昔々、あるところに暗く恐ろしい魔法の森がありました。
空は淀み、風はすすり泣き、黒くねじれた木の上で骸骨がからから笑う、世にも恐ろしい魔の森です。
勇敢な若者や獣たち、そして魔物たちは森を恐れることなく踏み込んで行きましたが、誰ひとりとして帰ってきた者はいませんでした。
彼らは皆、森の奥に住む怖い魔女に食べられてしまったからです。
…そんなおはなしはぜーんぶ嘘です。やさしい人間もオオカミも、ツノのはえたガイコツも、みんなみんな森の奥でずーっと幸せに暮らしました。
どうしてかって?だってみんなみんな、魔女のことが大好きだからです。
みんなも森に遊びに来てください。ずーっと幸せに暮らしましょう。
めでたし、めでたし。