主 2016-09-15 20:50:39 |
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私が別れを告げたあの日、彼は奥さんと正式に
離婚をしていたと言うこと。
なら…ならなんで…!
『なんで言わなかったのよ…!』
『お前が泣いてたからさ…俺はお前を苦しめていた自覚はあったんだが…ああ言われると俺といない方が幸せになれるんじゃないかと思ったんだ…』
またあの泣きそうな笑みを彼は浮かべた。
私は胸がぎゅっと掴まれたように苦しくなった…。
彼はその後仕事もうまくいかなくなり家賃を払えなくなり家も追い出された。
身内もおらず友人にも
迷惑をかけたくなくて
ホームレスになったのだと言う。
私は涙が止まらずポロポロと溢れ出した。
『…あー…また泣かせちまったなぁ…ごめんな…』
『…なんで、謝るの…
貴方は何も悪くないのに…貴方の話も聞かずに…子供だった私はただ貴方に当たってしまった…
勝手に勘違いして離れてしまった…貴方は何も悪くない…私が全部悪いわ…貴方の何もかも奪ってしまった…本当にごめんなさ…』
『お前は確かに子供だった…。でもお前の願いを叶えるのが遅くなり過ぎちまったのは俺が悪い…。それにお前は何も悪くねえだろうが。俺が仕事切られたのも家無くなったのも全部俺のせい。
お前は悪くねえよ』
ニカッと笑う彼もあの頃と何も変わっていない。
『…私、決めたわ。貴方がどんな形でも社会復帰するまで私が面倒見ます』
『へ…?』
『私、有り難い事に仕事が順調で安定したお給料も貰えてるし貯金もしてるし貴方一人くらい養えます』
『…いやいやいや。そこまで面倒かけられねえよ。つか別れてるし好きでもねえ奴にそこまでするのはマジでやめとけ』
『……好きでもない人にここまでするほど、私はお人好しじゃないわよ…』
じとりとした目で見ながら私がそう告げると
彼は目を見開きフリーズした。
その後、覚醒した彼を半ば強引に自分の家へと
私は連れて行ったのだった。
そして6年越しにまた彼との生活が始まった__
>2 規約
※合図があるまで発言
禁止。
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