名無し 2016-10-10 00:20:45 |
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同じ本丸で刀を振るっていた二振りの刀剣男士。戦を終えて刀へ戻ったと思ったら、何の不具合か必然か、199X年に人間として生を受けた。女の腹から生まれ、身体は時と共に成長し、怪我をすれば痛くて、病気にもなるらしい。らしい、というより、片方の男(提供C)は実際に「病気」を患っていた。
「 嘔吐中枢花被性疾患 」、通称「 花吐き病 」。
片思いをこじらせて苦しくなると花を吐くという、室町時代に爆発的に流行した後、潜伏と流行を繰り返しながら現代まで続く奇病。吐かれた花に触れることで感染する厄介な病気だが、有効な治療法は未だ発見されておらず、想いが成就することでのみ完治するという。
提供Cは付喪神だった時の記憶が鮮明になり始めた思春期頃からこの症状に悩まされつつも、この世にいない相手(募集C)を想っている為完治はありえないと割り切って生を貪っていた。
―――201X年。大学へ進学した提供Cは、友人に頼まれ一度代筆した「恋文」の完成度の高さが噂として広がり、いつからか「恋文代行人」として周囲に恋文の代筆を頼まれるようになっていた。人に書かせた紙切れに何の意味があるのだろうと思いつつ、今日も想いを代筆する。何ら変わりのない日常。何度も繰り返してきた愚かな作業。いつものように起きて、学校へ行って、依頼主の意中の相手の鞄の中へ手紙を忍ばせるだけ。今回の依頼主は女性だった。
…その“性”に生まれてきたというだけで、男に恋をするのがごく自然である事が憎い。
そんな不毛な事を考えて、事前に依頼主から聞いていた意中の相手の鞄の特徴とその男がいるという講義室へ出向いた。普段なら講義終わりの喧騒と人の流れに紛れ手紙を鞄へ忍ばせるのだが、今回は鞄だけが放置されていて、不用心だとは思いつつ紙きれを手に近付いた。
その時、だった。
「 ――――、か? 」
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要約すると、募集Cに恋をしていた提供Cと、審神者に恋をしていた募集Cが、歴史を守るための戦を終え刀に戻ったと思ったら、何の因果か同じ年(199X年)、しかもなぜか戦が終わってから200年以上も後の時代に記憶を持って転生する。提供Cは現代社会でひっそりと息づく花吐き病を患いながら、やりたい事もなく学生の延長として大学へ進学。そこで友人に頼まれ一度恋文を代筆したことをきっかけに、中々完成度が高いと噂が広まり恋文代行人と陰で呼ばれながら依頼を受けた人の想いを手紙に綴る日々を送っていた。
そして、なんと募集Cは恋文代行人の噂こそ知らないものの、提供Cと同じ大学に通っていた。
ある日の講義後、講義室に鞄を忘れるという失態を犯し慌てて取りに戻った募集Cは、自らの鞄をまさぐる不審な男を発見。慌てて近づき腕を掴むと、なんとその男はかつて付喪神として刀を振るっていた仲間と瓜二つで、ぽろりとその名を口にすると―――といったところがアスタリスクの上の文章につながる、という訳です。
長ったらしい上わかりづらかったら申し訳ないです。もっと噛み砕いて教えて、とか、ここはどうなっているの?等々お気軽にお声掛けいただけたらと思います。
そして最終的にはハッピーエンドを迎えられたらな、なんて。少しでも興味を持っていただけたら嬉しいです。
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