して)

  • No.27 by 夏目桜  2016-10-27 09:19:08 



──ありがとうございます。⋯さっきの物語、出来上がりは何時頃とかあるんですか?
( 珈琲につける二つのビスケットを店長に知られたら何て言われるだろうか。何か少しでも摘めるものを⋯との勝手なお節介で出しているそれだが食べてくれているという事は別に嫌いではないのだろうとの判断。それからどれくらいの時間が経ったのか、いつも通り何やら筆記を終わらせた相手がレジへと立ったのを見れば変わらぬニコニコとした笑みを浮かべたままに相手の目前へと立ち。そうして "250円"のレジ打ちを。彼が書く物語に興味がわくのはこう言った人を間近で見るのが珍しいからだろうか。話し掛けてみよう、そんな気が起きる中で選んだ題材はやっぱりそれしかなく、ちらり、視線を上げては「ちょっと気になって」と言葉続けて )


  • No.28 by 八雲 嗣治  2016-10-27 16:07:30 


ああ。今年中には完成させたいと思っている。……お嬢さんは本はお好きかな。
(ちらりとこちらの様子を伺う猫のような瞳。彼女の目を見つめているとなにやら妙だ。何時もなら誰かに話しかけられたとしても適当に煙に巻いて会話はお終いになるはずなのに。どうにも今日はそのような気分になれずついつい会話を続けてしまった。それはあのいつものビスケットのせいかもしれない。思い返せばこのお嬢さんが店にいるときだけ珈琲についてくるのだ。所詮は彼女の気まぐれか、はたまた気を使ってくれているのか。ともかくいつもと違う彼の行動が彼女の影響であることは言うまでもなく。
お代をそっと手渡すと相手を見おろして。他の客や店員に聞こえないよう、彼女だけに聞こえるくらいに声の大きさを落とし、低い声でそっと)
ビスケット。もしかして君の心馳せでは? いつもすまないね。

  • No.29 by 夏目桜  2016-10-27 18:33:39 



もし良かったら出来上がったの読んでみたいなぁ、なんて。本は詳しくないけど好きですよ。こう⋯ワクワクするような物語が好き。
( 出来上がりが今年中を望むとの返事に瞳には好奇心に満ち満ちた色が。あくまでも相手はお客様で自分は喫茶店の店員。ただそれだけだと言う事はしっかりと把握しているつもりでいるも、こうも毎日のように顔を合わせ何かを書く姿を見てしまうと気にならない方がおかしく、そうすれば一度は⋯と願うもの。若干の申し訳なそうな色滲む音色で以てそう要望を口にしては、次いで夢か憧れか、子供のような色を瞳に好きだと言うように頷いて見せ。ああ、まさかビスケットの話になるとは。小声で話してくれるのは相手の優しさだろう。わかりやすいお節介にお礼を言われればどことなく擽ったい気分になり眉を下げた笑みと共に人差し指で小さく頬を掻き「お腹空いてたら頭もなかなか回転しないかと思って」と。そうしてお金を受け取っては出てきたレシートを手渡して )


  • No.30 by 八雲 嗣治  2016-10-28 12:10:46 


そうだな、約束しよう。
(きらきらと好奇心に目を輝かせる彼女にうん、と頷いて。今まで書いた膨大な量の文章は誰のためにというわけでもなく、ましてや自分のためでもなかった。ただ現実の自分自身と切り離してつらつらと書いていたのだった。たまには誰かを楽しませるために書くのも悪くないかもしれない。
レシートを受け取ると帽子のつばに少しだけ指を触れ、少し冗談めかした様子で)
はは、糖分不足から何度救われたことか。それではまた。
(カランコロンとドアベルを鳴らしながら店の外へ出て行き)





(翌日は冷たい秋雨の降る日だった。店内に入ると冷えた身体がじんわりと温まる。無意識に視線が店内を彷徨って)

  • No.31 by 夏目桜  2016-10-28 15:18:45 



いらっしゃいませー。今日は冷えますね。この席、一番暖に近いので暖かいと思いますよ。
( "約束"その言葉が持つ光はなんて美しいものか。一夜明けた今日もその灯火は胸に残り。その余韻を引き摺って会う相手。が、あくまで自分は店員。それらしい挨拶をした後は素早い動作で一人分の水とおしぼりを用意し。それを片手にカウンターから出、相手の元へと歩み寄ればシトシトと冷たい雨の降る外から来たその事にささやかながらの心配をしつつ、この店で一番暖かい場所に位置している席へと案内しようかとそちらに空いてる手を向けて )


  • No.32 by 八雲 嗣治  2016-10-29 00:03:40 


……ああ、本当に寒い日だ。
(声をかけられ、彷徨った視線が定まる。いつもの声、いつものお嬢さんだ。暖かな室温に身体の緊張が解れるよう。
暖かい席へと案内してくれる相手に会釈をし、「珈琲を」と静かに注文し。帽子とコートを脱ぐとその席へ腰掛けた。店内を見まわすと冷たい雨のせいか人影も疎ら。静かに流れるジャズがいつもより大きく聞こえる。鞄からマッチとタバコを取り出すと、一本咥えて火をつけふぅ、とゆっくり煙を吐いて。さて、お嬢さんになんと切り出そうかなどと思案しながら)

  • No.33 by 夏目桜  2016-10-29 09:25:49 



私、雨って意外と好きです。寒いけど。
( この喫茶店で煙草を吸う人などたくさんいる。されど相手の吸う煙草の匂いが特に記憶に残るのは何故だろうか。天井へと昇る煙を一度視線で追った後、またすぐにその視線相手へと向けると承った注文を一度復唱し。おそらく相手はまたここで物書きを始めるだろう。邪魔してはいけないと言う気持ちはある。されど今日はお客の数も僅か、更には急な食材の買い出しに店長も店を空けている。となるとお話をしてみたいと思うのが自然になっているようで少しばかりの迷いを含ませた表情で取り敢えずにこりと笑ってみせて )


(/ 主様ー!カフェ娘なのですが、店の中では敬語でいずれ普通に話すようになるって感じで大丈夫ですかね? )


  • No.34 by 八雲 嗣治  2016-10-30 22:44:46 


奇遇だね、俺も好きなんだ。
(ふう、と吐いた煙の向こう側で僅かに微笑んで。冷たい雨の日は考えすぎて火照った頭が冷えて丁度いい。今日は家で少し執筆して煮詰まってきたところであった。そこで浮かんだのはなぜだかいつもの喫茶店と名も知らぬあの女性のことで。彼女がいるともわからないのに足は喫茶店へと向かっていた。
煙草を灰皿の上でとんとんと指で叩き灰を落とすとちらりと相手の方を見やり低い声で)
差し支えなければ少し話をしないか? しがない物書きの題材集めに付き合ってはくれないかな。
(本当のことを言えば興味があったのだった。それが取材のためか、そうではないかはさて置きとして。彼が他人に興味を持つのは珍しいことであった)

  • No.35 by 八雲 嗣治  2016-10-30 22:47:57 


(/はい、そうですね。段々とシフトしていただければ…!今後ですが、喫茶店の外で会うイベントも入れたいなと思っております。八雲が誘うのもありですし、もちろんお嬢さんが誘うパターンもいいですね。外で偶然ばったり会うというのも素敵かなと思います。何か希望はありますでしょうか)

  • No.36 by 夏目桜  2016-10-31 11:43:34 



勿論!お店、もう閉店の看板出しちゃおうかな。
( 自分と同じで雨が好きだという相手ににっこりと。さて、注文の珈琲を、と思った所でまさかの会話のお誘いがくれば一瞬目を丸くした後にすぐ様頷き。「今珈琲持って来ます、」と慌ただしくその場を離れては、ものの数分でまた戻ってきて。変わらぬ珈琲とそれからビスケットを。静かに目の前の椅子に腰を下ろすとそんな冗談めいた事を口にしながらクスクスと幼く笑い。さて、何の話をしようか。店長もまだ当分は戻ってこないだろう、お客さんも帰る気配はまだない。物書きさんが語るそれはおそらく魅力的なものになるだろう )


(/ 了解です!あ、偶然出会うの素敵!娘が仕事休みの日に街でばったり会って、そのままお買い物でも、公園とかでまったり会話でも何か雰囲気素敵かなぁと。 )


  • No.37 by 八雲 嗣治  2016-10-31 19:14:50 


(彼女がくるくると忙しなく働く様は見ていて小気味良いものだった。椅子に深く腰掛けて煙草を吸いながらじっと待ち、いつもの珈琲、そしてビスケットが机の上に置かれれば「ありがとう」と礼を言い。目の前の椅子に腰掛けくすくすと笑う彼女にかからないよう顔を背けて煙を吐くと、短くなった煙草をゆっくりとした所作で消し。目線をつい、と灰皿から彼女の目に移して声を立てずに少し笑うと)
そんなに期待に満ちた瞳で見つめられると困るな。雑談程度に思ってくれ。
(珈琲を一口飲んでその温かさがじんわりと身体全体を温めるのを感じながら)
……そうだな、君がここで働くのに理由はあるのかい? 近頃は働き先も色々と選べるようだが。



(/ そうですね! それではこの話のくだりが終わりましたらそちらのシーンに移行しましょう)

  • No.38 by 夏目桜  2016-10-31 20:16:11 



理由かぁ⋯、取り敢えずいろんな人が見れるからかな。事務はむいてないし。──ここに来る人達はいろんな想いを抱えてると思うんだ。で、そんな人達の中に居るのが好き。ゆったりとした時間と音楽に囲まれて。⋯物書きさんは?
( 己に煙がかからぬような配慮に感じる温かい何か。誰かとこうして向かい合っての会話などいつぶりだろうか。友達が居ない訳ではない、が、最近どうにも親しい誰かと会う事が億劫になってしまっていたのは紛れもない事実で。そんな中題材として上げられたのは自らが此処で務めている理由。黙って事務作業は性格上どう考えてもあわないのはわかっている。ならば人と触れ合える⋯けれどあまりにも深い付き合いにならない、と考えた所で浮かんだのは接客で。ここには欲しいものが全部揃っている。それを上手く説明できる気はしないし、無理にする気もないけれど相手には少しだけ伝えたいなと思えば一言一言を噛み締めるように発し、最後、相手の話も聞きたいと同じ質問を投げ掛けて )


(/ はい!^^ )


  • No.39 by 夏目桜  2016-11-22 23:03:43 



(/ 上げてみますねー。お忙しかったら気にせずにリアルを優先して下さいませ! )


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