とある二人の災禍祓いの部屋

…………(櫂斗の言葉を聞いた途端に黙り込んでしまい)

……俺の右腕を喰ったヤツはその向こうにいる…と思う(自分でも良く分からない結論に首を傾げながら言うと『どうした？』と尋ね)

あのさ…その幽門って…どんな物…？色とか…形とかでいいから…(若干声を震わせながら恐る恐る聞いて)

……聞いた話だが…赤紫色で不気味な紋様をしてるそうだ(腕組みしながら答え『門の形は金属みたいな感じだな』と付け足し)

！…わかった…ありがとう…(相手から幽門の話を聞くと、何かに気付いたかのような反応をして)

幽門を探す気か？本当の幽門は鬼界の奥にあるぞ。単身では自殺行為だ(何かに気付いて反応したは良いが鬼界の奥にはランクの高い鬼神も多く棲息しており)

…いや…そうじゃなくて……私さ…幽門…見たことあるかもしれなくて……(なんとか思い出そうと、こめかみに指を当てて)

何？幽門を？(腕組みしながら考え幽門は鬼神に言わせると穴のようなものそれを聞いたりする事はあるが見た事があると聞いたのは初めてで)

うん…でも…見たことはあるけど…それ以外の記憶が無くて……(必死に思いだそうとしているが、記憶の欠片すらも見つからず)

まあ、幽門はそこらへんに転がってる訳でも無いしな(幽門を見つけ次第最優先で破壊するように指示が出ており出てきた時点で無くなってると思い『無理に思い出さなくても良い』告げ)

うん…でも…なんか気になる…(相手に思い出さなくていいと言われるも、なぜか妙に気になってしまい)

んー。なら、見てみるか？(端末を取り出すとそこには赤紫色をした不気味な紋様が描かれた門があり『これが鬼神共が這い出てくる幽門扉と叫ばれる門だ』と告げ)

あ…やっぱり…見たことある…(やはり見たことはある物の、それ以上は思いだせず)

ふむ。ただこれは大戦が始まる前に撮られた物だ。今はどうなってるか(頭を掻きながら溜め息を漏らしつつもそれを思い出せない相手の頭を優しく撫で)

…ごめん…やっぱり…私役に立たないよね…(頭を撫でられると、少し下を向いて落ち込んでしまう)

ほら、落ち込むな(下を向いてしまった相手を抱き締め『見る機会が出たら一緒に確かめよう』と笑みを浮かべながら告げ)

……うん…(抱き締められるとこちらも抱き締め返して少し不貞腐れていて)

あんまり、そういう顔をするな(不貞腐れている相手をジッと見つめ『翡翠には笑顔が一番だ』と告げ)

じゃあ…私が笑顔になれるような事…して…？(まだ不貞腐れていると顔を逸らしながら相手に言って)

……(顔を向かせゆっくりと唇を重ね合わせると小さく何度も繰り返し)