びゐどろ音なふ路地にて

　時は大正、私はしがない書生でございました。東京のとある先生の家に下宿し、小説の読み解き方から書き方、様々なことを学びながらそれはそれは充実した日々を過ごしていたといえるでしょう。
　ある日、私は敢へて学府からいつもの帰路を外れて下宿先へと向かいました。すると、ぽっぴん、ぽっぺん。何とも言い表せぬ音が頭上から降ってきたのです。惹かれるままに音の正体を探して仰ぎ見てみましたところ、私の西方に建つ屋敷の二階の窓から、歳は私とそう変わらなそうな少女が顔を覗かせていたのです。どうやらその珍妙な音は彼女が手にした、これまた珍妙な形をした硝子の管から出ているようでした。私は好奇心に駆られ、随分可笑しな音がするのですね、と声を出してしまいました。突然見知らぬ男から声を掛けられた彼女は少々瞠目した様子でありましたが、直ぐに頬を綻ばせ


「お父様の、長崎のお土産なのよ。」


そう言って、また珍妙な音を鳴らすのです。私は何故かその光景から暫く目を離せずに居りましたが、ふと今日は先生に頼まれ事をされていたのだと思い出し、慌ててもう一度足を動かし始めました。背後からは未だぽっぴん、ぽっぺん、妙な音は鳴り続いた儘。
　次の日も、私はその道を通って帰ろうと思いました。しかし期待していたその音はあの場に近付こうと聴こえてこなかったのです。落胆しかけた私の目に、昨日その不可思議な硝子管を手にしていた少女が写りました。彼女も私に気が付いたようで、昨日と同じように私に笑いかけてくれ、彼女は女学生であること、昨日のあれは『びいどろ』なる物なのだと云うことを教えて下さいました。それから私と彼女の交流は始まったのです。

❁︎　約束事　❁︎

＊相性最重視
＊描写100〜
　鸚鵡、過度な漢字使用等は禁止
＊サイト規約厳守
＊無言で一月放置でリセット
　ｐｆ提出前は三日（ 変動可 ）



❁︎　募集　❁︎　小説家を目指す書生

こちら（ >1 ）では「私」となっていましたが人称は御自由に、その他諸々の事項に関しましても" 書生 "であること、" 小説家を目指している "ことが組み込まれていれば御自由にして頂きたいと。
参加希望をして頂ける際には、ｐｆの方は一先ず必要ありませんのでロルテのみ提出を御願い申し上げます。

❁︎　提供　❁︎　女学生

容姿等々は御相手様が決まり次第、萌萎をお聞きして決めていきたいと思っております。当方のロルについては下記をご参照下さい。長さについてはムラがありますが基本は御相手様に合わせます故、百字さえ越えていれば何字でも。



❁︎　ロルテ　❁︎

ーーお父様の、長崎のお土産なのよ。

（ 陽が傾き夕から宵へと町中が姿を変え始めた頃。特にすることもなかった為に何となく目に入った父の土産の品であるビードロを、ただ室内で吹くのでは味気なかろうと窓から少しばかり顔を出し鳴らしていた。母か父か、それとも使用人か、兎に角誰に見つかったのであろうとはしたないと叱られるのだろう、否もしかしたらもう諦めてしまっているかも知れない。そんなぼんやりとした思考の途中で投げられた声に肩を揺らし瞬きを数回繰り返す、声の正体を探し視線を落とすと一人の少年が視界に移り、小さく口元に弧を描かせ答えを返しもう一度ビードロの音を響かせて。嗚呼之の名称を伝えれば良かった、之が誰から贈られたかなど彼の問には関係ないのだから。改めて伝えようと窓からほんの少し身を乗り出してみるも、もう姿も、伸びる影すら見当たらない。息を一つ吐き出して大人しく身を戻せば窓枠に肘をつき頬杖、僅かな時間僅かな会話の邂逅に思いを巡らせ ）

……帰ってしまわれたのかしら、残念ね。

（/ ここまでの閲覧、ありがとうございます。和洋折衷、ハイカラな時代。自由恋愛等認められない大正を背景に、ゆっくり、そしてひっそりと恋心を育んでいくようなそんな雰囲気でやっていければ幸いです…！
御質問、御要望等も受け付けておりますので是非お気軽に御声掛け願います。それでは良縁に恵まれますことを願い、お待ちしております* ）

(/情緒あふれる世界観に惹かれ希望させて頂きます。口下手な書生をイメージしていたため、会話文を入れ損ねてしまいましたが、会話文を含んだものが宜しければ出しなおしますので選考の一つに入れて頂ければと思います。)

(時計が時間を刻む仕事に暇を望み働く事を拒否したのは今朝の事、時の止まった部屋では陽の動きだけが時間を知らせる唯一であり町一面に茜の絵の具を散かしてしまったような景色を窓越しに眺めては既に走る所か一つも二つも動いていないペンを古びた机に転がして。日がな一日書き連ねた文章も、数日寝かせて取り出せば今度は今の気持ちと一転し恥を連ねた文面に早変わりする事でしょう。私は未だ自身の連ねる文章に対して愛こそあれど自信が無いのです。ぼんやり空に浮かび上がる霧に塗れたる感情を少しでも拭えれば、そう思いながら日が沈みゆき家路につく誰彼に逆らって町中へ出向いたのです。響いた珍妙な、それでいて心に沁みる聞いたことも無いのに懐かしさを与える不思議な音色に導かれ、貴方の元へやって来たのは偶然なのか必然なのか私にはどちらとも言うことが出来なかったのです。ただ、お父様から頂いたと話す声色がびいどろに負けず劣らず、優しくて暖かい、そんな音色だったものですから。折角話してかけてくれたのに、えぇ、私は失礼にもその場を後にしてしまったのです。)

（/ 参加希望、素敵なロルをありがとうございます！会話文は無くとも問題ありません、お気遣いありがとうございます。
是非とも御相手を御願いしたく存じます。早速ではありますがｐｆ作成にあたり萌萎をお聞きしても宜しいでしょうか？また大雑把な性格として、大人しいように見えて少々お転婆なような面を入れたいなと考えているのですが如何でしょう、嫌だという場合は遠慮なく仰って頂ければ。 ）

(/そのように言って頂けてとても嬉しく思います。少しでもびゐどろの彼女に釣り合えるよう頑張らさせて頂きます！萌萎えはすでに提出されております絡み文に含まれておりますびゐどろの彼女のイメージのままで十分過ぎるほど私の萌になっておりますので、ＰＬ様の扱いやすいように制作して頂ければと思います。此方の書生に関して何か萌萎がありましたらお伺いしたく、大雑把には口下手で書面であれば素直なままに気持ちが伝えられる不器用な、自分に対して卑屈なほど自信が無くて、反対に明るく優しげなびゐどろの彼女に憧憬から恋慕を抱くびゐどろの彼女より少し年上でイメージをしておりました。此処をこうして欲しい、此処はこういうイメージで、と言うのがありましたら教えて頂けると助かります！)

（/ それならば良かったです、それでは一先ず思うままにｐｆ作成させて頂きますので、提出後何かございましたらその際に遠慮なく御指摘下さい。此方の御願いも特に、というより提示して頂きました性格がどんぴしゃでして、是非そのままお好きにキャラメイクして頂きたく存じます…！ ）

名前　雨屋　葉蔵(あまや　ようぞう)
性別　男
年齢　19
性格　薄っぺらい表面だけを、上澄みばかり救い上げるなら飄々と掴み所薄く一定の距離感を保つ、口下手で生きる事が下手糞の不器用ながらも懸命に善処する好青年。その裏では自信欠如、ぽかりと穴空く自尊心。思考回路に茨が撒きつく様に屈折とした卑屈染みた面倒臭い性分。人間嫌いや対面恐怖症等、大それた物は患っていないが小心者を拗らせる人見知り。自信欠如の為、自己防衛の働きで必要以上と心の距離を詰められない臆病者。一見、表には出さないが物書きになりたいと思う時点で奇特の人間であり。ブー…ンと響く時計の音すら癪に触ると言う度の過ぎた神経質。時に自己の世界に籠りがちであり、薬物の様なインクの匂いばかりに依存してしまう。原因無くとも虚勢が崩れてしまえば焦り、恐れ、その類に滅法と弱く動悸が激しくなり考え事ばかりグルリグルリと脳髄を這い夜を眠る事すら出来なくなってしまう。終わりの見えない思考の糸に雁字搦め、大きな隈を拵えた所で緊張感が緩む訳でも無く原因不明且つ逃げ場のない息苦しい夜を繰り返している。自己の世界から出てさえ来れば、仮初の虚勢に身を包み、人に嫌われない自分を演じる道化に成りすます事が出来る。前述にて不器用と記述したが、自分で気付かないほどの深層心理にて人に嫌われない自分に憧れ作り出した二重人格にすら近い雨屋葉蔵になれる。

容姿　普段は胸を張り威風堂々と歩くことが少なく、気の弱さが翳めるように少しだけ前のめりの猫背姿勢。必要以上に誰彼との交流を取ってしまわない様に、視線は少し先の地面を見ている事が多い。背丈はこの時分、高身長に入るだろう170cm代の後半に掛かる程。が、日がな一日と紙に向き合うせいか食事を忘れる事も多く申し訳程度の肉付き体型。左目の目尻の元に小さい黒子が有り、被さるように下睫毛が長い。気が弱いと言うのか、人受けが良いと言うのか、少し垂れた目つきは威圧感を欠片と感じさせず春風のように爽やかな雰囲気を纏う。とは言え、食事の回数や図らずとも不眠症の気が有れば肌の色は少し青白く目の下に色強い隈が消えずに残る。瞳の色も髪の色も墨色で、鈍色の光を目元に宿す。眉は何時だって困った風に下がった形をしており、口元には物事を濁すような曖昧でやんわりとした笑みを浮かべている。姿恰好だけは正常に、格好付けるようにと清潔感のある印象を持つ。頭の丸みに沿うように後ろを刈り上げた短髪で、前髪は目元に少しだけ掛かる程。市松模様の描かれたシャツを着たその上に紫色の着物を羽織り、黒色から青紫に代わる色合いの羽織を肩に掛ける。首には薄緑色の薄手のストールを巻いて、黒色の手袋を両手に嵌める。帯には幾つかの飾り紐を付けて、袴は黒と白の細いストライプ柄がプリントされている。外へ出向く際にはお気に入りの黒い山高帽を被る。真丸の丸眼鏡をいつだって着用している。

備考　日中は学府に通い尊敬し崇拝すらする憧れの先生の元、自身が一端の小説家として生きていけるように毎夜勉学に励む毎日を繰り返す。先生は優しく、時に厳しく、自分にとって物書きとしても人間性としても先生が全てであり失礼ごとをの給うのならば先生を超える等とは云わないので、せめて先生が自分の事を恥と思わないそんな物書きになりたいと日々を過ごす。ある日、偶然。聞き馴染の無いその音に惹かれて普段ならばきっと見過ごしてしまう些細な切欠に導かれ、びゐどろの彼女と出会う。今は学府からの帰り道、ほんの少しだけでもびゐどろの彼女と談笑をする事が自覚の無い憩いの時間。何か誇れる物、そんな物を持ち合わせていないしがない書生である自分が、気品が有り教養も持ち合わせるびゐどろの彼女と過ごす時間を楽しみにしているなんて、思う事すら罪なのです。喉に針でも刺さっているかのように頭に単語が浮かべどそれを言葉として発生し会話を続けると言う事が不得意である。伝えたいことは沢山と有るが、その十分の一程しか他者に伝えることが出来ない。そんな自分の感情表現が文章だけであり、文章でしか自分を表現する事が出来ないと自覚をしている。目は悪くないが少しでも距離を保つための物として眼鏡を付けている。名前で人の事を呼ぶことが出来ず、いつだってそれとなく呼ぶことを濁したりして過ごすが、彼女の事はびゐどろの彼女、びゐどろの人、びゐどろの貴女、と出会いの切欠であるびゐどろを絡めて呼ぶ。

(/一先ず簡易にでは有りますがプロフィールを提示させて頂きます。好みでない等、訂正箇所が有ればすぐに対応したく思いますのでお手隙の際に見て頂ければと思います…!)

名前 ❁︎ 夏目 佳乃（ なつめ よしの ）
性別 ❁ 女
年齢 ❁︎ 16

性格 ❁︎ 良妻賢母を求められるこのご時世では珍しい、というよりは最早風変わりと言えるような好奇心と行動力がある少女。自分のお家柄は分かっているが自分の人生をお家の為だけには使いたくない、好きなことをして好きに恋だってしたいと考える。女子らしからぬ素行に両親から果てには使用人にまでほとほと呆れ返られているが、良く言えば芯が通っている、悪く言えば頑固な娘である為に諦めかけられている部分もある程。しかし根は真面目な故にきちんと授業は受けているし、成績は至って良好。明るく気性は穏やか、人付き合いも得意な部類に入りコミュニケーション能力はそれなり。

容姿 ❁︎ 手入れの行き届いた艶やかな黒髪はただ下ろした状態だと胸下程までの長さ、前髪は目に掛からない程度に切り揃えられ、基本的にはお下げ髪だが気分によっては束髪崩しにしたり。またどのような髪型であっても髪留めには和柄リボンを愛用する傾向にある。身長150cm後半代、女性らしい凹凸は控えめながらも一応はある。痩せ過ぎず太り過ぎず、至って平均的な体躯。黒髪が生える白い肌は生まれつきのもの、口は小さめで薄らと紅を塗っており緩く弧を描いていることが多い。瞳は至って普通な焦げ茶色で、常にぱちりと開かれている。お洒落をしたいお年頃、服装にも気を使い矢絣柄の小紋に小豆色の女袴、足元は編み上げブーツという格好が今のお気に入り。

備考 ❁︎ それなりに名のある家の生まれ。ひょんなことから始まった交流は楽しんでおり、今まで見合いだ何だを除けばあまりなかった異性との談笑の、同性との談笑とはまた違う楽しさに心を弾ませている。その彼が口下手であることは一切気にしておらずちっとも厭うことはなく、少ないながらも己の為紡がれる言葉を楽しみにしている。彼が文章を書くのだと知り、己には到底出来ない事だと素直に尊敬しいつかは書き上げられた作品を読んでみたいという夢を持っている。実年齢が上なのだから当然といえば当然なのだが、それだけではない早熟さがある彼に憧れているのか近付きたいのか、理由ははっきりとしないがついつい背伸びをしてしまう。きちりとした口調ではなく気軽さを持った崩れた口調ではあるものの、呼び方は雨屋さま、あなたさま等。


（/ ｐｆありがとうございます。好みではないどころか非の打ち所が見当たらない、想像以上のとても素敵な書生さんで絡めることが今から大変嬉しく、また楽しみです…！こちらこそ簡易的且つ拙いものにはなってしまいましたが、ｐｆ完成致しましたので提示させて頂きます。どんな些細なことでも構いません故に、お目通し頂いて何か気になる点がございましたら御指摘下さい…！ ）

(/訂正箇所無かったようで安心致しました。そして茜空とびゐどろの良く似合う凛とし茶目っ気が滲む嫋やかなるお嬢さんに雨屋共々惚れ惚れとしております！勿論このままの夏目さんにお相手をして頂きたく思います。関係性などはどの辺りから始めましょうか、勝手なイメージで幾度も顔合わせをしており見掛ければ嬉しい、会えなければもの悲しいとびゐどろの彼女の存在が大きくなり始めている位のもので考えておりました。もし、こんな始まりを、と考えている道筋が有れば教えて頂けると嬉しいです！)

（/ お褒め頂き恐悦至極に存じます。気に入って頂けたようで何よりです！改めまして娘共々宜しく御願い致します。特にここから、という希望は無かったので是非そのような流れで進めさせて頂ければと。寧ろ娘としましても既に顔を何度も合わせている状態であるならば、色々と行動も起こしやすそうだなぁなんて考えています…！初回文は如何致しましょうか？勿論此方から出すことも可能故に遠慮なく。 ）

(/此方こそ拙い文章では御座いますがどうぞ宜しくお願い致します。それでは当方先出の文が苦手の為、お言葉に甘えさせて頂いても宜しいでしょうか><お手数お掛けしてしまいますが先出のほどお願い致します。)

(/主様が戻られないようなので、こちらの息子のプロフを引き取らせて頂きたく思います。)