お主 2016-09-25 00:59:34 |
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そんな…お礼なんて(憧れの人物から礼を言われて名前まで呼ばれると感極まったように目を輝かせるが、背を向けた為に振り返ることはせずに台所に入り、煮込んだカレーをご飯の上に盛ってから買ってきたサラダも添え、グラスに水を注いでからスプーンとフォークを置いてリビングに戻り、ソファ前のテーブルに配膳し)お待たせしました、色々と食器とか…勝手に使わせてもらいました。
別にいいよ、たいして数は無いし安物だし…。
(テーブルに置かれたカレーを見るといつものインスタントやレトルトとは違う丁度良い温かみと少しながら豪華なものだと感じられ思わず小さくおぉと感心する声が漏れ「いただきます。」と手を合わせて言うとスプーンを持って一口。程良い辛みとレンジではないしっかりと炊いて柔らかい米の食感、決して高級ではないにも関わらず今日のカレーはそう感じとれてもぐもぐと食べ進め。ふと顔を相手に向けると首を傾げて)…美味い。カラ松は腹空いてないの?
どうぞ、召し上がれ。…そんなことはないですって、ひとまず…生活に困らない程度に物はあるようで安心しました。人によっては本当に鍋も皿も無いような方もいますし(編集者という立場上様々な作家の部屋に訪れる機会はある為、何名かの人物を思い出しては苦笑いを浮かべつつも相手がカレーを食べている様子に、どうやら美味しいと思ってくれていると分かれば自然と嬉しそうに笑いながら向かい側のソファに座って、相手の問いに仕事だと伝えていると不意に腹部がぐーっと大きく鳴って、動きを止め)良かった…え?あ、自分はまだ仕事中ですし、お腹も空いてないので大丈夫ですよ。………あっ。
母さんが心配性で持って行けって煩いんだよね、それにアシスタントとかも来るから全く無いだと困るし。ふーん、そしたらあんたらも大変だね。
(食器類は母が引っ越す際に準備よく持たせてくれたので今更ながら感謝しては肩を竦めて苦笑いし、それに加え自分の担当のアシスタントはよく己の家で食事を共に食したりもするのでそれも理由に付け加え。定かでは無いがもし自分と同じ様に食事を作るのであれば困るのだろうと同情し。断る相手の腹の虫が聞こえるとぽかんと口を開けて数秒いるとその後くすりと笑って相手を見て)ぷっ……仕事って言っても今日は俺の所に挨拶でしょ?もし怒られるんだったら俺から編集長に言ってあげる。…それに作り置きしても食べきれる自信ないし。
はい、まぁ…それも仕事の内ですから(作家が気持ちよく仕事ができる環境を整えるのも自分の仕事だと思っている為にへらりと力なく笑って見せては、自分の腹部を押さえてバツが悪そうにしたところで相手からの申し出を聞くと驚いたように目を瞬かせるも、そういえば朝から何も食べていなかったことを今更思い出して)……そ、そんな、一松先生に手間を掛けさせる訳には行きませんよ。…えーと、じゃあ…す、少しだけ…ご一緒してもいいですか?うっかり、昼を食べ損ねていたんです。
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