蝶腸結び【非募】

蝶腸結び【非募】

ユビキリ  2016-09-20 10:10:52 
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_ 胎児よ胎児よちょん切られてどう生きる _


/大正浪漫/見世物/アングラ/病んでれ/依存愛/ショタロリ/BNL/喰い合い/



貴方の髪と僕の髪で蝶々結びしました。
えぇ、そうです、二度と離れぬやうにと。


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  • No.31 by 艶  2016-10-14 03:38:22 

(目の前にしがみ付くのは果して本当に人間で間違いがないだろうか、気付かぬ内に化かされたか夢でも見たか蝋人形なりマネキン人形なりに変えられてるんじゃなかろうか。触れているのに冷え冷えと心臓をザラつかせるのは恐らく四方からジワジワと息の根でも止めるように圧迫し、縮こまってくるかのような息苦しさのせいなのだろう。何を相手取るにしたって、真正面から対抗するのに自分が使えるのは幼さの残る笑顔しかないのに。その笑顔すらグルリグルリと目を回しながら忙しなく、語彙の引き出しを引っ繰り返しては此れじゃない在れじゃないと慌てふためく脳味噌のせいで胡散臭い凝り固まった痙攣のような笑顔しか浮かべれやしないんじゃ、と唯一の武器でさえ錆びた鋏のように使い物にならない自覚が有って。こんな面では顔向けできぬと顔を下げて、貰ったばかりの着物を今すぐにでも脱いで心臓を我武者羅に掻き毟りたい歯痒さはお得意の口八丁で一時凌ぎは出来たとしてこの状況の打破には繋がらないと理解しているからか、貧相なおつむのせいで口の利けない口惜しさに苛立ちにも似た思いが腹の底で渦巻いて。そんな最中、肩を掴まれると力はさして痛い程じゃないにも関わらず触れられた箇所がカッと焼けるように熱を持ち。約束は守るのだ。その一言が男だと知った上で傍に居て良いのだと言う保証になり、今の今まで息苦しい程感じていた圧迫感が引き潮の如く薄れて行き。何よりも、男も女もどうだって良いのだと告げる言葉の重みは図り切れずにくっ付け隠していたその面を引っ張り戻し、二度ほど瞼を大きく瞬かせて目を見張り。瞳孔が開いているのでは、と鏡は見ていなくとも想像の付く阿呆面。それでも、それでもいいのだ。自分を映すその蒼が、何処までも美しくて優しかったのだから。むず痒い心地のまま堪えきれぬと表情をニヤけ面に変えて、ほんの数秒前まで首の皮一枚で彼と繋がっているような呼吸も儘成らない心境だったのに、今は初めて純粋な意味合いで自分の存在を認められたかのような。変な話だが、今、初めてオギャアと産声を上げたような何と表現すれば一番正しいのか皆目見当がつかないが、初めて耳が痛くなるほど万雷の拍手喝采を聴いたその瞬間よりも非にならないとヘヘヘと気恥ずかしさを押し殺した笑い声を少しばかり照れくさそうに上げて。今となっては手放される心配が無く、そうであれば外の空気や賑わいを元来好んでいる訳で当初の買い物は喜んでと瞳を爛々輝かし、肩を叩かれ先程途中で置きっぱなしにした食事の元に促されるまま喜々と戻って「不味くなんか無いよ。そりゃ、とびっきり美味いワケでもないけど、ああ!でもサ、うん。そうだ、今とびっきり美味いパンに変わったぞ」再びパンに手をかけるまでは本音を隠すが嘘も言わないあべこべ言葉を、再びパンに口を付けてからは先程と同じものなのかと疑いを持つほど感情一つで食事の楽しさとはこうも変化を遂げるのか!そんな驚きを持ちながら、先程のネズミの盗み食いを疑う小さい一口とは打って変わりパクンパクンと大口開いて貰ったパンをアア美味い美味いと一枚ペロリと食べ切って、食べるまでは濃い色のこの林檎は毒にでも漬かっていたのでは?なんて恨めしくすら思ったものだが、何てことは無い禍々しい程に強い色味も一転して色艶が美しく思えシャクリと前歯で食らい付いた先から滴る果汁も甘みと酸味が瑞々しく口いっぱいに広がって、指先までペロリと舐め取れば置いてかれちゃ溜まったもんじゃないと足取り軽くタンタカタンと弾むように追いかけて。「待てよう!置いてかないでったら」誰も置いてくなんて一言も言っていないのに、逸る気持ちのせいで引き留めるように言葉を告げつつバタバタと隣までやって来て、隣に並ぶや否や大きく開いた右手を伸ばして「はい、ヒソカ」はぐれぬ様に手を繋げ、言葉にするのは簡単だが磁石の様に引っ張り吸い寄せるように彼の左手を取って。「可愛い服売ってっかなぁ?どんなのが似合――ああ、いやいや。似合わない服なんて無いんだけどサ」すっかり気分はご機嫌だ、繋ぐ手の先をユラユラと前へ後ろへ揺らめかしコロコロと鈴を転がすみたいに話を続けて、話の終わりには長い睫毛を上下合わせるみたいに目を細めて小憎たらしくケラケラ笑い。少し歩いては近所の人か、"あら先生、お知り合いのお子さんですか"と挨拶交じりに声を掛けられ良くも悪くも社交性だけは花丸だった為繋いでいた手を離せば両手を揃え懐っこい笑顔を添えてお辞儀を一つ「オハヨウ御座います、オネィさん。そのトーリと先生のところでお世話になります、名前はエンと言いますが。顔だけでもどうぞ覚えてくださいな」顔を上げれば浮かべる表情は明るく、どうにも自己紹介と言えば散々と聞き続けた口上交じりになってしまうも、彼の面に泥は塗らぬ恥はかかせんぞと愛嬌のある雰囲気で出来る限りの敬語を交えて挨拶を、ハキハキとした挨拶は人情厚い町中に馴染みやすく、”挨拶出来て偉いわね”なんて褒め言葉を貰った時には得意げな目元で顔を上げどやどやと彼を見て。再び女性へ顔を戻すと「それじゃオネィさん、エンはこれから買い物に行ってきます」引き際上手に先程同様右手を彼の左手と繋ぎ合わせて、ちらり振り返れば左手でブンブンと手を振って。賑やかな挨拶を終えて「なー上手だったろ、ちゃんと出来てた?…あ!あ!ヒソカの隠し子だって挨拶すりゃ良かったかなぁ」最初はご近所さんなら初対面が大事だろうと褒められたのだからへまはしてないと思いつつ、それでも彼に褒められるのが一番だと期待する眼差しを向け、後者には失敗したなぁと言う様に冗談交じりの言葉を添えて)

(/いえいえ!全然大丈夫なのでお気になさらないでくださいね!お暇な時で大丈夫ですので…!
自分の世界が大事で宝物で人の事なんて見たくない密さんが目が沢山の百目鬼なんて想像するだけでも私得でしてつい我慢が出来ませんでした…!なのでそう言って貰えて嬉しいです!!待ち受けだなんて光栄すぎて…!寧ろ感想頂けるのが嬉しくて励みになりまくっているので有難いのです!ただ、感想も絡みの長文もご負担でしたら何時でも削って下さって大丈夫ですので!)

  • No.32 by 艶  2016-10-19 01:50:00 

(/何度も何度もイラストばかり本当に申し訳ないですorzorz頻度が多い事自覚しておりますので煩わしければ頻度をもちろん減らしますし、描いた都度ではなく溜まったらまとめて、等と対応いたしますので…!orzorz秋が深まりましたので、秋のご挨拶を一つさせてくださいませ。
https://pbs.twimg.com/media/CvEHh5QVIAE-Sip.jpg)

  • No.33 by 宇都木 密  2016-10-20 00:17:15 

(/一先ず背後のみ失礼させていただきます!長らくお待たせしてしまい申し訳ありません。私用が片付きましたので早ければ明日、遅くとも明後日中にはお返事を書けるよう時間を作っておりますので、申し訳ありませんがもうしばらくお待ちいただけますでしょうか?

そして何とも可愛らしいご挨拶をありがとうございます!普段暗いアングラ感漂う二人ですが、こんな風に和やかな秋を過ごしているかと思うと胸がほっこり暖かくなります…!
煩わしいどころかもうすっかり主様のセンスに惚れてしまいまして、いつもお返事と同じくらいイラストを楽しみにさせていただいておりますので、ご迷惑でなければ是非とも一枚一枚堪能させていただきたいです!大変なようでしたらこちらから保存場所等を覗きにお邪魔致しますので、主様の負担にならない形で拝見させていただければと思います!)

  • No.34 by 艶  2016-10-20 11:30:32 

(/お忙しい中にお返事を有難う御座います!お返事に関しましては本当にお暇の時にで問題ありませんのでご負担になりませんよう、お気になさらないで下さいね…!PL様の文章が心から大好きなのでのんびりまったりと楽しみにしております!
そしてイラスト安心致しました…!!此方に上げるまでもない本当に落書きのような物も含めてURLを作るために上げている場所(本当に落書きの上、勝手ばかり申し訳ないのですが密さん巻き込んで二次創作的に私が妄想を残すだけの場所)ですが、下記イラストに青い鳥番号を載せておりますので宜しければ…!PL様の確認後ユーザー名を変更したいのでご連絡頂ければ幸いです…!
https://pbs.twimg.com/media/CvJlLGFUsAArax2.jpg:large)

  • No.35 by 匿名さん  2016-10-20 12:40:52 

外部への誘導はセイチャットで禁止とされています。

  • No.36 by 艶  2016-10-20 13:29:00 

>匿名様
(/この度は誤解を招かせてしまい申し訳ございません。せいちゃっと管理人様のトピック(No.2247)にてございます通り、営利目的や宣伝目的でも無く、移動交流を行う為でもありません。勿論交流はこちらのみで行いますし、URL先は話題提供、イメージ参照の為になります。詳しくは管理人様トピックを参照願います。ご忠告ありがとうございました。)

  • No.37 by 匿名さん  2016-10-20 16:27:22 

ツイッターの情報載せるのはダメなんじゃ…?管理人さんに聞いてからにした方がいいと思いますよ

  • No.38 by 艶  2016-10-20 17:38:30 

>匿名様
(/この度はご忠告有難うございます。個人で調べてみた所、まとめHPとは少し変わり個人情報の兼ね合いがグレーゾーンにあたりそうですのでツイッターの方は鍵を付けユーザー名の変更を行い閉鎖をさせて頂きました。至らない私にとても丁寧なご提案を有難う御座いました。)

>密PL様
(/私が至らないせいでこの様な事になってしまい誠に申し訳御座いません、顔向けできない次第です。保存場所の提示をさせて頂いたのですが私の使うアップローダーがイラストURLを取得する為にツイッター利用だった為、忠告を受けた後に調べてみた所個人情報に当たるかもしれず…このままではPL様にまでこれ以上のご迷惑を掛けてしまうかもしれないので今まで通り描いた都度、URLを此方に提示する形を取らせて頂ければ有難いです。私が至らず知識不足ばっかりに、今回はこの様な事になってしまい本当に申し訳無いです。

下記にもしも、だったら、のラフのような描いていたイラストを纏めて置かせて頂きます…!
(しょた子様の密さんと大人な艶)https://pbs.twimg.com/media/CvLU9zlVUAAa_9V.jpg
(十代半ば反抗期時期の躍起になる時分の艶の髪型)https://pbs.twimg.com/media/CvLV4hgVYAAQnNx.jpg
https://pbs.twimg.com/media/CvLV6v8UAAAnd2s.jpg

この度は知識不足、至らないばかりに本当に申し訳ありませんでした。
この様に至らない面が多々あり、綻びが目立つ本体なのですが…もしPL様のお許しが頂ければ今後もお付き合いして頂ければ嬉しいと、我儘も甚だしいと承知の上ですが思っております。もしも、付き合いきれないと有りましたら記号一つでも大丈夫ですので連絡を一つ頂ければ有難いです。図々しい事まで重ねて申し訳ございません。)

  • No.39 by 宇都木 密  2016-10-21 14:20:03 

>35、37様
(/ご指摘ありがとうございます。この度は私の認識不足によりご迷惑をおかけして申し訳ありませんでした。規約に違反し、お相手様との交流を続けられなくなってしまうような結果を未然に防いでくださった匿名様に心より感謝致します。本当にありがとうございました。)

>主様
(/背後のみ失礼致します。こちらこそ軽率な提案で主様にご迷惑をおかけしてしまい本当に申し訳ございません。私ばかり何もせず、主様にその都度イラストを載せていただく事が心苦しいという自分勝手な考えがこのような事態を招いてしまい本当に反省しております。
このように未熟な背後を主様が許してくださるのであれば、今後今回のような問題が起こらないよう努めますのでどうかこれからもお付き合いくださいませ。稚拙な上に遅筆な人間ですが、主様のセンスや、イラストの反抗期の青少年艶様や年齢逆転のような胸躍る"もしも"も含めて2人のことが大好きですのでスローペースながらお相手していただけると嬉しいです…!
長々と申し訳ありません、深夜までにはお返事を書いて参りますのでもう少しだけお待ちください!)

  • No.40 by 艶  2016-10-21 21:47:09 

(/イラストの頻度が高いのでスレを埋めてしまっては迷惑かと思って軽率な行動を取ってしまい…反省しているとは言え、今後もお相手して頂けること本当に嬉しいです。私は拙い文章でどう伝えればいい物か、背後様の綴られる文章の美しさに心を奪われて焦がれております。密さんの事は勿論、背後様の事も、引いては艶の事もこの世界観の事も愛して止まない為に交流を続けられる事が本当に嬉しくて仕方が無いです…!
お返事は本当に急かしておりませんので慌てなくて大丈夫です!私は何時までものんびりと待たせて頂く所存ですので、無理して時間を作りお身体を崩される事だけ無いようにして頂ければ嬉しいです…!)

  • No.41 by 艶  2016-10-25 03:55:35 

(/連投ばかり本当申し訳ないですorzお休みですとつい絵を描いてしまい、勿体ない病で折角描いたからと此方に置かせて頂きます…!
https://pbs.twimg.com/media/CvjesOIUIAAfjN2.jpg:large
中身がないまま上げてしまい重ねてお詫び致しますorz)

  • No.42 by 宇都木 密  2016-10-25 07:12:33 

(寒々しく陰る玄関からほんのりと赤らんだ紅葉やら、名前も知らぬ木々やらが茂る門をくぐり平らにならされた通りへ出ると昼でも夜でも丸裸で放り出されたようなどうにも心許ない気持ちに囚われるものだが、今朝ばかりはどういう訳か気味の悪い程に晴々とした心地である。己が足で踏み出したのではなく小さな小さな手のひらにぐいと引かれて飛び出たからか、明るくだだっ広い往来を行く後ろめたさなどてんで無く、繋ぐ手から伝染病めいて上機嫌がじわりじわりと染みてくる程に。子供の長い、カラコロ笑う度に震える睫毛へ映る冷淡な空の青ささえいっそ清らかでよろしいと感ずる思考が持ち前の情緒不安定により危ういくらいに浮かれている自覚はあった。そうして、人はそういう時には必ずつまらぬ小石に蹴躓いてしまうものなのだと幾度となく学んだ癖して愚かにも二の舞いを演ずるのが己という男。本日の己にとっての小石とは裏の邸宅に住まう細君であり、彼女が可憐なお愛想笑いを浮かべて寄越す挨拶に膨れていた機嫌もバチンとシャボン玉の爆ぜたように感ぜられるとただもういつもの通りへどもどして、みすぼらしく背を丸めた会釈を、否々先ずは帽子で目立ちすぎる目の隠蔽をと惨めなくらいに取り乱すが、そうこうしている間にも傍らの艶が少々ヒヤとする賑やかさを以て実に鮮やかに挨拶を済ませてしまえば己の出る幕なぞ無く「……存外、実用的な買い物だったらしい」ほんの一時、この独り身にはあまりに怪しい子供を隠さねばと浅ましい保身が頭を過ぎったことさえ忘れ、案外彼の世渡りの力は正義だの人道だのという絵空事よりずっと己の役に立ってくれるやもしれぬと実に自分本位の言葉が零れ出て。名門といえど身内から一人キチガイを出せば後ろ指を指されるのが世の無慈悲であるが、裏を返せば立派な子を一人持てばその親となる人間は立派な人格者の肩書きを授けてくれるのが世間というものなのだから。とはいえ流石の己もこれはあまりに人として恥だと無邪気の賛辞を求める瞳からついと目を逸らし「しかしお前、あれではまるでタンカじゃないか。世の中にああまで芝居の上手い子供がいるものか。」くぐもった咳ばらいを一つ何ともそれらしい評価を下して、しかしまたその答えさえ冷淡であると今日はいやに肥大した良心が言うので、褒めてやれなかった子供が臍を曲げてしまう前にふと足を止めしゃがみ込んでは御機嫌取りさながらに片手へ握り締めたままであった襟巻きを彼の首へグルリグルリと巻き付けてやり。それから朝の冷気にポッと赤くなった鼻の頭やいかにもあどけない丸い頬をじっと重々しい眼差しで見つめ、「……私の子供か、弟か。書生というには些か早いが、お前、仮に選ぶのなら何に成りたい」彼の言葉は決して愉快な冗談で済む言葉では無い。先ほど思考したように、人生には決まって肩書きというものが付き纏い、それらは総じて世間を渡り歩く為の切符と成りうるのだ。いつまでも見世物少年や得体の知れぬ謎の子供のままではいけないと、隠し子などという妙にきな臭い呼び名さえ咎めず候補の一つに加えてしまいながら至って真面目に問いかけて。別段本当の父や兄と思えなどと鳥肌の立つようなキザを言う気は無く、それこそ純粋に己、ひいては彼の保身の為だけに尋ねた事に間違いは無いものの気恥ずかしいものは気恥ずかしく返事も待てずに立ち上がればまた俯いてのろのろと、これは無意識か手だけは緩く繋いだままちょっとした店々の並ぶ大通りの方へ木枯らしに身を縮こめながら歩を進め)

(/こちらから何日以内と宣言しておきながら期限を破ってしまい、お恥ずかしい限りです。私用に加えお褒めの言葉を頂いた文章の感覚がなかなか取り戻せずお返事にも時間がかかり、長らくお待たせしてしまい大変申し訳なく思っております。以後気をつけますので改めてよろしくお願い致します…!

そうしてちまちまと書き進めている間にもまた美しい艶様を披露していただけて嬉しいです!
今はロル内の艶様が子供らしく可愛い分、薄れていたアングラ感にゾクリと致しました…!もしご迷惑でなければまた是非見世物小屋時代の艶様も見せていただきたいです、あのヒラヒラのお着物も着替えさせてしまうのが勿体ないほど素敵でしたので…!)

  • No.43 by 艶  2016-10-26 22:51:58 

(期待する感情が泡のようにプクプクと浮上してくるのは褒められると自惚れ、褒められるだろうと自信満々の挨拶を出来た自覚が有るからであり。口下手な男が、自分の為に不器用ながら告げる褒め言葉はどれ程までに美しい文章であろうか。秋風に揺れ舞い散る紅葉と何方が心を揺さぶるか、嗚呼、自然を見て楽しいと言う程枯れてはいない。答えなんて初めから決まり切っているのだ、言い過ぎた。褒め言葉なんて無くても良い、偉いじゃないかと少しでも自分の事を誇ってくれれば万々歳、大きなその手で頭を撫ぜちゃぁくれないか。ソーダ水の泡ぶく程、直ぐに消えるが消えても又すぐに存在を主張する期待に染まり。落ちて来た評価に幕下し。その間のなんと短い事か、不細工になる事も厭わずにブスゥと唇を尖がらせ。一人ぽっちの百面相、胸中なんて隠すことなくお披露目しチェと舌を鳴らせば文句にブウ垂れ。不意にしゃがみ込む彼と視線がカチリと交わるとその視線すらもジドリと拗ね腐った眼差しで応え、人肌に温まる襟巻を首に巻かれれば褒められてはいないが悪いとも思われない、評価で言うなら可は当たったらしいと気が付いて。秋の空と同様にいじけ虫は飛んでいき、ほこほこと温かい襟巻に頬を擦りつけて亀のように顔を埋めればにんまりと口に半円を作り。そうして指示される自分の身の置き方に瞳孔を開きパチパチと二度ほど瞬きを行って、間柄を決めるとはそんなに重要なのだろうか。何も適当な思い付きで役割を決めようとしている訳じゃ無い、それは逸らされていた彼の二つの目が確りと、帽子の陰から覗いている事で冗句は無いと理解して。足りない脳味噌で口をへの字に固めながらウーンと唸り考えてみる。子供と紹介するには余りに年齢が近すぎる、顔が隠されているとは言えど初対面時に兄ちゃんと躊躇い無く呼んだのは他ならない自分であるし。かと言って、同じ母体から生まれた兄弟と言うには余りにも似てやいない。次第に頭はぐにゃりと傾けられ、益々と悩みにふけり。はて、自分は一体全体この男にとってどの立ち位置に佇みたいのだろう。連れられるように手を引かれつつ横目に見るなんて遠回りはせずに両目をかっぽじりジーと見上げ、数個の自問自答を脳内会議に繰り返し、そうして又応えの出ない焦れったさに唸り声を一つ。早い時間とは言え賑わいを持ち始める町の音に高揚としだす気持ちを押し込めつつ、嗚呼そうかと結論に至り。散々悩み沸騰するほど働かせた頭は気分が良い程に晴れ晴れと、緩く繋がれていたその手をギュ―と握り締め、それだけでは足らぬともう片方の腕を使い拘束するようにしがみ付き「俺はいつか、ヒソカの心臓を喰らいたい。」鏡写しの自分のように右も左も全てが真っ逆様、正反対のこの男の全てを欲しているのだ。雑巾のように絞ったとしてそこに微かと残る搾りかすの知識が自分なら、バケツの中にひたひたと溢れんばかりの知識を持つのが彼だ、鬱屈と何に怯えるでもない癖にこの世界の全てに恐れを持ち腹にズシンと重石を抱える繊細さ、蜘蛛の糸程頼りなくか細い声と反する肝の据わる土壇場の度胸に、何一つと自分とは違う全ての事に嫉妬をしているのだ。共に歩く短い時間、懸命に抱えた頭が導いたのは欲しいと駄々を捏ねたい魅惑の蒼は欲する物の始まりの一手でしかないと言う事、とどのつまりは彼の全てが欲しいのだ。禍々しく埋めくのは嫉妬だったのか、あの蒼が自分以外を見やり何かを思う事が許せない。もしも、彼が自分以外の他の子を同じ境遇で哀れだからと連れて帰って来たならば、自分はきっと気が触れて連れ帰って来たその子をその場で仕留める筈。だってそうじゃないか、彼の愛を受けるべくは自分だけで良いのだから。要約すれば彼を独り占めしたい、他の誰にも見せないで、他の何も見ないで、自分だけを蒼に映し存在させて。それは父や兄に思う感情と懸け離れていると、そんな事馬鹿にもわかる。ふは、と息を噴き出し笑い声をくすくすと上げ「ヒソカの一番特別になりたい。ヒソカを喰えるのは俺だけで、ヒソカの事を独り占めできンのも俺だけ。それがいい!」きゃっきゃ、と高らかな声で甘えるように絡める腕に力を込めて。与えられた襟巻で暖を取れば時折頬を出ている顔を冷やす風に結う髪を揺らし。下唇を舌を使い左から右へ涎を塗す様に舐めり、澄み切る頭はなんと気分爽快か。何もかもが透き通ってそのまま消えてしまうのではと思う程にスッキリとし、賑わう人の声が気持ちを盛り上げる素敵な日だと映る景色は一層と色味を増して「独り占めしたいから、――嫁さんなんか貰うなョ。」そうだ、自分は彼に恋仲がいるかどうかも知らないぞ。伴侶こそいなくとも、それを誓う間柄もいないのか?まぁ、でも、そんな事はどうでも良いかと割り切れるまでに自覚をした身勝手な執着心とは底なしの強さを誇り。初めて無償の愛を施すこの男に抱く気持ちは親愛と呼べるほど綺麗な物じゃない、そもそも綺麗な愛とは何を示すのかも分かりやしない。欲しいと思った、ずっと傍に居たいと思った、自分だけを見て欲しい、重なる欲望は一緒くたに成ると今まで多くの生物を殺めてきたように食べる事で、肉を食い破り租借をしゴクリと飲み込み自身の血肉に変える事でしか叶わないと極端論に姿を変える。絡み付く腕を離せば首に巻かれた襟巻を首から外し「俺あっちいから、返す!」ちゃっかりと繋ぐ手はそのままにもう片方の手で器用にそれを渡すように手を伸ばし、基礎体温の高さの違いか、ウンウンと悩んだことで熱が体にこもったか。将又その何方もか、今度は率先と来た事も無い街並みに溶け込むようにその手を引いて。所詮は子供、どう足掻いてもその力には勝てないのだが賑わいを見せる店並びに吸い寄せられてタンタンと地面を勢いよく踏みつけるように大通りへ交わって「アレ見てコレ見て!ホラ、飾りが光ってら!あんなの着たら誰もが振り向いちゃう」淡い紫色に紺色ドットが映えるワンピース、首周りには陽の光を浴びて反射するビィズの装飾で。目移り忙しくあれやこれやと女物男物どちらも関係なく選んでは話しかけて)

(/全然大丈夫ですので気になさらないで下さいね…!お返事を待っている間すらもどうなるのだろうと想像を働かせるのがとても楽しいので!寧ろイラストを上げる事で急かしているようになっていないかが申し訳無いのですorz長文でのやり取りですし、置きレス推奨ですので本当に大丈夫ですので!

そのように言って頂けて嬉しい限りです…!基盤のアングラ感とそれを重視させる為の日常要素がアンバランスだからこそ魅力的過ぎて!日常パートの仄々に感化されて描くイラストがアングラ感強めになりそうです…!)

  • No.44 by 宇都木 密  2016-10-31 02:25:38 

(知恵と常識はいつだって衝動の後にのこのこと遅れてやって来る。そもそも関係だなんてデリケエトな事柄であるならば尚の事、大人が知識良識をふんだんに敷き詰めて作った道筋を幾らか用意してやってからさあ好きなのをお選びとお披露目するのが正しいやり方というものだろう、などとようやっと追いついた己の理知が糾弾するが、第一お前がボンヤリしているから今日も昨日も失言と失態の汚点ばかり俺の生涯に増えるのだ。そんな調子で皮下己同士の喧嘩を続けている間にも子供は悪い熱病のようにウンウン唸り、気に入りの碧眼をジッと見上げても例の如くニマニマすることも無く小さな頭を悩ませ続ける姿は流石に哀れと口をついたばかりの問い掛けを臆病にもさっと引っ込めたくなるものの、それをやってしまえば一度失態と片付けた話題は脳味噌の隅に佇む箪笥の奥の奥へとしまい込まれて二度と日の目を見ないというどうにも厭な確信がある。だからこそ一進一退ならぬ一退一退のこれまでのようにおっかなびっくり、退いてばかりではいられぬと勇敢にも括った腹に丁度小さな体が引っ付いてくれば厳粛なる面持ちのまま見下ろして、「――心臓が、何だって?」図々しいほどでかい肉体や、あの男と言ったらあの目、それが暗黙の決まり事のように何かにつけて凝視に言及せられる眼球と違い注目に不慣れな心臓は唐突の一言でギクリと跳ね上がる。そのままドギマギ乱れる鼓動は果たして本当にただ驚愕へ揺れているだけか、いや、仮にそこ行く娘や婦人の類に一句違わず告げられた所でこうも弱虫にはなれまい。そりゃあ見知らぬ他人に心臓拝借と声掛けられては不吉に気味悪く感ずるが、それでも背筋がチリチリ粟立つくらいでこうも動悸に見舞われはしないだろう。つまりは不可解な他人様への恐怖を夜明けの廊下に吹き溜まる薄闇、生臭い人いきれに潜むという結核菌、そういった姿無き不透明な恐怖とでも喩えるならば、この少年一人の言葉からヒヤリと生じるのは喉元に突きつけられた切っ先的なくっきりした恐れであった。昔々、若かりし頃にデカダンと電気ブランの酔いにかぶれて難解な世には今日にておさらばと万年筆で首筋を一突きやろうとした夜があったけれど、あの夜のぬくぬくとした酔いも逃げ出す現実的な筆先の冷たさ!つまるところ幾ら睡眠を挟み顔を洗って決意を改めたとしても、鶏一匹の命くらいは容易く噛み砕ける彼の血みどろの恐ろしさというのは己の心身に写真機を用いたようにジリリと焼き付いてしまっているから、あながち子供らしい大仰な冗談と片付けられないらしい――けれどもキャンキャン子犬めいて甘えて俺が一番、エンが一番と声を張り上げる様を見ていればどうにも臆病だってその陽気に誤魔化されてしまう。嫁だ何だと俗な話まで持ち出されてはとうとう怯え続けろというのが無理難題な程に周囲の空気はだらしなく弛緩して「またお前はませた口を……」今し方暖かそうに顔を埋めていた襟巻きを突っ返されるとその目まぐるしさにも巻かれてついに敗北、緩い溜め息混じりにぼやくだけぼやき、結局何ら問題は解決の糸口さえ見つかっていないのももう今日はどうでも良いとこの一応は出会ったばかりの子供にいやに懐かれた幸運のみ胸に抱いて大人しく商店の方へと連れられて行き。やれ銀座やら日本橋やらでなくとも大きな通りともなればあちらの店先から流れ出る近頃聞き飽きたドイツのレコオド、こちらの肉屋から響くやはり飽食気味の"コロッケの歌"が人々の雑然たるお喋りに混じっていっそ混沌の仕様である。その中を歩いていると乗り物酔いにも似た不快感がグルリと胃の辺りに集まってきてたまったものでは無い、それでも足を止めたくなる度に都合良く片手の先の彼があっちこっちと指し示してくれるので何とか気を持ち直してのろまな亀のようにゆっくりと右に左に首をやり、しかし煌めく瞳の先に彼には不釣り合いなワンピィス(不釣り合いというだけで決して不似合いでは無く、それどころか秋の草花を思わせる薄紫と紺で飾ったワンピィスなどは黴臭い己の古着よりずっと映えるだろうと至って冷静に感じてしまったのだから恐ろしい)等が飾ってあったりすれば即座に顔を逸らして、男児用の服だけはキチンと店の場所と看板とに目星を付けながら歩を進め。この子供にはやはり様々な分別を教えてやらねばならぬ。だが、頭ごなしにそれは世間の模範に反する振る舞い装いだからやめろと言うのは己が難解窮屈と最も忌み嫌うものではないか?逡巡しつつまたしばらく進んでいき、夕刻ともなれば女学生の群れがたむろするかんざしやらリボンやら、そういった小物の店の前まで来ると「……お前は所謂可愛い、女の格好が良いのか。」秋風にひらひら揺れる頭のリボンだって、それがぎゅうと束ねる長い髪だってそうだ。半端に掻き混ぜられた性はあるべき形へ戻さねばなるまい、しかし肉体が男だから心の形も男であれ、などと強要するのは些か乱暴か。何かにつけて自分の愛らしさを主張する姿を見れば気持ちのほうは女に似た形に育っているかもしれない。なんて常の言動を見ればとんだ見当違いと噴飯物の思い込みから酷く声量を落として尋ね「先刻ああだこうだと言っていたのも、まさか私の嫁になりたいからという訳じゃ、……」曲がった背筋に加えて顔を俯けて話すものだから、実に恐る恐るといった風情で喋りかけるも二言目はまずかった。口にした途端己の浅ましい自惚れに気付き、気付いた途端酒も飲んでいないのに胃から喉から頬からカッと焼けたくらいに熱くなって、そこへ芋づる式に昨夜の接吻だとか今朝の一噛みだとかが一時に思い起こされては「いや違う、何でも無い。」と不機嫌極まりない口ぶり無理矢理バッサリ言葉を打ち切り、くいと襟巻きを顎まで引っ張った上にこれは防寒より動転してのことかつっかえされた彼の分の襟巻きもまた羞恥に歪む顔を隠せとばかりにぐるぐる巻き付けそっぽを向いて)

(/お優しいお言葉をありがとうございます!私もお返事を綴る時間が足りずゆっくりとした進行になってしまっておりますが、頭の中では毎日様々な絡みを想像して早くお話を進めたい!とわくわくもどかしく感じているので、そんな時にイラストという形で艶様と密の様々な姿を見せていただける事が本当に嬉しいのです…!
密にじゃれつくほのぼのした艶様もたまらないけれどやっぱりアングラな見世物艶様も大好き、という背後の我が儘を文章とイラストで叶えてくださる主様にはどうお礼を申し上げたら良いか…!せめてどちらの艶様の魅力も引き出せるよう、頑張って密を動かさせていただきます!)

  • No.45 by 艶  2016-10-31 17:19:11 

(手に入らないのなら奪ってしまえとは笑ってしまう程の極論で、漠然としたその説を可能と思い信じ込むことが出来るのは暗に子供の為せる幼稚さが為か。意味の無い雑音こそ耳馴染が良く、シンと静かな空間よりも余程慣れ親しみ幾億の嘘と調子の良い言葉を謳う店員の口上染みた客引き接客も冷たいシンナーでも吸い込んだみたいにチカチカと目を晦まし、酸素不足のように興奮した頭は落ち着きを殺してしまう。ちっぽけな視野しか持たない子供の興味を引く事なんてその道に生きる商売人にとって容易い事、手を繋ぐと言う首輪が無ければ今頃きっと人混みにこの姿を融かし夕暮れ時に冷静さを取り戻して独りだと泣き喚いたかもしれない。それ程までに、活気ある町は、煩いくらい賑やかな音楽も話し声も、時折身長の関係で顔に当たる何処ぞの誰かの手の平までもが遊具に塗れた昼下がりのように底抜けの平和を与えられた気持ちになる。やんややんや、と目に付いたものを端から端へ余すことなく紹介する最中で漸く帰ってきた返事に耳を傾けるとそれは紹介した物に対する返事ではなく一束の疑問。今正に目の前に並ぶリボンに心を奪われてそれを欲しいと強請ろうと言葉が喉まで競り上がっていたのだから尚のこと。彼の物言いは別段非難の声を纏う物では無い、そんなこと理解しているが、それでも満ちていた気持ちを胃の中に抱えて数分後には顔をも知らぬ人の多さや仮初の賑わいを楽しむ思いは所謂、常識じゃないと言う当たり前の事実の直面に言葉を止めて。それも束の間、続く彼の推理をちゃんと聞き、加えてその彼がワタワタと熱い物でも手掴みした様に動じるのだから面白くて。何より本日の脳味噌は店仕舞い、もう今日は何が有ってもむつかしい事など考えないぞと暖簾を片付けたのだから雛のように唇を突き出してみては剽軽にアハハと笑って「そうだよって言ったら、ヒソカの嫁さんになれる?」愛を知るにはまだ早い、在り来たり有触れた、無条件の愛を知らぬのに当然の愛を求めるとは何を今更無理難題をとやっぱり笑い声だけが喉を通り。雑音に紛れてしまわないようハキハキと張り上げた、声変りを迎える前の甲高い声で暑いとは言え風に冷えた頬にほんのり紅色を差して問うた。戻る返事は聞かなくとも知っているぞと、察しがついたがそれが何だか無性に面白く無くてリボンを強請るのはやっぱり止めた。「うそだよ、嘘!――知ってら、俺が可愛いのは今だけだって。今だってそーだよ、夜を迎えりゃ毎日劣化しちまってんだ。」きちりと握り込む貴方の手から少しだけ力を抜けば尖がる唇を引っ込めて、欲しいのだろうその言葉を送ろうと微笑んで。「今だけしか可愛くないかもしんないし、可愛いのが似合うのなんて今だけだもん。だからって男の恰好が嫌だなんて言ってないよ、ホラみてよ。今だってちっこいヒソカみたいで似合っちまうのさ」さあ、ほら、どうだい、上出来だろうと自画自賛するまでの完璧表現だと不機嫌ですらある彼へ送るのだ。別段嘘じゃないし、実際問題女になんかなりたい訳じゃあない。お前が一番だって可愛がられるのに可愛い容姿であるに越したこと無いだけ、着せ替え人形も素っ裸より可憐な衣装をまとってる方が何倍も可愛がられてる。そうだ、と閃けば「そう言うもんだから似合う物ならなんでも良いや。俺そっちにいるから何か適当に、俺が可愛くなるよーに見繕っておくれ」人混みの抜けた物陰を指さして力を抜いていた手の平を手放して、何とも勝手にスルリスルリと人を掻き分けて言った通りに閑散とした場へ足を向けて。逃げるように勝手をしたのは明らかな動揺を見せる、大きな彼が余りにも可愛らしくて隣に並べば縫い付けないと黙れないこの口がやんやと突っつき出して雷を落とされるからか、勝手を起こしたこの時点で怒られるのが今から後に変わっただけとは気づかずに。人に紛れても尚見えるその姿を最初はちゃんと目線の先で追掛けて、丸まった背中を見てはもっとシャンとすりゃ良いのにと思わず独り言を。「自分の小遣いだけでも持ってくりゃ良かったなあ。結局生涯タダ働きなんて馬鹿をしちまったヨ」中はこじんまりとした店なのか、壁に背を預ければズルズルと引き摺りしゃがみ込み。道中見掛た美味そうな食い物を思い出してはぶつぶつ呟き、その時分に目の前を貧相な黒猫が横切るものだから堪らずに歯が疼いてしまったのだ。その猫を追掛けて、どんどんと奥まった路地に向かう事など頭になく脳髄に刻み込まれた捕食本能だけを巡らせて、尻尾を掴み持ち上げればニャアなんて可愛らしい声ではなく正に悲鳴のような声で泣き喚き、掴む手に爪を立てて反抗をするものだから。ああ、これだから畜生はと誰に向けるでもない思いを唾に変えて地面に吐き付けて「さあさ、あの世は今より極楽だ。」苦しみに水揚げされた魚のように暴れ狂う猫の体を両腕で確り抱え込み、人の居ない路地裏で一人の悪食を。所詮三つ子の魂とは百まで直らないものなのだ、生き物がいれば団小屋を目の前にした時と略同じ感情を持ってしまう訳で。ガリ、ゴリ、と食らいついた喉から突き出る骨を金太郎飴みたいにポキリと喰いやすい長さに短くすれば今度は煎餅でも食べるみたいに繰り返しの咀嚼を行う。あんなに煩かった街並みも猫も、何もかもが死んでしまったみたいに静寂になり。やってしまったと堪らず口内に入れていた一口大の骨をポロリと落とす、心臓が飢えていたなんて安い言い訳が通るとは思わない。後悔とは後先に立たずと良く云ったもの、悪食行為が悪いとは思わないがどうにもこうにも二進も三進も彼が駄目だと言う事をしてしまったのは今の事実だと悪さをした悪餓鬼宛らに苦い面を見せて。「やあヒソカ、可愛い服は見つかった?俺もうまい猫をとっ捕まえたから、今日の夕飯に使おうヨ『それは良くやったぞ、今日は寒いから猫鍋だ』__駄目だ、こんな上手く行く訳ねぇや。猫鍋とか食ったことねぇもん。じゃあこれは?  待ってる間に今にも死に掛けの猫が"もういっそ殺してくれ"と懇願してきたから手にかけた、本当だよう!…駄目だ駄目だ、こんなんで上手く行くはずねぇってば、だって俺、そもそも猫の声なんか聞こえねぇもん」それはまるで独り芝居、そこに彼が存在しているように言い訳の練習を数々のパターンで繰り返す。その動きについていけず、椿のように猫の首がポロンと落ちた事にも気づかずに。手の平を赤く染める血液を動物宛らにペロペロと舐めれば舌にも染み付く赤のせいで消えるどころかただ伸びるだけで一層頭を抱え、転がる猫の頭を足先でトンと軽く蹴り上げた事で首が無くなっている事に今更気付き胴体を地面に落とし代わりに転がるその頭部を両手で持ち上げ「お前のせいだかんなぁ!お前がもっとちゃんと、コー、ほれ、上手に逃げてくれりゃ良かったのに」挙句の果てには責任転嫁、悪気が無いとはこうにも奔放になれるもので死に方の辛さを表す見開いたままの目を覗き込んでは「アハハ!ヒソカの方がもっと綺麗だぞ」と思わず笑ってしまい、生臭い匂いも甘ったるい匂いに錯覚をした慣れと本能で小さな、星屑みたいな小金の眼球をべろりと舐めり。眼球と瞼の隙間に舌を入れ込めばショッパイなあと暢気な感想すら一つ、肉厚の舌でぐにぐにと眼球を押して触れれば目ん玉の張り詰めるみたいな柔さを堪能して(ヒソカのもこんな感じなのかな)と比べられない綺麗な蒼を脳裏に描き、思わず生唾啜るように唾液を溜めて。「憐れな黒猫出会ったことが運の尽き、お生憎さまと死に絶えるだけ。黒猫と言うだけで忌み嫌われたか?でも大丈夫、俺はお前を愛してら」都合のいい独り言を並べつつ先程落とした胴体の尻尾を捕まえた時と同様に掴み持ち、爪を立てて柔らかい土を掘り起こせばその猫を埋めてギュウギュウと押し付けるみたいに土を被せて、はい、おしまい。と赤に被さる泥に塗れた両手をぼんやり眺め、一通り終えた所で待っていると言った場所から大分逸れていることを思い出して”やばいぞ、いけねぇや”なんて慌てて立ち上がり、約束の場所にいないと言う点、自慢じゃないがギャアギャアと通る大きな声、それもあれだけ騒いだのだからもしかしたら彼が何処かで現行を目撃しているかも、と、彼じゃなくとも良識ある大人に見られていては何かとバツが悪いなんて思いを持って恐る恐ると周囲を見渡して)

(/その様に言って頂けて本当に嬉しいんです…!長文と言うだけでもご負担じゃないかとハラハラしておりましたので、その中で更に何か上げることで本体様の負担を煽っていたらと!なのでその言葉に甘えて出来上がったものをここに是非晒しに来させて下さい…!
お礼も何も!密さんの動きも考えも、その情景が目に浮かぶような丁寧で美しい文章に私が勝手と絵を描きたくて仕方ないとなっているだけですので!本体様の文章を参考にさせて頂きながら少しでも釣り合い取れる様にと艶も私も努力しておりますのでどうぞ宜しくお願いいたします…!それでは一旦背後は消えさせて頂きます…!)

  • No.46 by 艶  2016-11-03 02:16:52 

(/背後が消えると言った舌の根も乾かぬうちに失礼致します。
また何度も上げてしまうのが申し訳ない為、下げての投稿を重ねてお詫びさせてください。
 管理人様の言葉を引用し失礼致します。
「話題提供のためや、参照として外部サイトのURLを
 お知らせするなどは勿論構いません。
 一般的なルールの解釈をお伝えしますと、
 営利目的・宣伝のみを目的としていると判断できるもの、
 また、皆様のコミュニケーションを阻害する形でのみの貼り付け等
 個々のケースごとに対応させて頂いております。
 また、当サイト上で禁止されている行為を回避する目的で、
 外部のサイトを利用するような行為の一切については、
 禁止とさせていただいています」
 とのことですので、これに基づいて個人情報の出ないように確りとしたホームページを制作したかったのですが、如何せん知識不足が祟り形に出来そうに無かった為、小噺や絵を載せるだけの倉庫として簡易的ですが個人情報の出ないように当トピのみの作品保管場所を作らせて頂きましたのでご報告させて下さい。小噺や絵の中で密さんを我が物顔でお借りしているのですが、これは下げてくれ、イメージと違う等あればその都度教えて頂ければ幸いです…!交流は此方のみで行いたいのでコメント欄を削除したかったのですが出来ないみたいで保管所にこのまま残る事をご容赦下さいorz蛇足としての補足文やら解釈文等を自己満足のままに上げることになると思いますが、その際の多くに密さんをお借り致しますことを先にお伝えしたく…!ttp://nameless.mamagoto.com/毎度のことながら乱文を失礼致しましたorz)

  • No.47 by 名無の傍観者  2017-07-11 18:45:20 

(/主様 初めまして。突然の来訪をどうかお許し下さいまし。あれやこれやと思い悩むうちにお声掛けが遅れてしまい、今や主様が此処にいらっしゃるのかどうかも定かでは無いのですが…背後の都合も一段落ついた所で、遅ばせながらずっと気になっていた此方のトピックで参加希望させて頂きたく…。長期間お相手様からお返事がなかったようなのでリセットを行われた認識でいたのですが、もしも今別の場所でお話されているようでしたら 無神経な声掛けを謝罪致します。僭越ながら、主様の綴られる文章、世界、艶様達がとてもお綺麗で、それゆえ当然の如くお相手様も非常に素敵なお方であったと、傍観者の私も強く思います。以前のお相手様よりも有意義な時間を提供できる自信はありませんが、此方も全力を尽くしたいと考えております。このメッセージが主様に届いたその時は、ご検討だけでもお願いできれば幸いです…!気長にお待ちしています。)

  • No.48 by 艶  2017-07-11 19:00:08 


(/まさか今となり声掛けをして貰えるとは思ってもおらず、驚いております!以前別所にて新しく艶の相手を募集したのですが、その際には流れてしまったもので…。それ故に愛着のある艶の事を褒められて本当に嬉しいです。もしも、お相手をして下さると言うならば新しい場を作らせて頂いても良いでしょうか。是非、再び艶を生き返らせて下さい。)

  • No.49 by 名無の傍観者  2017-07-11 19:25:43 

(/未だ主様がいらっしゃったこと、有難い提案共に感激です!そうだったのですね。少なからず此方の早とちりではなかったようで安心致しました。主様さえ宜しければ、是非艶様の相手をさせて頂きとう御座います...!)

  • No.50 by 艶  2017-07-11 19:39:17 


(/早速、「眼の球廻転グルリグルリ」の名にて部屋を用意させて頂きました。お手隙の際にお越し頂けると嬉しいです…!)

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