案内役 2016-09-22 16:57:35 |
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『…は?何言って…行くわけねぇだろ…』
『…そうも行かないんたなぁ…うちの王はこうも言ってた。『障害や枷があるならそのものを壊して構わない』君にとっての大事なものってなんだろうね…?』
『…拒否権なんざ最初からねえってことか…行けば良いんだろ…くそ…っ』
吐き捨てるようにそう
言うと更に眉間に皺を
寄せ胸倉から手を離し
従者から麗人は退いた。
自分にとっての大事な人…村人達をどうこうされるならとの
苦渋の選択だった。
『賢明な判断だねぇ…
頭の良い子は嫌いじゃないよ。なら俺が王に言っといてあげる。村人達に君が世話になってたってそうすれば謝礼が払われるはずだから』
『ほんとか…?』
『…君って子は…こんな酷いことされたってのにまだあいつらを気にかけてるの?』
白い腕や足には腫れ上がり青くなり見るからに
痛々しい傷があちこちについている。
苦笑いを浮かべながら
従者は言ったが麗人は
ただ“世話になったから”と返すだけだった。
その日のうちに麗人は
従者に連れられ
森から離れ王都に連れて来られた。
そして自分を連れてこいと従者に命じた王様と
会い話し
何かイメージと違うと
言われ、かと言って
手放すには惜しいと
豪華な別荘を提供され
そこに住むように言われた。
逃げ出さないようにと
お目付役として
先ほどの従者を付けられた。
部屋は別だが他人との
同居は初めての麗人は
非常に戸惑った。飯や
家事は従者が言わずとも
勝手に嬉々としてやってくれるので問題はないが
広い部屋に広いベッド…何より自然が感じられない場所での生活は
彼を眠れなくさせていった。
『…おはよ、今日も眠れなかった…?』
『…ああ…』
『…やっば色々広いと
落ち着かない?緑がないと不安…?』
『…お前気安過ぎ…近い…頭…撫でんな…ふぁあ…』
引き寄せられ頭を撫でられながら言われた言葉に
つんけんして返すが初めて感じた人肌のぬくもりに欠伸が出た。
『…ん…?寝れそう…?人肌が落ち着くなら…
今晩から俺と一緒に寝る?なんなら今からでも…』
『調子に乗るな』
本気のチョップを入れられ涙目になるお目付役。
鬱陶しいけど暖かで
穏やかな日々が
始まる__
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