2016-09-12 00:50:49 |
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( 酷く陰鬱な面持ちで正面に腰掛ける彼と対照的に、本堂から高らかに響く賛美歌が鼓膜を揺らし。脳裏に染み付いて終う程に聞き飽きた其れには大して興味を惹かれず、視線は変わらず正面の神父を捉えており。眉を寄せ、怒りとも哀しみとも取れる表情を器用に浮かべる彼を普段ならば揶揄ってやるのだが、今回ばかりは事の当事者故に軽率な行動は取れず。とは言えど、神父は先刻から一言も発さずに唯此方に双眸を向ける。何とも云えない居心地の悪さに視線を逸らし。此処は教会__、神へ祈りを捧ぐ本堂から少しばかり離れたこじんまりとした部屋。尚且つ神父の作業部屋と化している為、彼の所持する聖書や書物の数々が視界の隅に映る。嗚呼、早く終わって仕舞えば良いのに。時計はこんな時に限りゆったりと時を刻み続け。 )
( 夢の海に漂っていた意識が不意に海面から顔を覗かせ、ぱちりと瞳を開けて数秒。揺蕩う意識に片足を突っ込み乍ら、半目の瞳でぼんやりと認識した人影は何松だろうかと思考を巡らす。然し、寝起きで起動に時間を要するぽんこつな頭では解答に辿り着く事が不可能であり。諦めるという選択肢も在る筈が、興味のスパイスを加え乍ら脳内で導き出した答えは " 確かめる " で。横で健やかな寝息を立てる兄妹を起こさない様に、そっと布団を抜け出せば一階へ続く階段を足音を殺し歩む。居間から洩れる暖かな光に何処か安心感を得れば、入り口の把手を引き。 )
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■ Babette( バベッタ )
2年A組 寮:202号室(2階) 収監理由:『売春罪』 染めすぎて傷んだ金髪に緑と金のオッドアイをした囚人学生。惚れっぽい性格で、左手に包帯を巻いている。また、左足が悪い。寮の隣室に義理の姉妹がいる。
■ Chantal( シャンタル )
3年B組 寮:103号室(1階) 収監理由:『放火罪』 白髪に橙色の眼をした囚人学生。控えめな性格で、服装が派手。また、夢遊病。寮の隣室に邪魔な人物がいる
■ Emma( エマ )
2年C組 寮:201号室(2階) 収監理由:『銃刀所持罪』 青いメッシュの入った銀髪に青色の眼をした囚人学生。正直な性格で、キス魔。また、忘れっぽい。教員の中に苦手な人物がいる。
■ Josée( ジョゼ )
1年B組 寮:402号室(4階) 収監理由:『賭博罪』 赤と黒のツートンカラーの髪に金色の眼をした囚人学生。博愛主義者で、右腕の刺青が特徴。また、同年代が苦手。寮の隣室に憧れの人物がいる
■ Lydie( リディ )
2年B組 寮:303号室(3階) 収監理由:『傷害罪』 灰髪に黒色の眼をした囚人学生。控えめな性格で、背が高い。また、よく保健室にいる。3年A組に苦手な人物がいる
■ Monique( モニク )
3年C組 寮:403号室(4階) 収監理由:『詐欺罪』 青いメッシュの入った黒髪に赤色の眼をした囚人学生。計画的な性格で、閉所恐怖症。また、頬の傷が特徴。1年A組に憎い人物がいる。
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■ Théophile( テオフィル )
3年A組 寮:203号室(2階) 収監理由:『国家転覆陰謀罪』 黒髪に金色の眼をした囚人学生。利己的な性格で、大食い。また、松葉杖をついている。1年A組に鬱陶しく思っている人物がいる。
■ Roger( ロジェ )
1年A組 寮:402号室(4階) 収監理由:『強盗罪』 赤と金のツートンカラーの髪に銀色の眼をした囚人学生。派手好きな性格で、背が低いことを気にしている。また、口癖は「死にたい」。寮の隣室に狙っている人物がいる。
■ Olivier( オリヴィエ )
2年A組 寮:202号室(2階) 収監理由:『誘拐罪』 赤いメッシュの入った白髪に黒と青のオッドアイをした囚人学生。正直な性格で、面倒事が嫌い。また、演技が下手。3年C組に恐れている人物がいる
■ Gautier( ゴーチエ )
3年C組 寮:301号室(3階) 収監理由:『毒物所持罪』 染めすぎて傷んだ茶髪に紫色の眼をした囚人学生。積極的な性格で、ナルシスト。また、数字に弱い。3年B組に相棒がいる
■ Edgard( エドガール )
2年C組 寮:303号室(3階) 収監理由:『殺人未遂罪』 赤いメッシュの入った黒髪に黒と緑のオッドアイをした囚人学生。狂気的な性格で、厨二病を患っている。また、解剖実験が好き。3年C組に共犯者がいる。
■ Aimé( エメ )
3年B組 寮:303号室(3階) 収監理由:『堕胎罪』 金髪に茶色の眼をした囚人学生。非人道的な性格で、殺人衝動がある。また、極度のブラコン。2年C組に兄妹がいる。
( ___綺麗だ。軽薄な感情を抱き、頭を擡げる羨望の念がじわり心を侵食していく。其の感情に飲まれない様に奥歯を噛み締め数秒、未だ視線は逸らせずにいて。ぽろぽろ止まる事を知らずに頰を伝う滴に触れてみたいと感じいれば、そっと指先で彼の頰を拭い。 )
____じんぐるべーる、じんぐるべーる…ふふふーんふふーん…
( 季節は神無月、今日とて絶好調な鼻歌で綴った歌の季節には未だ気が早く。然れど敢えての選曲は"この曲が好きだから"と云う簡素も過ぎる理由からで、補足すれば文句は誰方からも当面受け付けない見積もりである。照明が切れた事で薄暗い廊下の荒んだ混凝土の床を真っ赤なスニーカーで音を立て歩み乍ら、右手に持った同色のバールを弄ぶ様は完全なる不審者。どれ程和やかな歌を以ってしても其の現実は免れない事であり。然し咎める人間等廃墟と化した此処には誰一人居ない。破れた窓硝子から吹き荒ぶ風の冷たさに身震いをし乍らも視線は一点を凝視。数秒開けて口角が緩慢な動作で上に向けば、小豆色した扉に足を向けて。 )
!__な、なに…
( __"ドッ!"出し抜けに音を上げたのは自身の心臓では非ず、内側と外側を隔てる一枚の扉で。勝手口と云う間違い様が無い方向からの蹴り上げる音に、瞬間肝っ玉を鷲掴みにされた様な感覚が迫り思わず唇の隙間から、「ひっ」と情けの無い言葉とも付かぬ音が漏れ出し。二度目の扉を蹴る音に耳を塞ごうと試みるが、右手とベッドの足を繋ぐ手錠が邪魔をしてガシャリと音を立てるだけで終い。苦い思いが胸一杯に広がり唇を噛み締めた次の瞬間扉を蹴っ飛ばす音は鳴り止んで。応答の無い事に諦めたのか、ホッと安堵の息を吐き出し再び視線を足元にやり。何も無い薄汚れた床に面白味等微塵も感じないが、時間の潰し方の判らない自身にとっては一種の退屈凌ぎなのだ。伏目がちの瞳に映るは自身の脚と煤っぽく成った白い床。再び静穏が回帰したと、思っ____"ギギギ"。何かで金属をこじ開ける音が耳に届き、心拍数が異様に上昇する。上記の言葉が無意識の内に口端から漏れ溢れるが、其方に意識を持って行かれる程余裕は無い。誰かが自身の静穏の巣をこじ開け侵入して来ようとしている。其の事実だけで頭が混乱して吐き気さえ催す程の緊張感が四肢を駆け巡り、段々と呼吸が浅く成り。小刻みに吸う酸素を如何にか肺に届け様と頻度も高くなり、いつの間にやら軽い過呼吸症状を引き起こし。"ズドン"。重量感の有る金属が倒れる音。更に過呼吸を悪化させ、重力に身を任せグラリと倒れる身体は硬い床に着地して。其れと同時に息苦しさから生理的な涙が膜を作りぼやける視界の中、扉破壊の犯人が姿を現し。 )
( バールで力任せに抉じ開けた小豆色の扉は無残に歪み、素人目でも最早修理不可だと云う事を認識して。眼の前を隔てていた扉を破壊した事により、広まった視界で第一に人影を捉えるが早くズカズカと土足の侭に入室して。埃舞う中、薄汚れた床に寝そべる様にして荒く浅い呼吸を繰り返す人物こそ、今回の目的の人物。感じた事を心中に留めず、其の儘舌に乗せる悪癖は上司に幾度と無く注意を受けたが、今回ばかりは許して貰っても良いだろう。 )
なァに?ビビってんの?だっせえな、お前
( 嘲る訳でも無く只の純真な暴言に眼を丸くしては、皮切りに段々と込み上げる怒り疑問その他諸々に感情を支配されて行き。お前は何者なんだ。先ず、如何してこんな所に。問いたい気持ちは速れども如何せん息苦しく、言葉が吐き出せず。 )
( 睨みを効かせる双眸では無く、金魚の如くパクパクと空気ばかりを吐き出す口に視線を落とし数十秒、矢張り呼吸が辛そうな事を確認し彼の上半身を起こしてやり。其の儘流れる様な動作で彼の唇を塞ぎ、必死の抵抗を示す事すら然も気にしない様に接吻する事30秒足らず。舌に走る鈍い痛みに眉を顰め乍ら唇を離せば、困惑と憤怒が入り混じった不可思議な表情の相手が居り。其の阿呆面に耐え切れず吹き出して仕舞えば、さらなる抗議の視線を頂戴して。 )
( 現状を把握出来ない陳腐な脳内に絶句するが、大方は事象を掻き乱す眼前の主犯の所為である事は免れない事実であり。苛立ちの矛先が彼に向けば、糾弾せよとばかりに口を開き。 )
__いきなり、…何考えてるんですか。って云うか貴方は誰ですか?何故此処に居るんですか?
部屋の電気を消そうとした瞬間、急にじっと見つめられてからほっぺにキスをされ、小さな声で「ずっと隣にいるから」と言われて、自分は本当に愛されていたのだと知り泣くカラおそ
( 曇天を背景に佇む本丸の醸す異様な雰囲気にどくり心臓が厭な音を立てれば、一歩踏み出す事を躊躇う脚が早く向かわねばと急ぐ心中と相反し言う事を聞かず。本能的に危険な場所であると理解した暁には就任を拒絶出来る__と云う訳でも無く、人員不足な審神者業を投げ出す何て以ての外であり。「はあ、気鬱だわぁ…」ぽつり呟いた声音が疲労感が入り混じり空気に溶けて行けば、切り替える方に両頬を張って。ぱしり、乾いた音が響き聴覚的にも目が醒める様な刺激が訪れ、現実逃避し掛けた自身を引っ張り起こす。そうして顔を上げれば緑青の双眸で眼前の扉を睨み付ければ一歩踏み出し。 )
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